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ワイナリー訪問の3日目(3月21日)午前中に訪れたのはテルメンレギーオン地区のタッテンドルフ(Tattendorf)にある ヴィンツァーホフ・ランダウアー・ギスペルグ(Landauer-Gisperg)ウィーンからも約30キロくらいと、それほど遠くないところにあります。先ずは畑の見学です。この辺りのブドウ畑はほとんど平地です。植えられているのはツヴァイゲルト、St.レントなどの赤ワイン用品種がメイン。St.ラウレント種の最大の栽培地でもあります。ワイナリーではホルンダー(Holunder=ニワトコ)の畑も持っています。(ブドウ畑17ha、ホルンダー畑7ha、その他の果実畑2ha)この辺りはホルンダーの産地でもあり、清涼飲料水のファン〇・ピンクには、この地域のホルンダーも使われているのだとか。 ホルンダーの木ブドウ栽培はオーガニックですが、一部ビオディナミも試行しているもようで、ワイナリーのセラーには調剤を入れる箱がありました。地下にある樽の貯蔵庫です。スペースがないので、とのことで高く積み上げています。このワイナリーではアンホラ(素焼きの甕)による醸造も行っています。 これはセラーの中にあったもの そして、ワイナリー入口(売店の入り口)のすぐ横の地面には土の中にアンフォラを埋めています。その中には昨年収獲したブドウが入っています。空気を抜いてピッタリと密着できる外付けのフタが取りつけてあります。画像でも分かるように、この場所は太陽光が当たる場所です。一応フタの上にフェルト状のスペーサーを入れてありますが、その上は木の板で無造作に覆っているだけ。本当にこんな場所で大丈夫なのかな?フタを開けて中を見せていただいたついでに中のブドウの実を食べさせてもらいました。(すかさずお願いしました!)黒い果実系の香りがあり、柔らかくなった実を口に入れるとアルコールのニュアンスがあります。味わいも黒果実系でしょうか?しかし、醸造は素人のあちらこちらはこの状態では善し悪しが判断できません。一緒に行ったワイナリーの醸造S氏に『どうですか』と聞いてみたところ、『すごく健全な状態です』とのこと。確かに酸化したような感じもバクテリアなどに汚染された感じも皆無で、純粋な黒い果実の感じがあったように思います。ワイナリー併設の売店(今回のワイナリー訪問で唯一ショップらしい感じのところでした)でワインの試飲です。このワイナリーでは赤ワインの品種別に3つのレンジがあり、順に『クラッシッシュKlassisch』『セレクションSelektion』『ベスト・オブ・セリエBest of serie』となっています。メインとなる品種は『ツヴァイゲルト』『St.ラウレント』『ピノ・ノワール』で、その他にキュヴェ(ブレンド)があります。低価格な『Klassisch』から素晴らしいバランス感があり隙のない造りと言えます。ちなみにツヴァイゲルトのKlassischは僅か5.7ユーロです。これには一緒に行ったワイナリーの方たちも『この価格でこの味わい』と驚いていました。この赤ワインの3つレンジの違いは、ステンレスタンク熟成か樽熟成か、さらに樽熟成の期間などにより分けられているようですが、それぞれの品種の違いとレンジの違いにより求められるワインの理想像はおのずと異なるはずだと思います。しかし、試飲を進めるにしたがって、このワイナリーのワインは、その理想像に近いワインを無理なく表現しているよう思えてきました。例えば『樽熟成していないツヴァイはこんな感じだといいな』『樽熟成期間の長いピノはこんな感じがうれしい』といったストライクゾーンの『ツボ』を外さない感じと言えばよいでしょうか?試飲に出されるどのワインも(白も赤も)完璧なバランスを持っています。 この人は一種の天才だと思います。 醸造はどこかで学んだ訳でもなく自己流で身に付けたということですが、畑や醸造所の中では細かな『カイゼン』の後が垣間見えます。