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ご無沙汰しておりました、るってんしゃんで御座います。皆様、お元気でお過ごしでしょうか?私は、4月からネットの繋がらない環境下での新生活が始まり、新しい職場にも慣れたような・・・やっぱり慣れないような・・・とりあえず、それなりに楽しく暮らしています。今は夏休みで帰省したので、久しぶりの更新です。で、なぜ日記のタイトルが「コピペ多発注意報」なのかと申しますと、先日とある方から善意でご助言いただきまして、どうやら、このHPに掲載している卒業論文をコピペして大学のレポートや論文・卒論を提出している者が続出しているらしいということが発覚いたしました。本当に残念です。もちろん、以前から> 私の論文や作品概要、作品マトリクス等を> 参考・引用されたい方がいらっしゃいましたら、> どうぞご遠慮なく申し出て下さい。> その代わり、その際は、<参考・引用文献>> として、ここのHPの名前・アドレスを論文に> きちんと明記してください。と申し上げており(言わなくても常識だとは思いますが)、今まで、熊本大学や茨城大学などの幾人もの学生さんから、きちんと参考・引用のご報告をいただいておりましたので、私の卒業論文を有効に活用して下さる方がいらっしゃることを嬉しく思っていたのですが、その一方で、まさか「引用」という形ではなく、あたかも自分の書いた文章のように装って乱用している方が多数いらっしゃるとは・・・ま、こちらとしては、すでに伊坂幸太郎さん本人に見ていただいている論文ですから、いくら他人が私の文章の筆者だと偽って発表しても、本当は私が書いたという事実は伊坂さんが知っているから大丈夫、問題ないという思いがあり、不特定多数の人が見ることのできるネット上にUPする以上、ある程度の無断使用は仕方ないだろうと考えておりました。検索すれば簡単に出てくるのにもかかわらず、コピペに気づかない教授もある意味滑稽だと思いますし、コピペだとバレて単位不認定になる恐れだって絶対あるはずなのに、それでもコピペしちゃう楽天さをちょっと尊敬もします。何より、「使えない駄文」を自分の論文として提出する人はいないでしょうから、コピペであれ、私の文章をある程度認めて下さったということですから、愛媛の自分の文章が全国の大学に蔓延してしまっていることを想像すると、なぜか妙な嬉しさも感じて、ちょっとムズムズします。怒らないから、どこの大学の人が私の文章で論文提出したのか統計取りたいから、むしろ全国統一したいから正直に名乗り出てくれー!という気分です。しかし、それでも、私が書いた卒業論文のコピペによって本当に単位認定・卒業認定されてしまったのだということを考えると、学生さんの本来の力を発揮する機会を奪ってしまったのではないかと、コピペという安易な方法に飛びついた者の周囲にいらっしゃる真面目な学生さんに不快な思いをさせてしまったのではないかと、また、「あの教授はコピペに気付かないよ」と噂されて今まで尊敬されていた教授が評判を落としたのではないかと、いたたまれない気持ちになります。そこで急遽、卒業論文の本編だけ削除させて頂きました。全部消してしまうのは、参考・引用することを考えていた善良な学生さんに申し訳ないので、目次・はじめに・おわりに・特大付録の年譜・卒論発表会用ダイジェスト版は残しています。あと、HPのTOPに『どこよりも“文章”として詳しい「作品リンク」一覧あり。』と銘打っており、卒論の中でも自負できる部分だと思うので、前後の文章を省いた作品リンク一覧のみのHP用抜粋版を新しくご用意させていただきましたので、ご覧下さい。これも「神様のレシピ」に書いてあったのかなと思いつつも、でも、本当は、私の卒論をバトンにして、多くの学生さんの新たな「伊坂幸太郎研究」に繋げていって欲しいです。コピペできない形でUPできる方法ってありませんかね?ご存じの方がいらっしゃいましたら、どうか教えて下さい。以上、不本意ながら卒業論文の本編のページを削除させていただく事態になりましたこと、どうかご了承下さいませ。
2011.08.10
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県の教員採用試験に合格いたしました。5回目の受験で、ようやくです。2次試験3回目にして3度目の正直。嬉しいというより、ほっとしました。もう、教育法が急に改正されても覚え直さなくていいぞ!って(笑)3年間勤めた私立校を辞めた甲斐がありました。ホント良かったです。今年は採用人数が例年よりも多かったようで、ついてたんだなぁと思います。でもこの前、『H-1甲子園2010』でパンクブーブーの黒瀬さんがこんなことをおっしゃっていました。「コンテストは、実力4割、運6割。でも、努力をしていなかったら、運はやって来ない。」だから今年、運があったのなら、それは自分の努力してきたことが認められた証なのだと、素直に喜びたいと思います。合格発表から約1ヶ月経ちましたが、なぜこんなに報告が遅れたのか申しますと、謎の高熱で床に伏せっておりました。薬が切れたら再発の繰り返しでして、お医者さんは「珍しい症例ですね。」とか言ってるし、結局原因不明だし。気が付いたら10月が終わっていてびっくりですよ。運を使い果たしたツケが回ってきたかのような・・・。ある意味、バランス取れてるのかな。今後はしばらく、健康第一を目標に、運は蓄積しておく方向で頑張ります。
2010.11.03
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お久しぶりです、るってんしゃんで御座います。皆様お元気ですか?私はようやく大殺界も明け、そろそろ人生の春がやってきてもいいんじゃないかと期待しているところです。てか、大殺界がどうこうとか言ってたあの人どこいったんでしょうね?(笑)まぁ、占いなんてくだらないと言われる方も大勢いらっしゃると思いますが、個人的には、ホントに大殺界メインの年に人生初の入院をしまして、結構バカにできないな・・・と思ったりしてます(笑)さて今日、なぜ久しぶりに日記を書こうと思ったのか申し上げますと、母校の大学で「国語国文学会」というものがあり、それに今年は参加したからです。卒論でも大変お世話になった教授が今年で定年を迎えられるということで、大学での最後の講話がありました。国語専修は1学年10人程ですので例年50人くらい入る教室で実施されていた会ですが、教授の人徳により歴代の卒業生200人近くが集まり、急遽大きな講義室に場所が変更になったくらい本当にすごい教授です。「「こゝろ」の流れ」という内容で講話されたのですが、時間オーバーにもかかわらず最後「え?もう終わっちゃうの!?」って思ったくらい聞き惚れてしまう、本当に興味深いお話で、さっそく漱石の「こゝろ」を再読したくなりました。その後、教授の研究室を長蛇の列に並んで訪ね、私の卒論への伊坂幸太郎さんからのお返事(コピー)を、教授の研究室に保管してある卒論と一緒に束ねて下さるようお願いしました。教授から「あの卒論は本当によくまとまっているので、学生によく見せているんですよ」と言って頂きました。さて本題はこの後なんですが、その研究室の前の廊下で、ある可愛らしい女の子から「○○さんですよね?」と声を掛けられました。私は大学生の時、飲み会にもほとんど出席しなかった上、同期には個性の強いメンバーが集まっていたので、他学年、特に下級生には、自分の存在感はゼロに近いのではないかと思っていました。だから声を掛けられて戸惑ってしまったのですが、「あ、はい、○○です・・・」と挙動不審な私に、その子が「伊坂幸太郎さんで卒論、書かれましたよね?」と言うのです。正直、申し訳ないことに誰か覚えていなくて(だって在学中、たぶん挨拶ぐらいしかしたことない・・・)先輩か後輩かも分からず「え?覚えていて下さったんですか・・・!?」と言うと、その子は「あれで興味を持って、伊坂幸太郎さんの本を読むようになったんです!私、□□っていいます。」と言ってくれました。名前からすると、私の1学年下の子だったようです。その後、教授がお帰りになられるということでバタバタでろくに会話できずに終わってしまったんですが、なんていうか、卒論の力ってすごい・・・!と感動しました。いや、伊坂幸太郎の力ってすごい!と言うべきなのかな。大学卒業してからもうすぐ3年経つけど、なんか、自分、大学に足跡残せたんだなーって、先輩らしいこと何もできなかったと思ってたけど、ちゃんと後輩にバトンを渡たすことができたんだなーと思って、生きてて良かったなーって、そして伊坂さんありがとうって、なんか泣きそうになってしまいました(笑)この日記のテーマ「伊坂幸太郎作品を語ろう」も私が作ったものだけれど、あの頃は私以外に伊坂作品をテーマに日記を書いてる人なんて誰もいなかったのに、今日見てみたら他にもこのテーマを使って日記を書いて下さっている方々がいて、本当に嬉しいなと思いました。人と人とを繋げてくれるこのような連鎖を、今後も広げていきたいものだなと思います。
2010.02.14
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まことにお久しぶりです。るってんしゃんで御座います。もう、すっかり春ですね。ちなみに私は今年から花粉症にかかりました。鼻の中に噴霧する薬にようやく慣れてきた頃です。最近も新たにお2人、私の論文を参考にしたいとメッセージを下さった方がいました。これで合計5人になるのかな、本当に嬉しく思っています。そう言って頂けることが、あぁ自分の書いたものが誰かのバトンになれてるなぁと、自分自身の活力になりますね。ありがとうございます!高校教師をしている私にとっては、3月が一年の締め括り。今年は、初担任として本当にたくさんの思い出ができました。もちろん、初めてのことばかりで大変だったし、悩んだり泣いたりしたこともあったけど、それも全部ひっくるめて、楽しかった。今まで生きてきた中で、一番楽しい一年だった。本当にみんな、ありがとう。私の2009年の目標は「感謝する」。4月から、同じ学校ではあるけれど別の敷地にある科に異動することになりました。かわいい教え子たちや最も信頼している先生と離れることになり、すごく不安で寂しいです。また、主要科目で三科掛け持ちした人は今までにいないらしく、行事予定表を確認したらスケジュールがえらく複雑で多忙なことも分かり、正直気が重たいです。たぶんこれから、大変で辛く思うこともあるだろうし、そのたびに前の科へのホームシックに襲われるだろうし、誰かを(というかピンポイントである人物を;)恨みたくなるでしょう。でも、そんなつまらない感情を全てを包み込んで、あらゆる逆境に対しても「これも神様のレシピに書いてあったんだな。勉強させて頂きます!」と素直に感謝できるくらい、心の広い人間になりたいと思います。そして、妥協せずに全ての仕事をちゃんとコンプリートして、自分自身のスキルをしっかり高めます!というわけで、無事一年が終わりました。今年度お世話になりました皆様、このHPに訪れて下さったあなたに感謝しております。どうもありがとうございました。
2009.03.30
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連日の更新!珍しいよ!しかも100件目の日記!こんばんわ。るってんしゃんで御座います。さて、こちらのHPでは2005年3月以来の話題です。そうです、リレー小説です。(たぶん分かった人は皆無;;笑)お待たせしました「桃太郎(番外編)」第十二章!え?誰を待たせたかって?それは・・・リレー小説の相方、青いのーとぶっくさんです。本当に待たせすぎました。ごめんなさいm(_ _)mお蔭様で私は、その間に大学を卒業し社会人になりました。って、青さんも同じ大学やし。卒業後も会ってるし(笑)待望の第十二章「家紋の定め」はこちらから☆第一章から読んでくださる殊勝なお方は、左のメニューから是非どうぞ♪
2007.12.22
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お久しぶりです。るってんしゃんで御座います。今年もあとわずかとなりましたね。みなさんの2007年は、いかがでした?私は、すっごく!良い年でした(4月以降)。たぶん、今まで23年生きてきた中で一番充実した年になったんじゃないかな。毎日が変化☆毎日が成長☆そして、何より人に恵まれました。伊坂の『砂漠』にサン=テグジュペリの「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」という言葉が引用されていましたが、本当にその通りだと思います。実は私今年が大殺界1年目だったんですけど、なーんにも悪いことが起きなかったんですよ。何だか友人や職場の隣人のお蔭で、自分の知らぬ間に危機を回避できたような気がしてなりません。ありがとうみんな!たぶんたとえ今、急に死ぬことになったとしても「ああ、そっかぁ。それで最近、神様も気を遣ってくれてたのかな」なんて私は変に納得してしまうかも。あとは、悪運のキャリーオーバーで来年が悲惨なことにならないよう祈るのみ(笑)さて、伊坂幸太郎の待望の書き下ろし新刊『ゴールデンスランバー』を読みました。卒論も終わったし、今回は軽ーくさらっと感想を。読了直後は「正直、ツラい。」と思った。それは、これで直木は・・・という意味だ。伊坂作品にしては、爽快感やゾクゾクっくるものが少ないように思う。まぁ、あくまでも“伊坂作品にしては”なのだけれど。帯には「伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成」と書いているが、逆に引き出しを全部開けっ広げにしちゃったかのような浅さが見て取れてちょっと恐い。でももしかして、これくらい分かりやすく伏線張った方が、万人受けして大衆文学としては良いのかも!?あ、帯に「直球勝負」て書いてるわ。ああ、そのつもりで書いたのなら、きっと大丈夫。今回の名台詞は、森田森吾「人間の最大の武器は、習慣と信頼だ」樋口晴子「だと思った。」(p.352)青柳平一「痴漢は死ね」だね。あと個人的に、キルオの「びっくりした?」(p.260)も好き(笑)でも登場人物では、私は森田森吾が一番好きだなぁ。「無様な姿を晒してもいいから、とにかく逃げて、生きろ。人間、生きててなんぼだ」(p.117)は心・・・というかミゾオチに響く。一緒に車の中で「GOLDEN SLUMBERS」を口ずさみたい。森田森吾もロックだと私は思うよ岩崎さん。今作品のテーマは「逃げる」。『終末のフール』の「籠城のビール」で暁子が「わたしたち、どうして逃げてるのかな、悪くないのに」(p.86)と言っていたのを大規模に膨らましたのがこの作品であるような気がする。でも、結末にはどうもスッキリしない部分もあるんだよなぁ。。。まぁ、ビートルズの「GOLDEN SLUMBERS」をBGMにしたくてCD『ABBEY ROAD』を買っちゃった時点で、私の負けなんだけどさ(笑)↑このジャケット写真有名ですよね。いやーホント良いアルバムなので、たとえ伊坂の『ゴールデンスランバー』には興味が無くても(笑)、『ABBEY ROAD』を聴くことはお薦めします★
2007.12.21
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お久しぶりです、るってんしゃんで御座います。お元気ですか?私は元気に頑張っています。砂漠だと思っていた社会に、早々とオアシスを発見しました。仕事は、なかなか楽しいです。こんなに順調では、後から付けが回って来るんじゃないかと、少々、いや、かなり心配です(笑)最近、2人の方からメッセージを頂きました。それぞれ卒論のために私の「伊坂幸太郎 論」を参考にしたいそうです。本当にありがたい話です。私の卒論が、誰かの役に立ちそうだなんて。『ラッシュライフ』で佐々岡は、「人生はきっと誰かにバトンを渡すためにあるんだ。今日の私の一日が、別の人の次の一日に繋がる」(文庫本p.12・13)と言っていますが、私が書いた卒論も、伊坂作品の世界を繋ぐ一つのバトンになってくれたのかなぁと思うと、とても嬉しいです。他にも、私の論文や作品概要、作品マトリクス等を参考・引用されたい方がいらっしゃいましたら、どうぞご遠慮なく申し出て下さい。その代わり、(繰り返しですが)その際は、<参考・引用文献>として、ここのHPの名前・アドレスを論文にきちんと明記してください。そして是非とも「BBS」や「メッセージを送る」から私にご一報くださいませ。よろしくお願い致します!ちなみに、4月に無事、伊坂幸太郎さんに論文を郵送し、なんと!伊坂さんからお返事を頂きました。一応、私の論文が「伊坂幸太郎 研究」第1号で間違いないようです。本当、願ったり叶ったり。そして、皆様に感謝の意をお伝えしたいと思います。私が卒業論文を無事書き上げることができたのは、このHPに訪れて下さった貴方の支えのお蔭です。本当に、どうもありがとうございました!!!
