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環境の悪化で人間の遺伝子が変化して怪物になっていく話。三人称で、擬音語・擬声語を多用する文体。見届けることを使命としたシマウマ男だけがプロット上の役割を果たしていて、他の登場人物は存在意義が感じられない。わざわざ蜘蛛女、巨大女、シマウマ男へと視点を変える必然性はなく、はじめからシマウマ男の視点で一貫してよいと思う。人間を異化することで人間観を変えるのがこの小説の楽しみどころだと思うけれど、この話を小説で表現しなければならない必然性も無いし、絵が無い分マンガよりも面白みがないともいえる。★★★☆☆
2009.07.31
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ピンチョンの初期短編集。作者が自分で失敗点を解説しているけれど、解説されてようやく意図がわかるレベルで、そのまま読んでもさっぱり楽しみどころがわからない。特にシュルレアリズムの影響を受けたという「秘密裏に」はさっぱりプロットがわからなかったし人物のリアリティも感じられなかった。「秘密のインテグレーション」はオーソドックスな構成なので普通に読めたものの、天才少年をモチーフにした小説として特に優れているというほどでもない。★★★☆☆
2009.07.28
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愛の教えを書いた古代インドの経典。結婚制度や性差を考える上で、現代人にも役立つかもしれない。★★★☆☆
2009.07.22
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優れた科学力を持った生命体が地球を統治する話。三人称で、主人公といえる登場人物はなく、人物と視点を切り替えつつ話が進んでいく。ジャンが剥製の鯨に潜んで宇宙に行くというプロットとしてよいものの、アクション要素がなく、アイデアが奇抜というわけでもなく、全体的に地味なSF。★★★☆☆
2009.07.22
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ガルシア=マルケス軍団が30分映画用の脚本を作るための討論の様子を書いた本。脚本ができあがるまでのアイデアの紆余曲折は面白いけれど、ワークショップの個々人の紹介がないと誰が誰だかかわかりづらい。★★★☆☆
2009.07.21
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サルトルの生涯、思想を豊富な挿絵をつかいつつ簡単に紹介した本。実存と本質についての説明がわかりやすいのはよいけれど、大抵は挿絵が内容の理解にほとんど役に立っていなかったりする。★★★☆☆
2009.07.21
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百の善行のために一つの悪を犯すという思想の元、金貸しの老婆を殺害した青年の話。三人称で全能の視点による文体。主人公ラスコーリニコフを中心に書きつつ、物語が動き出すと各登場人物に焦点を合わせてクライマックスを書いている。会話が長く、描写が短い文体で、文章のうまさよりも登場人物の個性が面白い。ラスコーリニコフと警官ポルーフィリィの心理的駆け引き、妹の結婚をめぐる駆け引きなど様々な対立があり、後半になると伏線が生きてくるので長い物語にもかかわらず単調にならずに読める。★★★★☆
2009.07.15
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創作学校の講義をまとめて、小説のテクニックを解説した本。文章の細部のよしあしを具体例をあげて指摘しているのはよい。しかし小説全体のダイナミズムはとらえきれておらず、良い文章の参考にはなっても、良い小説の参考にはならない。冒頭の辺りで死は舞踏、散文は歩行、とヴァレリーの言葉を引用元も書かずに書いているのが気に入らないし、小説を書かない人間が小説のよしあしを大上段から語るのも鼻につく。★★★☆☆
2009.07.15
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無人島に漂着して何年も暮らす話。文体はロビンソンが一人称で船出から帰還までを回顧する形式。小説として特に技巧があるわけではないものの、ストーリーが面白い。どうやって無人島で食料を確保するのか、どうやって生活を改善するのかという話が延々と続くけれど、それが文明から外れているのが物語を異化するポイントとなっていて、ロビンソンの日常を語るだけで十分面白い話になっている。後半に人食い人種との戦闘がおきたりすると冒険小説としても楽しめる。無人島で神について考えるのはよいものの、家族や友人については何も考えてないのはリアリティに欠ける。無人島を去った後にフランスの山越えで狼に襲われる話も面白いものの、これは蛇足。★★★★☆
2009.07.07
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プロシア・フランス戦争期の市民の様子を書いた小品集。戦争を題材にしていて話題は豊富なものの、各短編が短く、見所はパセティックな結末だけだったりするので、単調な印象。着眼点は悪くないだけに、もう少し一つ一つの短編を掘り下げてほしいような物足りなさが残る。一つの長編として全体を構成して思想を表現できれば『戦争と平和』のような名作になったかもしれないけれど、短編集の域をでないのが残念。★★★★☆
2009.07.07
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ファラデーのロウソクについての講演を書いた本。ロウソクの火を使った様々な実験をファラデーが解説するものの、図を増やしてくれないと状況がわかりにくい。実際に実験するともっと面白く読めるだろう。★★★☆☆
2009.07.02
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未亡人の息子の登が母親の再婚相手の船員を殺す話。三人称で未亡人の房子、息子の登、船員の竜二の視点を切り替えてそれぞれの背景を書く構成。登がはじめは竜二を英雄視し、船員を辞めて再婚することに幻滅する過程はよく描いてあるものの、だからといって殺すのは飛躍しすぎのような感じがする。それに殺人の主導的役割をする首領についての描写が少なく、情報不足ゆえにリアリティも薄い。むやみに視点を変えず、はじめから登を主人公として登中心の視点で描写したほうがテーマを掘り下げられたかもしれない。★★★☆☆
2009.07.02
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