小さなステンレスタンクを微妙に傾けて中身を取り出しやすくしたり、画像にもあった狭いスペースを有効に活用する樽の置き方、畑ではイリゲーション(灌漑)用のパイプを通常のように地面の上に設置するとほとんどが蒸発してしまうからと、地中に設置したり。きっともっといろいろとやっているはずです。ワイナリー裏手にはばらした樽材が積んでありましたが、それは新しくつくったワイナリーの外壁に貼り付けるのだとか。(たぶん自分で取りつけてしまいそう)実は、最初にセラーの地下スペースに入った時に少し衛生上問題のある香りがあり心配しましたが、ワインにはそのような問題点は皆無で、むしろ常にクリーンでエレガント味わいがありました。そして最後にアンフォラのワイン登場。このワインも本当にバランスの良さを感じます。アンフォラのワインにイメージするような野性的な感じや素朴さはなくエレガントとさえ言える深みがあり、余韻が柔らかに長く続きます。この生産者のワインの味わいとしては、テロワールを反映させるシリアスな造りでも、醸造家の個性を前面に出すダイナミックな造りでもありません。それぞれのブドウの性質に応じた最高のバランスを表現することを目指し、それを実現する才能を持った造り手であると思います。なお、ワイナリーはタッテンドルフの町外れにありますが、町中ではホイリゲも経営しているようです。このような素晴らしワインが出てくるホイリゲはそれほど多くないのでは?最後に赤ワインの中でどのブドウ品種が好きですかと質問してみると、着ているTシャツの胸の部分を指さしました。そこには『I love Pinot Noir』と書いてありました。ワイナリーのショップでオリジナルのTシャツを販売していて、他には『L Love Zweigelt』『I Love St.Laurent』もあ、一緒に行ったワイナリーの人たちは『I Love St.Laurent』を購入。あれ、ツヴァイやピノでなくて良かったのかな?あちらこちらは『アンホラAMPHORE2009』のワインを購入。これが結構大きな木箱入りでスーツケースに入れるのに一苦労。なんとか木箱を開けて中身のワインだけ持ち帰ろうとホテルの栓抜きで格闘したものの、ガッチリと止められていて開けることができませんでした。 帰国後木箱を開けている途中 やっと開けることができました・・・
April 9, 2012
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エルンスト・トリバウマーErnst Triebaumerもルストのワイナリー。 通称ET ラベルにも縦にETとロゴがあるのが目印です。この日最後の訪問も予約していた時間に遅れて到着。先ずは畑へ。案内してくれたゲアハルト・トリバウマー氏は、口数少なくサクサクと畑を案内していく。あれ、もしかして時間に遅れたのでご機嫌ななめなのかな?なんてちょっとビビりつつお話を聞いていましたが、通訳のOさんによると『かなりワイルドな感じ』とのことで、別に機嫌が悪いのではなさそう。直前に訪れたヴェンツェルさんが柔らかな物腰だっただけに、この二人の印象は対照的です。ルストの町の北部にある丘陵地『マリエンタールMariental』は、このワイナリーのフラッグシップワインを生む伝説的な畑。ブドウ品種はブラウフレンキッシュ。周囲の除草剤を使用する列に比べてトリバウマーの所有する部分は地面に生える雑草のため土壌の流出が抑えられると言うこと。確かにまわりの畑は20センチほど低くなっています。畑には何かの(たぶん鹿かな)の骨が散乱しています。これは一体?と質問すると『兄が趣味で狩猟をするので、彼が取ってきた獲物の骨』とのこと。『これもミネラルの一種かもね』と冗談めかして語る。 ワイナリーの栽培担当の人は剪定した枝が気になる様子。 おっとこれは関係ない畑でしたが 夕方の光がきれいだったので・・・ワイナリーに戻りちょっとだけセラーを見学そして試飲開始です。地下セラーの壁際の小さなテーブルのまわりで試飲開始。