東方見雲録

東方見雲録

2026.05.23
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カテゴリ: 郷土

日本海新聞 0521

麦垣文庫
鳥取でまちづくりと本に関する活動を続けている永井伸和さんです。1972年に「麦垣児童文庫」を開き、1975年には「とっとり子ども図書館」をオープン。子ども文庫や本に関わる人たちとゆるやかなつながり築くことで、1987年に手作りの模擬図書館「本の国体」を開催。この取り組みに当時の県民の1割が参加し、公立図書館の設置へと展開していきました。1995年には後にNPO化する「本の学校」を米子市に開設するなど、現在も地域発の本の文化を形成することに尽力しています。
引用サイト: こちら

模擬図書館「本の国体」を開催
 「本の国体」と呼ばれたイベントがかつてあったことをご存じでしょうか。1987年秋に鳥取県で開かれた「ブックインとっとり’87 日本の出版文化展」の通称です。直近の1年間に出版された約3万5000冊の書籍を全国の出版社から集め、県内3地区の体育館などで順に展示しました。

 期間限定の図書館といった感じでしょうか。小説や絵本のほか、街の書店では見かけない専門書や各地の郷土出版物を集めたコーナーなどが作られ、有名ミュージシャンのお薦め本も並べられました。計10日間の期間中に、全国から約6万人が訪れたそうです。

 それまでの図書館は本を手に取って見られない閉架式の書庫が主で、市民には使い勝手の悪いものでした。地域の知のインフラとして「開かれた図書館」づくりが注目されるようになっていましたが、鳥取にあったのはそもそも県立図書館のみ。市町村立の図書館の建設を求める中で考えられたのが「本の国体」でした。
引用サイト:毎日新聞   こちら


永井 伸和氏(個人)
読書運動の推進や地方出版の育成を通じた、本による地域文化づくり


 日本は有数の出版大国である。出版年鑑によれば、一年間の出版点数は6万点、書籍雑誌併せて66億冊におよぶ。これだけの出版ラッシュにもかかわらずというべきか、あるいは、出版ラッシュだからこそというべきか、日本人の活字離れが指摘されて久しい。時として良書は悪書に駆逐されることも珍しくない。「田ありて耕さざれば倉廩虚し、書ありて教えざれば子孫愚かなり」という古人の嘆きは、書籍の洪水の中で皮肉にも活字文化の素晴らしさを見失った日本人への警告のようにも聞こえる。

 米子市で老舗の今井書店を経営する永井伸和さんは、そんな日本の出版界を強く憂慮する一人である。今井書店は1872年創業、1972年に創業百年を迎えた。「百年の単位で歴史を振り返ってみると、書店というものが如何に地域社会の恩恵を受けて成り立っていたものか、改めて強く感じた」と永井氏は言う。今井書店の百周年記念座談会で、「鳥取県内での市立図書館の開設」「地方出版の育成」の提案を受けた永井さんが、誰をあてにするわけでもなく、率先して献身的にその提言を実現していこうとした姿勢は、老舗の百年の歴史につき動かされたものなのかもしれない。

 この二つの提案を核に氏の活動は様々な展開を見せる。境港市内で児童文庫の開設を手掛けたのを手始めに、鳥取市内で営む書店内に無料貸出を行う「子ども図書館」という児童文庫のモデルを作り、県内各地に次々と「児童文庫」を誕生させた。また「開かれた図書館づくりのためのシンポジウム」、「地方出版物シンポジウム」をはじめとする各種討論会・講演会を様々な団体と協力しながら開催し、積極的に「地域図書館」と「地方出版」の重要性を訴えていった。時には九州の唐津市から下取りしたブックモービル(移動図書館車)を使って県内を回り、図書館の重要性を身をもって体験してもらったこともある。1987年には、「伯耆文庫」の創刊、総合雑誌「地平線」の創刊(地平線の会)、県全体を巻き込み、本の国体と呼ばれた「ブックインとっとり〈日本の出版文化展〉」の開催と続いていく。さらに、95年には125周年の記念事業として「本の学校」を開設し、出版業界人の養成と、地域の生涯学習の場を提供している。

