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しかし、今回は他人のバイクで、「直らなかったら捨てる」との事と、ミドルスクーターの構造を見てみたくて引き受けたのである。
現車は倉庫に保管していたので、状態は悪くはない。バッテリーは当然死んでいるので、手持ちのバッテリーに繋いで保安部品の確認を行う。ウインカー、ストップランプ、ライト、テールライト、ホーン全て問題無く作動する。エンジンを掛けてみようとセルボタンを押すがリレーの音だけでセルが回らない。セルが壊れているのだろうか。セルは後回しにして、アクセルを捻ってみると、重いが何とか動く。ピストンの固着は無いようだ。フロントパネルの右側に見慣れないレバーが付いている何のレバーだろうかと操作してみたら、リアのパーキングブレーキだった。それに見慣れないスイッチもある。アイドリングストップスイッチだ。平成14年頃のスクーターにはもうこんな省エネ機構が備わっていたのには感心する。勿論ABSも付いていた。
パワーもまずまずで、高速にも乗れ、ゆったりとした乗車姿勢で楽に乗れるこんなバイクが売れるのも分かる気がするが、私は絶対に買わないだろう。燃料タンクとコックが気になって探したが見当たらない。色々といじくり回しているとフロントパネル下の蓋を開けると給油口とラジエターのリザーブタンクがあった。と言うことはフォルツァは水冷エンジンなのね。
スクーターの事は良く分からないので、ネットで調べてみたら、エンジンを掛けるには左のリアブレーキレバーを強く握ったまま、セルボタンを押すと、へッドライトが消灯してエンジンが掛かるようである。ブレーキレバーの握りが甘かったり、サイドスタンドが出いてもエンジンは掛からない仕組みになっているようである。安全対策とは言え何と面倒くさい機構なのだろう。
早速、説明書通りの手順でセルボタンを押すも、セルは回らない。セルモーターの点検をする必要があるようだ。ついでに燃料タンクのキャップを鍵を使って開けて見ると…..。恐ろしい物を見てしまった。給油口の縁まで真っ赤な錆が迫っており、中を懐中電灯で照らしてみると奥まで恐ろしい程の赤サビが蔓延しているではないか。
10年以上とは言え、倉庫保管なのでそんなに酷い状態ではないだろうと思い、安請け合いをしたのだが、えらいバイクを掴まされたと半分後悔したが、これも向学のため、コロナによる外出自粛協力のためと思う事にして何とか復活させてやりたいと思う梅雨入りの日であった。
走行8244km
てんこ盛りのタンク内のサビ
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