立ったまま(これもワイルドな感じですね)ゲアハルト氏はサクサクとワインを注いでいきます。立ったままだし、スピードも速いのであちらこちら全くメモ取ってませんでした。というか、ここでは畑も含めて全くメモしてなかった・・・しかし、ワインは低価格な白ワインからとてもナチュラルな味わいで素直に美味しい。本当はもっとゆっくりと味わいを感じていたいところですが、ゲアアルト氏はどんどんグラスに次のワインを入れて行きます。しかも、自分のグラスのワインをクイクイと飲み干していたゲアアルト氏、途中から酔っぱらってきた様子がありありと・・・。一緒に行ったワイナリーの醸造責任者S氏も『スイッチが入った』とのことで、ゲアハルト氏に負けない勢いでワインを飲み干していきます。普段は寡黙なS氏、今回の訪問で一番の笑顔を見せてくれます。(というか酔っぱらってたでしょう、完全に)ワイルドな印象だったゲアアルト氏は、実は素朴な方だったように思います。ワインも良い意味で素朴な感じかもしれません。テクニッカルな感じやつくり手の意志の表現という感じではなく、その畑から取れたブドウの持ち味を素直に表現しているような印象です。あまりいじくらないで素材の持ち味を表現しているように思います。しかし、マリエンタールのような素晴らしい畑から造られるワインは驚くほどの深みがありました。すっかり日も暮れたワイナリーを後にし、アイゼンシュタットのホテルに移動し、ビアホールでビールを堪能。リストにワインも載っていたのでグラスで注文しましたが、ごくごく普通の感じ。これまでに訪問して飲ましていただいたワインがどれほど素晴らしかったのか思い知る結果となりました。
April 8, 2012
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Purbachからノイジードラー湖周辺の中でも観光地としても有名なルストRustの町に移動してランチの場所を探しました。町の中心にある広場周辺の屋根の上の煙突には、まだコウノトリの姿はなくちょっとさびしい感じ。広場の端にあるラートハウスケラーで食事をすることにしましたが、広場に面した屋外で食事をする人もいるほどの暖かい気温でした。さて、ヴェンツェルは長い歴史のあるワイナリーでありながらホームページも見当たらず、事前の調査ができなかったと、通訳をお願いしたOさんにとっても謎多きところ。 ワイナリーの中にある木が満開でした 桜の花のように見えますがチェリーの一種らしい 先ずは畑の見学です。ルストの町を見下ろす丘陵地です。ルスト周辺ではブドウ畑は、湖側から標高により3種類のキャラクターに分かれ、この畑は中段のものです。 上の画像で解かるでしょうか?かなりブドウの木が低く仕立てられています。一番上の支線がお腹の位置当たり。低くすることで太陽の光が葉の陰になることなくまんべんなく当たるようになるとのこと。しかも枝をかなり短く剪定しています。珍しい仕立てです。オレンジ色の針金状のフェロモンカプセルも見えます。フェロモンカプセルは昆虫のフェロモンに似せた物質により昆虫の繁殖を防ぐためのもの。今回の訪問ではビオ栽培をする畑の多くでこのカプセルを見かけました。こちらの方が木の低さが解かりやすいかな?後方の畑の木の高さと比較してください。ワイナリーに戻りワインのテイスティングです。〇ソーヴィニョン・ブラン2011 グリマー・シェーファー(雲母スレート)土壌の畑 華やかな香りとトロピカルフルーツのニュアンス。 ミネラルと酸のストラクチャーがあり余韻が長い。 9月1週目に収獲。 ヴェンツェルでは甘口のワインも造るため収獲は 9月から12月まで続くそうです。〇フルミント2011 りんごのような華やかな香りがあり、透明感のある味わい。 フルミントはルストの伝統的な品種だったが、 一時栽培が途絶えてしまい、ヴェンツェルがハンガリーの トカイ地方から25年ほど前に導入したものだそう。 シェーファー土壌。〇ピノ・グリ2011 グリマーシェーファー土壌 ホールバンチプレスで小樽発酵でバトナージュや マロラクティック発酵も行うブルゴーニュスタイル。