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《オバマ米大統領は15日、米ニュージャージー州にあるラトガース大学の卒業式でスピーチを行い、「政治においても実生活においても、無知は美徳ではない」と強調した。》とCNNが伝えている。
まったくそのとおりだ。この言葉は、アメリカ合衆国の状況におけるだけではなく、我が日本の現状についても言える。そして、政治の言葉をこのオバマ大統領のように、万人のなかでの一人一人の人間としての有り様、すなわち言い得るなら、「人格」を問うほどの演説をなし得る政治家は、まことに残念ながら日本にはいない。
オバマ大統領はまた、「古き良き時代はそれほど良くなかった」と言う。アメリカ合衆国の歴史を振り返り、未来へ向かうためのモチベーションとしての言葉だが、この認識にこそオバマ大統領の知性がきらめく。なぜなら、過去を否定してそれ以上の良き社会を築いてゆくことは、政治家にとって苦難の道にほかならない。政治とは、アイデアを「実現」しなければならない宿命を負っている。そのアイデアをオバマ大統領の言葉に重ねて見るとき、困難さが如何程のものか分かるだろう。したがって無能無力な政治家は、過去を否定して過去を乗り越えることができないのだ。国民文学者と讃えられている小説家が、「理想は明治維新」などと言っていたが、私から言わせれば何とつまらない。日本の小説家だからそれですんだ。政治家だったら、どうだ? 馬鹿馬鹿しい限りだろう。
オバマ大統領の言葉が、決して文学の言葉ではないことに、私は注目する。
日本の政治家は、世界中の人間がひとしくあるべき姿を思い描く高邁な理念もなく、そんなことにはまったくノンシャランスに、無知こそ政治の武器といった具合だ。そこに「無恥」が付け加わるから始末におえない。国民を騙すこと、国民の懐(税金)に汚れた手を入れること(それを容易にする抜け道のある法律を自らがつくる)、タカること。つまるところ日本の政治家は、国民を食い物にするやから、とさえ言いたくなる。日本の政治の基底に、前近代的に抜きがたく存在する「棄民思想」が、政治を志した人物の精神を、いつしか蝕んでしまうのだ。
オバマ大統領の任期は間もなく終了する。アメリカ合衆国内的には功罪が半ばするのかもしれない。他国のことには嘴を差し込まずにおこう。ただ、オバマ大統領のような言葉を言える日本の政治家が、今後、出て来るかどうかは、私は心配する。
【関連報道】
CNN.co.jp : オバマ大統領、演説でトランプ氏牽制 「無知は美徳ではない」 2016.05.16 Mon posted at 10:14 JST
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