2007.08.22
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昨日、大学の卒業式でした。式の後、一旦大学へ戻って学位記・免許状・記念品(文鎮(笑))を貰い、学部全員で集合写真を撮り、その後祝賀会へ。ちなみに私はこんな振袖を着ました↓ あ~4年間、長かったなぁ。中学・高校が3年サイクルだったから長く感じるのかもね。私が大学で悟ったことは、「自由すぎると逆に不自由だ」。漠然と、なんか寂しいなぁ、なんか辛いなぁ、と思うことが多かった。大学には自分専用の机と椅子が無いってことが原因かも?学級とか班とかの縛りもないし。だから大学にはいじめが存在しないんだろうけど。でも、そのせいで大学に自分の居場所を強くは感じられなかったと言うか、友達はいるけれど、別に私が大学に行かなくなっても皆の学生生活には何の変化もないんだろうなぁ、みたいな?私って帰属意識が強かったんやね。大学で自分発見(笑)さすらいタイプの人には、きっと大学が合うんだろうね。でも、楽しいこともあった!1番の思い出は教育実習。小学校2週間・中学校4週間・高校2週間だったけど、あんなに毎日笑っていたのは初めてだった。天職を見つけたと本気で思った。実習時の自分の写真、全部爆笑してるもんなぁ。何かそんなに面白いんだとツッコミたくなるぐらい。次に、伊坂幸太郎作品との出会い。2回生の11月、ある人にオススメの本を訊いたら『チルドレン』を貸してくれた。そしてあっさりハマる(笑)本にも人にも。生きていて良かったとあの時思った。このきっかけが無ければ卒論で「伊坂幸太郎論」は書いてないからね。貸してくれた貴方に感謝です。そして、HP開設&リレー小説執筆。開設当初は「ブログ」なんてまだ流行ってなかった。これが「ホームページ」というものだと思っていた。だって、青さんが大学生協パソコン講習の「ホームページを作ろう」でここを知って、私に紹介してくれたわけだし。でも、後に「ブログ」という言葉が有名になり、ここもいつの間にか【楽天ブログ】という名称に変わっていた。ちょっと淋しかった(笑)でも頑として、うちは「HP de るってんしゃん」から名称を変えない!だって「ブログ de るってんしゃん」なんて、なんか語呂が恰好悪いもん!(それが理由かい)ここでは、色んな人と知り合いになれたなぁ。顔も本名も知らないけれど、だからこそ築ける関係もあるんだと気付けて嬉しかった。mixiにもちょこっと手出してるけど、やっぱりここが居心地好い。そして「桃太郎(番外編)」を掲載しだしたんだね~。青さんとリレー小説を書くことになった理由は、私が当時momo:-)さんとハリポタリレー小説をしていてすごく面白かったからなんだけど、皐月さんとも少し書いていたから、一時は3本の連載を抱える売れっ子作家の気分でした(笑)みんなありがとうwホント楽しかったぁ~!あれは確かに、大学の時間のゆとりが生んだものだったね。大学にもいいとこあるじゃん~(!?)そしてこれからは社会人!うわ~大変だぁ!砂漠だ砂漠!でも、大学って人生の夏休みだと思うんだよね。でもって私は中学・高校生の時、実はあんまり夏休みが好きではなかった(笑)1学期の終わり頃は「え~もうすぐ夏休み~?うわ、学校行けんやん。つまらん~」と異色の愚痴をこぼしていた(笑)だから、これから人生の2学期が始まるんだと思えば、ワクワク。ウキウキ。卒業式の日に「卒業できて嬉しい」と思ったのは大学が初めて。中学・高校の時は「まだ卒業したくない~!」と泣いていた。だから、これも一つの成長なのかなぁ?なんか、色んなモノを落としていったような気がする大学時代。でも、本当に大切なモノは消去法でこそ分かるのかもしれない。私のもとに残っていてくれたモノを、これから大切に、大切に、温めていきたいと思う。
2007.03.24
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卒論載せる前に、別の映画の話で一人で盛り上がっちゃったよ。「2007年も伊坂幸太郎特集」とトップに書いたからには、ちゃんと責任持たないと。さて、伊坂さんへ送る手紙の内容もやっと(遅っ)考えたことだし、ぼちぼち卒論の本編をここにUPさせていこうかね。てなわけで『平成18年度 卒業論文 伊坂幸太郎 論』、まずは「はじめに」(え、いらない?)。興味のある方、どうぞコチラで読んでください(左のフリーページリストからもいけますが)。そしてこれから卒業論文・修士論文を書かれる方、またその他の方で、もし「自分も伊坂幸太郎の(作品・作家)研究してみようかな~」と思われましたら、どうぞ私の論文および作品概要を参考・引用なさってください。その代わり、<参考・引用文献>として、ここのHPの名前・アドレスを論文にきちんと明記してください。大学の講義で知的財産権について調べたことがあるので、そこらへんは蔑ろにできません(笑)マトリクスを新たに作成される場合は<参考資料>になりますね。そして是非とも「BBS」や「メッセージを送る」から私にご一報ください。よろしくお願い致します!あと、ついでに・・・何かのインタビューで読みましたが、伊坂さん、「ピタゴラスイッチ」をご覧になっているようです。前番組から名前を拝借している身としては、かなり親近感が湧きます。私もピタゴラ装置、好きです。
2007.03.21
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こんにちは。ムード歌謡曲が口ずさめるようになりました、るってんしゃんです。ムーディ勝山、ついにエンタに出演しましたね。横から福沢さんの「何が?だから何が来たの?」というツッコミがうるさかったですね(笑)おそらく4週間後のエンタで披露するであろう「ただキノコのことを歌った歌」が今から待ち遠しいです。でも、通常の持ち歌は今のところ5曲だから、その後どうするんだろう。変に量産して歌詞の質を落として欲しくないなぁ、てかエンタ芸人と呼ばれるようになったら嫌だなぁ・・・と、いらぬ心配をしてみたり。さて本題ですが、おとといの訪問者がなんと111人でした!え、少ないですか?当たり前ですか?でも、私にとっては一大事なんです。このHPの訪問者数は、一日平均10人といったところなんですよ。で、たまに日記を書けばそれが50人くらいになったり。まあ、ハガレンの新刊の感想を書いた時は70人ぐらい来たかな。でも、100人はなかなか・・・なかなか・・・。一体おととい何が起きたというのでしょう。『映画「ユメ十夜」の話。その2』を書いた日ですよ。でもこれってそんなに魅力的なタイトルでしょうか?『~その1』の時は60人だったんですよ?それが『~その2』になったら111人!?う~ん、手掛かりとなるコメントを誰一人残していってくれてないんですよね。楽天ユーザー以外書き込み禁止の設定にしたことが原因かな?迷惑カキコが来る覚悟でもう一回設定直してみるかなぁ・・・。じゃあ題名じゃないとしたら、原因は何か魅力的な検索キーワードが日記の文章の中に含まれていたとか?そういや、役者名とか、監督名とかやたら挙げたね。そしてけなしてるね(苦笑)あ~、好きな監督の名前をググったら出たから来てやったのになんだよ、と怒って帰ってしまわれたのかしら?そうだったらごめんなさい・・・やね。それともアレかな、松山ケンイチ人気?それなら私褒めてるよね・・・大丈夫だよね・・・あ、Lのことをないがしろにしてると怒って帰ってしまわれたのかしら?違うのよ、私は別に「デス・ノート」を観ていないってだけなのよ!Lがダメとか決して言ってないから~!と、この日記も「松山ケンイチ」というキーワードが出てしまったわね。これで、もし今日も訪問者が100人越えしたら、確実にこの人が原因だわ・・・。じゃあ、松山ケンイチファンに無駄足させてしまったら悪いし、今日も映画「ユメ十夜」の庄太郎様のことをちょっと書いてみようかしら。でも、公開まだの地域もあるからあんまりネタバレできないし・・・この前と内容が重複してもよくないし・・・てなわけで↓☆るってんしゃんの特別企画★松山ケンイチ御贔屓様必見☆★「第十夜」はココを観るべし☆庄太郎様チェックポイント七★一つ目、目玉 ・・・プラーンから、ビューン、ズボッ!二つ目、お金 ・・・微笑みと御御手に貴方は幾ら?三つ目、口元 ・・・ゆがみ見たさに醜カウント希望。四つ目、列車 ・・・横顔と共にメルヘンチック移動。五つ目、お箸 ・・・シャキーン!と高くそして美しく。六つ目、事故 ・・・安全と内臓にはお気を付けて。七つ目、脳汁 ・・・まで愛せる貴方は本物のファン。というわけで、素敵な庄太郎様がご覧になれる映画「ユメ十夜」、ぜひご覧くださいませ。きっと「良かった。」と一言の感想では済まされない、いろんな思いが溢れてくると思います。映画の中で「!!!」と思ったところ、「???」と思ったところを、ぜひ一緒に観に行った方と語り合ってみてください。その人の深層心理を探れるかもしれません。何てったって“夢”ですから。では、下の庄太郎様から映画「ユメ十夜」の公式ページへどうぞ。・・・とここまで書いておいて、実は藤岡弘、の人気で100人越えしたんだったりして(笑)
2007.03.12
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一夜十分、監督十組の映画「ユメ十夜」の感想第二弾!詳しく、しかしネタバレ度は微妙に低く(単に観ないと意味が分からない記述が多い)、だけど歯に衣着せぬ感想です。どうぞ。★しばらく時間が経った後の感想★第一夜原作で一番好きな夜だったからなぁ。実相寺監督の遺作になっちゃったから誰もあまり悪く言えないだろうけど、あれは原作ファンの期待を裏切ったよ。確かにその映像美にはうっとりしてたんだけどね、脚立とかも監督の個性として受け入れられたけどね、ペルソナあたりから急降下かなぁ。キョンキョンは「艶」じゃなくて怖いだけになってるし。よく考えれば、あのセクハラとかもいらんやろ。「旦那さん男だもん」とかいらんやろ。俗っぽいものを全て排除してこそ究極の美、それが第一夜でしょ。あれ?監督じゃなくて脚本家の責任のような気がしてきたぞ・・・久世光彦かぁ、遺作になっちゃったから誰もあまり悪くいえないだろうけど。監督も脚本家も逝ってしまった第一夜、呪われてるかも・・・!? 第二夜なんでモノクロ音声無しにしたんだろう?最初は「ほほう、こんな手法できたか」と微笑ましく思ったけど、だんだん「映像(口パク)→台詞字幕」という画面切り替えの繰り返しがテンポ悪く思えて・・・原作の知識と読唇術により、結局「何を言ったか予想→答え合わせ」の繰り返しになってしまったし。後半もいらなかったね。そこは原作どおりにして欲しかった。「それでいいのだ」ってお前、バカボンか!いや、バカボンのパパか!市川崑監督、それで本当によろしかったのですか?撮影2日って手を抜いてらっしゃいませんか?犬神家のリメイクに力入れすぎたんじゃあ御座いませんか?でも、役者は良かったね。うじきつよしさんの焦燥感漂う演技も、中村梅之助さんの不気味さも。第三夜一番本格的だったかも。たとえこの先、何度『夢十夜』がリメイクで映画化されても、これは“第三夜の最高傑作”と言われ続けるだろう思う。第三夜は原作自体にすごい力があるけど、それに品良く映画としての魅せる脚色をしてたよね。あ、清水崇監督って『呪怨』撮った人か。どうりで子供が怖いわけだ・・・あの地蔵も怖かったな~。でも、女の子が山でどう遊んだら地蔵の首が取れるんだ!?あ、堀部圭亮の漱石がすごく良かった!堀部さん、私の中ではバラエティの(ドーバー海峡横断したり「人気者でいこう!」で覆面を付けてる)イメージが強かったんだけど、地に足の着いた演技・存在感で素晴らしかったよ。香椎由宇(19)も、30代の役らしく貫禄のある美しさを放っていて良かったなぁ。第四夜そのまま「世にも奇妙な物語」に使えるんじゃないか?と思う完成度。映画館よりも案外テレビ映えするんじゃないかと思う。たぶん、一番万人に受け入れられる夜だろう。ザ・ノスタルジーで、ミステリアスながら心地良い雰囲気。山本耕史の漱石はちょっとヘタレ気味(笑)だが、「だって、蛇になるとこ見たいんだもん」という女の子の台詞が切なくて良い。ただ、子役の漱石に女の子が「漱石~!」と呼んでいるのを聞くと「漱石ってペンネームだから子供時代に漱石って呼ばれるのは変だよな・・・」と思ってしまった。まあ、だからと言って回想シーンだけ「金之助~!」と呼ぶのも変だけど。バスに突如現れたおばちゃん達、駅員の鳴り続ける鋏の音も良かったが、そんな演出もやはり世に奇モっぽい。第五夜なんていうか、余計なものがいっぱいあったね。そのせいで深いテーマがチープになってしまった。夫婦の実状とか、人間の深層心理とか、織り交ぜたかったんだろうなぁ。心意気は良かったんだけどなぁ。でも、あの天探女は・・・アニメの世界でやってくれ。天探女のフォルムとか血がプシャーッ!とか、怖いというよりただ気持ち悪いだけやん。私はなぜか「恐怖のキョーちゃん」を思い出してしまったよ。市川実日子と大倉孝二は確かになかなか良い演技はしてたけど・・・あれは脚本した豊島圭輔監督が良くないね。夢十夜にチープはやっぱり似付かわしくない。原作通り、天探女が鶏の真似をするところで終わっておけば、まだ良い意味の余韻を残すことができたと思うんだけどねぇ。第六夜観る前から松尾スズキ監督・阿部サダヲ出演ってだけで贔屓してた(笑)んだけど、やっぱり面白かった!まず言葉が全部2ちゃん語。しかも電車男時代のちょっと古いやつ。英語字幕があるのがまた可笑しくて「あぼ~ん」って「ecstasy」なんだ!?なんて発見も。奇をてらうという目的はもちろんあっただろうけど、たぶん記号的にそういう言語を使ったんじゃないかなぁ。特殊だが普遍的、斬新なのにしょぼい?みたいな。表面上は笑いに徹しているのに、実は「自分の身の丈にあったことをするのが良い」というメッセージがちゃんと込められているところがさすが。オチも最高!ただ、TOZAWAさんのアニメーションダンス、長くない?もっとサダヲさんが彫るところ観たかったんですけどぉ~。第七夜アニメ・・・まあ、映像的には第一夜に次ぐ美しさだったかな。その点では評価できるね。他の夜が全て実写の中でよくチャレンジしてくれた、とは思う。確かに実写でやることになったらスタントとかCGとか使わないといけないだろうから、アニメーションにした方が手っ取り早かったのかもね。でも・・・なんで全編英語なの?確かに漱石は英語が堪能だけどさ、さすがに英語で喋る夢は見たこと・・・あるか?可能性は否定できないか?うーむ。