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「美味しんぼ」の雁屋哲さんが重要なことを発言されています。
全文はこちらですが
、ポイントは以下のとおりです。
奇怪なこと
1、 2014年4月に発売された「ビッグコミックスピリッツ」誌の
「美味しんぼ 福島の真実編」22話が掲載されると、突然、新聞、テレビ、週刊誌、インターネットで私に対する非難が巻き起こり、しかも、国会議員、大臣、最後には総理大臣まで乗り出してきた
。(風評被害を巻き起こすという非難。)
2、 主人公の山岡が鼻血を出す場面が問題になったが、それは根拠のないことではなく、私自身が福島の取材後に突然鼻血をだしたのだ
。(その後も繰り返し)さらに、その頃から、非常な疲労感を覚えるようになった。 実際の体験であってデマや風評ではない
。
3、攻撃の理不尽さにはらわたが煮えくり返ったが、スピリッツの編集部はもっと大変な目に合っていた。 編集部に引いてある20回線の電話に朝10時の業務開始時間から夜7時、時には10時近くまで電話が鳴り止まないというのだ
。それもいきなり怒鳴る、喚く。電話を受けた編集者が返事をすると、その返事が気にいらないと喚く。それが、1時間にわたって続く。
4、 普通の抗議電話とは違い、明らかに「スピリッツ」誌の編集を妨害して小学館を傷つけ、「鼻血問題」について謝罪させようという意図を持ったものだ。編集部員に対する脅迫の仕方が、あまりに手慣れている。
(政党による組織工作を匂わせる:引用者)
5、話は2019年に飛ぶ。当時の編集長からメールが来た。昨年12月に中国と日本の出版ビジネスを手がけている会社から日中のデジタルゲーム関係のフォーラムに出席を依頼され承諾したが、のちにその会社から 「大使館からNGが出ました」という連絡があったというのだ
。
6、私も同じような体験をした。今年(2019)の3月半ば過ぎのこと。あるテレビ局のディレクターが番組である食べ物を取り扱うことになったが、その食べ物は、かつて、「美味しんぼ」で取り上げられたことがある。そこで、「美味しんぼ」のその場面を取り上げたい、と言う内容だった。ところが、その次の週の初めに、その ディレクターから、「上司からの進言で方針が変わってしまい、『美味しんぼ』のカットを使用するという演出自体がなくなった」という
。
7、安倍晋三首相が私のことを「風評被害を流す人間」と非難するのがテレビで流れて以来、テレビ、雑誌、などのジャーナリズム関係の人が、妙に私に対して白々しい態度を取るようになった。
8、 鼻血問題を通じて言えることは、この国では真実を語ってはいけないと言うことだ。反対に、安倍晋三首相とその取り巻きたちはどんな嘘を言ってもとがめられない。
安倍首相は2013年のIOC総会で 、「福島第原発からの放射能に汚染された水は福島第一原発の港湾から0.3キロ平方メートル以内に完全にブロックした」「福島の現状は完全にコントロールされている」と言ったがすべて嘘である。
9、そんな嘘を言った人間が、私が実際に体験した鼻血を風評だというのだから呆れる。また、その嘘を見逃すこの日本の社会にも呆れるばかりだ。 一番悲しいのは、腐敗した支配者を糾弾することはせず、逆に支配者にとっては不都合な真実を語る人間を、つまはじきする日本の社会の姿である
。
「美味しんぼー鼻血問題」をめぐる状況について、 わたしも当時(2014年)の「某機関紙のコラム」で以下のように触れました。
しかし、上記のとおり、事態はもっと悪質で深刻だったようです。
▼漫画『美味しんぼ』の内容(例えば福島県双葉町井戸川元町長の鼻血に関する証言)が物議をかもした。この間、一連の「美味しんぼたたき」には集団同調的な不健全さを感じていたが、首相をはじめとする政府要人の発言は不健全では済まされない。例えば石原環境大臣は「被ばくと鼻血は無関係。風評被害を引き起こす云々」と述べたが、「現地の実態や体験に基づいた証言」を封殺するかのような発言は大きな問題だろう。
▼福島県の調査(今年三月)では、県内三〇万人の子どもの中で甲状腺癌発症が確定されたのは五〇人に上った。「十代の甲状腺癌は百万人に一~九人程度」(国立がん研究センター)という確率と照合すれば相当な発症率だが、首相・環境大臣はじめ政府の要人はそれを黙殺している。
▼環境省の前身である環境庁が設置されたのは1971年7月。高度経済成長の過程で起こった公害問題や裁判闘争が設置の背景にある。「健康破壊と企業活動との因果関係はない」といった不適切な政府の対応によって被害を拡大し、多くの人々の健康と命を奪った公害の歴史。現在の環境大臣はそこから一つでも学んでいるのか。
▼日本では旧ソ連で法制化されていた人権(年間1m㏜以上の被曝を避けて移住する権利)さえ保障されていない。そのような中、自らの体験をもとに不安・危険を訴える権利を封殺するようなことは許されることではない。「命と健康を守る権利」は無条件に保障されるべきであろう。
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