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[2006] ブルゴーニュ・アリゴテ 750ml (モンジャール・ミュニュレ)
最近のモンジャールのアリゴテは隠れた名品です。これもとても良いと思います。
最近のモンジャールはトップのグランクリュ(リシュブール、グラン・エシェゾー)とスソモノが素晴らしいですね。スソモノでもロゼ、パストゥグラン、アリゴテの3つは絶品だと思います。一級クラスが一番どうでもよい様なワイン作っていると思います。これはこれで困ったものです。種類作り過ぎの結果かも知れません。
このアリゴテの畑はロマネ・コンティから2kmも離れない、ヴォーヌ・ロマネとニュイ・サンジョルジュの境界の国道の下側にあります。広さは1haです。
ブーズロン辺りのアリゴテとはずいぶん違います。私が感じる傾向としてはコート・ド・ニュイの近隣で取れるアリゴテは酸が柔らかく、大人しい、アリゴテらしくくないアリゴテの様に思います。
このアリゴテの特徴はアリゴテとしては酸が弱く、ミネラル感が豊富で飲みやすい、柔らかいワインだと言う事です。
アリゴテと言うと酸っぱいと言うイメージが付きまといますが、全然違ってシャルドネの火打石臭さを和らげたワインと言うイメージです。
牡蠣にも合いますが、バターソースの魚料理にも良く合います。非常に守備範囲の広いアリゴテに仕上がっています。逆に言うとキールのベースに使うワインには向かないと思います。
ジャイエ・ジルのアリゴテも好きですが、双方似た所があります。
時々アリゴテがどういう葡萄か、どういう位置づけか知らないで飲んでいる方も多い様なので補足しますが、元々ブルゴーニュではピノ・ブラン等と並んでアリゴテは下位品種です。高貴品種はあくまでもシャルドネです。分かりやすく言うと、赤はピノ・ノワールが高貴品種、ガメイが下位品種、白はシャルドネが高貴品種、アリゴテが下位品種と言う事です。
アリゴテの特徴は酸が多く、酸が多い割にスッキリしないので、シーフード用のワインにもならない、お荷物品種でした。そこでクレーム・ド・カシスと割ってキールと言うカクテルが生み出されたりしたのです。正式なキールはアリゴテで作ります。
そんな厄介者のアリゴテは昔は日本に輸入される事もありませんでした。
ワインの生産技術が上がるにつれて、アリゴテもだんだんワインとして飲めるようになって来て、ブーズロンのアリゴテが成功し有名になって、更には一流ドメーヌのシャルドネが値上がりして、気楽に飲めるブルゴーニュの白が無いので、アリゴテの輸入が増えて来たのです。
ですから当然古くからのワイン通でアリゴテをセラーで寝かせる人はいませんし、アリゴテと言えば酸っぱい、レモンの様なワインと言うイメージがついて回っているのです。
ですから当然アリゴテと言えば安いワインと多くの人が思っています。
しかし最近ドメーヌ・ルロワやコシュデュリの様に5000円を超えるアリゴテが登場し、ルジェ、ラモネ、ポンソと言った優良ドメーヌからも続々と3000円を超えるアリゴテが出てきています。
これはこれで非常に良い事だと思います。従来のアリゴテのイメージを払しょくし、新たなアリゴテの可能性を見せてくれています。
昔なら見向きのされなかったアリゴテに新しい光がさして良いワインがドンドン生まれてくるのは実に楽しい事です。今後も驚くようなアリゴテが次々に登場する事でしょう。
ただやっぱりアリゴテと言う葡萄品種の限界はルロワやコシュデュリを飲んでも感じてしまいます。非常に選別された葡萄を使い、極端にミネラル感の強い凝縮されたアリゴテを作っていますが頑張れば頑張るほどシャルドネとの差が大きく出てきます。
私個人としては、シャルドネの下位品種とわきまえた上で、シャルドネには出来ない新たな世界をアリゴテで描いて欲しいと思います。
アリゴテでもっともアリゴテらしくて成功しているのはブーズロンのヴィレーヌだと思います。そして新しい柔らかい酸の立たないアリゴテを作って成功しているのが、このモンジャールとジャイエ・ジルだと思います。
見方を変えて、もしAOCのルールがもう少し変わればブルゴーニュでもソービニヨン・ブランやリースリング等を植えてルロワやコシュデュリやルフレーブが作ったらどんなワインが出来るのだろうと思うと夢が膨らみますね。何時かはニューワールドに対抗して出てくるのでしょうか・・・
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