でも、やっぱり終盤は余計だったよね、って私、同じようなこと何度も言ってるなぁ・・・原作で二番目に好きな作品だったからさ、やっぱりそこは無限の後悔と恐怖と孤独に包まれるダークなラストじゃなきゃ駄目だよなぁ、と思ったわけですよ。第八夜わけわからん!んが、しかし!後に引く!たぶん世間で一番物議を醸し出している夜だろう。観た直後は「?」が頭に浮かんだまま第九夜に突入してしまったが、映画を観終わって2時間後ぐらいから第八夜のことばかりを考えるようになってしまった。冒頭の子供たち「え~チクワで!?」って、ツッコむところそこじゃないだろ!あの巨大生物は何なんだよ!母さん「カワイイのは最初だけ」って、どう見ても最初からカワイクないから!藤岡弘、二段ベッドて!上段て!チャウチャウの残像て!肉まんの肉全部落ちてるて!目見開いて「ごちそうさま」て!ほかほかのご飯て!グーチョキパーて!運慶、もう第六夜でやったからぁ~!・・・と後々キます。注意が必要です。一番“夢”らしかったのかもね。第九夜正攻法で来たか!?と思った。けれど、ちょっとピンと来ない。2回目の扉の向こうは、違うなぁ・・・漱石から離れすぎたなぁ・・・女の監督だということが悪い方向へ行ってしまった気がする。1回目のニッ!は好きなんだけど。ピエール瀧は、私の中ではココミラのミラクルさんなんだけど、役者の顔は立派だね。子役もなかなか良かったよ。でもラストの解釈でいくと、あれは意味の無いお百度参りだったってこと?原作の切なく悲しいお話がホラーに!?うーん、映画なりの脚色ってことかぁ。アイディアとしては悪くないよね・・・だけど、そうなるとこれも世に奇モっぽいことになるか?まあ何はともあれ、緒川たまきのお百度参り姿は極上に綺麗だね。これだけは誰も否定できまい。第十夜松山ケンイチが・・・色っぽい!原作では至極善良な好男子の庄太郎が腹黒の色男に!これからは庄太郎様と呼ばせて頂きます!(笑)美醜を正でカウントする庄太郎様(もう呼んでる)、即席墓の上にブタ型蚊取り線香を置く庄太郎様、豚丼食べ過ぎて腹出しの庄太郎様、「もうしませ~ん!」とアクロバティックな土下座する庄太郎様、「ないないない、そんなシチュエーション・・・あった!」と笑顔で吹っ飛んでいく庄太郎様、「サンキューげんな~い!」と浮かんでいる庄太郎様、そしてパナマ帽を狙っている健さん(板尾創路)(笑)最高でした!てか、安田大サーカスのHIRO多すぎ(笑)原作にはない平賀源内(石坂浩二)も良いね。まさかステッキにあんな仕掛けがあるとは漱石も驚きでしょう。<総合> 良かったと思う夜の順番:六・十・三・八・四・九・二・一・七・五デス・ノートのLには目もくれなかった私ですが、今や庄太郎様の虜です(笑)だけど、作品的には第六夜の方が上だね。やっぱり、メッセージ性がね。大人計画だしね(それは関係ないか)。で、最下位はチープな第五夜だと。でもね、これは私のつけた順位であって、みんなはまた全然違ってくると思う。監督も出演者も全く違う十分の作品を十本連続で観るわけだからね。でも「ユメ十夜」は、観た人全員に必ずお気に入りの一夜が見つかる映画だと思う。だから、たとえ途中でつまらないと思う一夜に出会っても、十分間我慢して残りの夢を観てあげてねvあと、原作を読んでから映画を観るか、映画を観てから原作を読むかはあなたの自由。どっちでも楽しめると思う。でも、順番はどうでもいいけど、原作は必ず一度読んでみてね。知る人ぞ知る「夢十夜」、漱石のバイブルとも言える「夢十夜」、何夜が好き?と同志で盛り上がれる「夢十夜」は必読の書です☆そして映画「ユメ十夜」に興味を持たれた方は、昨日の日記のリンクタグからどうぞいってらっしゃい♪では、今宵も良い夢を。
2007.03.10
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おととい、映画館で「ユメ十夜」を観ました!私、この映画の原作である夏目漱石の『夢十夜』好きなんです。5本の指に入るくらい好きな作品です。教育実習のHRの時間を使って第一夜を生徒に読ませたくらいです(笑)さて、なかなか興味深い映画でした。まず、映画のチケットを買うと“漱石お面”が貰えます。これです↓ ・・・いつ被ればいいんだろう。映画観る時?もしくは銀行強盗?ちゃんと耳に掛けれるように輪ゴムついてるし・・・そんな微妙に面白いお面を客席全員が持っている状態で上映スタート!★観た直後の感想(というかリアクション)★第一夜 え~!?キョンキョン・・・え~!?第二夜 読唇術が鍛えられるけど・・・むむむ。第三夜 怖いよ!でも「書いちゃお」に笑。第四夜 こう来たか。ノスタルジックだねぇ。第五夜 気持ち悪ぅ!なんでこうなるの~?第六夜 ふははは!爆笑!拍手を送りたい!第七夜 なんだかなぁ・・・アニメかぁ・・・眠。第八夜 気持ち悪っ!えっ、何!?えっ!?第九夜 これはちょっと・・・何か違うなぁ・・・第十夜 すごい!面白い!いいわコレ~!!<総合>良かったと思う夜の順番:六・十・四・三・二・一・七・九・五・八第六夜と第十夜は面白かったけど、後はほとんどホラー。漱石がこんなのを書いたと勘違いされたらいやだなぁ。ホラー作家になっちゃうよ。怖すぎるって。監督たち、独自に解釈しすぎ!特に第八夜、意味わからんし!何あれ、巨大ミミズ?原作は床屋話だろ!なんかこれ映画館だったから独自の空間ってことで許されるけど、家のテレビで観るもんじゃないなぁ。テレビ放送は無理だろうし、DVDも買わないだろうなぁ。でも、第六夜と第十夜はもう一度観たいかも・・・ところがね、家に帰ってから映画のことを思い返すと、色々と気になるところや考えさせられるところや思い出し笑いできるところがありまして、自分の中でどんどん評価が変わっていったんです。良かったと思う夜の順番も変動してます。今現在は、もう1回この映画を観に行きたい・・・!とまで考えています。というわけで次回は、映画を観てから少し時間が経った後の感想をお送りしま~す!まだ3月下旬や4・5月から公開の地域も多いようなので(その一方で上映終了間近の地域もあり。まだ観てない人急いで!)、「ユメ十夜」に興味を持たれた方は、どうぞ下の公式HPへ行ってみてください☆
2007.03.09
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伊坂・卒論以外の内容の日記を書くのは久しぶりですね~。というのも今回は事情がありまして。説明しますと、mayokoさんの日記に対するピンクのさるすべりさんのコメントに対してコメントを書いたら、それに対して嬉しくもピンクのさるすべりさんからコメントを頂きまして、それにお返事のコメントを書かせて頂こうと思ったら、熱が入ってしまって文章が長くなり、文字数が2000字オーバーだとエラーが出てしまいました;というわけで、今回は、私にコメントを下さったピンクのさるすべりさんと、キッカケを下さったmayokoさんに捧げる日記です。内容は、2月27日に放送された第7回「お笑い芸人 歌がうまい王座決定戦」についてです。引用はピンクのさるすべりさんのコメント・日記からです。私も「お笑い芸人 歌がうまい王座決定戦」の番組好きです。第2・3回(森三中・次課長が優勝)の放送は見逃してしまったんですけどね。というのも、第1回の放送の時は、まさしく>お笑いブームにのっかっているというのもあって人気があるという視線で番組を見ていたんです。私、お笑い好きなので。ところが、第4回の河本さんの「やさしいキスをして」とタカの「粉雪」を聴いて考えが変わりました。なんてレベルが高いんだ!もうお笑い関係ない!単純にこの歌が上手い芸人たちの歌が聴きたい!と。それからの第5・6・7回は、テレビとラジカセを線で繋いで、注目してる芸人の歌はリアルタイムで直接MDに録音するほど本気で見てます(笑)>やはり芸は身を助けるということでしょうか!?ですね。たむけんさんも言ってましたね「芸人の才能を発揮する場なんですよ。それはもう芸人がしっかり歌わんと。(喜久ちゃん爆笑)」と。たむけんさんは歌は下手でしたが、前後のコメントと、獅子舞を素で忘れてたことと、最後のキメ顔で私的には何故かオールOKでした。録音してしまいました(笑)まあ、高視聴率なのは「今、お笑いブームだから」なんでしょうけどね、正直。ひな壇芸人の数多いしね。では日記からも。>タカだけでは、限界があるんじゃないの???ですね。前回はトシも頑張ってたのにね。またデュエット聴きたいなぁ。。。でも次課長と同じ流れで、タカトシは次回から出場できない可能性もありますね;>でも決勝の対決は、個人的には神奈月かなあ~。私も思いました。でも、番組としては今後のことも考えて増田さんが優勝すべき、だったんでしょうね。もう過去5回も出場したわけだし。>レギュラー、ペナルティ、テツandトモ・・・。過去の回にレギュラーとペナルティは出てますね。松本くんの歌声はつんくに激似ですよホント。>大晦日の紅白歌合戦も、お笑い芸人だけを集めて歌合戦をやればいいのに・・・賛成です!というかこれ大晦日、フジテレビ放送の紅白対抗番組にするべきですよ!視聴率は紅白越えです。間違いありません(笑)ちなみに、前回の「お笑い芸人・歌が上手い王座決定戦」の日記も読ませて頂きました。そうそう!って相槌打ちながら。って、こうやって考えると、第1回の決勝戦で山崎邦正がヒロシに敗れた(理由は確か、女性審査員たちがヒロシに車をあげたかった)ことが大変不憫に感じられます(笑)第8回の放送がある時には、ピンクのさるすべりさん、mayokoさん、是非また一緒に語りましょう~!!
2007.03.01
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最近ムーディー勝山のムード歌謡曲が頭から離れなくて困っています、るってんしゃんです。この前「爆笑レッドカーペット」を観たせいですよ。「あるある」の繋ぎ番組だというのに。右から♪右から何かがきてる~♪僕はそれを左に受け流す~♪(メロディーは結構あやふや)さて22日、卒論発表会が無事に終わりました~!発表10分・質疑応答5分の持ち時間だったけど、あっという間でしたね。発表はこの前UPしたダイジェスト版を皆の前で読むだけなので難なく終了。質疑応答もなんとか・・・なんとか・・・時間が経つと忘れてしまいそうなので、どんなことを言われたのかメモ代わりに記録しておきまーす。(常体で書いてるけど、実際喋ってる時は敬体ですから・・・)F助教授(古典文学専攻)「伊坂作品を読んだことのない者には分かりづらい部分がある。例えば、発表では割愛した最終章第一節のマトリクスも『グラスホッパー』『魔王』の人気の低さの説明にする分にはキレイだが、伊坂作品を「リアル⇔ファンタジー」「ライト⇔ダーク」で表すのが本当に適切なのか、この図を載せられただけではよく分からない。章の名前の「犯罪で人間」や「神様を人間」も、内容を読めば「人間」がどのテーマにおいても重要な役割を果たしていて、助詞を変えていくことで最終章へ集大する流れを作っていることが分かるが、一見分かりづらい。他の作家研究にも共通して言えることだが、読んだことのない者への橋渡しとなるようなものが欲しい。」→私「章の名前について説明する。簡単に言うと『死神の精度』のオマージュなのだが、これには省略があって、第一章「動物と人間がいきる」、第二章「犯罪で人間がわかる」、第三章「神様を人間がつくる」、第四章「伊坂の世界がまわる」となっている。伊坂幸太郎は、韻を踏むことや語呂合わせや文字数を揃えることを好んでいる。『死神の精度』や『終末のフール』などに見られる特徴だ。『重力ピエロ』や『アヒルと鴨のコインロッカー』の題名にも言えることだが、簡単な単語しか使っていない。けれどその言葉の組み合わせ方・繋ぎ方によって、何か新しい響きになる。分かりやすい、のに分かりにくい。あえてみなまでは書いてしまわない“寸止めの美学”みたいなものを持っている。その伊坂幸太郎の特徴を、この論文の章で表現してみた。」K教授(漢文学専攻)「まるで出版社の伊坂幸太郎の編集者みたいだった。この内容だったら、他の出版社の編集者でも書ける。○○(私)出版社ならではの切り口が欲しい。自分は今まで伊坂幸太郎という人物を知らなかった。「はじめに」で各種の小説関連ランキングの上位常連者と書いているが、直木賞などを受賞している作家なのか?」→私「直木賞には現在5回ノミネートされているが、いずれも候補止まり。今度受賞すれば、知名度も一気に跳ね上がるのではないかと思う。」続けてK教授「伊坂幸太郎本人のことしか扱っていなかったので、どれくらい素晴らしい人物なのかがはっきりと見えない。他の作家との比較などをして、これからもっとネチネチと追究して欲しい。あと「おわりに」の“過去の試験問題化”と“仙台と東京”がどういうことなのか簡単に説明して欲しい。」→私「“過去の試験問題化”だが、『チルドレン』の「レトリーバー」が世田谷学園中学の入試問題に使われたことがある。しかしどのような問題なのかまだ確認できていないので調べてみたい。小説として楽しんでいた作品が教材として扱うとどのようになるのか興味がある。“仙台と東京”だが、伊坂作品の舞台は仙台と東京に偏っている。伊坂幸太郎は千葉県出身だが東北大学に進み現在は仙台市に住んでいる。そのためか仙台が舞台の作品がほとんどである。しかしダーク色の強い『グラスホッパー』『魔王』の舞台は東京だ。これは東京は物騒だという伊坂幸太郎の偏見なイメージから設定されたものである。その仙台と東京と作品の関係性を考察したい。また、駅や地下道などモデルとなった仙台の場所が何処なのかも調べてまとめてみたい。」全体での講評(またF助教授)「伊坂幸太郎論だが、これはもしかするとみんな得をしたのかもしれない。今度伊坂幸太郎が直木賞を獲った時に、みんなは既にこれだけのことを知っていることになるのだから。」その後、廊下でK教授「直木賞の選考会に推薦文を送ったらいいよ。ぜひ受賞してもらいたいね。」とのことでした。推薦文て、そんなんアリなの?愛ルケの淳ちゃんとか読んでくれんやろ。あ~これであとは論文を伊坂幸太郎に送ればこの卒論プロジェクト(大げさ)も終わりかぁ。なんかさみしいね・・・。てか、出版社気付で、ってどんな風に送ればいいんだろう?出版社で一度開封されるのかな?じゃあ、出版社の編集者用と伊坂幸太郎本人用に2通手紙を書いた方がいいのかな。つーか、伊坂氏になんて手紙書けばいいのよ!?私、作家とか芸能人とか誰かにファンレターとか送った経験無いしさ。わわわ、卒論書くより難しいかも!ムード歌謡曲歌ってる場合じゃないや。誰か助けてー!!!
