全4件 (4件中 1-4件目)
1
![]()
短編のタイトルはプロットのキーワードになっていて、物語がよくまとまっていて読みやすい。ユーモラスな言葉遣いとプロットに魅力があるけれど、前衛と言えるほどの新しさはない。力を抜いたふざけ具合や食べ物の描写が楽しめればそれで十分読む価値があるだろう。しかしキャスターが久米宏だとかいう同時代の情報を多めに盛り込んでいるせいで、時間が経つとそのぶんだけ面白さが色あせて見える。芥川賞を受賞したというのに楽天では品切れで、いまさら探してまで読みたい本かというとそうでもない。★★★☆☆
2007.04.26
コメント(0)
![]()
CMの広告屋の男と耳が聞こえない女の恋愛話。エリック・サティの曲であるヴェクサシオンをプロットとして使っていて、二人の恋愛はサティの音楽とともに進行する。物語の展開にあわせてサティの曲が変わっていき、最後にはヴェクサシオン(苛立ち)が訪れる余韻のある終わり方がロマンチックでよい。しかしサティを下敷きにしようとする作者の意図が目立っていて、ストーリーが不自然に思えるかもしれない。★★★☆☆
2007.04.13
コメント(0)
![]()
時代屋という古道具屋の女房が家出をしてしまい、旦那が帰りを待つという話。場面転換が下手で、写真を見て過去の思い出話につなげるというひねりのない手法を使っている点が興ざめする。「時代屋の女房」は直木賞をとって映画化されたのだけれど、「泪橋」のほうが小説のテクニックは上だろう。★★★☆☆
2007.04.13
コメント(0)
![]()
妻を亡くした父子のところに期間限定で妻が帰ってくるという物語。愛情をシンプルに書いた、と出版社は紹介文を書いているけれど、要するにひねりがなく技術もおもしろさもない文章である。インターネットからデビューした著者だが、描写はネット小説のような単純さしかなく、不自然な改行が多くて場面と場面をつなぐ描写力がない。現実の描写から回想へとぽんぽん話しが飛び、会話がメインで話が進んでいくのだから進行は早いものの中身は薄い。唯一面白さがあるとすればストーリーと父子の会話のユーモアとオチだろうけれど、それは小説として評価する前のアイデアの段階の評価でしかない。記憶障害のある主人公の一人称による語りという状況と作者の技術力不足が重なって、書くべきことを書かずに誤魔化しているようにみえる。文字で状況を描写しないならそれは小説じゃないだろう。小説というジャンルにおける作品の特異性が感じられず、小説として評価するというよりは映画の原作だった本という程度の認識しかない。漫画化もされているが、容易に漫画に置き換え可能な程度の文章でしかないことを如実に示している。だったらこの程度で小説家ぶってないで最初から漫画の原作者として勝負しろよ、と漫画レベルの小説を書く作者だけでなく出版社の商業主義にもうんざりする。★★☆☆☆
2007.04.02
コメント(0)
全4件 (4件中 1-4件目)
1