草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2017年12月23日
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第 二百八十 回 目


    喜劇 「 老いの 愉しみ 」

 人物:ジジ、ババ、婦人 A ・ B 、若者

 場所:公園

 楽し気に会話を交わしている婦人二人。そこに何かを探している風のババが登場。

 婦人A「おばあさん、何かお探しですか?」

 ババ「いいえ、何も…」と言いながら、なおも探し物をしている身振りのババである。

 婦人B「あのォ、余計なお世話かも知れませんが、何か探し物をされているのでしたら、



 ババ「これは御親切に有難う御座います。でも、大丈夫ですから。どうぞお構いなく」

 と、そこへジジが登場する。ババの後ろに回り込み、両手でババの目を覆いながら、

 ジジ「だーれだ!」

 ババ「(さも嬉し気に)あっ、思い出した」と、目隠しされたままの状態で、二人の婦人に

対して話しかけた。

 二人の婦人「(怪訝な表情である)?!」

 ババ「(ジジの手を優しく払いのけながら)爺様、今こちらの若い方たちから、親切な

言葉を掛けてもらって、吾 本当に有難かったよ」

 ジジ「そうか、それはよかった。(二人の婦人たちに向かって)吾 からも重ねてお礼を

申し上げます。御親切、まことに有難う存じます」

 婦人たち口々に、「どういたしまして…」、「私たち何も特別なことはしていませんわ」と



 若者「うわァーッ、お年寄りと御婦人たちが、こんなに仲良く話をしている。近頃では

珍しい光景にお目にかかった。嬉しい日だ」

 ババ「何が嬉しい日だい。あんたさんね、吾 は耄碌した年寄りで年がら年じゅう物忘れ

ばかりしてるんだよ、吾にとっては毎日が厄日なんですからね」

 若者「ですが、おばあさん、貴女は世界一の幸せなお方だと、僕は思いますよ」



 若者「僕にも祖母がいましてね。遠くに離れて住んでいるのですが、一人でいつも淋しがって

います」

婦人A「それがどうかしましたか?」

 若者「だってそうでしょう、考えてもごらんなさい。このおばあさんは、そしてこちらの

おじいさんも元気に外出出来て、その上にこの様な親切そうな隣人たちに囲まれて、楽しそうに

やっているじゃありませんか」

 婦人B「私は何も親切をした覚えはありませんよ。ただ偶々(たまたま)此処に居合わせて

声掛けをしただけですの」

 ババ「(婦人A と Bに対して)それが実は嬉しかったのよ、吾にとっては」

 婦人A・B「嬉しかった?」

 ジジ「吾にはよく理解できる、ババの気持ちが身に染みて、分かる」

 ババ「吾はさっき、何か忘れ物をしているような気がして、とにかくこの公園に来た。けれども

何を忘れているのか皆目見当がつかなかった」

 婦人B「それで、さっき…」

 婦人A「何か探し物をしているような様子でした」

 ババ「そして、さっきこのジジから優しく目隠しされた瞬間に、ジジとデートの約束をしていた

ことを思い出したんですよ」

 ジジ「何ッ、この糞ばばあ、吾との固い約束を忘れていたってか!」

 ババ「(チャーミングにウインクを一つしてから)爺様、そんなに子供みたいに怒るんでない

の。吾の顔をちゃんと見てごらん」

 ジジ「綺麗だよ、本当に世界一の別嬪さんだ、おめえは」とだらしなく相好を崩している。

 婦人のA、B、若者の三人共に、一瞬あっけにとられるが次の瞬間に、口を揃えて、

 三人「どうも、ごちそうさまで御座います」

 三人を尻目に、仲良く手を繋いでその場を去っていく、老人二人の姿が本当に微笑ましい。





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最終更新日  2017年12月23日 12時20分00秒
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