2007.02.26
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行って来ました~!青いのーとぶっくさんの絵を見ましたよ。写真は載せられませんが、青さんファンのために勝手にレビューを(笑)まず展示会場の美術館に行くと、受付に青さんがいます。記帳を勧めてくれます。そしてお洒落な小さいパンフレットを手渡してくれます。順路に沿って一番奥の部屋まで進むと、青さんが描いた二枚の油絵がででーん!と飾ってあります。お魚が一匹ずつ描かれている絵なんだけど、実に青さんらしいタッチで和む、なごむ。そこで青さんに絵の説明を求めたところ「笑える生き物を描いていたら、さかなになりました」。さかなになりました、だってよ。すごっ!!これはアレだね、『夢十夜』の「第六夜」みたいなもんだね。仁王を彫り出す運慶と一緒だよ。一枚は制作途中に見たことがあったんだけど、もう一枚の方は見るのが今日初めて。ああ、こんな風に対になるんだーという感心と、絵画としてのグレードがさらに上がってる!という驚きがありました。私は特に二枚目の方が好き。魚の顔を見るとにや~っと笑えて、尻尾の上側を見ると明るい気持ちになれて、尻尾の下側を見ると吸い込まれそうな暗黒の世界を感じる。メルヘンっぽいのにライト且つダーク。すごいです。青さんは今、上り坂のアーティストやね。今回の油絵もHPのイラストも、ポストカードとかにしたら良さそうだなぁ。(売れるかもしれんなぁ。)さて、「青いのーとぶっくさんて誰?」という貴方は、まずTOPページのブックマークから「Blue Notebook homepage」へ飛んで下さいね☆
2007.02.16
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卒論完成しました!とりあえず。これで卒業できます☆でも今、この卒論を伊坂幸太郎本人に(出版社気付で)送ろう!って話が出てましてね、教授と。だから、もうちょっと手直しをしないといけないのです。というわけで、論文の全文掲載はもうちょっと待っててねwでもでも!このHPでさんざん自分の研究を宣伝してきたのに、応援してくれてる人もたくさんいるのに、更新怠ったままじゃいかんだろうと思ったので、今月22日の卒論発表会に先がけて、発表用原稿の「卒論ダイジェスト版」をHPにUPすることにしました!左のフリーページリストからも行けるけど、一応リンク貼っておきます↓ 伊坂幸太郎論 ダイジェスト版そして、今回卒論のため制作になんと丸2日を費やした(単にペイントソフトの扱いが下手なだけなんだけど)、「伊坂作品の内容マトリクス」をこちらにも貼っておきます!一応説明をしておきましょう。これは、伊坂作品の内容の区分を、私が独自にマトリクスで表わしたものです。縦軸を「ファンタジー(空想的)」⇔「リアル(現実的)」、横軸を「ライト(軽い・明るい雰囲気)」⇔「ダーク(重い・暗い雰囲気)」とし、端になるほどその傾向が強いことを表わしています。単行本・文庫本として刊行されている作品のみを取り上げました。数字は刊行された順番です。(10「ポーラーベア」は『I LOVE YOU』に収録の短編「透明ポーラーベア」、8「ライフ」は『秘密。私と私のあいだの十二話』に収録の掌編「ライフ」。)本当に私の感覚だけで作ったので、「この作品はもう1つ上の段じゃない?」とか「これとこれは逆だよ~」とか思うかもしれません。その際は遠慮せず教えて下さい!あと、2000年から2006年に刊行された本だけを扱ったので、この前発売された『フィッシュストーリー』が入ってないんです。アヒルとポーラーベアの間あたりかなぁ・・・って入る隙間ないじゃん・・・とは思うんだけど、どこに入れたらいいと思いますか?場合によってはマス目を10×10に増やしてもう1回(丸2日かけて(笑))作り直してもいいので、みなさんのご意見お待ちしております!
2007.02.14
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遅ればせながら、皆様、新年明けましておめでとうございます。るってんしゃんで御座います。このHPも開設して早3年が経ちました。1年目は大河ドラマ「新選組!」に没頭し、2年目は更新を怠け、3年目は伊坂幸太郎特集。その周期でいくと4年目は更新を怠け・・・ではなく、2007年も伊坂幸太郎特集で参ります!卒論も追い込みです。さて、新年一発目は縁起の良い話でもしようと思いまして。私事で恐縮では御座いますが、せっかくなのでご報告させて頂きます。皆様、「読書マラソン」をご存知ですか?これは、大学生協が読書推進運動の一環として実施している企画で、マラソンをするように本を継続的に読み、読んだ本1冊ごとにコメントカードを書いてスタンプを集めるというものです。そして年に1回「全国読書マラソン コメント大賞」というものが開催されます。ちなみに今年は第2回。『ダ・ヴィンチ』編集長や大学教授らを交えた選考委員会によって、全国の大学生から応募されたコメントの中から優秀作品が選ばれます。そして去年の暮れ、その選考結果が発表されました。私、『重力ピエロ』のコメントで奨励賞とっちゃいましたよっ!!でもまぁ、銅賞より下、ナイスランナー賞より上という中途半端な位置なんですけどね。私が渾身の力をふりしぼって書いたコメント、新聞にも号外紙にもHPにも何にも掲載されてないんですけどね。私が在学してる大学の生協ショップにちょこんと貼ってもらってるだけなんですけどね、ホントあんまり目立たない感じで。ってことで、コピーしてたのココに載せます!!本邦初公開、るってんしゃんの直筆(笑)暗い感じの内容だから奨励賞止まりだったのかな(笑)でもまぁ、2千円分の図書カード貰えたし、いいか☆ここは、『重力ピエロ』を書いて下さった伊坂幸太郎さまに感謝の意を込めて、賞品の図書カードを使って私は、1月末発売予定の伊坂幸太郎の新刊『フィッシュストーリー』(新潮社)を買うことにします!(宣言)では皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します
2007.01.06
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みなさまいかがお過ごしでしょうか、るってんしゃんで御座います。クリスマスはどうでしたか?私は論文漬けで楽しいことなんて何も・・・M-1観て笑ってました、そうでした。チュートリアルおめでとう。笑い飯を応援してたんだけどおめでとう。消去法感はあったけど、ちりんちりんダントツで面白かったよ。て、話題がタイトルと全然違ってきてますね、あぶないあぶない。卒業論文の目次、やっとできたのでUPします。少し前から、左にあるメニューからも見れてたんですけどね、ちょこちょこと手直しを何度もしてたので。これでほぼ決定です!「伊坂幸太郎 論」 目次第一章 動物と人間第一節 動物 「おまえさ、人としじみのどっちが偉いか知ってるか」 (グラスホッパー・蝉)第二節 善悪 「人間の最大の欠点の一つは、分をわきまえないこと」 (ギャング1・久遠)第二章 犯罪で人間第一節 罪と罰 「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」 (終末のフール・土屋)第二節 ルール 「多数決と法律は、重要なことに限って、役立たず」 (重力ピエロ・春)第三章 神様を人間第一節 神様 「未来は神様のレシピで決まる」 (オーデュボンの祈り・日比野)第二節 奇跡 「砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」 (砂漠・西嶋)第四章 伊坂の世界第一節 人気度 「不安をともなわない自信は、偽者だ」 (アヒルと鴨のコインロッカー・琴美)第二節 リンク 「今日の私の一日が、別の人の次の一日に繋がる」 (ラッシュライフ・佐々岡)特大付録 伊坂幸太郎 年譜見ての通り、章のタイトルは『死神の精度』をオマージュです。そして各節の最初に登場人物の粋な名言を載せて、伊坂作品を読んだことのない大学教授らにも「お、これは面白そうじゃないか」と思わせるもくろみです(笑)年譜をね、第五章にしようという話もあったんだけど、そうすると語呂合わせが悪くなっちゃうから付録にしました。で、お得感を出すために“特大付録”。「りぼん」とか「なかよし」とか、よく特大付録がついてたじゃない。そんな感じそんな感じ。さ、年譜のリンク貼っておいたんで、どうぞご覧下さい。で、間違いとか書き洩れとかを発見したら、もしくは新情報を手に入れたら、どうか教えて下さい。では、よいお年を・・・☆
2006.12.27
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近々文庫化、来年映画公開と最近話題の多い『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)。伊坂幸太郎がデビュー後に初めて獲得した文学賞、吉川英治文学新人賞を2004年に受賞した記念すべき作品である。初めて読んだ時よりも、2回目に読んだ時の方がより感動した。なんでだろ。結末も叙述トリックも知っているのに。なんていうのかな、他人が書いた本なのに自分の日記をめくっている感覚?約1年前に1度読んで知った椎名や河崎やドルジたちの物語の記憶が、いつの間にかに、まるで本物の思い出のようになって自分の中に染み付いていたみたい。本を読み返していくと“あの時のことを思い出した”ような気がした。さて、あらすじは出版社の東京創元社のHPから拝借すると・・・「一緒に本屋を襲わないか」大学入学のため引越してきた途端、悪魔めいた長身の美青年から書店強盗を持ち掛けられた僕。標的は、たった一冊の広辞苑――四散した断片が描き出す物語の全体像とは?清冽なミステリ。へ~、「清冽なミステリ」だって。せ、清冽て何だろ・・・えーと、広辞苑によりますと『水が清くつめたいこと。例「―な泉」』だそうです。え?どういうことだろ。清く澄み切った感覚・・・ってことかな?え、いいのかな?うん、分かるような、気はするよ。でも広辞苑、この説明で大丈夫なのかな。外人が日本語を勉強する時に使うのには、なんだか向いていないような気がするよ・・・?さて、『アヒルと鴨のコインロッカー』の有名な目玉と言えば、2つの時系列を並走させることによる叙述トリック。でも再読してみてもう一つびっくりしたことが。それは、物語の日数。あらためて考えると、あんなに分厚い本であれだけの出来事があったのに、たったこれだけしか時間経ってないの・・・!?と、椎名と一緒に拍子抜け。ということで、内容整理のために時系列表を作っちゃいました!「現在」も「二年前」も、たった1週間の話だったんですね~。伊坂作品の中でも分厚さは1、2を争うぐらいなのに。これに比べりゃ『坊っちゃん』の四国滞在1ヶ月なんて大したことないですね。でも『ロミオとジュリエット』の5日間には負け・・・いや、充実度では十分匹敵してますよ。うん、日本文学の中ではトップ狙えるんじゃないですか?さて、この作品の重要キーワードは「空」である。とは言え、これに限らず伊坂作品にはよく「空」が出てきている。有名なところでは『死神の精度』の雨空と青空を思い出すのではないだろうか。しかしそれに比べて『アヒルと鴨のコインロッカー』の「空」は、そんなに目立つ使われ方はしていない。皆さんの中にも「え、アヒルと鴨に空なんか出てきたっけ?」と思っている方が少なからずいるのではないだろうか。では確認してみよう。二年前7日目:日の沈んだ空・暖かみがない・真っ暗闇(p.248) →「自分が空に飛んでいってしまう不安」(p.286) →雨雲が空を埋め尽くしている(p.310)現在3日目:曇がかった夜空・月(p.4)→曇り(p.6)→真っ暗(p.127)現在4日目:乳白色の空(p,160)→乳白色をした空(p.198)現在5日目;「そのさらに上にある空を見上げたかった」(p.262)現在7日目:雲がまるでなくて、爽快なくらいの真っ青な空(p.308) →「空に溶け込むかのような、伸びのある音」(p.330)物語の展開と沿うように移ろい、主人公の思いが映ったかのような「空」は、とても自然な形で変化し、その姿を読者に見せている。そう「空」は、物語の中に「溶け込むかのような」存在として描かれているのである。『アヒルと鴨のコインロッカー』の「空」は、読者に無理な意識を一切させない。スーッと自分の中へと入っていく。それが、とても気持ち良い。その“あの時の空”は思い出となり、いつの間にか読者の心の中で消化される。それが、この作品の人気を集める“読後感の爽やかさ”の秘密の一つかもしれない。
2006.12.10
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括弧書きって、楽しいね。今までにこういう書き方した人いるのかなぁ。ブログとかさ、ネット上で書いてる人は確かに山ほどいるだろうけど、書籍っていうの?ちゃんと印刷された活字でこういう表現法を実践した作家、いるのかな。軽くて現代っぽくて、作品の持つ雰囲気にも合ってて、すごくいいと思うなぁ。伊坂幸太郎、文壇界に良い開拓をしたんじゃないかな?例えば、「ビートルズの『Dear 何とか(何とかの部分は忘れた)』という曲」(p.14)なんていいかげん!!それが良い加減☆(笑)私、気になっちゃってさ、Myビートルズ下敷き(文房具なのにビートルズの曲名一覧が載っているすぐれもの)で探しましたよ。『Dear 何とか(各自でご確認下さい)』は、ホワイトアルバムの2曲目です☆ (って、『 Dear Prudence 』なんだけどね。) さて、「透明ポーラーベア」は簡単に言うと、3年前から行方不明の超シロクマ大好き女を姉に持つ主人公が、デート先の動物園で姉の元彼(それも彼女連れ)と再会する物語。『I LOVE YOU』(祥伝社)という恋愛アンソロジーに収録されている。だからテーマはもちろん「恋愛」。伊坂幸太郎が苦手としているジャンルである。とは言え、「恋愛で死神」や「冬眠のガール」もあるように唯一の恋愛小説というわけではないし、実際読んでみて、決して苦手だとういう風にも思えなかった。確かに、恋愛小説の正攻法ではない。全然甘くないし。でも、その「よくあるパターン」でないからこそ、新鮮で伊坂氏らしくて面白かったなと思う。重要キーワードは「ライフ」と同じく「繋がり」。作品中で「成田山の法則」と呼ばれているラストの小さな奇跡が、粋で可愛くて、読んでいてなんだか嬉しくなる。欲を言えば元素記号を口ずさむ彼にも登場してもらいたかったのだが、偶然が許されるのは何度まで、とか何かのどこか(誰か教えて!)で言っていた気がするので良しとしよう(それともあの司会者・・・?)。『陽気なギャングが地球を回す』で響野が「世の中には偶然が溢れているんだよ」(文庫p.251)と言っていたが、「偶然」というものは人生の中でプラスにもマイナスにも作用する。できればプラスでお願いします!と思いながら紆余曲折を経て行けば、結局はプラマイゼロで、いつか「繋がっているから大丈夫だ」と思える日が来るだろう。ささやかだけど劇的で、少し切ないけれど爽やかで明るい。とても気持ちの良い恋愛小説だったと思う。ただし名目は恋愛小説であるけれど、その内容は終始「恋愛」だけに執着しているわけではない。「動物」や「音楽」「法律」「常識」「温暖化」「嘘」「気休め」などといったキーワードを交えて、ファンの期待する伊坂ワールドへといざなってくれる。ちなみにリンクは「レッサーパンダ」。『砂漠』でもお馴染み、サン・テグジュペリ『人間の土地』からの引用文も出てくる。ガチガチの恋愛小説じゃないからこそ、非現実なのに軽くリアルで、読むと元気が出るような作品に仕上がっていた。この『I LOVE YOU』という本には伊坂幸太郎の他に、石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本田孝好の恋愛小説も収められている。この作家陣に興味がある方、恋愛小説好きの方、もしくは全く心当たりが無いと言う方も、ぜひ一読あれ。
2006.12.01
