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2025年03月28日
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カテゴリ: 御朱印:福島県
福島県の中通り地方、その南端には坂東と接する白河という街があります。陸奥に群立する諸大名の南下を防ぐために、徳川家の血筋の大名が置かれていたところです。古代より関が設けられ、陸奥の入口として機能していました。
白河市には茨城県に近いこともあってか、多くの鹿島神社が置かれています。その中でも街の東側にある鹿島神社はかなりの大きさで、社殿も立派です。明治の神仏分離以前は別当寺院も置かれ、現在も境内に観音堂、弥勒堂が現存する面白い神社です。


鹿嶋神社


白河の中心街から離れた田園地帯の北端、鬱蒼とした林の中に白河総鎮守の鹿嶋神社が鎮座しています。​ 南湖神社 ​と共に白河を代表するような神社です。



参道を進むと、石造りの橋の先に山門(随神門でしょうか?)が建っています。



門の脇には末社の淡島神社が置かれています。本来の祭神 少彦名命に加えて、大已貴命・月読命・神功皇后なども合祀されているようです。
因みに境内にはあと5つの末社があり、計6つの末社と鹿島神社、2つの御堂を周ることを”鹿嶋七福神と二堂まいり”と呼んでいるようです。神仏混淆時代に思いを馳せる面白い体験ができます。



向かい側には末社:金刀比羅神社。祭神は大物主神です。



随神門です。幅広の屋根と色あせた木材の雰囲気が素晴らしい




この千駒、端麗辛口の銘酒で非常に美味でした。口に含むと、舌の上をツツーッと滑り、喉まで落ちていきます。甘さ控えめの硬派な味わい、乾いた体に染みわたります・・・。



随神門と言えば、右大臣・左大臣が置かれているのが常ですが、ここの随神門の裏側には仁王像も置かれています。おそらく後世になってからの奉納とは思いますが、こうした神仏混淆時代に立ち返ろうというムーブメントは非常に好みです。
阿形。



吽形。



随神門をくぐり、左手には祈祷殿。こちらも拝殿並みに豪華な社殿です。



祈祷殿の脇には末社が3社。右から・・・
・天神神社:菅原道真公
・神明神社:天照皇大神
・稲荷神社:宇迦之御魂神
と並んでいます。



その奥には御神木。天を衝く巨木です。




説明書きもあります。




白河市指定重要文化財(工芸品)  鹿嶋神社神輿

指定年月日:昭和41年2月8日

 明暦3年(1657年)に白河藩主本多忠義が寄進した神輿です。鹿嶋神社は白河城下の鎮守であり、隔年で行われる鹿嶋神社祭礼渡御祭(提灯祭り)では、この神輿が旧城下町の各町内を3日間にわたり渡御します。
 製作は京都の仏師 法橋浄慶によるもので、神輿の構造は四角造り、上から屋根・胴・台輪の三部からなっています。全体が黒漆で塗られており、正面扉裏面にある銘には、藩主本多忠義のほか、願主として城下の町人の名などが刻まれています。

 この神輿が奉納されたことで祭礼の方式が定められ、その方式が現在行われる提灯祭りまで伝えられているとされています。
白河市教育委員会



他の説明書きも見てみましょう。




白河市指定重要無形民俗文化財  鹿嶋神社神楽

指定年月日:昭和39年3月6日

 神楽は古代より行われてきた神事芸能で、神慮を慰めるため神前で奏する舞楽です。大別して、朝廷で行われる「御神楽」と、民間で行われる「里神楽」があり、鹿嶋神社神楽は「里神楽」の中でも、出雲神楽の系統です。
 鹿嶋神社神楽では、面を付けず舞う採物舞を「小神楽」、面を付ける神楽能を「太々神楽」といい、一般と区分が異なります。指定されているのは「太々神楽」ですが、近年は面を付けるのを省略することが多くなっています。
 神楽の演目も十八座と多く残され、関東以北の出雲神楽の系統では珍しい、神歌が付くのも特徴です。また、「五神神楽」という演目も、県内では当社と棚倉町の八槻都々古別神社のみが伝えています。
 記録では、宝暦3年(1753年)に「太々神楽」が奉納され、その後、中断されましたが、寛政10年(1798年)には再興しています。
 演者は古くより近郷の神職や氏子が行い、現在は毎年1月3日の元始祭や、2月11日のだるま市、11月23日の新穀感謝祭など年4回奉納されています。



公式サイトの方で祭りや神楽の様子を見ることができます。

・白河 鹿嶋神社 / 白河提灯まつり

拝殿の右側のエリアも見てみましょう。
まずは末社:松尾神社、祭神は大山咋神・中津島姫命(宗像三女神の一柱、市杵嶋姫命とも)。松尾の神(大山咋神)は酒造りの神格としても有名で、随神門の酒樽の数が崇敬の篤さを物語っています。この末社だけ鳥居がこさえてあり、明らかに他の末社よりも手厚く祀られているんです。



社はこんな感じ。小さくとも厳かな雰囲気を放っていました。



松尾神社の右手には、別当の痕跡ともいえる2つの御堂が置かれています。
こちらは観音堂。本尊は十一面観音で、鹿島観音堂として 仙道三十三観音霊場の二十七番札所 ​に指定されています。



隣には弥勒堂です。



鹿嶋神社拝殿です。
背には深い木々を背負い、どっしりとこの地に鎮座しているのです。御由緒も見てみましょう。



白河総鎮守 鹿嶋神社

御祭神:武甕槌命(たけみかづちのみこと)

