山田維史の遊卵画廊

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☆Tadami Yamada's Paintings 新アダムとイヴの誕生


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Tadami Yamada's Painting


Tadami Yamada's Painting


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Tadami Yamada's monochrome cuts -#1


Tadami Yamada's monochrome cuts -#2


■Yamada's Article(1)卵形の象徴と図像


■Yamada's Article(2)ユングの風景画


■Yamada's Article(3)画家ムンクの去勢不安


■Yamada's Article(4)夢幻能と白山信仰


■Yamada's Article (5) 城と牢獄の論理構造


■Yamada's Article(6)ムンク『叫び』の設計と無意識


■Yamada's Article (7) 病める貝の真珠


■Yamada's English Article (8) 能の時空間の現代性


■Yamada's Article (9)『さゝめごと』に現われた十識について


■Yamada's Article(10)狐信仰とそのイコノグラフィー


■Yamada's Article (11) 江戸の「松風」私論


■Yamada's Article (12) 伊勢物語「梓弓」について


■(13)英語訳論文「ムンクの『叫び』の設計と無意識」


■(14)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』


■(14-2)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』


■(15)英語訳論文『卵形の象徴と図像について』


■(16)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(1)


■(16-2)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(2)


■(17)英語訳論文『モンドリアンの自画像について』


■(18)英語訳論文『霧に対する感性の考察』(1)


■(18-2)英語訳論文『霧に対する感性の考察』(2)


■英語訳エッセー『柔らかい建築 Soft Architecture』


■(19-1)英語訳論文『エドヴァルド・ムンクの去勢不安』(1)


■(19-2)英語訳論文『エドヴァルド・ムンクの去勢不安』(2)


■(20)英語訳論文 『伊勢物語の「梓弓」について』


■(21)英語訳論文『C.G.ユングの風景画をめぐって』


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Jan 8, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 本日1月8日の朝日新聞書評欄に、『消された校舎----旭丘高校校舎建て替えてんまつ記』(旭丘高校校舎の再生を考える会編)について、社会経済学の松原隆一郎東京大学教授がコメントを書いていた。次のような書き出しである。引用してみよう。

   「アメリカは歴史の浅い国、日本は伝統の生きる国」と言われる。本当だろうか? 驚くべき数字がある。国が保護している文化財建造物の数は、アメリカが5万2千件弱、日本はなんと4997件(05年)。イギリスは、イングランドだけで44万件強(93年)だから、我々がいかに歴史を殺してきたかが分かる。「震災が多いから仕方ない」、というのが一般的な反論だ。けれども震災対策は口実で、経済効果が本音ではないのか。
   日本の「スクラップ・アンド・ビルド」体質を象徴するのが、全国で頻繁に対立が伝えられる校舎建て替えだ。----

 ここで松原氏が明らかにしているのは、言葉を替えれば、幻想的愛国論がいかに国の歴史を破壊し、国土を破壊するかということだ。私は、この幻想的愛国論もしくは曲学的愛国論をつむぎだす精神を、ひそかに亡国的ナルシシズムと呼んでいる。
 明治27年に刊行され、以後、名著として親しまれてきた志賀重昂(しげたか)著『日本風景論』という本がある。現在、岩波文庫で読むことができる。この本で志賀が情熱的に強調しているのは、日本の風土が欧米諸外国にくらべていかに優れているかということだ。折しも日清戦争に勝利し三国干渉という時期に刊行されたため、排外的愛国路線にうまく合致し、日本人の愛国的景観意識をそだてるのに大いに寄与したといわれる。
 私はたしか以前にこのブログで書いたと思うが、「日本が他のどの国よりも美しい」というような論説はまったく無意味で、景観論として成立しないのだ。砂漠の民は砂漠を、氷原の民は氷原を、「わが麗しの故郷」と胸にいだいている。風景美を云々すると、じじつ、美はいかなる所にもある。日本が美しい風土だと思ったら、次にはそれを如何にしたら美しいままに伝え残していけるかを考え、実行しなければなるまい。そうでなければ、美しい日本は幻想にすぎない。
 『日本風景論』は、時局的に、自己肥大化した愛国心の昂進にはたらきかけるものになりはした。が、よく読んでみると、じつは言葉とは裏腹な日本の現状が書かれていて愕然とさせられる。第7章「日本風景の保護」の冒頭部を読んでみよう。原文をそのまま引用しては反って理解がはかどらないので、意訳して示すことにする。