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伊坂幸太郎の記念碑的作品とも呼ばれ、圧倒的な人気の高さを誇る『重力ピエロ』(新潮社)。mixiによる好きな伊坂作品アンケートでも2006年11月現在、『オーデュボンの祈り』に70票差をつけて21%票獲得、独走状態の人気ぶりである。あらすじは、今回も文庫の裏表紙の文章を借りると…兄は泉水、二つ下の弟は春、やさしい父、美しい母。家族には、過去につらい出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄がついに直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。・・・なんかベタ褒めだね。本作品はミステリーファン以外からも受け入れられ、読者層の幅を広げるという貢献をしたようだが、ミステリーファン以外からもと言うよりミステリーファン以外に支持されているような気がする。『重力ピエロ』ファンの大半は「春or父が恰好良い!」「家族愛が素晴らしい!」と連呼しているようだ。今作品は、謎解きのスリルというものはあまり無い。叙述トリックも無い。犯人は小説の初めから登場している人物でなくてはならないという常識を考えれば、予想外の展開が待っているわけでも無い。ミステリーだと期待して読んだ人にとっては、少し物足りなかったのではないだろうか。しかし!大衆文学としては、高評価を受けるに十分相応しい作品だろう。強いメッセージ性、人間ドラマとして読み応えのある内容、個性ある登場人物、洒脱で粋な会話文、軽妙に鏤められた引用、インパクトのある冒頭。読んだ大概の人にヒットする強い力を持っていると思う。そして、他の伊坂作品とのリンクも嬉しい。9月24日付の読売新聞に「次々読破し、『フフ、あの人がこんなところに』とほくそ笑むのが通のよう」と書かれたが、全く以ってその通りだ。黒澤や伊藤が登場した時、思わずテンションが上がってしまったのは私だけだろうか。今回、文庫版で再読したので、後から単行本版と読み比べを少ししてみた。ちらっと見ただけでも改訂箇所がわんさか発見できる。例えば、泉水が春をあからさまに疑う記述は削られている。単行本p.98の「悲しい事に『天才画家』と『狂気』はさほど縁遠いものとも思えなかった。」(→文庫p.137)や、単行本p.141の「心のどこかで、春が火を点けた張本人ではないか、とまだ疑ってもいた。」(→文庫p.202)などである。また、文庫本の解説で北上次郎さんも書いているが、「JLG」と「二万八千年前」の間に「燃えるごみ」という項が挿入されている。他にも「放火現場の張り込み2」の後にあった「カッコウの巣」という項が削除されたり、「リラクシン」が「放火魔」という項名に変わったりと『重力ピエロ』は改訂が激しい。その中でも私が一番気になったのは、冒頭の「それから十六年後」(p.7)を「それから十七年後」(p.9)に変えていたことだ。二階から落ちてきた春を、なぜ16歳ではなく17歳に変えなければならなかったのか。しばらく?マークが飛んだが、冷静に考えればすぐに答えは分かった。元のままでは設定がおかしくなると、伊坂氏は誰かに指摘されたのかもしれない。皆さんも、ぜひ最初のページを開けて考えてみて下さい。さて、すっかり前置きが長くなってしまったが、『重力ピエロ』の重要キーワードは「ルール」だ。文庫版のページでいうと・・・グラフィティアートのルール p.41,42,53放火事件のルール p.56,77,205,282,286,353放火事件と地図のルール p.341放火事件と方角のルール p.164放火事件とグラフィティアートのルール p.247,290,354遺伝子とグラフィティアートのルール p.283,368検索「放火 仙台 ルール」 p.159オリエンテーリングのルール p.90ゴミの回収ルール p.201企業のルール p.232「無理やり導くのは、ルールじゃない」 p.328黒澤の勝手なルール p.416である。加えて、この前『弁護士 灰島秀樹』が「法律はルールだ」言っていたのが印象的だったので、「法律」というキーワードも以下に挙げておこう。春「~も死刑。法律でそう決めてしまえば、絶対やめる」 p.72春「多数決と法律は、重要なことに限って、役立たずなんだ」 p.209父「おまえが仮に法を犯しても、そこには何か理由がある」 p.248泉水「何かの法律に抵触しているのではないか、と不安に」 p.252春「殺人犯を放置するのは法律に反するだろ」 p.448泉水「法律なんて弁護士のためにあるだけだ」 p.448泉水「私が常識や法律を持ち出すまでもなく、重力は~」 p.449泉水「刑事だとか、法律家にとやかく言われる必要はない」p.459はじめは春、終わりに近づくと泉水が「法律」に言及しているイメージだ。春は法律を「役立たず」と言いながらも保守的な立場で、泉水は法律に若干の恐れを感じつつも批判的な立場であるらしい。ルールとは、果たして何なのか。「ルールの解明に挑む」ことは、ゲームをするようなものだ。ゲームをしている間はとても楽しい。しかしそのゲームをクリアした時、必ずしもハッピーエンドが待っているとは限らない。だから時々怖くなる。しかし一度ゲームを始めたら、クリアするまで、もしくはゲームオーバーするまで、前へ進み続けなければならない。家族を渦中に残したまま、自分だけ後戻りすることはできない。人生はエスカレーターだ。伊藤の祖母が言っていたように。泉水は、ルールの正体に薄々気付いていた。しかし、その結末を信じたくなくて、それが嘘であって欲しくて、別の答えを探そうと頑張っていたのだろう。法律もルールだ。この世は法律が支配しているのではないかと時折恐ろしくなる。世の中決められたことばかり。その一方で、信じたくないようなことはたくさんある。世の中に存在しているルールに、意味なんてあるのか。大事なのは、自分の大切な人が幸せであるかどうかではないのか。泉水にとって、春にとって、大切な家族が幸せであるかどうか。ルールも不可能も打ち破って、楽しそうに生きていれば、地球の重力なんてなくなる。たとえピエロの涙はポロリと落ちても、悲しみも憎しみも愛する気持ちも、すべてを受け入れて生きていけばいいんだ。ルールに挑みルールを変えた兄弟を描いた『重力ピエロ』は、決してキャラクター人気だけに頼らない、宙に浮いているのに地に足が付いた作品であった。
2006.11.21
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そういえば昔、1999年7月に人類は滅亡すると言われていた時期があったなぁ。結局その予言は当たらなかったけれど、もしも占い師ではなく政府が正式に「地球は滅びます」と発表していたら、世界は変わっただろうか。今の平穏な社会は保たれているのだろうか。そんなことをふと考えさせられた、伊坂幸太郎の『終末のフール』(集英社)。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されてから5年後、小康状態の世界を生きる仙台市北部のマンション「ヒルズタウン」の住民たちを描く傑作連作短編集である。全部で8作あるが、各短編のタイトルと部屋は以下の通り。「終末のフール」 405 香取“私”・静江(・康子)「太陽のシール」 60? 桜庭富士夫・美咲「籠城のビール」 509 杉田玄白・妻・娘「冬眠のガール」 301 田口美智「鋼鉄のウール」 60? “僕”・父・母「天体のヨール」 30? 矢部「演劇のオール」 30? 倫理子、一郎、20? 亜美「深海のポール」 501 渡部修一・華子・未来・父目次を見た瞬間、思わずニヤリとしてしまうほど綺麗に揃えられたタイトルである。読者も「私は"○○の△ール"が一番好き」などと会話が弾みやすそうだ。一見わけの分からない「ヨール」を挿んでいるところがまた面白い。部屋に関して言えば、フロアが偏っているのはなぜだろう。1階の人は全滅なのだろうか。地上に近いから?景色がそんなに良くないから?さて、今回のキーワードは「許す」である。新刊案内にも「あと3年で世界が滅ぶとしたら、あなたは何を許しますか?」と書かれているぐらいだ。全部ではないが、各編で「許す」が使われている箇所は、ざっとこんな感じ。「終末のフール」 p.39 康子→父「ぜーんぶ、許すって」 p.40.41 静江→父「許さないですから」「太陽のシール」 p.73 富士夫「許してくれるだろうか」「籠城のビール」 p.111 虎一→杉田「許すつもりはない」「冬眠のガール」 p.144 小松崎→美智「許してるのかよ」「鋼鉄のウール」 p.156 僕「惑星も父も、何もかも許せない」 p.161.162.177 苗場「俺は、俺を許すのか?」 p.181 僕「両親を許すべきではないか」「天体のヨール」 p.213 矢部→二ノ宮「許してくれると思うか?」 p.214 二ノ宮→矢部「許さないんじゃないの」「演劇のオール」 p.223 父母→倫理子「誰かを許してあげなさい」 p.231 亜美「わたし自身が許せないな」 p.245 倫理子「許しを乞う相手すら思い浮かばない」 p.247 倫理子「許して!」 p.254 倫理子→亜美「許してあげるよ」 p.254 亜美「勝手に許すんじゃねえ、って」 p.254 倫理子→亜美「誰かを許してあげて」 p.257 倫理子「許したくなった」「深海のポール」 なし短編集の最終話「深海のポール」に「許す」という言葉は見つけられなかった。もしも私が見落としているのなら、どうか教えて頂きたい。そして、違う短編なのに似ている台詞がコチラ。p.73 富士夫「許すとか許されないとか、そういうものじゃないんだ」p.144 美智「許すとか許さないとか、そういうんじゃないですよ」おそらくこの台詞が、「許す」の中核に当たるのではないかと私は思う。世界の終末が近づき“自分は許されるのか許されないのか”“あの人を許そうか許さまいか”誰もが選択を迫られた時、「そういうものじゃない」と言い切ってしまえる明るさ。世界の滅亡が待っているはずなのに、明るい未来を垣間見るかような感覚。強がりではなく、とても自然に出た言葉。「許す」という選択も「許さない」という選択も、結局は終末を前提とした“清算”でしかない。それは、決して悪いことではない。誰かを「許す」ことで、誰かから「許される」ことで、終末への“安心”が得られる。また、誰かを「許さない」と決めることで、誰かから「許されない」と分かることで、終末への“覚悟”が得られる。それは、今までの平凡な世界では得られなかったもの。終末がキッカケを与えてくれたお陰で得られたもの。しかし、美智が「たとえば、桜が春の短期間しか咲かないからって、誰も『許さん』とか怒らないですよね」(p.144)と言ったように、「許す」or「許さない」では片付けられないものもある。人生の岐路に立った時、世の終わりが見えた時、誰かを「許す」のは素敵なことだ。「許さない」と決断するのも潔い。でも、生きていて「世界の終末」のような絶望に打ち拉がれた時、「許すとか許さないとか、そういうんじゃない」と第三の道に気が付くことも、また素晴らしいのではないか。小松崎の言うように、超越してる感じ。三次元の上からの視点。優午の位置。他の伊坂作品とのリンクが全く無い『終末のフール』は、一つ高い位置から他の作品群を見下ろしているのである。
2006.10.24
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『秘密。私と私のあいだの十二話』(メディアファクトリー)に伊坂幸太郎の短編小説「ライフ」が収録されている。これは『ダ・ヴィンチ』2003年12月号~2004年10月号およびODNサイトの、日本テレコムSHORT THEATER「心をつなぐ言葉たち」に掲載したものを一冊にまとめた文庫本である。本の内容は、裏表紙の文章を借りると・・・レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。たとえば(中略)など・・・・・・。出来事や出会いが立場の違い、状況の違いでどう受けとめられるのか、言葉と言葉の裏にあるものが描かれた不思議な一冊。伊坂幸太郎の他に吉田修一・森絵都・佐藤正午・有栖川有栖・小川洋子・篠田節子・唯川恵・堀江敏幸・北村薫・三浦しをん・阿部和重という、半分以上が直木・芥川賞を受賞の豪華作家陣による贅沢な短編集である。正直、この本について言えば、伊坂氏よりも森絵都や三浦しをんの方が腕が立っていた印象を受ける。期待していたが故そう思うのだろうけど。それでも、決して悪くはない。「ライフ」は、穏やかでカラリと明るくて、少し粋で軽い雰囲気の、伊坂幸太郎らしい良い空気を持った作品であったように思う。納入したシステムのトラブルで残業中のシステムエンジニアとサッカーの国内プロリーグで仙台に遠征中のミッドフィルター、小学校からの友人同士である2人は電話で話をする。それを、A:システムエンジニア編 B:ミッドフィルダー編としてそれぞれの視点から描いた作品が「ライフ」だ。この作品の重要キーワードは「繋がり」である。と言っても、1回しか出てきていない言葉なのだが。『ラッシュライフ』の志奈子の絵「つなぐ」を思い出す人がいるかもしれない。「人生はきっと誰かにバトンを渡すためにあるんだ」、それをショート・ショートにしてすごく簡潔に表したような感じである。まず、A面・B面というコンセプトからしてそうだ。たとえ別主人公の視点にしていても、その2人、その2つの話は強い繋がりを持っている。次に台詞。「そういうもんだ。うまくいかないこともあるよ。」という何だか気の利いたシステムエンジニアの口癖がA・B両方に出てくるのだが、これが本当にレコードだったらサビに当たる部分なのかなと思う。この許しを与えてくれるような優しい台詞が両面に存在することによって、作品の空気が一つに繋がっている。そして、他の伊坂作品との繋がり。プログラムの以前の担当者の伊藤とは、『オーデュボンの祈り』の伊藤のことだろう。ファンにとっては思わずニヤリとしてしまう嬉しい箇所だ。この作品に限らず全体を通して「繋がり」を前面に押し出した本であった。上に他の作家の方が優れている印象を受けたと書いたが、伊坂幸太郎は単にショート・ショート向きではないのだと思う。稿が短すぎて本領発揮できないまま終わってしまっただけなのだ。と、なぜ私がフォローをしているんだという感じもするが、この本を読んだだけで12人の作家陣の力量を分かったつもりになってはいけないということである。でも、面白い本には違いないのでぜひ読んでみてね。
2006.08.31
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素晴らしいね、文句なしに!!と、読み終わった瞬間はすごく満足した気分になったけれど、これはちょっとファンサービス的作品だったかな?前作『陽気なギャングが地球を回す』続編として刊行されたこの作品、『陽気なギャングの日常と襲撃』(祥伝社)通称『ギャング2』は、前作や映画に全く触れていない人にとっては、いきなりその世界観を受け入れることは難しいかもしれない。あとがきで伊坂氏も「できることならば、順番に読んでいただけるとありがたいです」と書いてあるように、私も前作から読むことをオススメする。あらすじは、裏表紙の文章を借りると・・・人間嘘発見器成瀬が遭遇した刃物男騒動、演説の達人響野は「幻の女」を探し、精確無比な“体内時計”の持ち主雪子は謎のチケットを真意を追う。そして天才スリの久遠は殴打される中年男に――史上最強の強盗4人組が巻き込まれたバラバラな事件。だが、華麗なる銀行襲撃の裏に突如浮上した「社長令嬢誘拐事件」と奇妙な連鎖を始め・・・。絶妙のプロット、会話、伏線が織りなす軽快サスペンス!伊坂ブームの起爆剤にして、映画化で話題の「陽気なギャング」ここに待望の復活!前回は都会派サスペンス!だったけど、今回は軽快サスペンス!なんだ。うん、確かに軽快だったね。会話のテンポが良いし。個人的には久遠が特に良かった。「てめえ、黙れ」「助けて、助けて、誰かボクシングのできる人。ボクシングの得意な喫茶店の人」や「何新聞だよ」「えっと、恐怖新聞です」(p.168)、「来年の七夕の時は、響野さんみたいに品のある人間になりたい、って短冊に書くよ」「絶対書けよ」「いやだ」(p.209)などなど、お気に入りを挙げれば切りが無いのだが、すごく発言が冴えている。これは久遠自身も言う「よく行く喫茶店の店主の影響」(p.162)かもしれない。ついでに言うと、スリの技術も前回を上回っているように思う。新幹線のチケットを“取って、入れ替えて、戻す”なんて、もう犯罪ではなく神業だ。動物愛護の精神も健在で、今回の久遠は最高だった。もちろん成瀬、響野、雪子の3人も相変わらず素敵で、この陽気なギャング達にまた会えたことを嬉しく思う。さて、『ギャング2』の重要キーワードは「嘘」である。 『ギャング1』のキーワード「裏切り」と似た要素を持っているようにも思えるこの「嘘」という言葉は、『ギャング2』の中でなんと41回も使用されている(ちなみに「裏切り」は2回)。内容を分類すると・・・成瀬が見抜く嘘 (p.13,14,22,32,33,177,221)、成瀬がつく嘘 (p.221)、大久保がついた嘘 (p.14)、黒磯がつく嘘 (p.53)、響野の嘘話 (p.70,147,254)、美由紀がついた嘘 (p.75,76,77,83,87,102)、雪子がしれっとついた嘘 (p.94)、奥谷奥也の本当か嘘か (p.100)、劇場オーナーの嘘 (p.115)、久遠がついた嘘 (p.122)、熊嶋洋一がついた嘘 (p.124,129)、和田倉がついた嘘 (p.125,128,130)、久遠のリアクション「え、嘘」 (p.142,222)、大田がついた嘘 (p.193)、バレてしまった嘘の煙 (p.249)、良子のリアクション「嘘?」 (p.254)となる。ちなみに中で私が一番好きな嘘は久遠のパイナップル嘘だが、ここでは置いておこう。とにかく、この作品には「嘘」が溢れている。なぜこんなにも嘘を並べ立てたのだろう。世の中嘘だらけということか。それとも人間は嘘をつく動物だとか。どれも「嘘は悪いものだ」というスタンスは取っていない。寧ろ、嘘があることによって人生が豊かになるような感じさえ受ける。題名の 『陽気なギャングの日常と襲撃』は、つまり第1章の“日常”と第2~4章の“襲撃”で構成されているということなのだろう。嘘の溢れた“日常”の中に嘘だらけの“襲撃”を加える陽気なギャング達。嘘をつく者と嘘をつかれる者が生きる地球。そんな地球を回すのは嘘を見破る成瀬。「地球を回したって、何も出てこないよ」という田中の台詞(p.173)。言ってしまえば全てはフィクションで嘘の話で。伊坂氏はあとがきで「もしかすると前作の大切な部分がこちらでこっそり明かされている可能性もあります」と書いているが、そんな謎が明かされるような場面は私が読んだ限り無かった。これも嘘なのだろうか。まぁ「可能性もあります」だから別に嘘にはならないか。それとも前作の題名 『陽気なギャングが地球を回す』の意味を明かしたのが上記田中の台詞ということなのだろうか。地球を回しても何も出てこない。真実は見えてこない。それでも地球を回し続けるギャング達。嘘で固めて真実を陽気にはぐらかし、ロマンを求めて生きていく。何も出てこなくたっていいじゃないか。「ロマンはどこだ」と言いながら生きていれば、それが真実になる。かもしれない。『重力ピエロ』の「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」の精神を受け継いで、なんとも軽快に見せた、魅せた、作品である。
