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≪銀行強盗犯と人質が、いつしか仲間になって世間をあざ笑う≫キャストが豪華ですねェ。これだけ豪華キャストならきっと話題になったのでしょうね。監督は『踊る大走査線 THE MOVIE』の監督だし。でもこの映画のこと全然知りませんでした。今回キャストに惹かれて観たのでした。同じ孤児院で育った金城武、安藤政信、池内博之の三人組は、幼い頃から夢見ていた南国のパラダイスを探す資金を得る為に銀行強盗を計画。閉店間際の銀行に押し入るが、支店長と警備員が金庫の中に閉じ込められ翌朝まで開かないという失敗に。ロビーに残っていた数人の客と行員を人質に立てこもる事になる。そのうちに安藤政信が好きなアニメのキャラクターにそこにいる人たちをかぶせ、自分達は"スペーストラベラーズ”という一味だと言って警察を紛らわせるが…お笑い集団「ジョビジョバ」というグループの舞台劇を基に作られているそうだが、なるほど、舞台劇の雰囲気そのままの台詞が随所にみられる。結婚を真近に控えた行員、しかしその相手は自分の事は救ってくれずこの結婚は間違いだと気付く。離婚しようとしている夫婦。テロリスト、真面目な行員と電気屋のおじさんの会話。どれもが「クスッ」とする笑いで包まれています。私は爆笑系コメディは大好きですが、この「クスッ」というコント系、ナンセンスギャグも大好きなので、大いに楽しめました。。又、アニメのキャラクターにそれぞれ合った犯人と人質達、これは映画の冒頭をよく観ておくとその後の展開に納得できます。どのキャラクターもなんだかおかしいんです。特に甲本さんが良いですわ。この人が出てくるとニンマリしてしまいました。電器屋のおじさんのタケちゃんは、もろ雰囲気出てるし。筧利夫と鈴木砂羽の夫婦の会話。特に鈴木の派手さと自信に満ちたしゃべりっぷりがいいです。渡辺謙が出てますよ。眼光鋭いテロリスト。こんな作品にも出るんだ、謙さん。ダウンタウンの浜ちゃんが出てきてびっくりでしたが、ここでの浜ちゃんはとってもナンパなダメ男でしたわ。金城武が出てるんで観た理由もそこが大きかったのですが、リーダーの彼は最後の決断を下すところでは大きな役なんですけど、それまではそんなに目立ちませんでした。どちらかというと安藤政信の方が目立ってる。それと極めて台詞の少ない池内博之がとても印象に残ってますし。でも、謙さんが出て行く件での決断の場面とかはさすがにリーダーですが、とにかくこの話登場人物は多いは、みんな個性があるわで、その中で特出するというのは難しいですね。深津絵里は、6年前こんな感じでしたか。ショートだと幼いですけど、すごくキュート。台詞とか一字一句完璧だったそうです。面白おかしく話は進んでいきます。人質と犯人との妙な連帯感というのは『狼たちの午後』を意識したんでしょうか。何となく似通った部分もありました。ただ、あのラストって私的にはちょっと違和感が。あそこまであんなにコメディで仕上げといて、最後は何だったんだろう?警察の突入でああいう結果にならざるを得なかったのかもしれないけど、コメディのまま終わって欲しかったような気もします。ラストが何ととらえていいのかちょっと複雑でした。でも、あれだけの多人数の個性ある役者さんたちを動かす脚本、演出って難しいでしょうね。2000年監督:本広克行原作:児島雄一脚色:岡田恵和キャラクターデザイン:麦戸満アニメーション監修:宇井孝司出演:金城武、安藤政信、池内博之、深津絵里、渡辺謙、筧利夫、鈴木砂羽、甲本雅裕、武野功雄、浜田雅功、大杉漣、ガッツ石松、中山仁、小木茂光
2006.01.31
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≪まさか、あんなラストが待っていようとは…≫イタリアの有名な文学賞に輝いた、マツゼッティの自伝的小説を映画化した作品です。1943年トスカーナ。交通事故で両親を失ったペニーとベビーの姉妹は、父親の姉カッツェンの元へ引き取られる事になった。カッツェンの夫は芸術を愛する知識人で、トスカーナ地方の名士、ユダヤ系のアインシュタイン氏。自然に囲まれた田舎で、地元の子供たちや屋敷のメイド達とのびのびと暮らす幼い姉妹。しかしドイツ軍のイタリア侵入はアインシュタイン家にも暗い影を落とし始める。両親を失って伯母の家に引き取られた幼い姉妹。最初は、いきなりやって来た従妹たちを気に入らない伯母の娘のアニーでしたが、彼女達の境遇を理解してくれたし、とにかくメイドや地元の子供たちと遊ぶ時間は楽しく、ペニーとベビーはみんなから愛されて過ごすのでした。ペニーの勘違いで自分は誰からも愛されていないと思い、自殺騒動に及ぶ事もありましたが、そのあたりも深刻ではありながら、縄跳びの縄で首をくくろうとしたあたりがちょっとおかしい。優しい伯母、そしてとても魅力的な伯父アインシュタイン氏。その伯父を救いたいが為に一生懸命な様子も実に微笑ましいのです。ここでの生活で姉妹はいろんな事を経験します。宗教について、愛について、そして戦争。美しいトスカーナの自然、そして子供たちの無邪気で思いもつかない発想や行動に苦笑し、微笑み、穏やかな気持ちで観ていましたが、次第に深まる戦争の恐怖。そんな中でも姉妹の屈託のない様子にそのまま幸せなラストを迎えるのかと思っていました。しかし、最後の15分でまさかの展開が繰り広げられる事になります。ペニー役の子がとっても可愛らしく、又子供たちの話すイタリア語というのは聴きやすく天使の言葉のようです。伯母役の、イザベラ・ロッセリーニは母親のイングリッド・バーグマンに、やはりとっても似ていますね。原題は「天が落ちてくる」。幸せだった家庭に天が落ちてきて…。当時はこんな経験をした人ばかりだったのでしょうけど、辛いですね。IL CIELO CADE / THE SKY WILL FALL2000年イタリア監督:アンドレア・フラッツィ、アントニオ・フラッツィ原作:ロレンツァ・マツゼッティ脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ出演:ヴェロニカ・ニッコライ、ラーラ・カンポリ、イザベラ・ロッセリーニ、ジェローン・クラップ
