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2025年04月18日
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青森県平川市の南東、沖館地区に鎮座する神明宮。この境内には津軽三十三観音霊場の二十九番札所:沖館観音堂が置かれています。ここも当然の様に坂上田村麿が創建したという由緒を持っているんですが、特筆すべきは中世に再興されたという由緒を持つことです。それに加えて津軽初代為信の戦勝祈願の場としても有名な霊場です。


津軽三十三観音霊場二十九番札所:神明宮 沖館観音堂


東北自動車道の道路下をくぐり、山手の方に進むと境内が見えてきます。一応朱印所の手前に車数台は停められるので、車でも安心。
朱印所横を進むといくつもの鳥居が建っており、境内へと誘います。



朱印所内にも祭壇があります。遥拝所なのかな?
とりあえずここに朱印と奉納経が置かれているので、料金を支払いセルフで判を押します。



朱印所裏には池があり、中央の島に祠が置かれています。例のごとく祭神は不明ですが、闇龗神・宗像三女神・弁財天・水波能売神など、水に関連した神格が祀られているものと思われます。



鳥居の先に進むと、庭園の様になっている境内が見えてきます。



参道はこのように伸びており、直進すると神明宮、左折すると沖館観音堂。



手水舎です。一応使えそうです。







そしてその先には観音堂、鳥居も建っていますね。



札所の観音堂です。切妻と何かが組み合わさったような造りの特徴的な屋根です。



ご由緒です。
神明宮(沖館観音堂)

祭神:天照皇大神
本尊(観音堂):十一面観音

 沖館観音堂の創建は延暦10年(791年)、坂上田村麻呂が東夷東征の際、御堂を造営し歓喜天像と十一面観音を祀り戦勝祈願したことが始まりと伝えられています。一時荒廃しますが永仁2年(1294年)に知慶和尚が再興、文亀3年(1503年)又は文明11年(1479年)に一道坊全賢(修験者)が神明宮を勧請し神仏混合となります。

 天正3年(1575年)、当時の領主津軽為信が瀧本氏(南部家家臣)の居城大光寺城攻略の戦勝祈願をしたところ見事念願成就し、感謝の意を込めて「十一面観音画像(「天正四丙子年8月、願主藤原為信」の銘)」を始め鏡や祭具を奉納し社殿を再建しています。
 慶長13年(1608年)火災により多くの社殿、社宝、記録など焼失し「十一面観音画像」だけは奇跡的に被害を免れています。その後も弘前藩(藩庁:弘前城)の藩主となった津軽家から庇護され安政6年(1859年)には十二代藩主津軽承昭が厨子を奉納しています。

 明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、本尊も大行院(弘前市・現​ 弘前天満宮 )に遷され社号も神明宮に改められられましたが、廃仏毀釈運動が薄まると再び境内に沖館観音堂が建立され本尊も戻されました。津軽三十三観音霊場二十九番札所として信仰を広く集めています。

 神明宮(沖館観音堂)寺宝である菩薩坐像は寛文7年(1667年)に円空上人が津軽の地に巡錫で訪れた際、彫刻されたと推定される木像で、沖館観音堂に安置された経緯は不詳ですが青森県内に残る数少ない 円空仏 ​の遺構として貴重なことから昭和43年(1968年)に青森県宝に指定されています。
 社宝も多く「観音絵馬」と「絵馬」が貴重な事から平成18年(2006年)に平川市指定文化財に指定されています。

ご由緒は以前、​ 貴峰山 月峰院 ​の記事で詳しく解説したので今回は省きます・・・が、数点面白いと思った点を・・・。
先にも述べましたが、何と言っても中世頃の記録が残っているというのが面白い点です。津軽の神社仏閣は田村麿の伝説が付いて回るのが常なのですが、この沖館観音堂にはそれ以外にも知慶和尚・一道坊全賢といった僧侶・修験僧等による中興伝説が伝わっています。
津軽の大鰐や弘前の山側の地域には津軽真言五山と呼ばれる寺院が点在しており、早くから修験僧達が流入していたことが伺えます。この沖館観音堂もそうした修験僧達の祈祷所だったんでしょうか。
更に近くには古刹、嘉承山 福王寺 大福院(現​ 乳井神社 ​)もある事から、そことも何らかの関連があったものと思われますが・・・。青森県の奥羽山脈西麓には、こうした修験等に関連した寺院が置かれていることが多いと思います。

観音堂からも神明宮まで道が伸びています。



その脇には歌碑が置かれていました。・・・判読できませんでした。







観音堂斜めから。
本尊は現在返還されたと由緒にありますが、貴峰山 月峰院の本尊になっているという話も聞きます。どちらが正しいとかは言えないんですが、そうした曖昧な部分も想像(妄想)に拍車を掛けてくれるので、面白いポイントでもあります。



次は神明宮です。
由緒通りなら、15世紀末から16世紀初頭の内に一道坊全賢という修験僧によって勧請されました。切妻屋根の厳かな社殿を持つ地域の信仰の社です。



参道の脇に構える狛犬も迫力があります。




吽形。なかなか見ないタイプのデザインです。



扁額です。もとは鮮やかな青色で飾られていたんでしょうか。



斜めから。
町はずれにひっそりと鎮座する神明宮の境内は、庭園を思わせる造りなどが見られ、更には何基もの鳥居が建っており、往時は相当に賑わったものと思われます。
津軽三十三観音霊場の札所としては、よくグーグルマップが東北自動車道によってあらぬ方向に導いてくることでも知られています。ここを目指す際は、高速を利用するからチェックを外すことをお勧めします。地域の鎮守の社は、そうした面でも人々を(高速道路に)導いてくれるのです。




霧霞 くもりて見ゆる沖館の 祈る心も 晴るる薄雲

本尊:十一面観音 एकदशमुख

以前貰った御朱印です。



以上です。

次の記事
・三十番札所:保食神社 大光寺慈照閣 大寺院の裔の神社






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最終更新日  2025年04月18日 22時37分27秒
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