週末のちょっとした油断が、思わぬ出来事を呼び込んだ。
冷蔵庫に溜まっていた野菜たちを一気に片付けようと、朝からキッチンに立った。キャベツ、にんじん、玉ねぎ……手際よく切り分けていく時間は嫌いじゃない。むしろ無心になれて心地いいくらいだ。
問題はキャベツだった。
ざくざくと切り進めていたそのとき、ほんの一瞬、左手の位置を見誤った気がした。親指の付け根あたりに、スッと何かが触れたような感覚。でも、不思議なことに痛くもないし、血も出ていない。「気のせいか」と思って作業を続けようとした、その瞬間だった。
ぱっくり。
まるで時間差で現れたかのように、皮膚が割れているのが見えた。次の瞬間には、じわじわと、そして一気に血があふれ出してきた。
「あー、やっちゃったな…」
午前中だったのがせめてもの救いで、そのまま病院へ直行。診察室で傷口を見せると、先生は一言。
「これは縫わないとダメだね」
やっぱりか、と覚悟を決める。
まずは麻酔。傷の周りに注射を打たれるのだが、これがとにかく痛い。正直、切ったときよりもずっと強烈で、思わず顔が引きつる。じんわり効いてくるまでの時間が、妙に長く感じた。
その後は傷口の洗浄。これがまた徹底的だった。ゴシゴシ、ぐいぐいと遠慮なく洗われる。
「包丁で切った場合はね、肉の成分とかがついてる可能性があるから、ちゃんと洗わないといけないんだよ」
なるほど、確かにさっきまでキャベツどころかいろいろ切っていたわけで、衛生的とは言い難い状況だったのかもしれない。そう思うと、この念入りさにも納得がいく。
結局、数針縫って処置は終了。包帯ぐるぐるの親指を見ながら、なんとも言えない気分で帰宅した。
――ここで終われば「災難な一日」だったのだけれど、現実はもう少し現実的だった。
帰宅してから、結局そのまま放置していた野菜たちが気になりだす。キッチンには切りかけのままのキャベツや他の野菜がそのまま残っている。
「このままにしておくのもなあ…」
そう思ったら最後、片手をかばいながらの料理再開。
いつもよりだいぶ不自由で、スピードも落ちるし、やりにくい。でも不思議と「ちゃんと終わらせたい」という気持ちのほうが勝っていた。
なんとか全部調理しきって、お昼には無事に食卓へ。
さっきまで縫われていたとは思えない指をかばいながら食べるごはんは、どこかぎこちない。それでも、自分でなんとかやりきった達成感もあって、味は悪くなかった。
料理中の油断は禁物。でも、最後までやり切る執念だけは、少しだけ褒めてもいいかもしれない。
風邪かなぁ 2026年05月11日
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