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2025年08月27日
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南三陸の更に南、複雑な海岸線といくつもの小島が織りなす風光明媚な風景が待っています。そう、松島!何度行っても心打たれる陸奥を代表する景勝地です
松島には海岸に面した​ 五大堂 ​や、日本庭園で有名な円通院など、さまざまな仏閣が現存しています。松島に限らず、こうした風光明媚な地には、その景色に神仏を感得してか、大きな神社や寺院が作られやすいように思います。
さて、松島の景色に魅せられて、この土地には東北一の大伽藍を持つ寺院が境内を構えています。仙台の青き龍に庇護された奥州の古刹 瑞巌寺です。



2025.8.7
番外札所:松島青龍山 瑞巌円福禅寺


松島の遊覧船乗り場からすぐのところに境内の入口が開かれています。社号標には国宝と刻まれており、堂々たる風格です。



惣門です。門は仙台伊達氏の家紋である”竹に雀”や九曜が描かれた提灯で飾られていました。



惣門を抜けると厳かな雰囲気の参道が伸びています。あまり装飾や豪華絢爛な堂宇が見られないのは、質素たる禅宗だからでしょうか。かなり好みです。




通常地蔵尊というと宝珠と錫杖を持った姿が一般的だと思うんですが、この像は宝珠のみを持っています。これと同じ像容の石仏は、​ 日光山 中禅寺 ​にて見ることができます。



参道から右手に逸れると、岸壁が彫りぬかれいくつもの宝塔が刻まれていました。なんとも印象的な風景でしょうか。



こちらの碑もなかなかにインパクトがあります。鰻塚と刻まれた大きな碑は、かつて鰻の名産地であった松島を偲びつつ、これまで食された鰻を供養するための碑でもあります。毎年5月13日には供養祭が開かれているようです。



穴ぼこだらけの壁面に沿って石仏が置かれています。これは西国三十三観音の写し霊場です。



瑞巌寺に近付いていくと、この様に文字が刻まれたものもあります。瑞巌寺以外にも、円通院や天麟院でも、この様な石刻を見ることができるんです。



そして今回の馬頭観音。



再び参道に戻ると、参道左手に小さな御堂があります。こちらは地蔵堂。東北大震災にて被災した方々を供養するための御堂です。



内部にはこの様に地蔵尊が収められています。



そして瑞巌寺の入口に到着です。入場ゲートの手前には丈六?よりは小さいですが、かなり立派な地蔵尊像が鎮座しています。



地蔵尊の隣にはこれまた立派な行燈が置かれています。これまで見たどんな行燈よりも装飾的な行燈でした。いったい作るのに幾らかかっているんでしょうか




入場ゲートの先も参道に沿って杉が立ち並び、すんごく風情があります。



ふと左側を眺めると、岸壁の上に鐘楼が見えます。階段もありますが、現在は立ち入り禁止みたいです。その鐘楼の下には、岩をくりぬいて作られた御堂がありました。



近づいてみると、扁額には法身窟?と書かれています。
公式サイトによると、ここは瑞巌寺(臨済宗として)開山の法身性西禅師と鎌倉執権 北条時頼公とが出会った場所と言われているようです。
法身性西禅師は常陸国真壁の出身で、唐に渡って長らく修行し、悟りを開いて帰国した名僧と言われています。法身窟にて2人は出会ったとされていますが、鎌倉の巨福山 建長寺で出会ったという説もあるみたいです。




岩窟の手前には右に楊柳観音の石刻板。



左に鎮海観音の石刻板が置かれています。これらの石刻板は、塩竈出身の画家・小池曲江が両観音像の画を模写して制作したと言われています。
うっすらとしか見えないのが非常に残念。当初の姿を見てみたいです。



