失速カターレ〈上〉 堅守速攻崩れる(2017年12月04日 23:53)
■ストライカー不在も
チーム創設10周年の節目を迎えたJ3カターレ富山は8位に沈み、今季もJ2復帰を果たせなかった。
前半戦を2位で折り返したが、後半戦に入って急失速。4季ぶりのJ2復帰を信じたサポーターの期待は裏切られた。
今季を振り返り、再起への糸口を探る。(社会部・川端浩泰)
今季から指揮を執った浮氣哲郎監督の下、縦パスを使ってシンプルにゴールを狙うサッカーは的中。
開幕3連勝で首位に立つ。その後もハードワークと球際の勝負にこだわった「堅守速攻」で勝ち点を重ね、前半戦はJ2昇格圏内の2位(9勝2敗5分け)で折り返した。
だが、1カ月の夏の中断期が潮目となった。
後半戦初戦のFC東京U-23戦(8月19日)。
1点リードの最終盤で立て続けに失点し、まさかの逆転負けを喫する。長いトンネルの始まりだった。結局、後半戦は4勝9敗3分けで17チーム中16位。
今季33失点のうち、後半戦の失点は24にも上った。
黒部光昭強化部長は、要因として守備のほころびを挙げる。
前半戦、リーグ最少の9失点の堅守を支えたDF代が9月に故障して長期離脱。穴埋めを期待されたDF近藤も移籍後に初先発したセレッソ大阪U-23戦(9月9日)で負傷した。
「守備のバランスが崩れ、それまで1-0で踏ん張れていた試合で勝てなくなった」
富山シティエフエムで試合解説している元主将の濱野勇気さんは「相手ペースになったときの戦い方に問題があった」と指摘する。
ボールを持ってもプレッシャーからかスペースにボールを運ぶシーンが多く、ゴールへ向かう積極性が影を潜めたからだ。
連係不足で相手に簡単にシュートを許し、リードしていても後半に追い付かれたり逆転されたりする試合が目立った。
ストライカーの不在も響いた。前半戦の課題に挙がったラストパスやシュートの精度を底上げできず、今季の1試合平均得点は1・15点でリーグ11位。セットプレーからの得点が4割を占め、チームの武器として定着した一方、パス交換で崩してシュートまで持ち込む場面はほとんどなく、前に蹴るだけの単調な攻めになった。
DF脇本は「守備から攻撃への良い形が出せず、体力的にきついところでばたばたと失点した」、DF平出は「マークの受け渡しなど、コミュニケーションで解決できる部分は多かった」と悔やむ。
前半戦が好調だったため、相手に分析された側面もある。
「前線からのプレスをかいくぐるチームが増えた。簡単にボールを奪えなくなった」と浮氣監督。「何としても点を奪いにいこうと、自らバランスを崩した。修正できないまま試合を繰り返してしまった」。
ホーム最終戦後の記者会見で、指揮官は力なく話した。
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