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2009.01.16
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『暴走する「地球温暖化」論』における武田邦彦氏の執筆部分について 2

〔なお、武田氏を含め 人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的・否定的な見解をとる論者への 科学者の見解 についてはリンク先の記事を参照されたい。〕

image001.jpg

 総論としての問題点は上前回記事のとおりであるが、次に、武田氏の具体的な主張について検討して行こう。
 まず、(ア)の「 地球温暖化はアメリカとヨーロッパの問題 であり(・・・) しいて付け加えるなら将来急速に発展している中国が原因に入る 」、そして、(イ)の「二酸化炭素の排出量を先進国としてすでに十分抑えている 私たち(日本人)には、これ以上何もできません 」について。「ゴア氏の主張を受け止めよ」といいながら実は武田氏自らの主張を展開しているわけであるが、内容自体にも大きな問題がある。

 まず、武田氏は 中国をはじめとする「途上国」の主張にどのように応えていくのか 一人当たりの二酸化炭素排出量において“先進国”は中国の3倍以上 である」、「総量が多いことをもってである」、「 発展する権利は平等 である」ことを中国は主張している。

一人当たりで中国の約3倍二酸化炭素を排出している日本は本当に「何もしなくていい」のか。 何もしないままで中国に削減を要求するなどあまりにご都合主義ではないか。 それとも 「何もしないまま」で、一人当たり日本人なみの二酸化炭素排出を中国に対して(さらにはすべての途上国に対して)容認するというのだろうか。

 もしそうだとすれば、地球環境にとって甚大な影響を与えるのみならず、資源も将来に残せない可能性が高まることは明らかであろう。

 武田氏は「地球温暖化」や「資源の大量浪費」について「全く問題ない」という立場ではなかったはずである。だとすれば 「これまで資源を大量に浪費し、温暖化の原因を作ってきた“先進国”が率先して削減を進めて行くべきだ 」というのは全く当然ではないか。一人当たりで中国の約3倍二酸化炭素を排出している日本が“無関係だ”などという主張はどう考えても成り立ちがたい。

日本は一人当たりでも世界第9位の排出国 (アメリカ、ブルネイ、オーストラリア、シンガポール、カナダ、ロシア、ドイツ、イギリスに次ぐ)であることを忘れてはならない。
http://www.s-yamaga.jp/kankyo/kankyo-kankyo-5.htm

アメリカやヨーロッパ、中国は二酸化炭素排出の総量が莫大 だから特に問題なのだ、と主張されるかもしれない。しかしながら、 国単位で見ればヨーロッパのどの国と比べても「日本国の排出量」は多い 。(米国、中国、ロシアについで世界で4番目)このような事実を脇において「日本は関係ない」などとよく言えるものである。
〔このあたりからは、特に武田氏の主張(イ)に対する反論となる〕

(3に続く)

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