岩窟内にも石碑がいっぱい。墓の様にも見えますが・・・。



法身窟の隣には白衣観音?の銅像が置かれていました。やさしげな表情です。



参道の突き当り、2本の大杉の奥に中門があります。こちらの門は境内の堂宇の内、唯一の柿葺屋根。アジのある色合いがたまりません!その素晴らしい姿と高貴な雰囲気ゆえか、国の重要文化財に指定されています。
ここから東北一の大伽藍と称される瑞巌寺の本堂が拝めます。



白砂の枯山水庭園の先に、あまりにも大きく風格のある大伽藍が鎮座しています。これが名高い瑞巌寺本堂、東北の雄 伊達政宗が5年の歳月を費やして建立したとする大堂は、現在国宝の指定を受けています。公式サイトの説明も併せて見てみましょう。



本堂


なんというかその・・・ここまで大規模な伽藍を見たのは初めてです。そんで大きいながらも、禅宗特有の素朴な外見がなんとも風雅で良い境内を眺め、御堂を巡り、空気を味わうだけでかなり癒されます!何度でも参拝したい寺院です。
因みに↑のリンクから、本堂内の見取り図や各部屋の案内をご覧になる事が出来ます。個人的にはやはり孔雀の間と呼ばれる中央の大部屋がお気に入りですかねぇ。(本堂)外観に反比例した装飾的な内装はかなりの見ごたえで、絢爛豪華な伊達の息吹を感じることが出来ました!

再び中門の所に戻ってきました。中門のすぐ右隣りには、登龍門とも称される玄関が置かれています。現在ここから入ることは出来ませんが、拝観時には内側を覗くことができます。確か急な階段があったから登龍門と呼ばれたとかじゃなかったかな?
門の手前には、悩まし気な姿勢の観音が巨岩の上に座しています。



登龍門から更に右に進むと、本堂同様に国宝の指定を受けている庫裏が見えてきます。ここから瑞巌寺の本堂を拝観することが出来るんです。
庫裏の向いには青龍殿(宝物館)があり、瑞巌寺の数々の寺宝と共に、その幽遠なる歴史を学ぶことができます。



本堂内は基本撮影禁止ですが、唯一中庭の撮影は許されているようです。波形模様がなんとも美しいですねぇ。門の両側を飾る老松もいいアジ出してます。



やっとこさご由緒です。
松島青龍山 瑞巌円福禅寺

臨済宗妙心寺派
開山:慈覚大師
中興開山:法身性西禅師
中興開基:北条時頼公
本尊:聖観音

瑞巌寺の沿革
 瑞巌寺は正式名称を「松島青龍山瑞巌円福禅寺」といい、現在は臨済宗妙心寺派に属する禅宗寺院です。
 9世紀初頭、比叡山延暦寺第三代座主・慈覚大師円仁によって開創された天台宗延福寺がその前身であると伝わっています。後には、平泉を拠点として東北一帯を支配した奥州藤原氏も延福寺を保護しました。
 藤原氏の滅亡後は鎌倉幕府が庇護者となりましたが、13世紀中頃、幕府執権・北条時頼公が法身性西禅師を開山として臨済宗建長寺派への改宗を行い、寺名も円福寺と改めています。これまでは、禅宗への宗派変更時に天台宗延福寺は滅亡し、新しく臨済宗円福寺が創建されたと考えられていました。しかし、平成23年(2011年)の発掘調査によって、円福寺の主要建物群は現在の瑞巌寺と同じ位置にあり、延福寺とは別の場所に建立されたことが判明しており、文献の再考からも、 禅宗勢力と天台宗勢力は共に存在していた という考え方が現在は主流となっています。
 室町時代になると、円福寺は地方の名刹を示す「諸山」の地位に位置づけられ、やがて「関東十刹」に昇進しました。隆盛を極めた円福寺ですが戦国時代を経て次第に衰退し、16世紀末には教線を全国に拡大中だった、現在の宗派である臨済宗妙心寺派に属します。

