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2022.01.25
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第21話「情に殉じて」

二郡主・陳楚楚(チンソソ)は韓爍(カンシャク)の思惑も知らず、ついに母に令書を突きつけた。
「母上、退位の令書は用意しておいたわ、城主印を渡して
 今から議事庁で宣言してもらいます、私に譲位し、芊芊(センセン)を庶民に落とすと…」
すると城主は楚楚が生まれたのも花垣(カエン)城と玄虎(ゲンコ)城の戦の最中だったと思い出し、花垣城を守るため殉職した裴将軍を懐かしんだ。
「あなたを裴司軍のように育てたいと願い、あなたも期待に応えてくれたわね
 もしあなたが城主としてこの花垣城を受け継ぐなら安心して任せられると思っていたけど…」
しかし心血を注いで育ててきた年月は無駄になった。

「私を脅すつもりなの?」
「母上、一度だけ私の願いを叶えて」
城主に印を押せと迫る楚楚、その時、蘇子嬰(ソシエイ)が血相を変えて飛び込んできた。
「少君が裏切り、我々は包囲されました!」
「何ですって?!」
城主はやはりあの″虎″を手名付けられるのは芊芊だけだと言った。

韓爍は計画通り玄虎軍を率いて城主府に乗り込んだ。
そこへ怒り心頭の楚楚と嬰嬰が現れる。
楚楚はこれも芊芊のためだと気づいて逆上、いきなり剣を抜いて襲いかかった。
すると韓爍は容赦無く反撃し、楚楚と嬰嬰はついに追い詰められてしまう。
「そこまでよ!」


韓爍は結局、芊芊が自分より母親や花垣城を選んだと失望した。
しかし芊芊はどちらも大切だと訴える。
すでに城門は威猛山の孟過(モウカ)たちが奪還、白芨(ハクキュウ)はすぐ逃げないと手遅れになると囁いた。
韓爍は手ぶらで帰ることはできないと拒否したが、その隙を突いて楚楚が突然、芊芊に斬りかかる。
瞬時に反応した韓爍は楚楚の剣を阻止し、芊芊を連れて逃げ出そうとした。

「楚楚…あなたとの母娘の縁は今日、尽きたわ」
こうして韓爍と楚楚は収監された。

裴恒は韓爍が首謀者で楚楚はあくまで脅されていただけだとかばった。
「私が弁明せずとも城主は楚楚を死罪にはなさいませんよね?」
実は裴恒は楚楚が妹だと知っていた。
母が戦死した頃にはすでに物心がついており、城主が幼い楚楚を哀れに思って自ら育ててくれたと気づいていたという。
「韓爍を死罪にすれば世間は納得します
 楚楚は人質になった屈辱に耐えつつ、最後に反撃して敵を討った功臣です」

その夜、芊芊は密かに韓爍の牢を訪ねた。
韓爍は孟過の存在を忘れていたと苦笑い、今になって思えば白芨の進言通り孟過を配下にすべきだったという。
「私が助ける、死なせないわ」
「そんな言葉を信じると?」
「韓爍…私の気持ちがまだ分からないの?」
すると芊芊は急に韓爍の衣の紐を解いて押し倒した。
「一線を越えるの…」
( ๑≧ꇴ≦)いやだから丸見えだっつーの!

翌朝、処刑場に韓爍が連行された。
芊芊は母のもとへ駆け寄り、韓爍を見逃して欲しいと懇願する。
「どうしても殺すなら私も一緒に死ぬ…今はもう正真正銘の夫婦なの」
芊芊が袖をまくりあげると、確かに守宮砂(シュキュウサ)が消えていた。
「彼を本当に愛している、若城主の地位は楚楚に譲ります、この通り、お願いよ」
芊芊はひざまずいて韓爍の他には何もいらないと訴えたが、城主は自分を顧みない娘に腹を立て、ついに処刑の札を投げてしまう。
「殺せ!」
驚いた芊芊は一目散に処刑台に駆けつけ、韓爍に抱きついた。
「韓爍…私の命でこの災禍が収まることを願うわ」
すると芊芊は隠し持っていた短刀で自分の胸を突き刺してしまう。



韓爍はひとり芊芊の亡骸に付き添っていた。
そこへ裴恒が現れ、自分が間違っていたと涙する。
まさか韓爍を赦免させるために命まで捨てるとは思わず、自分が城主に韓爍を殺すよう進言したというのだ。
「私が芊芊を追い詰めた…」
韓爍は仕返しとばかりに裴恒を激しく責め立て、今日限りで芊芊を忘れるよう迫る。
しかし裴恒は自責の念に駆られ、芊芊を追って死ぬと言い出した。
「ちょっと待った!」
その声は棺の中で寝たふりをしていた芊芊だった。

