
ソ連の共産主義は、今やその主義の科学性のみならず宗教性を失い、ただいたずらに各国の統一破壊のスローガンとなって、半開国民を扇動する具に供せられるに至った事は哀れである。
p.143 昭和12(1937)年「近々抄」『近きより』第1巻第8号<十一・十二月号>
私は堺枯川の人柄は好きであったが、その講演の直後に私は同氏に、
『先生の主張される唯物論を以て、先生の殉教者的の行為を説明することができますか。
先生がもし、純粋の唯物論者ならば、何を苦しんで、その苦難の路を選ばれるのですか。
先生は、日本で危険視されるのその主義を隠して、英文学者なり、売文業なりにいそしんだ方が、生活が安定し、物質に恵まれはしませんか。
先生の運動は、むしろ精神に生きる唯心的のものではありませんか、それとも物質欲のためにやるのですか』
と問うた時、枯川氏は、あっけにとられ、黙して答えず、そのうちに誰かが、私のことを「スパイだ」と呼んだら、皆が「引きずり出せ引きずり出せ」と騒ぎ始めた。
p.156 昭和12(1937)年「第七回コム・インターン大会決議 [1] 」『近きより』第1巻第8号<十一・十二月号>
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