伊達政宗公による円福寺の復興
 関ヶ原の戦い後、仙台に治府を定めた伊達政宗公は、仙台城の築城と併せて、領民の精神的拠り所とするため盛んに神社仏閣の造営を行いました。中でも円福寺の復興には特に力を注いでおり、事業開始にあたり自ら縄張りを行なったこと、平安の昔から「浄土の地」とみなされてきた紀州熊野に用材を求めたこと、畿内から名工130名を招き寄せたこと等に、政宗公の意気込みが感じられます。
 その理由としては、奥州藤原氏や鎌倉幕府が保護した歴史ある古刹を再興することにより、自分こそがこの地域における、精神的・政治的・文化的意識の継承者であると明示すること、古代以来「奥州の高野」と称される霊場松島に建立された円福寺を復興して善行を積み、自身の菩提寺とすることで浄土への往生を願ったということが考えられます。

 また、松島は景観の素晴らしさと月の美しさから、古来より歌枕の地として有名でした。そのため、「松島の月」を堪能するという目的もあったかもしれません。慶長13年(1608年)に鋳造された大鐘には、「山を号して松島と曰い、寺を名づけて瑞岩(巌)と曰う」という一文を見ることができます。これが「瑞巌寺」という呼称の初出で、以後、正式名称を「松島青龍山瑞巌円福禅寺」としました。翌慶長14年(1609年)、5年の歳月を経て工事が完了し、元和6年(1620年)から元和8年(1622年)にかけては本堂の各室を飾る障壁画の制作が行われています。

 伊達家の菩提寺として厚い庇護を受けた瑞巌寺は60余の末寺を有し、領内随一の規模、格式を誇りました。しかし明治維新後、新政府の神仏分離令による廃仏毀釈運動や、伊達家の版籍奉還による寺領の撤廃を受けて、什宝物の散佚、建物の損傷等、荒廃の憂き目を見ることになります。そのような状況の中、明治9年(1876年)、明治天皇東北巡幸に際し瑞巌寺が行在所となり、内帑金1000円が下賜されて復興の契機となりました。

 桃山美術を現在に伝える貴重な建築物であることから、昭和28年(1953年)に本堂(附属御成玄関)が、昭和34年(1959年)に庫裡と本堂をつなぐ廊下が国宝に指定されています。平成30年(2018年)には10年に及んだ「平成の大修理」が完了し、政宗公が心血を注いで完成させた創建当初の姿が現在に甦りました。
​国宝 瑞巌寺 / 縁起 ​ より引用

瑞巌寺の開山は9世紀初頭にまで遡ります。東北地方にありがちな坂上田村麿にまつわる伝承も見られますが、円仁にまつわる開創譚もあります。まず田村麿が毘沙門堂を建立、その数年後に円仁が五代明王像を奉納し、瑞巌寺の歴史は幕を開けます。この時の毘沙門堂や五代明王像(実際の造像は10世紀末~11世紀初めとされる)は、現在の 五大堂 に引き継がれているともされています。
その後、円仁によって開山された天台宗寺院が瑞巌寺の前身となり、鎌倉幕府の時代に中興開山の法身性西禅師によって臨済宗へと改宗されたようです。
江戸時代には仙台伊達初代政宗公の庇護を受け発展。現在に続く大伽藍を有する一大霊場へと生まれ変わります。

本堂斜めから。
とても語りつくせない素晴らしい古刹、松島の瑞巌寺。夏の良く晴れた空に似合う素朴な風情の大堂は、絢爛豪華な錦絵や装飾画で飾られた極楽世界を内包していました。伊達が築いたダテな文化、現世の極楽とも称される一大霊場は、いまでも僕の心をつかんで離しません。



御詠歌


本尊:聖観音 आर्यावलोकितेश्वर

以前貰った御朱印です。



今回貰った御朱印です。



公式サイトへのリンクです。
・国宝 瑞巌寺

以上です。






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最終更新日  2026年04月12日 21時27分21秒
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