2006.01.29
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≪エドワードは天才だ!≫ やっと観ました。評判は聞いていましたが…予想以上に良かったです。エドワードは自分の人生をファンタジックな話で語り、聞く人を楽しくさせる名人。息子のウィルも子供の頃は父親の話を喜んで聞いていたが、大人になるつれいい加減に止めて欲しいと思っていた。そしてウィルの結婚式以来3年間父とは不和が続いていた。そんなある日、エドワードの病状の悪化の知らせを聞き、身重の妻と実家に帰る。病床でもホラ話を繰り返す父親を見て、ウィルは本当の父の姿を知りたいと思い始める。とっても不思議な物語なんです。エドワードが語る話は、魔女や巨人、サーカス、戦争、そしてウィルが生まれた日に釣った大きな魚の話など、まるでおとぎ話です。絵本の中のワクワクするようなおとぎ話。そしてそれを独特のカラー、映像で綴るのはティム・バートン。彼の世界観がそのおとぎ話をより一層幻想的なものにしています。エドワードの話はどこまでがウソでどこまでが本当かわかりません。なるほど、子供が聞くには楽しいかもしれませんが、大人になった息子が聞くのには、「又やってるよ」ぐらいのものかもしれません。でもウィルは徹底的に父親の話がイヤだったのです。私は幼い頃から、祖父母や両親の子供の頃や若い頃に体験した話を聞くのが好きで、よく話してくれていたし、その度に興味を持って聞いていました。それは特別に面白い話と言うわけではないのですが、自分が知らない時代の話を聞くのはとてもワクワクした気持ちになるのでした。これは今でも変わりません。ウィルに対して、そんなに父親を嫌わなくてもいいものを、と思いましたが、父と息子の間には母娘や父娘の間とは違った感情があるようですので、その独特の微妙な摩擦によるものなのでしょう。そんな中、母親サンドラ、そしてウィルの妻のふたりの妻達の包容力に感動しました。特に浴槽でのシーンには胸が詰まります。少しずつ父親の本当の姿が見えてきて、いままでのホラ話もまんざらウソではなかったとエドワードを理解出来始めた頃には父は遠い世界へ。こんな風に人生の最期を迎える事ができたら、自分の死後もああいう風にみんなに語ってもらえたらどんなにステキな事でしょう。川の場面からラストに近づくにつれ、そんな事を考えながら観ていました。不思議で、楽しくて、ちょっと切なくて、でもとっても幸せな気分に浸れた映画でした。「人生は楽しまなくちゃ損だ!」そんない気持ちになります。BIG FISH2003年監督:ティム・バートン原作:ダニエル・ウォレス脚本:ジョン・オーガスト出演:ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター、アリソン・ローマン、スティーヴ・ブシェミ
2006.01.27
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先日は又発表があって、赤いレイに代わり今回はレイナニ、それ以外は12月のフラフェスタで披露したものと同じ演目でした。今回の方がお客さんが多く、舞台も良かったので緊張するかな、と思ったら意外にリラックスして出来たようです。今回も良い評判だったみたい。その後私達の教室の発表会の反省会を兼ねた新年会を先生も交えてしたのだけど、先生が持っていらっしゃる7教室全体で私達の教室が一番上手いと先生も思っていらっしゃるし、他教室の生徒さんもそうおっしゃっていると先生から話がありました。うれしいな。それはリーダーが良いからみんなが協力的で、自主練習もちゃんと出来るからなんだろうな。衣装や小道具もなるべく手作りでお金がかからないようにやってるし、自主練と言えば「家でやろうよ」と場所を提供してくださる方もいる。そして、そんな時は持ち寄りのお菓子なんかでおやつを頂く。こういうのも大切なんですよね。
2006.01.26
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≪人生の終着駅に立つ時、今までと違った人生を歩いてみたいと思うのだろう≫この映画ルコント監督作品だったのですね。そうとは知らずに観始めて途中で気付いたのですが、とっても味のある作品でした。見るからに堅気ではなさそうな初老の男が、列車に乗ってフランスの田舎町の駅に降り立った。シーズンオフでホテルは休業中。泊まる場所を探していた男は、町の薬局に偶然居合わせた元文学の教師の屋敷に週末まで泊めてもらうことになる。実はこの男銀行強盗を計画しているのだが、それを知った元教師はその決行の日が自分の心臓の手術日と同じ日だと知り、二人の間には次第に友情が芽生えてくる。ルコント監督の作品は『仕立て屋の恋』しか観た事はありませんが、あれが何とも言えない後味の悪い印象で、決して好きではなかったのだけど妙に未だに心に残る作品だったのです。本作品を観ていく途中でルコント監督の映画だと知って、又後味悪いのか、と思って観ていたのですが、これはちょっと違いました。男はこの銀行強盗を最期に足を洗おうと思っています。そして元教師は手術の恐怖や、もしかしたら自分の命はそう長くはないかもしれない、と思っています。生い立ち、外見、性格から正反対のふたりですが、それぞれ自分の人生の終わりに近づいて、全く自分とは違うものへの憧れ、やり残したことへの後悔も強いのです。一見相容れなさそうなこのふたりの間に奇妙な友情が芽生え始め、そしてラストはおそらく人生の終着駅で今まで成し得なかった事をしているような気がしました。ラストは観る人によって感じ方はいろいろあるのかもしれません。私はちょっと悲しいけれど、でも決して後味の悪いものではなく、むしろ全く違った自分というものをあのふたりが実践しているようで清々しい気もちになりました。ふたりの会話が面白いです。特にパン屋の店員の件や、シューマンの音楽の件。シューマンとかショパンの音楽をそういう風にとらえているのか、と。そう思って今度両者の音楽を聴いてみようかな。屋敷のりっぱな家具や調度品。初めてふたりが出会い、元教師の家まで歩く朝もやの中の色合い。独特の色で、以前観た『仕立て屋の恋』が陰鬱な感じのグレーだとしたら、この作品はそれよりほんのり明るいグレーもしくは、ちょっと深めのブルーと言う感じ。タイトルも意味深で、あ~、フランス映画だなあ。L'HOMME DU TRAIN2002年フランス監督:パトリス・ルコント脚本:クロード・クロッツ出演:ジャン・ロシュフォール、ジョニー・アリディ