2011年の3種類はまだ若い状態ながら、この年の天候の良さからかメリハリ感とともに、このワイナリーならではの軽やかなエレガントさがあるように思います。さて、ここからは3種類のブラインドテイスティングです。〇その1:フルミント・フォーゲルザンク 2009年と2010年のヴィンテージ違い。 一方は塩けを感じるようなミネラル感があり 柑橘系のシャープな味わい。 もう一方はどちらかというとコクのある酸味もやや丸い感じ。 シャープな方が冷涼な2010年と判断したあちらこちらは見事正解そのうえで、一般に2009年の方が良い年とされているが、この2種類のワインを飲む限りでは2010年の透明感とミネラル感がはっきりと出る味わいの方がより魅力的に感じます、と述べると、ヴェンツェル氏も『私もそう思う』と同意してくれました。〇その2:ピノ・ノワール2007 収穫日も醸造方法も同じで土壌だけが一方は石灰質土壌、 もう一方はシェーファー(スレート)土壌の畑。 シェーファー土壌の方がカチッとした味わいになるのでは? と考えて選んだら今回も見事正解しました。 二つの土壌の石を持ってみると温度は同じはずなのに シェーファーの石はひんやりと冷たい触感で、 一方石灰岩はそれほど冷たく感じません。 その手に持った温度感覚の違いが ワインの味わいの違いに反映されるのだとか。 つまりシェーファー土壌の方が冷涼な味わいとなります。〇その3:ブラウフレンキッシュ2008 同じ畑の中の斜面の上下のみの違い。 上部は石灰土壌のみで、下部は石灰と粘土質の土壌。 粘土質を含む方が味わいに厚みがあり、 石灰の方がミネラルが強いと判断したのですが、 この三回目のテイステイングは外してしまいました! これも土壌の温度感覚の違いがポイントで、 上部の石灰だけの部分の『温かい感覚』を 見分けられるかどうかだそうです。 つまり普通は標高の高い斜面上部の方が 冷涼な味わいとなるのだが、この畑は土壌の特徴によって 上部の方にむしろ温暖なニュアンスがある 珍しい畑であるということを知ってほしいとのことのようです。 ルストにあるワインアカデミーの講師や生徒、それにワイナリーを訪問した人などに何度も3種類のブラインドテイスティングをしているが、全て正解した人はほんの数人だけだそうです。しまった!全部当てたら自慢できたのにな~。3種類のテイスティングとも訪問した6人で3人づつに回答が真っ二つに分かれたので、ヴェンツェルさん『してやったり』といった感じで大喜びでした。試飲はまだ続きます。〇フルミント・アウスレーゼ2011 辛口のフルミントより3週間遅く収獲したブドウから造られています。 甘さはありつつも少しも重さやクドさを感じさせないで、 余韻にかけて透明感のある味わい。 『常々このような芸術的なワインを造りたいと考えている』 とはヴェンツェルさんの言葉。残糖70g/リットル〇ルスター・アウスブルッフ2006 フルミント70%、ムスカテラー30% 完璧に熟した状態でブドウに貴腐菌がついたという この15年のベストヴィンテージ。 220g/リットルの残糖がありつつ10gの酸があるためか 甘さと酸味のバランスが完璧の出来ということ。 甘さがありつつもむしろ軽やかと感じるような味わい。 素晴らしいバランスと透明感のある余韻。 もちろん並はずれた味わいの凝縮感も内に秘めている。 これぞまさに『芸術的なワイン』と言えましょう。ヴェンツェルはマニアックと言えるほどの土壌からの表現へのこだわりがありつつも、ワインの味わいには細部にこだわりすぎるようなところは皆無で、むしろ透明な空気感すら感じさせる浮遊感があり極めてエレガントでした。『芸術的な』という表現が当てはまるように思います。ウィーンでもそのワインを見かけることの少ないワイナリーであり、日本でもまるで知られていないところですが、何故か誰かが訪問したときにプレゼントされたという『四恩醸造』のワインが置いてありました。もしかしてツヨポン訪問してました?
