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シルヴィ・ギエム、まずはアクラム・カーンのテクネをパーカッションとバイオリンの鮮烈なリズムに乗って長い手足を生かして踊る。とにかく、出てきた瞬間からオーラとインパクトがすごいです。ヒア・アンド・アフターでは、さっきのきびきびさとうって変わった 女性とのやさしいしっとりした感じのデュオです。そしてラスト、マッツ・エックのバイは、映像とのコラボに目が行きがちですが、細かい振りが高度すぎる。それでいて思い出、情感、未来への決意をすべて表現するのだから、やっぱすごいだんさーです。共演の面々が、シルヴィの引退に花を添えます。イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッドなんて、9人のダンサーが入れ替わり立ち替わりでの激しいダンス、いったいどこで合わせてるのだろう。ドリーム・タイムもデュオ2015も どれもこれもシュールなコンテンポラリー・ダンス。 こんなパフォーマンスのあつまり最高です。シルヴィ・ギエムの引退だからこそのコラボですね! 最後は15分以上にわたる会場全員でのスタンディング・オベーションで、彼女をねぎらい、今までの感謝の気持ちを伝えました。今年の締めにふさわしいライブ・パフォーマンスでした。 東京バレエ団初演イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド振付:ウィリアム・フォーサイス音楽:トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)演出・照明・衣裳:ウィリアム・フォーサイス振付指導:キャサリン・ベネッツ 上野水香、奈良春夏、柄本弾、河合眞里、川淵瞳、入戸野伊織、二瓶加奈子、原田祥博、三雲友里加 ドリーム・タイム振付・演出 :イリ・キリアン振付助手:エルケ・シェパース音楽:武満徹 オーケストラのための「夢の時」(1981)装置デザイン:ジョン・F. マクファーレン衣裳デザイン:ジョン・F. マクファーレン照明デザイン:イリ・キリアン(コンセプト)、ヨープ・カボルト(製作) 技術監督、装置・照明改訂:ケース・チェッベス吉川留衣、川島麻実子、政本絵美、松野乃知、岸本秀雄 <休憩>テクネ振付:アクラム・カーン 音楽:アリーズ・スルイター(マッシュルーム・ミュージック・パブリッシング/BMGクリサリス、プラサップ・ラーマチャンドラ、グレイス・サヴェージとの共同制作)照明デザイン:アダム・カレー、ルーシー・カーター衣裳デザイン: 中野希美江リハーサル・ディレクター:ホセ・アグード シルヴィ・ギエムパーカッション:プラサップ・ラーマチャンドラビートボックス:グレイス・サヴェージ ヴァイオリン、ヴォイス、ラップトップ:アリーズ・スルイター デュオ2015振付:ウィリアム・フォーサイス音楽:トム・ウィレムス照明:タニヤ・リュールステージング:ブリーゲル・ジョカ、ライリー・ワッツ ブリーゲル・ジョカ、ライリー・ワッツ ヒア・アンド・アフター振付・演出:ラッセル・マリファント 照明デザイン:マイケル・ハルズ音楽:アンディ・カウトン衣裳デザイン:スティーヴィー・スチュワート シルヴィ・ギエム、エマヌエラ・モンタナーリ <休憩> バイ振付:マッツ・エック音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン ピアノソナタ第32番 Op.111 第2楽章(演奏:イーヴォ・ポゴレリチ)装置・衣裳デザイン:カトリン・ブランストローム照明デザイン:エリック・バーグランド映像:エリアス・ベンクソン 共同プロデュース:ストックホルム・ダンセン・フス シルヴィ・ギエム 2015(平成27)年12月20日(日) 東京文化会館大ホール
2015年12月20日
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なんといってもメイン五人が代わる代わる重唱の、5幕婚礼の場がすばらしかった。とくに、エマ・カークビー、波多野睦美、大山大輔3人での掛け合いは、バロックの真骨頂ですね!涙が出るほど聞けて嬉しかったです。みんなバロックらしいピュアな歌声で、心が洗われます。ケヴィン・スケルトンは、舞台の木に見立てた棒によじ登りながら、5幕の超難アリア「中国の男の歌」歌ったのにはもうビックリ!そのあと広瀬奈緒もアジリタ溢れる「中国の女の歌」すばらしいテクと歌声で聞かせてくれました。とにかく全員が楽しんでやっていたのがよくわかります。