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koshka0467

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2005/12/12
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カテゴリ: 観劇記
二日目はマリインスキー劇場で、

(バランシンの抽象バレエについては 6月28日の日記 参照)

この作品は三部構成で、
それぞれが異なる作曲家にささげられ、
宝石の名前がつけられています。
すなわちフォーレが「エメラルド」、
ストラヴィンスキーが「ルビー」、

踊り手は全員お揃いの、
それぞれの宝石の色の衣装をつけ、
音符のように踊りで音楽を表現します。
前回のが白黒で音符そのものだったとしたら、
この作品ではその音符が、
宝石の粒、あるいは原子でできているかのような
印象を受けます。

私はこの演目、パリのオペラ座で観たことがあります。
そのときは、「エメラルド」では
「ちょっと変わったバレエね?」
という戸惑いがあったのか

次の「ルビー」で一気に熱くなり、
そのテンションゆえに、最後の「ダイヤモンド」は
幕が開いただけで拍手が起きるような、
記憶に残るとてもよい公演でした。
マリインスキーではどうなるだろう?


静かにきれい!
神経のささくれが気持ちよーく鎮められていく感じ。
「エメラルド」ってこの作品の構成上、
前座にしかならないのかも、
と思っていたけれども、全く考えを改めました。

次が「ルビー」。
これはルビーの粒が跳ねまわるような
アップテンポの踊りで、
ジョギングポーズ、縄跳びポーズがあったりして
もうワクワクしてしまう、期待の一番。

ところがこの日は音楽が遅くて重い!
必然、踊りもどっしりとしていて、
今日のルビーの赤は、すごく濃い赤ワインの赤ね?
という感じ。
うーん母国の人が演ると、ストラヴィンスキーって
こんなに重くなっちゃうのか…
でも個人的にはオペラ座のほうが好みだな…
と思っていたら、後でバレエ狂の友人が言うには
「今日はおかしかった!重過ぎ!」
あぁそうなのか、よかった。じゃあ次回に期待しよう。

最後の「ダイヤモンド」は名プリマのロパートキナが踊り、
もう文句なしの王道の美しさでした。
バランシンは、自分なりの『白鳥の湖』を作りたくて、
最もそれに近いチャイコフスキーの曲を持ってきて
この作品を振り付けています。ですから空気はすっかり白鳥。
ただし、バランシンの世界では、
オデットとジークフリート王子のような男女ペアが
何組にも増幅して舞台上を埋め尽くすという
圧巻なラストを迎えるので、
万華鏡を見ているような、不思議な気持ちになりました。
それにしても、バランシンにとって
あくまでも正統はチャイコフスキーなんだなぁ。

  (自分の感想ばかり熱く書いて
   ちょっと恥ずかしくなったので
   最後にまた余談ですが、
   この日、私のチケットには
19:30開演 と印字されており、
   『ジュエルス』は短いもんね、
   オペラ座で観たときも19:30開演だったし、
   とか思いながら、余裕こいて運河沿いを歩いて
   劇場に19:00ちょっと過ぎに到着しました。

   そしたら案内のおばちゃんに
   「あそこだから早く座って」と言われる。
   「いや、まずトイレに行って来たいんですけど」
   「後にして!もう始まるから」
   「え?もう始まるんですか?」
   「オーケストラが座ってるでしょ!」と急かされ、
   そうこうするうちに本当に幕が開いてしまいました。
   なんで??と思っていたら…

   周囲の人が持っていたチケットには
19:00開演 と書いてある!

   唯一、私の隣席のおじさんだけは
   19:30チケットを持っていて、
   思い切り遅刻してやってきました。

   こんなこともあるのかロシアの劇場って…
   油断ならん。)





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Last updated  2005/12/15 04:26:03 AM
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