直子の直筆

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2006年04月17日
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カテゴリ: 胆道閉鎖の三女
夫の痛みのピークは、3日目に来た。

ドクターが

「どんな感じの痛みですか?」

と聞くと、夫はあえぐような声で

「身の、置き所が、ないです・・・」

と言ったきり、仰向けのまま顔をしかめている。

検討の結果、通常の鎮痛剤に加え、モルヒネを使ってもらうことにした。

しかし、これが思うほど効かず、夫は眠れぬまま3日目の夜を迎えた。


翌日の午後くらいから、ようやく会話ができるようになった夫が、最初に三女の面会に行ったのはそれから2日後だった。



小児病棟内のICUに入ると、ドクターや看護師さんから

「お父さんお疲れ様でした。大丈夫ですか?」

と声がかかる。

夫は、歩いたためにぶり返した痛みに耐えながらも、笑顔で応対していた。

三女は、持続的に鎮静剤を投与されていたため、一見スヤスヤと気持ち良さそうに眠っている感じだったが、顔色は黄疸があらわれていた。

15分という規定の面会を終えたあと、ドクターが三女の現状を説明してくれた。

万全ではない肝臓を移植したという事実と、まだ楽観できない状況であるということ。

それを聞いた夫が、

「おそらく今の段階では、移植する前と現在の状況では、どちらが良かったかはわからないと思いますが・・・」

と言いかけたとき、ドクターが驚いた顔をして

「移植した肝臓のほうが、全然いいに決まってますよ!!


その言葉が終わるか終わらないかという時、夫は人目をはばからず泣き出した。

自分の不摂生が、三女を苦しめたのではないかという自責の念に、痛みと闘いながら苦しんでいたのだろう。

”移植したほうが良かった”という言葉で、ようやく夫の肩の荷がおりたに違いない。



唖然としているドクターに、

「きっと、安心したんだと思います・・・」









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最終更新日  2006年04月17日 20時12分26秒
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