芊芊が自分の胸に刺した短剣は小道具だった。
押すと剣先が引っ込む仕掛けで、死を装ったという。
「誰にも明かさぬ約束だろう?裴恒には黙っていられないのか?」
「あなたが追い詰めるからよ」
すると韓爍はばつが悪そうに裴恒を死なせるつもりなど毛頭なかったと言った。
「悲しませてごめんなさい、でもこれしか方法がなかったの」
裴恒はこれも韓爍を救って楚楚の警戒心を解くための計画だと気づき、芊芊が花垣城を離れるつもりだと分かった。
そこで芊芊は最後に裴恒と2人だけで話したいという。

小千は婚礼の夜に芊芊が死んだと思うよう頼んだ。
当時、裴恒は芊芊を嫌っていたはず、嫌いな女子と一緒にならずに済んだと思えば気も楽だろう。
「でも…生きている、今までの人生で一番、幸せだったことは、婚礼後の君を好きになったことだ
 あの時から私の人生は意味を持ち始めた、君が教えてくれたんだ
 理想を持ってもいい、女子のように自由に生きてもいいと…
 だがあとで気が付いた、私が求めるもの、私の理想は君だって」
「でも私は韓爍と出会って愛とは何かを知ったの
 裴恒、あなたにも良い人が現れる、だから私を忘れて…」

月璃府には若城主の死を悼む民たちが集まっていた。
すると楚楚が弔問に現れ、ちょうど帰るところだった裴恒と出くわす。
しかし芊芊が死んだというのに裴恒は泣いていなかった。

楚楚は城主と大郡主を待って一緒に弔問した。
そこで蘇蘇は最後に芊芊の顔を見て別れを告げようという。
韓爍はかえって悲しみが増すと諌め、沅沅(ゲンゲン)も芊芊はもう帰らないと訴えた。
「もういいの、静かに眠らせてやりましょう…ウッ…」
悲しみに暮れる城主、しかし楚楚は何とか芊芊の死を確認しようと強引に蓋を開けようとする。
韓爍は開けさせまいと阻止し、2人は押し問答となった。

「やめなさい!」
城主は娘の亡骸の前で争う2人を叱責、楚楚は仕方なく手を離した。
安堵した韓爍はわずかに開いた蓋を慌てて閉めたが、勢いあまって蓋が完全に閉じてしまう。
( ;∀;).oO(え?隙間がない…くっ…くるひいぃぃぃ…
その時、城主が無念の思いをぶつけながら棺を叩いたおかげで蓋がずれ、芊芊は難を逃れた。
「芊芊…芊芊…(ドンドン!)」
( ;∀;).oO(スーハー…良かった~
すると城主は芊芊の葬儀を独りで執り行いたいと伝え、娘たちを下げた。
「韓爍…芊芊はあなたのためにここまでしたわ、誠意に応えてちょうだい」
( ̄▽ ̄;)あ…

城主が帰ると韓爍は急いで棺の蓋を開けた。
「城主はもう計画に気づいているよ…」
( ゚д゚)え?ポカーン
一方、城主府に戻った城主は何ともお粗末な狂言だと呆れていた。
しかしこれで継承者は楚楚1人、芊芊は韓爍を助けながら世継ぎ争いも終わらせたかったのだろう。
城主は芊芊の意志を尊重したが、芊芊の死を受け入れることは母娘の情を断ち切ることでもあった。
主の苦渋の決断に胸を痛める桑奇、これで三公主が花垣城に戻るのは難しくなってしまう。
すると城主は吹っ切るように葬列が無事に城を出られるよう護送を命じた。

その夜、芊芊の棺は墓地に埋葬されるため郊外を進んでいた。
すると楚楚の命で嬰嬰たちが葬列を襲撃、棺から芊芊を奪い去る。
「陳芊芊、やはり生きていたのか」
嬰嬰はその場で芊芊を殺そうとしたが、その時、林七(リンシツ)の鞭が嬰嬰の腕をとらえた。

嬰嬰が捕まり配下は撤収した。
林七の元気な姿に驚く嬰嬰、すると林七は芊芊に嬰嬰をどうするつもりか尋ねる。
韓爍は懲りない嬰嬰を始末するべきだと言ったが、芊芊は孟過(モウカ)に預けた。
「で、何しに来たの♪ふふふ~」
「死んだと聞いて線香の一本でもあげようと思ったのよの、ふん、でも助けちゃったわ…」
「チッチッチ…口は悪いけど私が好きなんでしょう?」
「…まあね」
犬猿の仲だった芊芊と林七はすっかり親友になった。
しかし計画が見抜かれていたなら再び楚楚に命を狙われるのは必至、そこで韓爍はこのまま玄虎城へ逃げると決める。
「林七、一緒に行くでしょう?!」
「いやよ!」
実は林七は命の恩人である玄虎城の商人と結婚していた。

つづく


( ̄▽ ̄;)ちょっと色々と雑過ぎる展開…
それにしてもルースーはキレイになったね





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最終更新日  2022.01.25 16:19:59
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