   日本の山海の美しさ、樹木の多種多様なことは、日本人の審美心を過去、現在、未来と育てる原動力だ。この原動力を害することは、日本の未来の人心や文化を害することと同じである。近年、人情は薄くなり、目の前の小さな利益を追う小賢しい計画に汲々として、遥か遠くをみつめて大事なヴィジョンをもつことを忘れてしまっている。森林を乱伐し、「名木」や「神木」を切倒し、花も竹も薪にするありさまだ。古城の壊れた石垣はすっかり破壊し、また「道祖神」さえ石材として橋作りに使い、湖は埋めたててしまう。鶴も捕獲して絶滅に瀕している。(維新後、宮城県の松島の松を切って木材としたり、東京忍が岡の桜を切って印材としたり、「物を喰らう」からと奈良の春日神社の鹿を殺戮しようとしたり、「文明開化の世のなかには無用の長物だ」といって東京芝増上寺に放火した者らは、さすがに近年、すこしは改悛したけれども)、このように日本の風景を破壊することが少なくないのである。くわえて名所旧跡の破壊は歴史観念の連合を破壊するものだ。したがって国をあげてこのような事態をつつみかくさず暴くひつようがある、と(私は)主張する。日本の社会は、日本の未来の人心と文化を啓発するために、ますます日本の風景を保護することに努力しなければならない。

 ながながと意訳したが、私が愕然とするのは、昔も現在も日本人の心性はすこしも変っていないということである。私が幻想的愛国論といってはばからないのは、こういう事実によっている。

 この日本人の心性に深く頑に根付く悪しきものについては、さまざまな領域で検証する必要がありそうだ。

 ところで冒頭に述べた旭丘高校は愛知県の学校である。私が『日本風景論』をもちだしたのは、著者の志賀重昂が同じ愛知県(当時は三河国といっていた)の岡崎康生町の出身だからでもあった。松原隆一郎氏が朝日新聞の書評を書いたとき、志賀重昂とその『日本風景論』について思いを致したかどうかは知るよしもないが、氏の冒頭を読むと、遥か明治時代の志賀の慨嘆が洩れきこえてくる。
 さらに付け加えるが、このブログの日記にしばしばコメントを寄せてくださる櫻井淳さんはご自身のブログで、愛知県の設楽近在の廃校の写真を独特のアングルで撮影して発表しておられる。私は櫻井さんの詩情豊かな写真が好きでアクセスするのだが、一方で私自身が小学校も中学校も高校さえも、校舎を失っているので、センチメンタルな感情ではない特別な思いを胸にいだきながら櫻井さんの廃校写真を見ているのである。

 ことは学校の校舎の存廃ばかりでなく、私が青春時代をすごした会津若松市も、以前書いたとおり、その歴史的街並を完全に破壊してしまった。他方で角館市のように、昔ながらの景観を保存しつつ現代的再生に意をそそぎ、どうやらそれが成功している例もある。こうなると住民の智恵の問題とも言えそうだ。が、その住民の智恵を蹂躙してまで国の行政機関が権柄づくで破壊行為をしている有明湾の例もある。行政機関に「めんつ」なんてまったく必要ない。そんなことは問題にするほうがおかしい。住民を無視して、行政もへったくれもないのだ。ここにも幻想的愛国思想がある。それは「狂気」なのだ。どうやらことは政治病理学ともいうべき問題かもしれない。





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Last updated  Jan 9, 2006 05:01:10 AM
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Comments

AZURE702 @ Re[1]:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03) shiwashiwa1978さんへ  拙作をご覧くださ…
shiwashiwa1978@ Re:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03) 素敵です。 作品集は無いのでしょうか。
AZURE702 @ Re:「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに)(08/21) 三角野郎(絵本「マンマルさん」)さんへ …
三角野郎(絵本「マンマルさん」)@ 「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに) ≪…【ヴィークル】…≫の用語が、[ 実務と…
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