2006.08.24
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驚いた。成瀬のウソ発見でもなく、響野の長い演説でもなく、雪子の体内時計でもなく、久遠のスリ技術でもなく、雪子のドライビングテクニックに。おい、それは無理だろ!!と思わず心の中でツッコミたくなる程の鮮やかなハンドルさばき。自動車教習所でダメ生徒に指導するためワザと車を空中回転させ「次失敗したら2回転ですよ」とサラリと言ってのけるスタントマン並みの度胸。コレ体内時計よりも重要な才能なのでは・・・?てか、もはや体内時計いらなくね?原作では、体内時計があるからこそ、完璧な時間計算によって逃走が可能だったのよね。でも映画では、おもいっきり後ろからパトカーに追い駆けられてるし、デットヒートを繰り広げた上、かなり反則的なドライビングテクニックによって、からがら逃げることができた感じ!?でも、雪子の「結構便利よ。楽しいことも哀しいことも、全部数字にしちゃえるから」という台詞が格好良いので○。そうそう、結末としては地道にも驚いた。いや~なかなか良かったよ大倉孝二さん。あの勘定方の河合がねぇ(新選組!)。原作では情けない感じだったのに、なんだか(さらに悪道者だけど)切れ者で、ある意味ちょっと格好良いキャラになってない!?でも一つ残念だったのは、雪子の『一度でいいから驚いてみたい』エピソードが無かったこと。つまり、成瀬の「君を驚かせたかった、というのもある」というあの素敵な台詞も無し;;だから終盤、何で成瀬が撃たれるの?響野と祥子さんが救急隊員!?ってことは救急車も田中商店の?救急車って個人で持ってて大丈夫?あのキス&パンチは一体(笑)結局なんていうか、成瀬の雪子へ対する劇的演出アプローチ!みたいな感じ?となる。それもこれも映画的ラブの為か・・・でも、撃たれたから愛が芽生えるってのはちょっとおかしいような。いや、愛に気付かせたと言うべきなのか?でも、そういうラブを成就させるっていう打算的な理由じゃなくて、「ただ驚かせたかった」という一見無意味なことに一生懸命になるのが、面白くて、格好良くて、ロマンじゃないのかなと思うんだけどね。でも、なんだかんだ言っても面白い映画だったなぁ。銀行襲撃シーンはワクワクした!BGMがまたすごく良くて。ああ、響野の演説がとりわけ素晴らしかったなぁ。メインで映っていない時もボリューム下がってるけど喋り続けてるしね。あ、車の中での響野と久遠のやり取りも好きだなぁ。「大人気なく生きるのが俺のポリシーなんだよ!」は名言!最初、響野が佐藤浩市とは意外に思ったけど、観てみると結構いいもんだね。でも、まさかあの芹沢鴨がねぇ(新選組!)。てか、雪子さんはお梅さんだねぇ(新選組!)。そうそう、最後の“映画の終わりっていうのは・・・”の話は興味深かった。ちなみに私はエンドロールを最後まできっちり観る派。でも、あんな風に言われたら全員最後まで観るだろうなと思ってたのに、案外劇場内の半分ぐらいの人は、スタッフの名前が流れ出した途端に席を立ったもんね。その人たちは、キリンを冷蔵庫に入れる方法が分からずじまいか、もしくは元々知っていたかやね。原作とはかなり違っていたけれど、違っていた分、新鮮な気持ちでストーリーの展開を楽しめました。作品研究としては、伊坂作品はやっぱり色彩が鮮やかだ、といったところでしょうか。ついでに宣伝しておくと、10月25日にDVDが発売・レンタル開始されます。映画館に行けなかった方はDVDでどうぞご覧あれ。テレビ放送は当分期待できないと思うので・・・。
2006.08.19
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長い間ごぶさたしておりました。るってんしゃんで御座います。夏ですね。暑いですね。しかし二十四節季では立秋も過ぎ、もうすぐ処暑を迎えようとしています。残暑見舞いを出すなら今が書き時ですね。さてさて、私めの諸都合で更新をしていない間も、ありがたいことに訪問者の途切れる日は無く、これから皆様のご期待に添えるサイト作り及び更新をしていかねばならないと自身に鞭打つ思いで御座います。言い訳にはなってしまいますが、大学4回生ということで就職試験を間近に控え、今は卒論を書いている場合じゃない!と気付き突如HPを放置しておりました。このたび無事試験も終え、結果はまだ通知されていませんが、今年駄目なら来年受かればいいさと、現在は妙に開放的な気分で御座います。とはいえ更新していない間も、ちゃっかり「陽気なギャングが地球を回す」の映画を観たり、『重力ピエロ』や『秘密。私と私のあいだの十二話』の文庫本を読んだりと、密かに準備は着々と進めていたんですよ。読書→考察→執筆→UPのサイクルなので、次回のHP更新はいつになるやら分かりませんが、できるだけ早めを心がけて伊坂幸太郎研究を進めていきたいと考えておりますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
2006.08.17
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今、最も注目度が高い伊坂作品と言えば『陽気なギャングが地球を回す』(祥伝社)。何と言っても初の映画化ですよね!前評判も上々のようで。原作とは変えた部分も多々あるようですが、まぁ、映画は映画ですから。映像的に魅せないといけませんからね。ただ、新書刊行時のあとがきで伊坂氏は「九十分くらいの映画が好きです。」と書いているので、おそらく九十分くらいの映画にはなっていることでしょう。さて、あらすじは、今回も文庫の裏表紙の文章を借りると・・・嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった・・・・・・はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!・・・都会派サスペンス!・・・ですか。なんか、勢いイイね。「サスペンス」とは『広辞苑 第五版』によると「小説・映画などで、物語中の危機が、読者・観客に感じさせる不安・懸念・緊張感」らしい。ということは安直に和訳すると、都会派不安!都会派緊張感!・・・じゃあ反対に、田舎派不安!田舎派緊張感!というのも存在するか?例えば、日照り続きで明日の飯にありつけるか不安!とか、都会から突然息子が帰省してきて緊張!とか?ああもしくは、案山子がバラバラにされて未来が不安!とか、ふと気付けば背後に桜が立っていて緊張!とかね。一度(図書館の)単行本で読んではいたのだが、このたび文庫本を購入して再読し、まだほんの一部分ではあるものの読み比べもしてみた。結構ちょこちょこと変更されている。分かりやすいところでいくと、雪子・祥子が自分を指して言う「あたし」が「わたし」に。また、この2人の女言葉はかなり減少傾向。例えば「楽勝よ」(単行本p.52)は「楽勝」(p.74)というように、記号的な女言葉に頼らないシンプルな台詞が増えている。他に、大きな所だと「自分の息子の身に危険が近づけば、助けたくなる」(p.276)の後に続いていた「遺伝子の力だ」(単行本p.190)がカット。これ、『重力ピエロ』を示唆する良いリンクだと思ってたんだけどねぇ。逆に連想させてしまうから良くないと判断したのかな。ポイントの焦点がばらけないように、という配慮からなのかも。『オーデュボンの祈り』の単行本版はまだ読めていないのだけど、文庫版はかなり原稿枚数が減っているという話もどこかで聞いたことがあるし、伊坂氏は改訂が結構好きなのかもしれない。いや、改訂好きってのも何か変だな。改訂を煩わしく思わないタイプと言うか、改訂にて作品に磨きをかけたい方と言うか。あの次期ノーベル賞候補の村上春樹も「レキシントンの幽霊」の初稿版と教科書掲載版では主題(テーマ)が違ってくるほどの意図的な改訂を行っているし、つまり伊坂氏もそれぐらいの器をそなえた作家だということだろう。前回の『オーデュボンの祈り』では「想像」を挙げたが、今回の作品『陽気なギャングが地球を回す』の重要キーワードは、ズバリ「裏切り」である。・・・別にズバリ言うほどでもなかったか。いやいや、ベタだが重要なのだ!広辞苑を脚色した記述として、第四章 雪子6(p.342)にうらぎる【裏切る】1、敵に内通し、主人または見方に見方に背く。2、約束・信義に反する行為をする。人の予期に反する。「地道は―と思ったわ」とあるように、全27辞書ワードの中の一つとしてあからさまに提示されているのだが、作品中、他のワードより使用頻度が圧倒的に高い。回数だけで重要かそうでないかを断定するのは安易だが、繰り返し使われている言葉には何か意味があると考えるのは基本だ。この作品には、大きく分けて5つの「裏切り」が存在している。1つ目は、ギャングの裏切り(p.56/57/162)。「ギャング映画がはじまれば、観客が注目すべきは誰が裏切るかだ」(p.57)とあるように、この物語が待ち受ける「裏切り」のはじまりの合図とも言えるエピソードだ。2つ目は、雪子の裏切り(p.260/264/269/270/283/345)。3つ目は、地道の裏切り(p.293/308/309/316/321/323/325/334/335/337/338/339/372)。これらは、説明する必要もあるまい。物語の中核とも言うべき「裏切り」である。4つ目は、成瀬の裏切り(p.190)。これは響野の独断と偏見によるジャッジではある。しかし、後に雪子へ与える“驚き”もある意味一種の「裏切り」であり、それへの予感めいたものだとも言えよう。そして5つ目は、作者の裏切り。もちろん、裏切る相手は読者だ。「あれ、と久遠は思った。不安がよぎった。」(p.326)などと意味深な言葉をいくつも残して、久遠や雪子と一緒に不安にさせておいて、あの粋なラスト。完全に裏切られた思いがした。良い意味で。小説で、物語中の危機が、読者に感じさせる不安・懸念・緊張感。確かにこの作品は、都会派サスペンスに間違いない。
2006.04.11
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まずは伊坂幸太郎のデビュー作から触れていきましょう。第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した『オーデュボンの祈り』(新潮社)。あらすじは、新潮文庫の裏表紙の文章を借りると・・・コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来下界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?さすが出版社の編集者!“ミステリー”な部分を強調して読者を引き寄せようとしているね~。でもちょっと、サスペンスでスリリングなファンタジー小説だと思われかねないか?だからと言って、これ以上書くというのも難しい・・・。残念ながらリアリストさんには、はなから受け入れられない可能性アリ。再読した際、後で分かりやすいようにと思って好きな箇所や重要だと思う箇所に付箋を貼っていったら、最終的に全部で100枚近くも貼ってしまい、まるでアンダーラインだらけでどこが大切なのか分からない参考書のようになってしまった。その事実に気付き、単純に驚いた。分かったのは、この作品には無駄な部分が無いということである。本筋と関係のない「箸置き」と思わせる部分さえも、全ては緻密に張られた伏線であり、ルービックキューブの1ブロックなのである。1つでも欠けると成立しない、完全無欠な世界観がこの作品にはある。例えば、イチゴ。日比野が伊藤に買ってくれた苺(p.96)は、決して「イチゴ一会」と下らない洒落を言うためだけに存在しているのではない。まず、この苺を買う件で「轟の持ってきた通貨でも問題はない」ということが判明する。だから、伊藤は自分が持っていた金でウサギからジャガイモを買うことができる。ウサギも「それでもいいよ、轟の金だろ」(p.195)と言っているから、この時に初めて説明するので良いようにも思えるが、それでは単に“話の都合が良いように設定した”だけになってしまう。苺でワンクッション置くことによって、話にリアリティが生まれるのだ。また、苺を冷蔵庫に入れたことで、伊藤は「電気」(p.123)のことを気にする。それは後の、自転車のライト(p.251)・懐中ライト(p.388)・「光った」(p.292,379)のイメージに繋げることにもなる。では、どうしてイチゴなのか?それは赤という色がポイントではないだろうか。作品中に赤色は何度か使われている。例えば、禄二郎の血も、百合の泣いた目元も、園山婦人が褒めた絵の具の色(p.103)も、そして轟の家の屋根(p.314)もまた、赤色である。“色”は、物語の雰囲気をより鮮明に読者へ伝える重要なものである。白や青をベースとしながらも、サブリミナル的に赤を取り入れることで、要所への伏線となるアクセントを付けていったのだ。では、どうしてイチゴではなく他の赤いものでは駄目だったのか?例えば、にんじん。しかしこれは調理をしないと食べられない。伊藤が包丁を手に入れるのはずっと後のこと(p.227)だ。その前にうっかり百合などから借りられては話も成立しない。じゃあリンゴ。これなら切らなくても食べられる。しかし、日比野ならばリンゴの丸かじりも似合うかもしれないが、派手ではない元システムエンジニアの伊藤のイメージと丸かじりはどうも合わない気がする。確かに不可能ではないだろうが。それに、リンゴの爽やかさに対してイチゴは幼さや甘さを感じ、日比野のイチゴ好きは、日比野に覗かせる幼年性や過去のエピソードを表すことにもなる。また、同様の理由でトマトも却下する。それに夏の野菜なので12月に食べるのならばハウス栽培が必要だ。しかしそう言うと、イチゴも本来、夏の果物である。つまり“荻島ではハウス栽培が行われている”ということが判明してしまった。そこで連想してみると、イチゴのハウス栽培→赤色のハウス→赤色の家→轟の家となる。やはりイチゴはベストチョイスだったのだ。この作品にとって、イチゴは決して無駄なものではないことが分かる。しかし、伊坂氏が本当にここまで考えて書いていたのかどうかは、当然のことながら分からない。単なる深読みの可能性も大いにあるだろう。大切なのは、このイチゴという一単語だけでさえ、ここまで想像することが可能であるいうことだ。ちなみにこの「想像」という言葉は、作品中で私が確認しただけでも15回は出てきており、重要なキーワードのうちの一つであると考えられる。『オーデュボンの祈り』は、主人公が何度も想像を繰り返すことよって展開し、読者にもまた意識下で想像させることによって、世界観を確立していく作品なのだ。
2006.03.02