2006.01.25
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≪戦争…何と虚しいものなんでしょう≫スティーヴ・マックィーンのファンだと言う事は既に何度も書いていますが、この映画がきっかけだったような気がします。小学生の頃に初めて観たのですが、まるで映画で起きた事が現実のような気持ちになり、観終わって眠りにつくのに随分暇がかかった記憶があります。それくらい小学生の私にとっても衝撃的な作品でした。1920年代中国。アメリカのオンボロ砲艦サンパブロに一等機関兵ホルマンが赴任してくる。彼は機関室のリーダーの筈だが、そこには下働きの中国人たちがいて彼の思うようにはならなかった。そんな中、中国内ではあちこちで外国人排除運動が起きはじめ、サンパブロもアメリカ人宣教師救出の為内部へと乗り込む。激動の時代の中国。最初はのんびりと暇をもてあましていたサンパブロ乗組員たちも、次第に争いの中へ入り込んでいく様が描かれています。しかし派手な戦闘シーンはほとんどなく、主に乗組員達の恋愛や生い立ちなどを織り込んで、個々の人間模様を描いたヒューマンドラマです。ホルマンは一見無骨です。それ故誤解される事も多いのですが、実はピュアな一面を持つ心優しい男。それを感じ取る教師のキャンディス・バーゲンとの恋も、ホルマンの唯一の友フレンチーの中国女性との恋も国同士の争いに巻き込まれて成就できません。艦長の名誉の為の救出劇も、宣教師の中国への思いも結局は届かないで終わってしまうのです。どんなに他国の人を思い尊んでも、いざ戦争となり目の前に銃を持った者が現れれば撃たなければ自分が殺される。虚しくて、やりきれません。それから中国人ポーハンの役で日系人俳優として有名なマコさんが出ています。彼の素晴らしい演技、そしてその最期のシーンはやるせなさと憤りでいっぱいになるのです。最期のホルマンの言葉が胸を打ちます。こんな筈じゃなかったんだ、と。砲艦の乗組員の目線で見た、戦争の愚かさを描いた素晴らしい作品でした。私の心に沁みるベスト作品の一つです。THE SAND PEBBLES1966年監督:ロバート・ワイズ原作:リチャード・マッケナ脚色:ロバート・アンダーソン出演:スティーヴ・マックィーン、リチャード・アッテンボロー、キャンディス・バーゲン、リチャード・クレンナ、マラヤット・アンドリアン、マコ
2006.01.23
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≪世の政治家がデーヴみたいだったらね≫小さな人材派遣会社を経営するデーヴはミッチェル大統領に瓜二つで、大統領の物まねを得意としている。その彼が一夜限り大統領の影武者となった。しかし同じ日大統領は脳梗塞で倒れてしまい、デーヴはそのままミッチェル大統領として生活する事になる。キャプラの『スミス都へ行く』を彷彿とさせる善良な、思っていたよりずっと良い映画でした。ケヴィン・クラインっていい役者ですよね。ここでも本物の大統領にはない誠実で温厚な人柄で国民から人気を得ていきます。こういうコメディだとハチャメチャにやりすぎる傾向がありますが、やり過ぎずに抑えた部分も良かったと思います。実際にホワイトハウス(日本でもそうだが)の中ではどんな事が起こっているのかわかりません。相当な策略もあるだろうし、悪者もいる。その悪者としての大統領補佐官が実に悪が効いていて、善良なデーヴと好対照だったのも面白かったです。どの役もその役者の個性にあっていて、キャスティングも脚本も上質だと感じます。いくつか印象に残る言葉もありました。デーヴが国民に向かって言うシーン。 「私はわすれてしまってました。国民の皆さんに雇われている身だということを」こんな言葉今の政治家言えますか?こういう気持ちが彼らにあったなら…そしてもう一つ。ボディガードのデュエインがデーヴに言うシーン。 「あなたの為なら死ねる」ここまで言わせる人間的魅力を持ち合わせたデーヴに、ファーストレディも心が揺らぐわけですわ。そしてその後、まさかデーヴがそう出るとは…私は予想してなかったんだけど、そうなったらラストはお決まりかな、とは思うもののとても気持ちの良い作品でした。DAVE1993年監督:アイヴァン・ライトマン脚本:ゲイリー・ロス出演:ケヴィン・クライン、シガニー・ウィーヴァー、フランク・ランジェラ、ケヴィン・ダン、ベン・キングズレー、ヴィング・レイムスデーヴ
2006.01.21
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≪貧しいけれど温かい。切ないけれどやさしい≫旧ソ連のグルジアが舞台という珍しい映画です。エカおばあちゃんは娘のマリーナと孫娘アダと一緒に暮らしている。フランスで働く息子のオタールから手紙が来るのを楽しみに待つ毎日だ。ある日オタールが事故死したとの知らせが届くが、それをおばあちゃんに知らせる事が出来ないマリーナとアダ。おばあちゃんを悲しませないようにと、オタールの振りをしておばあちゃんに手紙を書き続けることにした。グルジアはお相撲さんの黒海の出身地として有名ですが、ソ連が崩壊してからは財政難で豊かな国ではなくなったようです。この作品の中でもお風呂のお湯は止まるは、停電はしょっちゅうというシーンが出てきますが、それが実情なのでしょう。貧しい暮らしの中、マリーナは家にあるものを次々と売ります。グルジアでは医者をしてたらしいオタールも、今はフランスで肉体労働に従事している模様。時々電話をかけてくれ、仕送りもしてくれるオタールはおばあちゃんにとって自慢の息子なのです。そんな中女三世代の家族の、口げんかしながらも仲が良いというよくある風景が描かれています。おばあちゃんはスターリン信望者でありながら、フランス語を話し、いざと言う時は物事に固執しない結構先進的な考えの持ち主。マリーナは何も疑わずに生きてきた世代の代表。