日本を代表する高名な歌人のひとり、永田和宏さんが綴った実在の手記をもとに、不器用な男性と一途に人を愛した女性の青春を描くラブストーリー。
最愛の妻が亡くなったあと、若いころに綴られた日記が押し入れから見つかった。 そこには二人の男性の間で揺れ動く切ない恋心が、数々の短歌とともに瑞々しい筆致で綴られていた。夫は日記を頼りに、青春の日々を追想する心の旅に出る ―
。
【あらすじ】 細胞生物学の権威で、宮中歌会始の選者を努める歌人・永田和宏さん( 75
)は、妻であり同じく高名な歌人の河野裕子さんを 12
年前、ガンの闘病の末に亡くした(享年 64
)。
「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」 河野裕子
教科書にも掲載されてきたこの有名な歌は、若き日、煮え切らない態度の自分に対して河野さんが奮起を促した歌だと永田さん自身は解釈してきた。
ところが河野さんの死後、実家の押し入れから、彼女が結婚前に綴っていた大量の日記が発見される。その記述によって、実は「ガサッと」の歌が生まれた時期、河野さんは2人の男性との恋心で苦しい葛藤の日々を送っていたことが明らかになっていく。
「訊くことはつひになかつたほんたうに俺でよかつたのか訊けなかつたのだ」 永田和宏
ドラマは、永田さんが綴った手記をもとに、出会いから結婚までの2人の青春の日々を描く。 永田和宏さんを柄本佑さんが、河野裕子さんを藤野涼子さんが演じる。柄本さんが青年期と老年期の永田さんを、一人二役で演じるのも見どころの一つ。
【出演】柄本佑 藤野涼子 ほか
【原作】永田和宏「あの胸が岬のように遠かった ―
河野裕子との青春 ―
」
【脚本・演出】 石澤義典(テレコムスタッフ)
【脚本・プロデューサー】 伊藤純
【制作統括】 東野真( NHK
)柴田周平( NHK
エンタープライズ)大伴直子(テレコムスタッフ)
· 1971 年 京都大学理学部卒業、 森永乳業 入社、中央研究所研究員として勤務
· 1975 年 第一歌集『メビウスの地平』刊行
· 1976 年 森永乳業退社、京都大学結核胸部疾患研究所(現: 医生物学研究所 )研修員
· 1979 年 京都大学結核胸部疾患研究所 講師 、京大 理学博士 。
· 1984 年 アメリカ国立がん研究所 客員助教授 ( 1986 年まで)
· 1986 年 帰国。京都大学結核胸部疾患研究所教授(細胞化学研究部門)
· 1988 年 京都大学胸部疾患研究所教授(細胞調節学研究部門 細胞生物学分野)
· 1998 年 京都大学再生医科学研究所 教授(生体機能学研究部門 細胞機能調節学分野)
· 2008 年 秋田大学 工学資源学部生命化学科客員教授(基礎生命化学講座 分子生物学分野)
· 2010 年 京大を定年前に退任、 名誉教授 、 京都産業大学 総合生命科学部教授・学部長
· 2015 年 「塔」主宰を引退。後継は 吉川宏志
· 2016 年 京都産業大学 タンパク質動態研究所・所長
· 2020 年 JT 生命誌研究館 館長、京都産業大学名誉教授
私自身のことが思いだされて、ひとりで見てよかったと思った番組でした。
コロナが終息して、今年は2つほど大学関係の集まりのお誘いが来ています。
ふたつは無理にしても、ひとつくらいは顔を出したいと思っています。
参考:河野裕子代表歌
· たとへば君ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか(『森のやうに獣のやうに』)
· ブラウスの中まで明るき初夏の日にけぶれるごときわが乳房あり(『森のやうに獣のやうに』)
· あるだけの静脈透けてゆくやうな夕べ生きいきと鼓動ふたつしてゐる(『ひるがほ』)
· たつぷりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言へり(『桜森』)
· 君を打ち子を打ち灼けるごとき掌よざんざんばらんと髪とき眠る(『桜森』)
· しらかみに大き楕円を描きし子は楕円に入りてひとり遊びす(『桜森』)
· 手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が(『蟬声』、辞世)
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