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無事、卒論のテーマが決まりました。「伊坂幸太郎論」です。担当の教授と話した結果、作品数が少ないし、まだ知名度も低いので、「作品研究」ではなく「作家論」の方が良いだろうということになりました。それに、やはり伊坂幸太郎作品と言えば“作品間のリンク”だと思うので、数個の作品だけを取り上げて語るというのは無理な話。結局、全ての作品に触れることになってしまいそうですからね。また、「書評」は既に出ていても、まだ「作家論」を書いた人はいない。つまり、念願の第一人者になれそうじゃないですか!しかもトップバッター!いいねいいね~!! ちなみに、教授は伊坂幸太郎作品を読んだことがないそうです。この感じでいくとおそらく他の先生方も読んだことないのでしょう。しかし、だからと言って卒論発表会で教授らに「だって読んだことないし」というキョトン顔をされたのでは面白くない!(教授は、皆をびっくりさせたので良いと言っていたけれど。)そこで作った目標はコレ!「読んだ人が伊坂幸太郎の本を読みたくなる論文」卒論発表会でこれを聞いた教授も助教授も後輩も、伊坂幸太郎の本を読みたくてたまらない!一刻も早く本屋へ行きたい!と思わせる卒論を書こうじゃないかと。そして尚且つ、元からの伊坂幸太郎ファンがうなる卒論を目指そうじゃないかというわけです。 でも作家論と言っても、それを書くためには作品研究をすることも必要よね。ということで、最終的に「伊坂幸太郎論」を作り上げるために、「伊坂幸太郎作品研究」をこのHPを使って進めていきたいと思います!さっそくはりきってデザインテーマも変えました(笑)(でも、今までのイメージも崩さないよう基調はピンクと水色で☆)「キューブ」なんですけど、なぜこれを選んだのか分かりますか? 伊坂幸太郎の主な作品ミステリー小説。ミステリーの醍醐味と言えば謎解き。そこで大抵のミステリーはジクソーパズルに譬えられる。確かに『オーデュボンの祈り』にも「パズルの欠片が、次々とはまりはじめる感覚」(文庫p.415)という描写はある。しかし、伊坂のミステリーをジクソーパズルだと言うのはどうもしっくりこない。何か物足りないような気がするのだ。時系列のずれ、複数の視点、キーワードのリンク。それらが上手く組み合わさった時の爽快感。何故か込み上げてくる嬉しさ。・・・そうか、伊坂幸太郎のミステリーはルービックキューブだ!そう私は思ったのです。そんな訳でデザインテーマを「キューブ」にしてみました。いかがでしょう。私と同じように考えた方はいませんか。 これから追々、伊坂幸太郎作品を研究していきたいと思います。TOPページにも書いていますが、記事の新旧に関わらずコメント随時募集中!感想・意見・批判・アドバイスなど何でもどうぞ☆
2006.02.27
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初テーマ投稿ですよ。その名も「伊坂幸太郎作品を語ろう」。一人の作家さんにピンポイントを当てたテーマは初めてじゃないかなぁ。漫画なら一つの作品でもテーマあるけど、小説のジャンルではない。もしくは以前あったけど廃れたか。え、じゃあこのテーマも存続は危うい!?いやいや、頑張って私一人でも記事を書き続けますよ・・・と、こんな事態になったのはどうしてか。私もとうとう大学4回生ですよ。ということはアレです。そうです。卒論です。そのため卒業研究をしなくちゃならない。この前から日記の更新もせずに、研究テーマを黙々と考えていましてね。一応教育学部だから教育関係かなとか、将来役立つ方がいいかなとか、国語が専門だから作品研究もありだなとか、じゃあ夏目漱石?紫式部?孔子?とか、いろいろと考えた結果、これはもう、自分が一年間楽しめるテーマにしよう!と思い立ったわけです。卒業のためと自分に言い聞かせ、苦しみながら研究するのではなく、「あなたにとって卒業研究とは?」と聞かれて「趣味です」とさらりと答えられるようになりたいものです。そこで思いついたのが伊坂幸太郎。うん、これは楽しめそうだぞと。すでに伊坂幸太郎関連のサイトさんはいくつかあり、重要な情報源としてよく覗かせて頂いているのですが、まだどこも本格的な作品研究には踏み切っていないらしい。こうなったらもう、私がするしかない!よーし、私が伊坂幸太郎研究の第一人者になるぞ(笑)とね、意気込んでみたわけです。でも、一人でこっそり黙々と調べていても面白くない。せっかく全国には素晴らしい伊坂ファンがたくさんいらっしゃるのだから、みんなと一緒に大いに盛り上がりながら伊坂幸太郎作品研究をしようじゃないか!ここにロマンがあるんだ!・・・と思ってこの日記テーマを投稿しました。といっても、まだ実は正式には研究テーマ決定していません。教授の認可が下りないと駄目なんですよ。直木賞ノミネートで知名度も上がってきたことだし、大丈夫だろうとは思っているのですが。また、うちの学部はゼミ制ではないので、ここで初めて指導教官が決まります。もし日本近代文学の先生に多くの学生の希望が集中したら、じゃんけん・・・くじ・・・あみだ・・・う~ん、なんか不安になりますね。もし運悪く外れたら、古典とか漢文とかの分野に・・・!3日後に私「テーマは『伊勢物語』になりました~」とか言うはめになってたりして!?つまり要約すると、見切り発車でこの「伊坂幸太郎作品を語ろう」というテーマは作られたのです(笑)まぁ、楽天にも伊坂ファンが集える場があればいいなとは前々から思っていたんですよ。それは確かです。自信を持って。どうか伊坂幸太郎研究ができますように。みんなと一緒に一年間楽しめますように。その際には、貴方のお力を貸して下さい。どうぞよろしくお願いします。
2006.02.23
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「ルビンのつぼ」を知っている方は大勢いらっしゃるでしょう。あの、優勝カップのような形をした壺の絵の背景に注目すると、今度は向き合っている2人の顔の影絵が見えてきて、壺だった部分が背景になってしまうという絵です。この絵は『ちょっと立ち止まって』という説明的文章の教材として中学1年国語の教科書にも載っています。これには「ルビンのつぼ」以外にも「おばあさんと若い女性」や「化粧台の前に座る女性とどくろ」のように、自分ではAだと思っていたものが人からBとも言えると指摘されると、なるほどそうかと思える絵が載っています。つまり筆者は、要約すると「私たちはものを見る時、第一印象ですべてを知ったように思ってしまいがちだが、ちょっと立ち止まって考えることで、知らなかったことも分かるようになり、驚きや喜びを得られるのではないだろうか」ということを言いたかったのでしょう。そこで自分たちも「日常生活でちょっと立ち止まって考えることが大切だなと思ったとき」を考えてみてはどうか、とこの教材を研究していた友人が言いました。友人の考えた例は以下の通り。意地悪だと思っていたAくんは、意外にも下級生にはとても優しい。Bくんは友達としてならいい人だけど、仕事仲間にしたら上手くやっていけそうもない。若いと思っていた先生も、近くで見るとしわがある。麦茶だと思って飲んだら麺つゆだった。・・・つまりは、ギャップに気が付くことなんですかね。では、私も考えてみます。クラスのマドンナのCさんは、意外にもペットにはとても厳しい。Dさんは生徒会長としてならいい人だけど、友達にしたら上手くやっていけそうもない。恐いと思っていた先生も、遠くで見ると影が薄い。えくぼだと思っていたらあばただった。・・・気が付くことが本当に良いことなのかは不明ですが、あなたも「日常生活でちょっと立ち止まって考えることが大切だなと思ったとき」を考えてみてはどうですか。
2006.02.10
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「軽くおなり」女はそう諭した「クリスピーになれと言うのか」やがて男は新たな人生を歩むことを決意した『クリスピー物語』続く・・・パリッ・・・うんまっ!チョコスナック「ネスレ クリスピー物語」。今、私が1番気になっているCMです。実にいいですね~。面白いです!岸田今日子さんが良い演技を見せていますね。薄暗い会場で、静かに舞台朗読。すると本(と手)がパタンと前へ倒れ、現れたのは「クリスピー物語」(と手)。初めて見たときは、岸田さんが「うんまっ!」と声を上げるところを気に入ったのですが、本を持つ手が作り物だと気付いてからは、毎回そっちに思わず注目してしまいます。あと、よく覚えられていないのですが、朗読をしている会館の名前(漢字)も「クリスピー」と読めるような気が!?って、まだ私「クリスピー物語」食べたことないんですけどね。近々見つけたら買うつもりです。はい。
2006.02.06
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「Shinsengumi Express!!」存続してますね!しかも更新されてますね!!嬉しい限りです・・・!!!もしかして、大河ドラマ「新選組!」の時みたいに、放送が終わったらサイトも閉鎖しちゃうのかな~と思ってたのに、今回は違いますね。ファンを裏切らない!さすがです!!前に日記にも書きましたが、「新選組!」公式サイトの時は、保存したつもりでいたらパソコンが壊れて途方に暮れましたからね。もしもNHKの人と知り合いになったら、「新選組!」公式サイトの期間限定復活を頼み込もうとか、変な決意まで立ててましたよ;あと、そのためには業界と関わる職に就いた方がいいのかなとか、もしも大金を積んだらサイト復活も可能かなとか、突拍子もないことを想像したり;でも、この「新選組!!」のサイトがこれからもずっと続いてくれるのなら、今のところ満足ですね。この幸せをしっかりと噛み締めながら、次の更新をチェックしようっと。
2006.02.01
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大佐ファンの方々お待たせしました!なぜ後編なのか分からない方は前回の日記をご覧下さい。では、あなたもハガレン第10巻を片手に、もしくは頭の中で思い浮かべながら、さっそく参りましょう♪今回特別、るってんしゃんのお気に入りポイント7!~大佐編~一、p.25 「生きてて良かった」とリザに言う大佐。その直前までギャグっぽいことしてたのにさ、急に真顔になっちゃって。そのギャップが・・・格好良いじゃない!?二、p.29 「・・・・・・何と言うか デタラメ人間の万国ビックリショーだな」と言う大佐。そそ、それは・・・かつてあのヒューズさんが言った言葉じゃないですかぁぁぁ!!(泣)三、p.32 「嘘だ」とさらりと言う大佐。こいつぁなかなかのワルやね(笑)怪しげな目つきを光らせながら「うむ!」って言う時点で、もう可笑しいんですけど。四、p.44 「うおおおおおおおお」と叫んで走る大佐 with ハボック少尉。実にいいねぇ~。冷や汗かきまくりだねぇ。普段ポーカーなだけに、必死こいてる姿は貴重に見えるわ。五、p.46 何食わぬ顔で爆破音を聞く大佐。・・・冷静~!さすが大佐と言うべきか。でも冷静すぎ!?隣のハボックはロボットみたいな顔になっちゃってるというのに(笑)六、p.87 ラストに『ライターの打ち石を火種にして・・・素手に血の錬成陣!!』と言わせた大佐。もう文句なしに格好良いと認めざるを得ないわ。ナイス説明をラストよありがとう!七、p.152 「君は今夜ここで死ぬ」とロス少尉に告げる大佐。な、何!?なんかちょっとゾクゾクしてしまうのはどうしてかしら。う~ん、今後忘れられない台詞の一つになりそうだ。はい、共感して頂けましたでしょうか。第10巻の大佐は実に見事でしたね!でも、ハボックの戦線離脱はやっぱりツラいなぁ。あとバリーも結構いい奴だったよなぁ。。。ところで「プライド」の名前が出てきましたね。エンヴィーの口振りから考えるとオヤジさんではなさそう。あ、おまけの「・・・ホームレス・・・!!」大好きです☆4コマの「そこだけホークアイ中尉 命名」もいいですね~。でもブレ子って日本的(笑)内背表紙では、ちゃんとマリア・ロス少尉が落ちてますね。まったくもう、思わせぶりなおまけなんだから★最後に、長い間ハガレン第10巻を貸してくれていた高瀬さん、どうもありがとう☆感謝してます!そして次巻からもよろしく(笑)
2006.01.28
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あれ?ロイ・マスタング大佐って格好良いのか・・・!?人によっては当たり前中の当たり前、今さら何を言ってるんだという感じかもしれませんが、10巻を読み終えて、第一に思った感想はこれでした。ではさっそく、恒例となりました「るってんしゃんのお気に入りポイント7!」・・・に行こうと思ったけど、このままでは大佐のシーンばっかりになりそうだぞ!?う~ん、全体で考えると7つに絞り切れない。よし!こうなったら「総合編」と「大佐編」の2本立てにしよう!!では、まず通常の「総合編」から。るってんしゃんのお気に入りポイント7!~総合編~一、p.17 グラトニーに噛み付いたブラックハヤテ号。偉い!さすが!!感動!!!リザも厳しい躾をした甲斐があったってもんやね。そして、グラトニーにペロリと食べられなくて良かった・・・。その後の「中尉!!」と叫んだケイン・フュリー曹長もナイスパスです☆二、p.24 “くわっ”となったリン・ヤオとランファン。どちらかと言えば悪役側の目付き(笑)怖いです。光ってます。リンの口元にグリードを思い出します。そしてブラハとフュリー曹長(もはや名コンビ)のリアクション、そして従順さにも注目ですv三、p.27 「せまっ」という状態になっているジャン・ハボック少尉。目が死んでる!!顔に縦線入ってるよ!!手の肘もちょっと変に曲がってるし、大丈夫・・・!?それなのに「ごめんなさい~」と言うアルが、当たり前ながら無表情なのがまた可笑しい。四、p.80 涙を流すリザ・ホークアイ中尉。リザが泣いてたら私も泣いちゃう!戦意喪失する気持ち分かります。ドドンドンドドド・・・と鳴り続ける銃声が、重い辛さ悔しさとして胸に響き、また、その音が止んだ時の静寂が、悲しみの深さとして心にしみ入りました。五、p.116 病院の旗棒の上に立っているランファン。通称“人造人間(ホムンクルス)の気配が分かる人”。ダバダバダバと風になびく旗の音が妙にリアルで、ランファンの超越した実力を感じ・・・面白い!!エンヴィーをグッサグサ(笑)にするほど強いし、ちょっと尊敬かも。六、p.132 じりじりとロス少尉へにじり寄るアレックス・ルイ・アームストロング少佐。「我輩感動」って(笑)ロス少尉も真剣に逃げてるし!!登場から“ぶうわッ”やもんね。次のページの少佐も、常ながらキメすぎ!あのポーズで追いかけられたらそりゃ泣くわ(笑)七、p.147 電話で「アホなマネさせんじゃねェよボケナス」と大佐に言ったバリー・ザ・チョッパー。私も、なんて機転のきく奴なんだと感心しましたよ。ほんとバーニーったら☆その直前の、ファルマン准尉との静止&無言のコマが効果的ですね。かなり好きです、はい。えーと・・・長くなりましたので、「大佐編」は次回に持ち越し!では、後編をお楽しみに~☆
2006.01.23
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夕方のニュースで、愛媛の街もカラスの被害に遭っているという内容の放送があった。そのニュースの、カラスが怪しげに飛んでいく様子のバックで流れている曲が「ハリー・ポッター」の映画のサントラだった。なぜ・・・街角インタビューに変わり、曲も変わった。でも、やっぱりハリポタのサントラだった。なぜ・・・カラスの巣対策のコーナーになり、曲が変わった。・・・やはり。しかも、クイディッチ・マッチだった。なぜ・・・ハリーポッターとカラスの被害の関係って一体。
2006.01.16
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あなたは意味、分かりますか?というか、この言葉、聞いたことありますか?これは、某局の10分番組「にほんごであそぼ」のエンディングテーマの歌詞の一部です。言葉遊びみたいなもので、コレ!と定義される意味はありません。楽しさや、嬉しさや、爽やかさや、幼さや、ありとあらゆる色々なイメージを含んだ言葉だと私は思っています。せっかくなので歌詞を全文載せておきましょう。 ぴっとんへべへべ るってんしゃんらか りーぼーぱなぱな かーわーへ ぴっとんへべへべ るってんしゃんらか りーぼーぱなぱな かーわーへ えっけれめーぎー やーしゃーやーしゃー もっけりめーぎー ぺーよっぽ びーよらんたん びーよらんたん るってめらー るってめらー びーよらんたん びーよらんたん るってめらーにゃ ぴゅーん!・・・奇妙な歌ですね。このHNにして良かったと思うのは、他の人とかぶらないところ。検索サイトで「るってんしゃん」とさえ打てば、自分のHPや自分がカキコしたサイトさんが表示されるので、とっても便利v・・・と思っていたら!先日、大学のパソコンからHPを見ようと思い、yahoo!で「るってんしゃん」と検索したところ・・・見つからない!検索結果数236件!?多すぎるって!!以前はほんの数個だったのに!どうやら私の知らないうちに、「にほんごであそぼ」は驚くべき普及をとげ、あのエンディングテーマの歌詞はあらゆるWEBサイトで活字にされていたようです。嬉しいような、悲しいような。