今の情勢に不満はあるものの行動を起こす事はしない。そしてその娘のアダはソ連崩壊後に育ち、フランス語に堪能で違う世界を見たいと思っている若者。二組の母娘は同じ家に暮らしながらも、生きた時代背景の違いから考え方も違う。でも、衝突をしながらもおばあちゃんを思う気持ちは同じで、やさしくも本人達にとっては辛い嘘をつくのです。そしてこのおばあちゃんが実に賢明な人なのでした。『グッバイ、レーニン!』に似た展開もありますが、ラストのアダのとった行動は…。アダよりもあの時のおばあちゃんの表情にむしろ胸が詰まりました。みんなが思いやりのある人たちなのです。だからこんな嘘もつけるし、つかれた側もその嘘に上手くのってあげられる。とっても地味なのですが、温かい気持ちになれる作品でした。DEPUIS QU'OTAR EST PARTI / SINCE OTAR LEFT2002年フランス/ベルギー監督:ジュリー・ベルトゥチェリ脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ、ベルナール・レヌッチ出演:エステール・ゴランタン、ニノ・ホマスリゼ、ディナーラ・ドルカーロワ
2006.01.20
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≪音楽は閉じていた子供たちの心を開いてくれた≫公開時に観たいと思っていてとうとう観れなかった映画です。1949年フランスの片田舎に“池の底”と呼ばれる学校があった。そこには親のない子や素行に問題のある子、家庭の事情などで寄宿舎生活を送っている男の子達がいた。そこへ舎監として音楽教師のマチューが赴任してくる。荒れ放題の学校、容赦なく体罰をする校長、子供たちから嫌がらせを受けながらも、本来の子供らしさ、純粋な気持ちを取り戻して欲しいとマチューは合唱団を作る事を決める。歌を歌うことで少しづつ子供たちは喜びを見出してくる。問題児と言われる子供たちが意地悪な校長から体罰を受けながら送る日々。でもある音楽教師の出現で子供たちに変化が表れる。ありがちなストーリーですが、ここの子供たちは中高生ではなく、中には中学生らしき年頃の子も見受けられますがそのほとんどが小学生の年頃だという事。親が恋しくてたまらない時期に別れて暮らしている中、校長が何かあれば体罰をするという行為には見ていられません。そこへ叱る事よりも、まず愛情を持って接してくれる先生が現れる。歌うことを知らなかった子供たちに歌う事、音楽の楽しさを教えてくれる。あまりにすんなりと合唱団での練習をする子たちにちょっと戸惑いを覚えたのも事実ですが、それだけ歌うことを知らなかったという事なのでしょうか。それにしても先日の『いまを生きる』にしろこれにしろ、良い先生と言うのはどうして最後は辞めなくてはいけなくなるのでしょう。これが悔しくてたまりませんが。ここでマチューが去る時の紙ひこうきのシーンも感動でした。恋にも破れ、学校もクビになり、あれがなければマチューは救われませんでした。その後他の子供たちはどうなったのでしょうか。モランジュが世界的な指揮者になって、自分の道を切り開いてくれた先生の名前を忘れていたのはショックでした。彼がいなければ今のモランジュはなかった筈ですが。モランジュのお母さんはマチュー先生への感謝の気持ちを忘れずにいる事を彼に教えなかったのでしょうか。それだけが残念でした。あの美しい歌声を聴かせてくれたモランジュ役の子は実際に歌っていて、合唱団のメンバーだそうです。顔も声も天使のようでした。私はペピノ役の子に惹かれっ放しで愛おしくてたまりませんでしたから、マチューが寄宿舎を出て行く時彼が取った行動には素直に「良かった」という思いです。コーラスの曲も素晴らしかったです。耳について離れません。LES CHORISTES2004年フランス監督:クリストフ・バラティエ脚本:クリストフ・バラティエ、フィリップ・ロペス=キュヴァル音楽:ブリュノ・クーレ、クリストフ・バラティエ出演:ジェラール・ジューニョ、フランソワ・ベルレアン、ジャン・バティスト・モニエ、マリー・ビュネル、ジャック・ベラン合唱:サン・マルク少年少女合唱団
2006.01.19
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≪舞台を観ているような大迫力ミュージカル映画≫昨日のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ繋がりでこれを。ボブ・フォッシーの有名なミュージカルを、ロブ・マーシャルの監督、振り付けで映画化して大ヒットしました。元々ミュージカル映画は好きで良く観ていたのですが、近年のミュージカルでは一番好きな作品です。1920年代のシカゴ。スターを夢見る(レニー)はある事で愛人を殺し逮捕される。(レニー)の憧れのスター(キャサリン)がやはり殺人容疑で同じ留置所に入っていた。(キャサリン)はマスコミと辣腕弁護士(リチャード・ギア)を上手く利用して、以前より人気を得る。同じ手段で(レニー)も注目を浴びようとするが…この舞台は観た事はないのですが、あたかも舞台を見ているような感じに陥りほど上手く映画化しています。現実と夢のオバーラップシーンもテンポ良く、次々と展開する。『ブリジット・ジョーンズの日記』とはまるで別人のごとくほっそりとキュートなレニーは、ほとんど初めてのダンスも上手くこなしていました。相当時間レッスンしたのでしょう。もうちょっと悪がきいてもよかったかも。リチャード・ギアも初めてのミュージカル。これも相当練習したのだと思います。確かに“素晴らしい”とまではいかなくても、楽しんで演じたのではないかというのが垣間見られました。でもこの映画で上のふたりを完全に喰ってたのはキャサリンでしたね。圧倒的存在感のあるパワフルなダンス。彼女のダンスを本作で初めて観たのでそれはそれは感動!さすがに舞台出身の女優さんです。キツメのキャラも彼女の顔に似合ってました。カッコ良かった!音楽も良かったし、ストーリーも面白かったです。そしてラティファの存在感も素晴らしかった。これは映画館で観ましたが、こういう作品は映画館で観るに限りますね。そういう意味では、映画『オペラ座の怪人』は何れDVDの鑑賞になるでしょうが、映画館に観にいけなかったので残念。CHICAGO2002年監督:ロブ・マーシャル原作:ボブ・フォッシー、フレッド・エップ脚本:ビル・コンドン出演:レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア、クイーン・ラティファ、ジョン・C・ライリー