 これらの活動は永井さん一人の力をはるかにこえるものではあるが、氏がネットワークを広げながら、陰になり日向になり果した役割は非常に大きく評価することができる。また、日本文藝家協会の「文藝書専門店」構想に東京にさきがけて逸早く今井書店が呼応したのも興味深い。書店主といえば、店頭で長々と本を吟味する愛書家の前に「はたき」を持って現れるものとされてきたが、「はたき」の似合わない永井さんの活動は、本は人々の目に触れてこそ文化の根源となり、本を愛することは文化の真髄なのだということを改めてわれわれに示してくれている。
引用サイト:サントリー   こちら

同上 活動紹介動画 こちら

地方出版文化功労賞
第37回ブックインとっとり
表彰式・受賞記念講演会
2026年1月31日(日)13:00‐15:15
1987年より全国の地方出版物を顕彰してきた「ブックインとっとり」が、第37回の表彰式を持って38年の歴史に幕を閉じます。当日は地方出版文化功労賞および奨励賞の表彰式と記念講演会が開かれます。
「ブックインとっとり」は、鳥取県と東京23区を除いた地域に拠点を置く出版社を対象とし、鳥取県外で出版活動を行う方々の交流を県内で生み、地方出版界を鳥取県から応援しようとする取り組み。2016年からはこの「ブックインとっとり」をモデルとして韓国でも地域出版を顕彰する取り組みがスタートしており、海を越えた地方出版業界の交流の場にもなってきました。



最終回となる第37回の地方出版文化功労賞には、アフガニスタンで人道支援に尽くした医師の中村哲さんが「ペシャワール会」の会誌に記し続けた現地活動報告の集成「中村哲 思索と行動 『ペシャワール会報』現地活動報告集成『上』1983~2001」(忘羊社)を、奨励賞には熊本県のケーブルテレビで取材を手がけた坂本桃子さんが地域に伝わる祭りをまとめた「食べて祀って 小さな村の祭りとお供え物」(弦書房)をそれぞれ選出しました。

入場無料でどなたでも参加可能です。終了後には、閉幕セレモニーと受賞者を交えての交流会も予定されています。 地方の出版振興に重要な役割を担ってきた活動をあたたかく見送ってください。
引用サイト: こちら

NPO 本の学校
NPO本の学校では「本との出会いを創り、育む/知の地域づくり」を目標に3つの柱を活動指針としています
本との出会いによる豊かな暮らし

講演会・研修などの開催、会報『Book & Life』の発行など、広く「読書の楽しさや大切さ」を伝える活動を行っています。
また、地域における読書推進活動がより豊かになるよう、全国各地域の読書推進団体との情報交換を行い、ネットワークづくりを行っています。

■定例会の開催(毎月1回)
毎月下旬に米子・本の学校今井ブックセンターホールで開催。
各種情報交換、本の紹介、ゲストを呼んでのミニトーク(勉強会)などを開催しています。

■公開講演会の実施(不定期)
本や図書館の魅力を伝えるためにさまざまな活動をしている方を講師に迎えて、一般向けの公開講演会を開催しています。

■会報誌の発行(年2回)
「生涯読書をすすめる会」の活動、参加者の動向を詳しく記した会報誌、「Book&Life」を年2回発行しています。

本の未来をともにつくる
本の未来創造事業
■出版産業シンポジウム in 東京(年1回秋)
出版文化・産業の課題や将来のビジョンを話し合うシンポジウムを開催しています

■書店人のための基礎講座(春講座)/(年1回・5月)
書店を始めたい人、書店人向けの講座をオンラインで開講しています(アーカイブ視聴あり)

■本の学校連続講座
最前線のトピックや時宜に応じたセミナーを適宜開催しています

■まちの本屋をめぐる旅
まちで本屋をいとなむ人々を地域のみなさんとめぐり歩き、対話を重ねる企画です

市民による「知の地域づくり」をサポート
知の地域づくり事業
大学、図書館、書店、文化施設、教育研究機関などの協力による「知の地域づくり」と、地域や組織を越えたネットワークによる「学びの場」の創造・拡充を推進しています。
・知のネット山陰による「知の地域づくり講演会」の開催
・鳥取県図書館大会での本の学校文化祭
・よなご宇沢会との連携
・広島大学文学部と共催「文藝学校」
引用サイト: こちら

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私見
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Last updated  2026.05.23 09:00:05
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