2006.01.12
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エピソードの日付一覧(総集編含)を全て完成させました!私もよく覗かせて頂いている便利なサイト「三谷幸喜データバンク」さんのところでも、まだここまで完璧なものは載せてはいませんよ~。左の「フリーページ」のメニューから、「新選組!」のところをクリックしましょう☆第1回から順に題名と日付を見ていくだけでも、その時の映像が自然と目に浮かんでくるようで、なぜか妙にワクワクした気持ちになりますよ。・・・って、日付だけじゃなくて内容も書けよって感じですよね。ええ、自分が自分に対してそう思います。いや、放送時に手元で速記していたメモは、今もちゃんと残ってるんですよ。でも、まぁ、あらすじは公式HPでも見れるし、今すぐでなくても・・・って気楽に構えてたら、いつの間にか公式HP閉鎖してるじゃないですかぁぁ!!いや、でもちゃんとページをパソコンにファイル保存してるから大丈夫vって思ってたら、過去の日記見て頂ければ分かる通り、去年の夏パソコン壊れてデータは皆無。まさにトホホですよ。トホホ。ホホホ。もう、笑うしかないみたいな。失ったデータの中で一番痛いですね。講義のレポートのデータより痛い。これは確実に。
2006.01.09
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リリーさんは、こんなにも優しい文章を書く人だったのか。まず、そのことに驚いた。とても丁寧で、温かい小説。リリーさんの自伝(いや、オカンの伝記)と言ってよいのだろうか。内容は・・・簡単には説明できない。副題の「オカンとボクと、時々、オトン」が全てを物語っている、と言うべきか。この作品を、そこらの「泣ける」を売り文句にした本と同じ類にされたのでは、実にもったいない。どう考えても、この本はワンランク上質のものだ。でも、こういう良い本がヒットして売れているのならば、日本もまだ捨てたもんじゃないかもな・・・と、何となく満ち足りた気分になった。ヒットすべくしてヒットし50万部突破、リリー・フランキー『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(扶桑社)、まだ読んでない方はぜひ一読あれ。ひとまず、リリーさんへの見方が変わることだけは間違いなしです★
2006.01.07
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犬はネコ目イヌ科の動物だそうです。ちょっとやっかいですね。そんな戌年の2006年になりました。明けましておめでとう御座います。お久しぶりです、るってんしゃんで御座います。このHPを開設してから3度目の正月を迎えることになるんですかね。早いものです。HPを作って分かったことと言えば、自分は自分が思った以上に筆不精だったということですね。でも、書くのが面倒くさいというのとはちょっと違うんです。何と言うか、書くならちゃんとしたものを書かなくちゃいけないと、自分自身にプレッシャーを勝手にかけて、結局、書くのに臆病になってたんです。表向きには忙しさを理由にして。一度「書くことを恐れないようにしよう」って題の日記も書いてるのにね。確か三谷幸喜さんの(生協で立ち読みした)本に「新たに悟ったことは、既にもう、前に一度悟っている」といったような言葉があったと思うのですが、その通りです。ところが、どうせ誰も見てないからいいやと思って更新してなかったのに、友人がこのHPを時々覗いてくれていたようです。どうもありがとう。これからはボチボチ更新しますよ。ということで、私るってんしゃんの2006年の目標はこちら。一、恥をかく。 (何事にも臆病にならない)二、その先を考える。 (思考停止人間にならない)三、バックアップをちゃんと取る。 (同じ失敗は繰り返さない)それでは、2006年も「HP de るってんしゃん」をどうぞよろしくお願い致します。
2006.01.06
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ただいま教育実習中。大学の附属の中学校。担当クラスは1年生。和み系の癒しの学級。子どもたちは可愛い。めちゃくちゃ可愛い。でも、授業と観察は、めちゃくちゃ忙しい。それも後、残り4日。これも全て思い出に。
2005.09.26
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「再セットアップをすればご購入時と同じ状態になります。」・・・どこが!?ワードや筆王など半分以上のプログラムが無くなってたし、ネットに接続させるだけでも一苦労だった。今日一日かけて、まともに使える状態になるよう頑張ってきたが、今も、まだ何かが足りない気がする。いや、ファイルもソフトウェアも全て失ったのだから、当然足りないに決まっているのだが。ちなみに、電気屋さんで再セットアップを行ってもらうと7000円以上かかるらしい。店員にそう言われた。いや、それは説明書を見れば誰にでもできるって!再セットアップの後が大変なんだってば・・・。ちなみに故障の原因は・・・「WindowsXPのシステム上に問題がありまして、日々“ほころび”が目に見えない所に徐々に出てくるんですけど、ある日それが一気に目に見える形になって現れて、突然動かない状態になってしまったりするんです。」・・・だそうで。XPをご使用の皆さん、本当に気をつけましょう。バックアップを怠ると、私のようになってしまいますよ・・・。
2005.08.27
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結局、再セットアップをすることに。つまり、今まで保存していたものは全てなくなってしまいました。フォルダも、ピクチャも、メールも、何もかも。バックアップは取っていませんでした・・・。まさかウイルス等でなく、単にWindowsXPの不具合で故障が起きるだなんて予想していなかったんです。ということで、私の友人の方にお願いです。すぐに私にメールを送ってください。私は全てのアドレス帳を失ってしまいました。私から、貴方に連絡することができません。そして、ご友人の方にどうか教えて下さい。私がとてもとても困っていることを。貴方からのメールを待っていることを。そして、今日からは、ちゃんとバックアップを取ることにします。って言っても、今の状況ではバックアップを取ろうにも、何も取る内容がないんですけどね・・・。
2005.08.26
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今、私が伝えているこの言葉は、無機質なものだろうか。最近の若者はコミュニケーション能力が低下し、人との「つながり」が希薄になっているらしい。それに拍車をかけているのがメールやチャット。それを一つの原因とし、日本の若者は明るい希望を持てなくなってきているらしい。希望の定義については、ここで話すほど簡単なものではないが。それが事実かどうかは定かではない。らしい、というだけだ。パソコンの画面を通して、貴方と「つながっている」。そう思うのは愚かなことだろうか。電子の文字を読んで、私は笑顔になる。その行為は意味のないことだろうか。確かに、有機質ではない。炭素原子は含まれない。しかし、この無機質な電子の文字は、寧ろ「無」の状態から、たくさんのモノを生み出しているのではないだろうか。人と人との「つながり」だって、パソコンの画面を通して存在するのではないだろうか。君に伝えたい言葉。それは、こうやって電子の文字の力を借りることで、やっと、やっと、君に届く可能性が、君と「つながる」可能性が、少しだけ、ほんの少しだけ、生まれるかもしれないという、希望。
2005.06.30
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安倍晴明に関わる「鬼」についての講義を受けていた25日水曜日4限に事は起きた。3時ごろ、ノドがなんだかイガイガするなぁ・・・と何と無く思う。4時ごろ、指名されたのでプリントの文章を読もうとしたら、声がガラガラになっていた。(うわっ、自分何で声ガラガラなん!?)とそのまんま驚く。5時ごろ、図書館で電子天秤・化石・岩石についての文献を探していると、咳が出るようになる。6時ごろ、なんとなく体がだるい気がする。7時ごろ、体温計で熱を計ると36,7度ある。 そして翌朝7時ごろ、熱を計ると37,2度ある。11時ごろ、再び計ると37,6度ある。 今日の講義を欠席することに決める。 病院へ行く。 風邪判明。つまり、考えられる風邪の原因は「鬼」ということになりますが。・・・ちがう?
2005.05.28
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書くことを恐れないようにしよう。話すことを恐れないようにしよう。日本語学の講義中に、ふと思った。最近なぜか講義の時、文章を書くのが遅すぎたり、書く内容が思いつかなかったり、討論で何も言えなかったり、思うように話せなかったりする。そのことをきっかけに、自分があまりにも書きベタで話しベタであることを悩むようになった。昔は、もっとスラスラと書けていたのに、話せていたのに、自分は一体どうしてしまったのだろうと。思えば、大学に入ってから徐々に徐々にその“書けない”“話せない”傾向が強まってきたようにも思う。それが最近はよりヒドクなったというだけだ。日記もほとんど書かなくなった。HPの更新もおろそかになってしまっている。書くことをいつのまにか躊躇していた。そして、話すことも。そんな今日、書くことを恐れないようにしよう。話すことを恐れないようにしよう。と、ふと思った。思ったと言うより、言葉が頭の上から降ってきたという感覚。ちなみに、その時受けていた日本語学の講義は、品詞の活用表についての内容だったので、はっきり言って関係はない。突然、本当に意味も無く、不意に落ちてきた言葉だった。そして、その言葉を心の中で反芻させた時、なぜか無意識に顔がほころんでしまった。教授に指名された。「それは、ただ終止させるのではなく、特別に命令の意味を込めているからです。」私は答えた。教授は賛同してくれた。
2005.05.24
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不完全燃焼だと思った。自分でもよく分からない。ただ、嗚呼、この言葉が一番適しているな、と電車の踏切を自転車で越えながら思った。 離任式のため母校を訪れた。2年ぶりに見た高校は、変わらない部分と変わってしまった部分が不自然に同居していた。 高校3年間お世話になった、退職される2人の恩師、美術部顧問の先生と古典担当の先生に、友人と集まって花を贈った。 でも、なぜかボンヤリとした思いが残った。母校に帰って、校舎や校庭を歩いて、部室に入って、石膏像を見て、友達と思い出話をして、先輩にも会って、恩師と話して、花を渡して。それでも、何かが欠けているような気がしてならなかった。 私は一体何を求めていたんだろう。
2005.04.01
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冒頭のキャラクター紹介のページを見ただけでマリア・ロスの行く末が分かってしまった、悲しき勘を持つるってんしゃんです。次巻からは、あのページは飛ばして読むことにします・・・。 途中、やっぱりあの死体は別人なのかな?とか思ったけれど、裏背表紙でピヨピヨしてたから「あぁ、やっぱり死んだのか」と悲しかった。あれは、そんな確認作業までできる有能な“おまけ”だったのね。 でも、疑問は山積み。例えば大佐、リザに洗いざらい調べろとか言っといて、先に燃やしたらいかんやろ!?みたいな。あの大佐は本当に大佐なのか?まさか嫉妬じゃないのか?とか勘繰ったけれど、先にガンガンを読んでいる友人に「大佐は大佐だよ!」と言われてしまった。うーん、次巻が待ち遠しい。そう、次巻と言えば「うそ次巻予告」!リザがすっごく怖い(笑)駆けつけた大佐が「中尉!!」って小さくなってる姿は、見つめれば見つめるほど笑いが込み上げて来る。あれではグラトニーもびっくり☆ ではここで、大好評(笑)るってんしゃんのお気に入りポイント7!一、p.12 エドが作った面(失敗作)を顔に付けるパニーニャ。前巻に引き続き、英語の教科書に出てきそうなナイスキャラ。無言でボケる天才。しかしその面は、冒頭でランファンが『バキッ』と音を立てて壊したのでは?じゃあ、あれは何の音?二、p.21 ハボックののろけ話に「なあ その女斬ったら楽しそうか!?なぁなぁ!!」と喰い付くバリー・ザ・チョッパー。あまりにも盛り上がっててファルマンが不憫(笑)前ページでハボックの煙草の煙を無抵抗で『もわー』とさせる健気さ(!?)も忘れてはならない。三、p.30 大佐の背後で鏡に映るアレックス・ルイ・アームストロング。ある意味トイレの花子さんよりも怖い。頭上には奇妙な影が彷徨い、目元から光を放つ。無精ヒゲ大佐のあの表情も無理はない。まさかこの後、機械鎧を素手で破壊するとは・・・。四、p.85 アルに指を差され照れるリン・ヤオ。何が「いやァv」だ!?なぜに頬を赤らめる!?あまりにも場違いな表情とポーズが脱力感を誘う。アルの手なんて、バリーを指す時は普通なのに、「リンまで!?」と言った時には小刻みに震えてるよ・・・。五、p.141 バリー・ザ・チョッパーではなく、その隣のハイマンス・ブレダ。地位は少尉。豪快な外見から武闘派と思われがちだが、実は戦略・策略をねるのが得意な頭脳派。でもアンタ、ブラックハヤテ号にビビりすぎですからーーーーーーっ!!!六、p.143 「おーい」と何度も主張するヴァトーー・ファルマン准尉。存在感なさすぎ(笑)明らかに吹き出しより負けているが、魂が抜けたような顔が笑える。さすが『留置所襲撃犯に脅されてボロアパートに監禁されていたあわれな軍人A(byバリー)』!七、p.154 かなりご立腹の優秀な部下たち。あの顔は尋常ではない(笑)でも、大佐の演技力にはまいった!「リザ・ホークアイ→エリザベス」「ジャン・ハボック→ジャクリーン」「ケイン・フュリー→ケイト」とは、名付け方にもセンスが・・・いや、ジャクリーンは変か!? もう、第10巻も発売されているんですかね。早く読みたいです☆『まどろみを破る鐘が鳴る・・・。軍部VS人造人間!!』ハボックさんが心配だぁ~!
2005.03.25
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このテーマを選ぶのは初めて。だけど既に十章。そして日記は久しぶり。こんにちは、るってんしゃんです。 今までは、細々と知り合いにだけ宣伝して回っていたのですが、このリレー小説の仲間である青いのーとぶっくさんがこちらのテーマで別の小説を連載していましたので、「桃太郎(番外編)」もテーマに載せてしまおうということになりました。 興味を持って下さった初めて読む貴方は、左のメニューからまず「桃太郎(番外編)」へ行って下さい。第一章へ進むことができます。 今までの章を読んで下さっている貴方は、さっそく第十章へどうぞ。ごゆっくり。
2005.03.16
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今更ながら。かなり今更。だけど書きます、るってんしゃんです。新選組もハガレンもほったらかしで申し訳ない。忘れてる訳じゃないのよっ! 1月10日に地元の公民館であった成人式に行きました。紅い振袖着て、白いショール付けて。小学校同窓生およそ130人中100人出席。懐かしい面々が揃ってた。ところが、派手に暴れてくれるかと密かに期待(!?)していた奴らは予想を反して欠席。羽織袴を着ていたのは2人だけだった。友達の会場では15人ほどいたと聞くので、私の小学校出身者は意外と真面目らしい。その貴重な羽織袴姿の2人は、来賓の祝辞を静かに聞き、友達の指揮(中学生のブラス演奏にて)に喝采を送り、地域の人達が担ぐ神輿の上に乗せてもらってワッショイ!ワッショイ!・・・なんて健全なはしゃぎ方なんだ。ホントにバカでイイ奴ら。私は仲間に恵まれてるなぁ、としみじみ思った。
2005.01.19
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