2006.01.18
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≪気分爽快ヒーローもの≫キャサリン・ゼタ=ジョーンズが待望の初来日です。私が彼女を初めて観たのがこの作品でしたが、とても私の好きな顔立ちで一目でファンになりました。ラテン系かもしくはアジアの血が混じっているのかと思ったら実はイギリスのウェールズ出身。エキゾチックなのでイギリス出身と言うのは意外でした。これは「怪傑ゾロ」として有名な小説の映画化作品です。スペインから独立宣言をしたメキシコで、圧制に苦しむ民衆のヒーロー、ゾロを倒そうとスペイン総督は留まっていた。ゾロの本当の正体を知った総督は彼(アンソニー・ホプキンス)を投獄し、彼の妻を殺し娘のエレナを奪い自分の娘として育てた。20年後牢から出たホプキンスはある若者(アントニオ・バンデラス)を見出し彼を第二のゾロとして育てる事を決める。ストーリーはいたって簡単な勧善懲悪もの。当時の衣装や美術も素晴らしく、何よりホプキンスの初代ゾロが魅力的だし、最初チンピラ風な二代目ゾロも次第にそれらしく魅力的になっていく過程もいい。さらに見事な剣さばき。例の“Z"の文字をパパッと入れるシーンも好きです。そしてお転婆だけどとっても美しく魅力的に育ったエレナのキャサリン。この役にあってました。どの俳優もセクシーで役柄にはまっていたし、ユーモアもありテンポも良く老若男女楽しめる娯楽アクション。続編『レジェンド・オブ・ゾロ』も楽しみです。それにしても来日したキャサリン。相変わらず美しく、ハリウッド女優らしくとってもゴージャスでありながら気さくな人柄に、私のファン度が増しました。大好き!THE MASK OF ZORRO1998年監督:マーティン・キャンベル脚本:ジョン・エスコウ、テッド・エリオット、テリー・ロッシオ音楽:ジェームズ・ホーナー衣装:グラシエラ・マゾン出演:アントニオ・バンデラス、アンソニー・ホプキンス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
2006.01.17
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≪限られた時間の中ふたりはとても輝いていた≫久々に“とってもステキなラブストーリーを観た~!”という感じです。ブダペストからウィーンへ向かう列車で隣り合わせたアメリカ青年ジェシーとフランス女性セリーヌ。何となく気が合って話していたが、セリーヌはパリへ帰る途中、ジェシーは翌朝ウィーンからアメリカへ飛び立つ予定だった。ウィーンで一度別れたものの又セリーヌの元へ戻ったジェシーは、「アメリカへ帰る飛行機に乗るまでホテルに泊まるお金も無いから、一晩中ウィーンの街で過ごすつもりだが付き合ってくれないか」と誘う。ジェシーに惹かれて列車を降り、二人はウィーンの街を歩きながらいろんな事を語り合う。初めはお互いに言葉を選びながら慎重に語り合うふたり。レコード店の視聴室で、観覧車の中で、近づきたいのに近づけないふたり。"What?"の繰り返しで少しずつ距離を埋めていくふたり。そしてレストランの電話遊びで本音を語るふたり。恋のはじめ特有の緊張感や嬉しさが、二人のおしゃべりだけで、二人の演技だけでとてもよく伝わってきます。残り14時間という短い時間しか一緒にいれないという思いが、普通の恋よりも相手に対する想いもより大きなものになってしまうと思うのですが、その限られた時間でお互いの事を一つでも多く知りたい、分かりたいと思うようにふたりは話し続けます。その会話がとっても自然で台本じゃないのでは?と思うほどです。ふたりの人生観や価値観は何気ない会話のようで実は哲学的な要素を帯び、惹きつけられました。アメリカとフランス。もう二度と逢えないかもしれない。別れのときは刻一刻と近づいて、切な過ぎるお互いの想いをもう隠し切れません。旅先でのこんな恋、若い時なら誰もが憧れるんじゃないでしょうか。ジェシーのような瞳でジーッと見つめられたら、誰でも恋におちそうです。ウィーンの街を歩きながらほとんどふたりの会話だけで成り立っている映画ですが、とってもステキでした。イーサン・ホークってそんなに好きではなかったんですが、この映画での彼はとてもチャーミングです。ジュリー・デルピーもキュートでちょっとフランス訛りの英語もこの役にはまってました。続編の『ビフォア・サンセット』も観たいと思ってますが、それは9年後の話。9年も待てないけど、今すぐでなくもうしばらくして観る事にしましょう。その方がリアリティがあるかもしれません。BEFORE SUNRISE1995年監督:リチャード・リンクレイター脚本:キム・クリザン、リチャード・リンクレイター出演:イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー
2006.01.16
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≪古き良きアメリカ。元気になれる映画です≫シリアスな映画やドラマを観続けるとその後はファンタジックなものを観たくなります。最近TVドラマでもシリアスなものを観、先日のこのブログでも現実的なレビューを書いたせいか今日はハッピーエンドストリーの作品について書きたくなりました。心優しいジョージ・ベイリーは子供の頃から生まれ故郷の小さな町を飛び出し世界中を見たいと思っていた。相次ぐトラブルで夢は叶わなかったが、父の会社を継ぎ、家庭を持ち、貧しい人々の為に働き、町の人たちから慕われていた。あるクリスマスの日、叔父のミスで大金を紛失してしまう。人生最大の危機に見舞われた彼は自殺をしようとするが、そこへ彼の守護天使(まだ見習いの天使ですが)が現れてもしジョージがこの世にいなかったらどうなっていたかを見せる。