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2022.06.17
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カテゴリ: 長歌行 全49話



最終話「未来の旅路へ」

李淑玉(リシュクギョク)は直ちに蕭(ショウ)皇后と隋(ズイ)王を長安へ護送することになった。
ここで李長歌(リチャングァ)ともお別れ、次はいつ会えるか分からないだろう。
「長歌、元気で」
「あなたも…」
すると淑玉は兄として阿詩勒隼(アシラシュン)に長歌を託した。
「長歌を頼む、幸せにな」
「魏兄、感謝します」




この地に埋葬された弥弥古麗(ミミクリ)、彼女は安住の地を得たのだろうか。
すると長歌は照れ臭そうに母の霊廟で阿隼の縁談書を見たと話した。
しかし2人の間に堅苦しい段取りなど必要ないという。
「…あなたがいれば十分よ」
「俺もだ、君がいればそれでいい!」
阿隼は喜んで思わず長歌のおでこに口づけした。



長歌は定襄(テイジョウ)に捕らわれていた阿隼がどうやって李靖(リセイ)と通じていたのか分からなかった。
実は第45話で阿隼は李世民(リセイミン)から長安を去る前に李靖と会うよう命じられたという。
洛陽(ラクヨウ)で阿隼を見送った李靖はその後、長安で兵部尚書に就いていた。
『平和を望む思いは同じはず、天下の民のため国や部族を越えて共に立ち上がらないか?』
『…条件がひとつ、延利(イエンリー)可汗の救出だ』

すると李靖は定襄に鷹団を集結させるよう頼んだ。

長歌は結盟が叶ったら争いから離れて阿隼と悠々自適に暮らし、放浪しようと約束していた。
しかし今ここで手を引くのは良心が許さないという。
「ごめんなさい…」
「長歌、2つ目の約束だ…俺には謝罪も礼も必要ない」

「それは…今度でいい、先は長いしな」

長歌と阿隼は再び軍営に戻った。
するとすでに婚礼を済ませ、駙馬(フバ)となった皓都(コウト)がいる。
長歌は新婚早々で出征したのかと呆れたが、皓都は李楽嫣(リラクエン)の願いでもあると安心させた。
そこへ伝令兵が駆けつけ、白道で定襄軍の形跡あると知らせる。
李靖は直ちに出陣することにしたが、阿隼には気になることがあった。
実は阿隼は斥候(セッコウ)を二手に分けて送っていたが、一方が戻って来ないという。
恐らく敵がいなくて戻れないのではなく、敵の襲撃に遭ったのだ。
そこで阿隼は鷹団を率いて偵察へ、軍営は長歌と皓都が守ることにする。
すると李靖はあのじゃじゃ馬の永寧郡主が今や国のために重責を担うようになったと感慨深かった。
「これまでご苦労様でした」

雷蒙(レイモン)は小可汗を連れて逃げていたが、山道で追っ手が迫っていると気づいた。
そこで小可汗と狼団を先に逃し、雷蒙は定襄軍と敵を迎え撃つことにする。
すると阿隼率いる鷹団が現れた。
「ここで会ったが百年目…」
穆金(ムージン)は弥弥の敵と出会えたことに感謝し、阿隼を先に行かせる。
「奴は俺に任せろ」
「はお!」

阿隼たちは山道を先回りし、阿詩勒渉爾(アシラシャアル)たちの行く手を阻んだ。
図魯克(トルカ)は小可汗を守るため刀に手をかけたが、渉爾が狼団に引くよう命じて馬を降りる。
一方、穆金は愛する人のため命をかけて戦っていた。
腕を突き刺されながらもあきらめず、隙をついて反撃、穆金はついに雷蒙を仕留める。
「弥弥が何のために死んだと思う?…自由になるためあの矢を受けたんだ!
 お前のように命令に従うだけで命を大切にしない奴には分かりっこない…」
「ググググ…命令ではない…託されたのだ…あのお方を…」
実は雷蒙も愛する人の願いを叶えるため、命をかけて戦っていた。
しかしついに倒れ、事切れてしまう。

渉爾は阿隼に決闘を申し込んだ。
「手加減なしだ」
同時に飛び出した阿隼と渉爾、2人はまさに刺し違える勢いだったが、渉爾が直前で刀を捨て、目を閉じてしまう。
驚いた阿隼はギリギリのところで回避、渉爾は無事だった。
「なぜだ?!」
「…お前の刀なら斬られてもいい、母の罪は俺が償う、その代わり狼師を見逃してくれ」
「狼師は定襄軍ではない、小可汗のお前が自分で率いろ…西に行くんだ、遠いほどいい」
すると鷹団と狼団は一斉に馬を降りて互いに礼を尽くし、再会を願って別れた。



一方、李靖率いる唐軍はアニメ化して疾風のごとく定襄軍を追撃していた。
しかし各部族の首領が奕承の馬車を連れて西から逃走、軍営に援軍を要請する。
知らせを受けた皓都は騎兵を率いて先回り、見事な連携で奕承たちの一行を包囲した。
奕承に脅されていた首領たちは早々に刀を捨て戦いを放棄したが、実は馬車の中が空だと判明する。
戦場にも馬車にもいない奕承、一体、どこへ消えたのか。
「…逃げなかったのかも」
長歌は奕承が定襄の王宮にいると気づいた。

