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2025年11月05日
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カテゴリ: 御朱印:茨城県
茨城県龍ヶ崎市の中ほどに”女化”という変わった地名があります。こうした地名には決まって元となる伝説や民話があるものです。女化の場合は、鶴の恩返しの様な”異類婚姻譚”かつ”見るなのタブー(禁室型)”に属する民話に基づいて付けられた地名だそうです。その民話の舞台となったのが、今回紹介する女化神社です。


女化神社


牛久の街なかから女化神社の北側を抜けるように伸びる女化街道。その道のからも境内に入れるんですが、せっかくなので表参道から参拝してみます。



樹々に囲まれた参道を進んでいくと、三之鳥居と社号標が建っていました。
社号標には女化稲荷神社と刻まれています。神社が創建されてからいろいろと神社名が変わってきたようですが、稲荷神社という呼称はより古く、その次に保食神社、神仏分離後は女化神社という風に変化していったみたいです。



鳥居をくぐり、またくぐり、更にくぐると社殿が見えてきました。所々に金縁の装飾も成されてあり、全体的に荘厳な雰囲気が漂っています。
社殿の前の狛狐には、民話になぞらえてか、三匹の子狐が寄り添っています。



それでは地名の元となった民話と神社の由緒を見てみましょう。
與福惣社 女化神社

祭神:保食命
大祭:旧暦2月初午

女化稻荷緣起
 昔、建久の頃、源頼朝公が富士の裾野に狩に行った時、夢の中に霊狐が現れ、「私は長い間この野原に棲んでいるが狩で命が危ない。願わくは命を助けて下さい。」と言って消えてしまった。翌日仮屋の頼朝公の前に白狐が現れ、非常に哀れな様子で首を垂れていたので、頼朝公が「ここから東にある常陸の国の高見が原という広い野原に稲荷の祠があるという。ここに移り棲め。」と言われた。
 時が移って永正6年(1509年)。常陸の国 根本村に忠五郎という律義者がいて農業の合間に筳を織って商いをしていた。ある日土浦に商いに行って帰る途中、夕暮れ時に高見が原を通りかかった時一人の猟師が寝込んでいた白狐を弓矢で射ろうとしているのを見て、かわいそうと思い咳を1つした所、狐は驚き目覚めて草むらに逃げ去った。猟師はものすごく憤り咎めたところ忠五郎は筳を売った代価を差出し、ひたすらにその罪を謝り夜8時頃家に戻った。家に帰って柴の折戸を開けようとした時、側に老いた男と若い女が佇んでいたので、何処の者かと問尋ねた所、「我等は奥州の者で鎌倉に行く旅の途中です。今この家に泊めて下さいとお願いしたのですが、主人が留守だということでおばあさんから断られたのでどうすることも出来なくここにいました。」と答えた。
 忠五郎は生来慈悲深くこの様子を見て非常に憐れみ一夜の宿を貸した。夜が明けて女だけが居るのでいぶかしく思い聞きただした。女は涙ながらに言うには「私は奥州の信夫の郷の者ですが、幼い頃父母を亡くし譜代の使用人に育てられ今年21歳になります。家が貧しいので一族を頼って鎌倉に行く途中でこの始末です。」
 その後あの老僕がいなくなり、捜したがついに見つからなかった。女は毎日まめまめしく耕作など手伝いをしながら日を送り、いつか早三ヶ月ほども経った。里の人達がこの様子を知っていて、心も顔立ちも美しいので忠五郎の妻にどうかと老母にも勧め結婚させた。女は貞淑誠実で仕事に励み家業に大きく貢献し家運も大いに揚がった。夫婦仲も良く8年の間に一女二男をもうけた。
 永正14年(1517年)仲秋のある時、末の子に乳を飲ませていた時、子供と一緒に眠気を催したが秋風が身にしみるので目覚め、乱れ咲く白菊を茫然と眺めていたところ、遊びから帰って来た長子がこの姿を見て自分の母親が狐だったのに驚き泣き叫んだ。自分の正体を子供に知られたのを恥じて歌を一首書き残していなくなった。

みどり子の 母はと問はばをなばけの 原になく泣く ふすと答へよ

 ついに母親を再び見つけることができなかった。忠五郎はこれを知り非常に悲しみ嘆き、3人の子供を連れ跡を追ったが忠五郎の徳に恩義に感じて霊孤が若い女性に化けて恩に報いたこの神秘を語り伝えて人呼んで「女化原」といい、「女化稲荷」と称するようになった。
神社由緒書き より引用​



拝殿には豪華に木彫装飾がなされた扁額が懸かります。額面には女化神社。



そして本殿。大きな覆堂に囲われていますが、その訳はこの造詣の見事さからでしょう。これでもかと精密な彫り込みの木彫装飾がしてあります。相当に崇敬を集めていた様ですねぇ!



斜めから。




本殿左奥には祠が置かれており、その中には3つの小祠が輪座しています。それぞれ祭神は不明ですが、おそらく全て稲荷ではないかと思っています。



本殿の後ろには幣が置かれた石祠があります。これは何なんでしょうか?茨城の友人と共にかつての本殿ではないか、いやただの末社だろう、狐の夫の墓ではないか、などなど語ったんですが、結局のところ何なのかは不明です・・・。



境内から女化街道に出ました。遠くを眺めていると、奥の方に鳥居らしきものが・・・!あれが奥之宮ではないでしょうか。



茨城の友人と共に鳥居まで歩きました。僕が「結構遠いじゃないか、車で行ってはどうか」と愚痴ると、友人は「なに、これも趣があってよろしい」と答えます。こんな風にああでもない、こうでもないと言いあっていると、いつの間にか鳥居の前に着いていました。・・・そんなくらいの距離となっています。



鳥居の奥には社は無く、ただただ林が広がるのみです。所々に鳥居なども見えますが、祠的なものは1つもありません。ここが"をなばけの原"でしょうか。



林の奥の方に向けて狛狐が置かれています。白狐は最後の時まで、この林で過ごしたのでしょうか。家族の元を去った白狐、彼女の悲しみと後悔を表すかのように、冷たい秋風がさびしい音を立てて吹きすさんでいました。



今回貰った御朱印です。



以上です。






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最終更新日  2025年11月05日 20時26分52秒
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