自分は犠牲になっても他人の為になる。善い行いをすれば必ず自分に返ってくる、という道徳的なストーリーです。あまりに理想主義だと非難する人もいます。善い行いをすれば良いことが、悪い行いをすれば悪い事が自分に降りかかる。現実は決してそうとは限りません。どんなに正直者でもあの人の一生はかわいそうだった、という人もいますもの。でも、やっぱり信じたいのです。私も理想主義なんだろうな、きっと。守護天使のクラランスはジョージに言います。「もしあなたがいなかったら、たった一人の人間がいないだけでこんなにも違う世の中になってしまう」人が生まれて生かされていることには何らかの意味があるのだと思います。『道』で「この世の中に役に立たないものはない」という台詞がありますが、この言葉と同じようにクラランスの言葉は私の心に響きました。叔父さんが言った一言はポッターを激怒させますが、あまりなんでも調子に乗って言ったりしたりするものではありませんね。謙虚さって大切。それもこの映画の教訓でしょうか。現代ではあまりに遠いところにあるような話かもしれませんが、こういう映画を観るとほっとします。IT'S A WONDERFUL LIFE!1946年監督:フランク・キャプラ原作:フィリップ・ヴァン・ドレン・スターン脚本:フランク・キャプラ、フランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケット出演:ジェームズ・スチュアート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル、ヘンリー・トラヴァース
2006.01.15
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≪多感な時期に出会う人の影響は計り知れないものがある≫秋から冬にかけてのニューイングランド地方。素晴らしい風景の中で進んでいくこの作品、やっぱりこの季節になると思い出します。1959年バーモントの全寮制有名私立校の新学期が始まり、同校のOBで英語の教師キーティングが赴任してきた。伝統と厳格な規則に縛られている学生達にとって初めはキーティングの風変わりな授業に戸惑いがあるものの、次第に彼を受け入れ、自分の意志を持つことに目覚めていく。そして学生達はキーティングが学生時代に作っていた“死せる詩人の会”を復活させる。設定が1959年ですからもちろん現代と比べるにはいろんな面で違いがありますが、あの時代、そして私立の名門校はアメリカでもこんなに厳しく、体裁を重んじていたのですね(現在はわかりませんが)。伝統校、名門校と言うのはどこでもこういうものを持っていそうですが、それに加え教師はもちろん親も子に多大な期待を持っています。親の言うとおりに育ち、親の言うとおりにこれからも進もうとしている。敷かれたレールの上を歩く事は間違っていないだろうし、それが楽かもしれない。でも、「ちょっと待てよ。何か違うんじゃないか。」ちょっとだけ今の自分に疑問を持ち始めた時に、今まで自分の周りにいた人間とは全く違ったタイプの教師に出会い、触発されていく。自我に目覚め、自由を求めハッピーな未来が待ち受けているはずだった。しかし…。ニールよ、何故そういう結果に自分を導いてしまったのか?残念でなりません。親からいつも押さえつけられてきた、親に反抗する事を知らずに育って来たからこうなったとは思いたくはないけれど、彼にはもっと頑張って欲しかった。キーティングが教えたかったことはニールがとった行動ではなかった筈なのに。この年代の、それも良いとこのお坊ちゃん達なので17,8歳というのは純粋です。そして多感な時期。こういう時期に出会う人、教師には多くの影響を受けるものです。自立する事を教えてくれたキーティング。素晴らしい教師だと思いました。しかし、彼の教え方は偏りすぎてはいなかったか?そういう思いもありました。上手くいけばこういう教師に出会うことは自己確立と言う点で将来いろんな面で役に立つことがあると思います。ただ、人によっては間違った方向へ行ってしまう場合もあるのです。ありきたりのティーチングプランに沿って教えるだけの先生が多い中、生徒の個性を伸ばし、生徒の事を考えてくれる教師が必要だと思う反面、あまりに個性的な考えを持つ教師というのも少し恐い面もあります。矛盾しているようですが、これが本音です。だから、事実ではない映画の中ではキーティングに憧れもし、ラストで机の上に立った生徒達に感情移入も出来るのです。2度、3度と観る内に上のような感想に至ったわけですが、それでもこの映画を何度も観てしまうのは、やはりキーティングのような教師に出会いたかったという思いがあるからだと思います。強い個性ですが、そこをあのロビン・ウィリアムズが流れるようにと言う表現がいいのかわかりませんけど、すごく良かったです。そして、それにも劣らず若き日のイーサン・ホークやその他個性溢れる生徒達がとてもまぶしかった、ハッピーエンドではないけれど、決して後味の悪い作品ではありません。DEAD POETS SOCIETY1989年監督:ピーター・ウィーアー脚本:トム・シェルマン出演:ロビン・ウィリアムズ、ロバート・ショーン・レナード、イーサン・ホーク
2006.01.13
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≪ユロ氏の行くところトラブル続き。でも愛すべき伯父さんなのだ≫大好きなジャック・タチのユロ氏の再登場。日本では『ぼくの伯父さん』の方が公開が早かったためこの邦題になっていますが、制作年はこちらの方が早く、ここでのユロ氏は誰の伯父さんでもありません。夏のヴァカンス。海辺のリゾート地でみんな楽しく過ごしています。ポンコツ自動車に乗ってやっとホテルに着いたユロ氏。そこで繰り広げられる小ギャク、コント風のクスッと言う笑いが満載の作品。ユロ氏のキャラクターはこの作品で初めて出てきたかと思われますが、例の帽子にパイプ、そして独特の足を伸ばして前かがみの歩き方。誰にでもチョコチョコとお辞儀をして、ちょっと日本人っぽいです。ユロ氏はほとんどしゃべりません。パントマイム的な動きで全てを物語ります。