長歌は阿隼の帰りを待たず、定襄に乗り込んだ。
大殿の前には李靖と皓都の率いる大軍が集結、状況を見守っている。
すると長歌は殿内でひとりうずくまっている奕承を見つけた。
復讐のため策を練り尽くし、無数の命を奪った奕承、長歌は自分も同じ道を歩むところだったという。
しかし奕承は長歌に自分の気持ちなど一生、分からないと反発した。
「隋は私の故郷、必ず助けてみせる!」
「故郷は消えたわけじゃない、土地や民はまだ健在よ?その民を苦しめてもいいの?
 たかが皇室の栄光のために…栄光がそんなに大事?」
「皇室?…私が皇室の者だと?」



奕承は本来、ただの宗室の女子でしかなかった。
参内したこともなければ豪華な礼服を着たこともなかったが、ある日、突然、公主という身分が与えられる。
和親のため草原に嫁がせる娘が必要だったからだ。
奕承は公主となり万人に称えられ、百官に迎えられた。
その時、衛兵として挨拶に来たのが雷蒙だったという。
奕承は隋の公主となり草原に嫁ぐことが自分の運命だと受け入れ、隋のために全て捧げると決心した。
しかし隋は没落、しかも国を守るべき皇女たちは生き延びるため、国を捨てて命乞いしたのだ。
「私だけが、草原に30年も捕らわれていた私だけが、隋を見捨てなかった!」
そこで長歌は長安に戻って帰順するよう説得した。
李世民なら奕承を殺したりしないだろう。
「ぶははは〜!私が膝を折って命乞いするような人間なら、初めからこの道を選ばない
 …李長歌だったら長安に戻るかしら?」
「そうね、私が間違っていた」
すると奕承は最後に李長歌という道連れができたことを感謝し、燭台を倒した。

大殿が出火、激しい黒煙が噴き出した。
驚いた李靖と皓都が駆け出そうとしたその時、2人の横をすり抜けて阿隼が石段を駆け上がって行く。
阿隼は激しく燃え盛る大殿に飛び込んだが…。

淑玉は無事、蕭皇后と隋王を長安へ送り届けた。
それからしばらくして皓都が杜府に帰ってくる。
すると定襄を平定したと聞いた杜如晦(トジョカイ)は安堵し、皓都と楽嫣に見守れながら息を引き取った。



李世民は李靖から長歌の訃報を聞き、涙した。
「ウッ…最期に言い残したことはあるか?」
「ぁ~感謝していました」
「…他には?」
「他?え~と読書が好きなので、寒食節では書を焼いて欲しいと…」
「ん?…永寧が読書好きとは初めて聞いたぞ?」
李世民は李靖の嘘を見抜き、激怒した。
「いやそれが…あの小娘と来たら…私も仕方なく…」
すると笑いをこらえていた李世民は思わず噴き出し、長歌らしいと言った。



火の中に飛び込んだ阿隼は倒れていた長歌を発見、危ないところで助け出していた。
李靖は一緒に長安へ戻るよう説得したが、長歌はこの火事で全てが消えたという。
「陛下に尋ねられたらこう言って、史書から私の名前を消して欲しいと…
 この世にもう李長歌はいなくなったの、ご苦労様でした」
「何の話です?」
皓都だけは全て李世民の計画だったと知らずにいた。
「ではこれからどこへ?」
「聞かないで、どうせこの世からは逃げられない、陛下にはこう伝えてくれる?
 ″縁に任せる″と…」

李世民は長歌を連れ戻すつもりだったが、結局、自分の手を離れて行った。
そして戦はなくなり、天下が安寧となる。
…長歌、今の唐こそお前の望む国の姿だ…

長歌は遊歴しながら、国が安泰なら民の生活も安穏なのだと実感していた。
″国が強ければ民も憂いはない、過去の栄辱も国の大義には勝らず″なのだと…。
目下、政は行き渡り、民を潤して才を発揮させていた。
天下は盛世を迎えつつある。
…二叔、ありがとう、唐と民に報いてくれて…

これからも長歌の旅は続くだろう。
そんな長歌の姿を阿隼の鷹が空から見ていた。



終わり

エンディング@インコ入りw


( ๑≧ꇴ≦)終わった〜!
最終回にもイールンの出番があって良かった!ってそこ?w
後半の失速は残念でしたが、エンディングを見ると名シーンが蘇って胸熱です
やっぱり草原とウマーっていいですね
ではまたお会いできる日まで〜♪



〓追記〓
最後のシーンですが、管理人は長歌が一人で遊歴をしていると想像しました
しかし本国の方のコメントで『誤解している人が多いが、長歌と阿隼は結婚して二人で旅をしている』とありました
恐らくこれが正解なのかもしれません
ただ原作の漫画は完結しておらず、ドラマのストーリーもオリジナルのため、個人的には視聴者の想像で構わないと思っています

(^ꇴ^)<現場からは以上で〜す





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最終更新日  2023.09.27 22:43:41
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