April 5, 2012
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ワイナリー巡り2日目(3月20日)先ず初めは宿泊しているホテルHotel Restaurant Braunsteinの家族の一員でもあるビルギット・ブラウンシュタインさんのところです。トータル4軒目のワイナリー。ホテルからも近いプルバッハの町中に彼女のワイナリーはありました。訪問を告げ、表のドアを開けてもらいしばらく待つと、遠く奥の方から赤いジャケットを着たビルギットさんがやってきました。そのきれいな赤いジャケットの色が、いかにも春らしい感じで、未だ周囲の植物は冬の装いの中でまるでスポットライトが当たっているかのよう。このワイナリーとの出会いは2008年のVieVinumのとき『11 Frauen ihre weine』のイベントでした。『11 Frauen ihre weine』は11人の女性醸造家グループで、今回の訪問ではブラウンシュタインさんの他、次に予定していたハイディ・シュレックさん(お母様の体調不良の関係で急遽キャンセルになりましたが)、ガイヤーホフのイルゼ・マイヤーさん、ビルギット・アイヒンガーさんを訪問。ちなみに、2010年のオーストリア訪問の時にもHotel Restaurant Braunsteinに泊まりたいと思ったものの予約が入りませんでした。2010年のVieVinumの時にも『11 Frauen ihre weine』のイベントがあり、そこで飲ましていただいたブラウンシュタインさんのツヴァイゲルト2007の素晴らしさから、いつかは必ず訪問したいと思っていたところです。先ずは畑の見学。ライタゲビュルゲ(ライタ山脈、但しそれほど高くない山の連なり)のふもとにあるゴルトベルクGoldbergからノイジードラー湖方向を臨む。(この畑は彼女のものではありませんが)畑から湖が見えるのは気持ちよさそう、と一緒に行ったワイナリーのスタッフ。こちらがブラウンシュタインさんの畑。草が覆う感じが上の画像とはまるで違います。畑上部は山並につながっています。つまりライタベルクの中でも標高の高い畑です。ライタベルクの土壌は湖に近い平地は砂質土壌で、中間付近は貝殻石灰質。そして傾斜の上部はシェーファー(スレート)となっていて、このゴルトベルクの畑は下部は貝殻石灰とシェーファーの混じる土壌で上部に行くほどシェーファーの割合が多くなるよう。ブラウンシュタインさんはこの畑のすぐ隣の区画を購入し、今年から栽培をすることになったのですが、化学物質を使っていた畑が本来のポテンシャルを発揮するには、なんと7年はかかるということです。このワイナリーは22ヘクタールの畑を持ち、50ほどの区画があるそうです。栽培はビオディナミで、生き生きとした生命を土壌から引き出すことをモットーにしているそうです。現在は冬季の凍害から葡萄の根を守るために木の根元に土を盛っているのですが、そのためその場所は土壌に混じる石が良く分かります。これが石灰、これがシェーファーとブラウンシュタインさんが教えてくれます。実は石を集めるのが大好きという彼女、シェーファー(スレート)のかけらを皆に手渡し『これを持っていると幸せになれますよ』とにっこり。これまで訪問したワイナリーの土壌の模型を見ても気づいていたのですが、一緒に行ったワイナリーの人から『これ(シェーファー)はココファームの開拓園(ワイナリー前の急斜面の畑)の土壌と同じものでは?』という疑問が確信に変わったようです。次は、ワイナリーに戻りセラーの見学。『ウナギの寝床』のように細長い独特の地形は、最初に訪問したマインクラングと同じですが、このワイナリーの方が奥に長いつくりです。醸造設備に特別なものは何も見当たりません。ガラスの引き戸を開けて入る樽熟成スペースです。画像では分かりづらいかな?樽(バリック)の側面に、品種やヴィンテージ以外にもチョークで何か書いてあります。これはどのようなことを書いてあるのか聞いてみると、例えばこの樽は『progress』のような言葉が書いてありますとのこと。さらに『熟成が遅れているので、それを早めるような言葉を書いているのですか』と聞いてみましたが、『特にそのような個別の意味はなく、とにかくポジティブな言葉をドイツ語・英語・スペイン語などで書いている』とのことでした。