タチは、コメディで重要なのは足の動きだと言っていますが、なるほど彼の独特のあの動きはチャップリンの動きにも通じるものがあり、足の動きの重要性と言うのは納得してしまいます。リゾート地で出会う人々のキャラクターもそれぞれ特徴があり、実際こんな人いそうだな、こんな夫婦もいそうだな、と言う感じ。その人たちが出てくるたびに又あんな事しそうだ、とかこんな事言いそうだ、と思うのですが、それが当たる楽しみ。そしてそれとは裏腹に思いもかけない行動をとるユロ氏。この対比も又おかしい。決して悪気があるわけではなく、ほんのちょっと好奇心が強かったり、人と違ってたりして彼が行くところトラブル続出なんだけど、どうしても憎めない愛すべきユロ氏のキャラクター。夏が終わりみんな去っていき、このリゾート地で多くの人がユロ氏を“変な奴”くらいに思っている中隠れユロ氏ファンもいる事にほくそ笑み、最後まで残ってひとり去っていくユロ氏に哀愁をおぼえ、ちょっぴり寂しくなるのでした。『ぼくの伯父さん』でも『プレイタイム』でもラストは騒々しい中にも何か一抹の寂しさを感じるのです。コメディでもちょっとだけ疎外感のあるユロ氏に同情してしまうからなのでしょうか。モノクロの映像とあの何とも言えないけだるい音楽が絶妙。あの時代のフランスの避暑地ってこんな風なんだ…と思えるようなおしゃれでおもしろい小粋な作品です。LES VACANCES DE M.HULOT1952年フランス監督:ジャック・タチ脚本:ジャック・タチ、アンリ・マルケ出演:ジャック・タチ、ナタリー・バスコー、アンドレ・デュポワ<DVD><ポスター><CD>
2006.01.10
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≪女子野球リーグのメンバー達の一生懸命さを観てください≫『プリティ・リーグ』という邦題からして、女子野球をおちゃらけた感じで捉えたコメディー映画だろうと思っていて長いこと観なかった作品でした。ところが、心温まるヒューマンドラマでした。第二次世界大戦中多くの男性は招集され困っていた大リーグは、穴埋めとして女子野球リーグを作る事にした。オレゴンで出征中の夫を待ち農業に勤しみながらソフトボール選手として活躍していたドティのもとにもスカウトが来る。乗り気でなかったドティだが、妹のキットは野球をやりたくて彼女に強引に説得されてキットと共に本拠地へと向かう。そこには全米から集められた多くの女性たちがいた。そしてドティたちはピーチズへ入団。そこには個性的な仲間達がいて、又監督も元大リーガーで足を痛め引退し今は酒びたりのジミーという一筋縄ではいかない人物だった。ドティ役のジーナ・デイビスが大柄で、野球をやっている時の動きも本当のスポーツ選手のようで、又チーム全体をまとめる姉御肌な感じもとても役柄にあっていました。そしてマドンナ。ダンサー出でちょっとワルな感じのメイ役がこれまたうってつけ。ハスッパな物言いやしょっちゅうガムを噛んでいる様がとっても似合う。又ダンスホールで踊るシーンはさすが!どうしても良い人っぽさが出るトム・ハンクスですが、大声怒鳴り散らして悪態つく様子は観ていてイヤになりましたから、これは成功?その他脇を固めるチームのメンバー達の個性や彼女達のいろんな事情も丁寧に描かれています。文盲のメンバーをさりげなく助ける様子、戦死したと知らされるメンバーを慰める様子などは、細やかに女性的な部分がよく分かっているな、と思ったら、監督は女性ですか?姉妹愛、チームの結束、友情や実際の野球のシーンも思ったよりも迫力ありきちんと描かれていました。ドティとジミーの間に流れるちょっと怪しい雰囲気も、抑え気味で感じが良かったです。実際に1943年から1954年までこのリーグは実在したという事ですが、エンドロールでプレイしているおばさま達は実際その時のメンバーなのでしょうか?皺は出来、体型は大きく崩れてはいるものの、ボールさばきやバッティングはお見事で実にカッコイイです。それにしても邦題はまずいんじゃないですかね。A LEAGUE OF THEIR OWN1992年監督:ペニー・マーシャル原作:キム・ウィルソン、ケリー・キャンディール脚本:ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル出演:ジーナ・デイビス、トム・ハンクス、マドンナ、ロリ・ぺティ
2006.01.08
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≪婚約者の親がマフィアだったら…≫この映画のことあまり知らなかったんだけど、いや~、面白かった!結構笑いのつぼにはまってしまいました。ニューヨークのオークションハウスに勤める真面目なイギリス青年マイケルは恋人のジーナにプロポーズする。しかし彼女はマイケルを愛してはいるもののプロポーズを断ってしまう。実は彼女の父親はマフィアの一員で、マイケルにマフィアとの関わりを持たせてしまうかもしれないと恐れたのだった。何があっても大丈夫と熱心にジーナを説得しふたりは婚約。しかし、やはり組織がらみの災難が次々とマイケルを襲う…ヒューとマフィアの組み合わせってちょっと意外ですが、これが実に面白かったです。災難に巻き込まれ結構ブラックな面があるのですが、ここでヒューお得意の(?)オタオタした様子がおかしくて。ジーナの父親役のマイケル・カーンが『ゴッドファーザー』でコルレオーネ家の長男の時はあんなに暴れん坊だったのに、すっかり老けておとなしくなっちゃってマフィアっぽくない、でもその代わりと言ってはなんですが、脇を固めるマフィアの面々がいかにも本当っぽくてそれが又面白い。イギリス訛りのあるマイケルに、フランクがイタリア訛りを教えるシーンやマイケルと社長のトイレのシーンは思いっきり笑えます。それからちょっと『ゴッドファーザー』をパクッてる所も面白い。個人的には、正直トリプルホーンがあまりきれいでなかったのが残念だけど、でもそれなりにイタリア系の女性の雰囲気と、鼻っ柱の強い演技はあってました。他の俳優はそれぞれの持ち味が巧く引き出されて最高でしたし。途中は結構ハラハラさせられる、ちょっと荒唐無稽な感はあるけれど大爆笑とはいかないまでも細かいところまで計算された笑いの連続のコメディー。ヒューの例のちょっと頼りなさげな部分と、とっても頼もしい部分と両方観られるお得な作品でした。邦題の意味は…ちょっとわかりませんでしたが。MICKEY BULE BYES1999年監督:ケリーメイキン脚本:アダム・シェインマン、ロバート・カーン出演:ヒュー・グラント、ジェームズ・カーン、ジーン・トリプルホーン、バート・ヤング、ジェームズ・フォックス
