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サイドカバーが後方へ動いたので、股の部分からフロントパネルに繋がるカバーをやっと外す事が出来た。普通のバイクに比べスクーターは機関部を全て大型外装で隠しているので、点検や修理を行うには、大変な労力を有するので、普通の人は先ずやらないであろう。壊れるまで乗って、いざ修理となると巨額な費用が必要になるので廃棄する。これがスクーターの運命のような気がする。
一人でブツブツ言っている内に、やっとタンクの全貌が見えた。ボルト6本でガッチリ留められているのは良いが、フレームの間のタイトな隙間にギリギリで納まっている。外し方を暫し考えたが、冷却水のリザーブタンクを外せば何とかなると思えたので、外しに掛かるが、フロントパネルが邪魔になってアクセスする所が正面の隙間しか無い。これ以上パネル類を外したくないので、スパナで取り付けボルトを1/4回転ずつ緩めやっと外した。タンクを留めている最後のボルトは先程外したリザーブタンクのボルトの直ぐ隣だが、スパナは掛からないので、ユニバーサルジョイントを咬ませたソケットレンチで何とか外せた。外してみるとリザーブタンクと同じステーで留められていた。最初からこのボルトを外せばリザーブタンクも外せたのね。これでやっとタンクを外せると思いきや、フロントパネルが邪魔になってどうやっても外れない事が分かった。あと少しの所なので、クリア出来る様に設計したら良いのに。スクーターはこういう所にもスタイル優先の弊害が現れる。1つ部品を外すのに関連する物を全て外さないとアクセス出来ないのである。
フロントパネルを留めているビスを全て外して引っ張ってみると、パネルが緩んで大きく曲げる事が出来る様になったので、タンクの接触箇所を逃がして、外しに掛かるが、今度は両サイドのサブフレームが邪魔になるのでそれも外す。それでもタンクは外せない。タンクの形状からして車体の右側には外せない。必ず左側からだが、その外し方が分からない。もしかしてアンダーカウルを外さないとダメなのか。しかし、タンクを外すのにそれ程難しい構造にしてあるとは思えないし、取り付けてあるので必ず外せる筈であると思いながら、知恵の輪を解くように試行錯誤を重ねてタンクを斜めにして行くと突然外れた。やはり左側からだった。やれやれ。タンクを外すだけで一体何個のパーツを外し何本のビスやボルトを外した事か。普通のバイクなら燃料パイプを抜いて、タンクを留めているボルト1本を外すだけだ。ものの1分も掛からないのになぁ。
さて、苦労して外したタンクであるが、結構重い。10年物のガソリンがかなり詰まっているようだ。燃料ゲージを外してみるとサビの塊となっていた。4ℓのオイル缶に腐って変色したガソリンを入れてみると、満杯と少しで、最後はサビの塊も一緒に出て来た。鉄棒を突っ込み底の方を探るとペースト状の感覚が手に伝わって来る。厄介な事になるような予感を感じつつ、タンクの内壁をゴリゴリやって、台所用洗剤と水を入れてシェイクしながら排出すると、水と一緒にてんこ盛りの大きなサビと団子状になったガソリンの末路のペーストがボタボタと出て来た。洗剤と水を入れてシェイクを数度繰り返し中を覗いてみると、サビが剥がされて金属の地肌が見えている。これだけでかなりのサビが落ちたようなので、後はタンククリーナーでトドメを刺すべく使い古しのクリーナーを入れて暫く放置してみる事にする。
シート裏のカバーを外すとバッテリーとキャブの点検口が現れる
カバーを剥いだ右側
燃料ポンプと思われる物が取り付けてある左側
苦労して取り出したタンク
タンクを外した車体/アンダーカウルの上に小石が溜まっている
燃料ゲージとタンク
エンジンマウント 2020.08.09
無念のサービスマニュアル 2020.07.21 コメント(2)
どういう事だ 2020.06.27