御由緒
 宝亀年間(770~780年)光仁天皇の御代この地に祭られ、弘仁2年(811年)坂上田村麻呂が東夷征伐の際、改めて​ 常陸国鹿島大明神 ​を勧請した神社で、白河地方の総鎮守とし、武の神、白河以北を守る神として、戦勝を祈願したと言われています。延喜式神名帳(成立927年)にのこる式内社でもあります。その後も歴代城主の尊崇あつく、城主自ら奉幣、参籠し、祭田や社殿の寄進もありました。

 文明13年(1481年)時の城主小峯政朝が神社において1万句奉納の連歌会をおこないました。著名の連歌師宗祗が西国からはるばるこの地にやって来たのも、この会に出るためでした。このことは、当時の白河地方の文化が相当高い水準だったことを示しています。

 文化3年(1783年)松平大和守により『鹿嶋大神宮』の額が、また大正14年(1925年)海軍元帥東郷平八郎により『鹿島宮』の額が奉納されています。この両額は今も神社の正面に掲げられています。寛政7年(1796年)松平定信公により『楯無しのよろい』(市文化財)も奉納されています。

 明治43年(1910年)不幸にして火災にあい、建造物、備品のほとんどを焼失しましたが、大正元年(1912年)再建され、現在に至っています。また、古来より歌枕にある転寝の森(うたたねのもり)は、当神社の飛地境内で、東へ300メートル程のところにあります。
​​ 白河 鹿嶋神社 / ご由緒 ​ より抜粋

楯無といえば甲斐武田氏に伝わるものが有名ですが、ここ白河の鹿嶋神社にも楯無の鎧が伝わっていた様です。と言っても、こちらに伝わっているのは写しとされていますが・・・それでもなお見事な鎧兜でした。下のリンクからご覧になれます。

・白河市 / 白河市の文化財 / 楯無鎧写【たてなしのよろいうつし】

他にも鉄製の鍵などの文化財が伝世しているようです。

・白河市 / 白河市の文化財 / 鉄製鍵【てつせいかぎ】

そして飛び地の”うたたねの森”は現在桜の木が一本生えるだけの土地になってしまいました。そのことを儚んでか、様々な歌人に詠まれています。
転寝の森


 かっては林であったが、「白河風土記」が編纂される頃には杉が二本と桜の若木二株が残っているのみであったという。
 根元にある石碑には阿部正方の「いにしえの もの見の杉も跡たえて 名のみぞのこる うたたねの森」の歌が刻まれている。
白河観光物産協会
​うたたねの森 説明書きより抜粋

では、磐座に向かいましょう。磐座までは境内を通る道と、境外から向かう道の2種類があります。境外からの道の方がいろいろな見所があるんです。

これは大森家の御霊を祀る祠だと思われます。大森家は鹿嶋神社の社家だとされています。



今では祠は緑に覆われていますが、鹿嶋神社の歴史と深くかかわってきたことは言うまでもありません。詳細な記述は見つけられませんでしたが、別当の最勝寺と共に鹿嶋神社の行事を運営してきたようなんです。これからもう少し調べてみたいテーマです。



大森家御魂屋の向いには”浮屠碑(ふとのひ)”が置かれています。これは白河市指定史跡に指定されている石碑で、白河結城氏と深い関りがあります。
浮屠碑【ふとのひ】

 この碑は鹿島神社の西側にある。碑は、文化元年(1804年)に建てられ、撰文は白河藩校立教館教授広瀬典で、書は賀孝啓によるもので、石は白河石を用いている。長い間、風雨にさらされまったく判読ができない。
 浮屠(ふと)には、仏佗・仏・塔などの意味があり、ここでは嫡男結城親朝が父宗広の死を悲しみ、その冥福を祈って建立した三重塔を指している。塔は享保年中(1716~1735年)再建し旧態に復したことが刻まれている。三重塔は明治の大風によって倒壊し、今はない。



説明書きには往時の鹿嶋神社境内の様子が描かれています。拝殿・本殿・随神門、その奥に別当 最勝寺も見えますね。



磐座目指して、少々山の方に入ります。階段を上ると小祠が3つ。いずれも祭神は不明です。



磐座の手前には阿夫利神社の標柱がありました。関東総鎮守の霊山です。



着きました、磐座です。白河の鹿嶋神社の始まりは、この磐座からだと言われています。



脇には何故か縄文土器が置かれています。



斜めから。
白河のみならず、福島の中通り地方には巨石を祀る神社などが数多くあります。その背景には、山中に巨岩がゴロゴロと転がっているという環境要因が挙げられるのではないでしょうか。巨岩や巨木はまさに自然が生み出す神秘であり、そうした物に神々しさを感じるのは、古い信仰の形を表しているようで、非常にそそられます。
古代よりの霊地が現代まで神社として残っている、これ以上に面白い歴史ドラマはそうそうありません。今回も非常に楽しませて貰いました



今回貰った御朱印です。



公式サイトへのリンク
・日本三鹿島の一社 総鎮守 白河 鹿嶋神社

以上です。


境内の石碑群


二十三夜塔が多いです。



こちらもそう。



月読講もあります。いづれも月待に関連したものか。










​白河総鎮守 鹿嶋神社 狛犬コレクション​


新しい狛犬程一之鳥居に近いところに置かれています。奥に行くほど古い狛犬が見られます。だんだんと古風に立ち返る狛犬をお楽しみください。


















調子に乗って撮った写真ギャラリー

随神門と石橋



拝殿






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最終更新日  2025年04月04日 18時51分37秒
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