2006.01.07
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≪人間はロボットに感情を持たせるべきなのか?≫2005年4月。家事用ロボットとしてマーティン家に来たNDR114号はアンドリューと名付けられ、マーティン家の次女リトル・ミスと友達になり誠実にご主人に仕えていた。リトル・ミスも成長し結婚するが彼女との友情はずうっと続いている。マーティン家の主人、“パパさん”がすすめてくれていた読書をするうちにアンドリューは人間になりたいと思うようになる。自由を求めて旅に出た彼は発明家のルパートと出会い、自分もより本物の人間に近づく事ができるのを知る。人間になりたいアンドロイドの話はよくあります。何も知らずにいれば、そのままアンドロイドで過ごせた方がもしかしたら幸せだったのかもしれません。ほんのちょっとでも人間の心をのぞいてしまったら、持ってしまったら、自分も人間になりたい、命令されたくない、自由でいたいと思うものなのでしょう。何よりアンドリューが人間になりたいと思ったのは、決して老いることなく死ぬ事のないアンドリューが、彼の愛する人たちと同じ時を永遠に過ごせないという事。愛する人たちは年老いて、そしてみんな逝ってしまうという悲しい現実を目の当たりにした時でした。ロボットが私達の周りにたくさんいる状態というのもそんなに遠い未来ではないでしょう。でも、もしアンドリューのようなロボットがたくさん出てきたら本物の人間は必要なくなるのではないでしょうか。この作品は、アンドリューが200年にわたり人間の心を育み、人間となっていく過程を描いていますが、そんな事をちょっと考えながら観てしまいました。やっと人間となってから、そしてあのラスト。彼はきっと幸せだったのでしょうね。切なくてたまりません。ンー、考えさせられました。THE BICENTENNIAL MAN1999年監督:クリス・コロンバス原作:アイザック・アシモフ脚本:ニコラス・カザン音楽:ジェームズ・ホーナー出演:ロビン・ウィリアムズ、エンベス・デイヴィッツ、サム・ニール、オリヴァー・プラット
2006.01.06
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≪CGでなくてもこんなにも迫力があって、目を離せないでいた≫今年最初のシネマ・レビューは、あのジョン・スタージェス監督の私の幼い頃にとても印象に残った、作品です。メキシコ湾で小舟を浮かべて漁をする老人サンチャゴ。しかしもう84日間も一匹も釣れていない。少年が一緒に漁について行ってたが、あまりの不漁に親の言いつけで、少年は今は他の舟に乗っている。ある日年老いた身体に鞭打って、サンチャゴは又海に出た。今度こそ、今日こそは…と言う思いで。そして飲まず食わずで随分遠くに出た彼はとうとう巨大なカジキに出会う。何時間もの格闘の末そのカジキをものにしたサンチャゴは照りつける太陽の下舟に獲物をくくりつけて帰路へ。しかし、その獲物はサメの獲物でもあった。私はこの作品を、小学校の低学年の頃に一度観た事がありました。いとこ達がいて一緒に遊びながらちょこちょこと観た記憶があるので、多分夏休みだったと思います。親が観ていたのを遊びながら、と言う感じだったので内容はあまりはっきりとしなかったのですが、老人が大きな魚を獲るのに大格闘をしたシーン、そのカジキをサメから狙われて、老人がサメを必死で突くシーン、そしてもう身がほとんどついていないそのカジキをボートと共に港へ寄せて家路へ着くシーンが忘れられませんでした。それらのシーンは幼い私の中にも何か強烈な印象を残したのだと思います。あれはヘミングウェイの『老人と海』だと知ったのは高校生位になってからではなかったでしょうか。もう一度あの映画を観たい、と長年思っていましたが、昨年ようやく観ることができました。今回改めてきちんと観て、老人と少年の微笑ましい関係、老人の漁師としてのプライド、老いていく自分との格闘、そういったものも感じる事が出来ました。カジキと格闘するシーンも、サメとの死闘もやはりほとんど私が覚えていたとおりのものでした。でもそれは、魚との格闘だけでなく、老人の自分自身との格闘でもあったのですね。骨だらけになったカジキとの帰還。切なくもあり、誇らしげでもあり。でもラストシーンで何かしらとてもさわやかな、清々しい気持ちになったのです。釣りの事はよく分からないけど、魚を釣るときの格闘があるからこそ釣り上げたときの喜びは格別なものがあるのでしょう。登場人物はとても少なく、ほとんどが老人の海上での釣りのシーン、そしてその老人のナレーションで進む地味な作品ですが、このサンチャゴ老人の海での孤独感、疲労感、プライドなどを表情で使い分けたスペンサー・トレイシーの名演に酔いしれました。THE OLD MAN AND THE SEA1958年監督:ジョン・スタージェス原作:アーネスト・ヘミングウェイ脚本:ピーター・ヴィアテル出演:スペンサー・トレイシー、フェリペ・パゾス
2006.01.05
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あけましておめでとうございます。昨年も楽天でいろんな方との出会いがあり、楽しいブログライフを送る事ができました。今年のお正月は、初詣、初売りで福袋を買いに行った他はのんびりと過ごしましたが、ちょっと食べ過ぎかも…今年も又映画を中心に、マイペースでいきますのでどうぞよろしくお願いします。そうそう、今年はトリノオリンピックにサッカーワールドカップと楽しみなスポーツイベントも待ってますね。きっとその話題も多くなるでしょう。楽しみな年になりそう!
2006.01.05
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