いくつかある中庭にひとつにはアンフォラが置かれてあります。囲いの中にあるので見ることはできませんでしたが・・・さて、試飲です。ブラウンシュタインさんは体調がイマイチとのことで、スペイン出身の醸造担当の女性の方に変わっての試飲となりました。〇ヴェルシュリースリング2011 フレュシュできれいな酸味が魅力的。調和の良さを感じる。 スーと抵抗感なく自然に広がる感覚が彼女のワインらしい。〇ピノ・ブラン2011 繊細で美しい果実味。〇シャルドネ・フェルゼンシュタインFelsenstein2011 繊細さの中にミネラル感の美しい調和がある。 酸の美しさはこのワイナリーならでは。〇ライタベルク・シャルドネDAC2010 魅力的な果実香とともに樽香があるが(500リットル樽) 丸いバランス感があり、いくらでも飲んでいられそうな 自然な味わいがあり、余韻が長く長く続く。〇ライタベルク・シャルドネDAC2008 2010年とキャラクターほ共通しているが、 熟成によるのか、さらにやわらかなバランス感があり、 樽のニュアンスも見事に溶け込んでる。 余韻にミネラル感が沁みわたる。〇Wild Wux2010(赤) 環境保護のための共同プロジェクトのワイン。 プレジェクトでは白・赤2種類のワインがあります。 ちなみに白ワイン担当は後日訪問するガイヤーホフです。 ブラウフレンキッシュ・ツヴァイゲルト、St.ラウレントのブレンド。 花のような香りが魅力的で、素直な果実味の広がり感と、 冷涼なヴィンテージであった2010年らしいクールな酸味のバランス。〇サンクト・ラウレント・ゴルトベルク2007 先ほど見学した畑のワイン。 きれいな赤系・黒系の果実のニュアンスがあり、 良いヴィンテージとのことで果実味と酸のバランスが良い。 最初の口当たりが柔らかいので解かりづらいが、 ミネラルとタンニンが余韻にかけてしっかりと現れてくる。 St.ラウレントは結実した果実がまだ『豆』くらいのときに 下部をカットすることにより、その後成長するとバラ房にもっていけるらしい。 もちろん全ての房をカットするのは大変な作業です。〇ピノ・ノワール・ソンネンベルクSonnenberg2007 石灰質土壌の畑。 ピノ・ノワールは女性的(フェミニン)な品種であるとのことで、 このワイナリーのスタイルとの相性が良い。 オーストリアらしい冷涼な味わいが透明感を生み、 最後まで乱れなく長く続く余韻と相まって印象深い。〇ライタベルク・ブラウフレンキッシュDAC2009 チェリーの香りとスパイシーな香りのニュアンスがあり、 とてもバランスの良い調和のとれた味わい。 透明感のあるヌケの良さが素晴らしい。 BFの何かのコンテストでNo.1となったらしい。〇オックスホフトOkhoft2007 カベルネ・ソーヴィーニョン、ツヴァイ、BFのブレンド。 約2年間の樽熟成。 カベルネ的なタンニンやスパイシーさがあるが、 やはりこのワイナリーらしい調和の良さがある。 Okhoftは『古い樽』という意味だそうです。〇ツヴァイゲルト・ゴルトベルク2007 2010年に出会って驚いたワイン。2年ぶりの再会です。 2年前よりこなれた感覚があり複雑さが出ているように感じます。 余韻のしなやかに広がる感覚が素敵です。 Vinaria Trophy受賞ワイン。このワイナリーは、白も赤もしなやかでエレガントな味わいと透明感が素晴らしいと思います。どこにも抵抗感なく広がる感覚は恐らくブラウンシュタインさんの性格にもよるのかもしれません。最初に訪れたマインクラングと自然な広がり感が似ていますが、より女性的なしなやかな味わいを感じました。すでに日本にも輸入されていますが、今後あらたなインポーターからも紹介されるようです。どのワインが入ってくるか楽しみです。ここではツヴァイゲルト・ゴルトベルク2007を購入。訪問した全員に1本づつワイン(計6本)を頂いてしまいました。(ライタベルク・ブラウフレンキッシュDAC2009だったかな?一緒に行ったワイナリーの方が持ち帰ってくれたのでそのうち取りに行かねば)次に予定していたワイナリーが急遽キャンセルとなったため余裕があるな~と思って試飲していたらかなり長い訪問時間となってしまいました。
April 3, 2012
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