SPAC静岡県舞台芸術センターの宮城聰の演出が、長いオペラを、真夏の世の夢の雰囲気うまく取り込んだコミカルモードにしてくれて、楽しめました。レアなバロック堪能です。寺神戸さんにはずっとこのイベント出演続けていただきたいです。 原作:シェイクスピア 夏の夜の夢 指揮 寺神戸 亮 演出 宮城 聰(SPAC)合唱・管弦楽 レ・ボレアード(オリジナル楽器使用) 歌手エマ・カークビー(ソプラノ)広瀬 奈緒(ソプラノ)波多野 睦美(メゾソプラノ)ケヴィン・スケルトン(テノール) 大山 大輔(バリトン) 俳優(SPAC)泉陽二、大高浩一、春日井一平、加藤幸夫、貴島豪、小長谷勝彦、大道無門優也、たきいみき、武石守正、保可南、本多麻紀、牧山祐大、吉見亮、若宮羊市、渡辺敬彦 2015(平成27)年12月13日(日) 北とぴあ さくらホール
2015年12月13日
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ドン・ジョバンニ出演者によるモーツァルトソロとレクイエム、みんなが楽しんで歌っているのがわかりました。 ヴィラゾンが1部歌って降板!明日のドン・ジョバンニ最終日は歌うのでしょうか?でも、サミュエル・サッカーが再度聞けてよかったです! マルコムよかったものなぁ~お目当てレジネヴァのソロも聞けて満足。しかし、みなさんエロスのオーラがすごいですね、さすがスターです。 指揮 アントニオ・パッパーノソプラノ アルビナ・シャギムラトヴァアルト ジョイス・ディドナートソプラノ ユリア・レジネヴァテノール ローランド・ヴィラゾンテノール サミュエル・サッカーバス イルデブランド・ダルカンジェロロイヤル・オペラハウス管弦楽団、ロイヤル・オペラ合唱団 曲目第1部 アリア集 <レジネヴァ>モーツァルト:アリア「あなたは今は忠実ね」K.217 <ダルガンジェロ>モーツァルト:演奏会用アリア「このうるわしい御手と瞳のために」K.612 <シャギムラトヴァ>モーツァルト: レチタティーヴォとアリア「わが美しき恋人よ、さようなら~とどまって下さい、いとしい人よ」K.528 <ヴィラゾン>モーツァルト:レチタティーヴォとアリア「憐れな男よ!夢なのか、それともうつつなのか?~あたり吹くそよ風よ」K.431(425b) <ダルカンジェロ>モーツァルト:レチタティーヴォとアリア「このようにあなたは裏切るのか~苦く酷い後悔よ」K.432(421a) <ディドナート>モーツァルト:レチタティーヴォとアリア「どうしてあなたが忘れられるだろうか~心配しなくともよいのです、愛する人よ」K.505(ピアノ:アントニオ・パッパーノ)休憩第2部 モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626ソプラノ シャギムラトヴァアルト ティドナートテノール サッカーバス ダルカンジェロ 2015(平成27)年9月19日 東京文化会館大ホール
2015年09月19日
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ヴィラゾンをオッターヴィオに、今わたくし一押しのレジネヴァをツェルリーナに持ってきてくれる贅沢さ。これにダルカンジェロ、シャギムラトヴァにディドナート、エスポージトという豪華さは、来てよかったを実感。 オールスターキャストは来日公演の醍醐味の反面、下手くそな指揮者だと単にバラバラと歌の共演になって退屈なのですが、パッパーノはさすがです、作り出す世界にみんなハマるのですから。すごいです、最高です。 昨日のマクベスもそうでしたが、15時開始という、眠くなっちゃう午後のひとときに、集中させてくれる音楽ってひさびさでした。 歌手については言うことなし。とにかくすばらしい。話題のプロジェクション・マッピングは、東京駅とか国立博物館のをさんざん見たせいか、騒ぐほど大したことないなぁというのが正直な感想。2幕、シャンパンの歌で、ダルカンジェロを中心に万華鏡のように回るマッピングや、ドン・ジョバンニのセレナーデでレポレロの白い衣服にドン・ジョバンニの服装を映してエルヴィーラを惑わす場、エルヴィーラの侍女をドン・ジョバンニが落として衣服を脱ぎ捨てたような映像投影とかは、生かしてるなぁと感じました。それより衝撃は、ドンナ・アンナがドン・ジョバンニに落とされて、ホントは惹かれてしまって( わたしはそう感じました。) いるのを露骨にみせてること。冒頭、満ち足りた笑顔でジョバンニと共に現れ、父の騎士長が出て来て困惑する。中途でジョバンニと部屋に入っていく。いままでのドンジョバ演出では、どっちなのかなぁという曖昧なのを、こんなにも露骨に!完全に貴族としての体裁でオッターヴィオに身の危険を訴えてる感ありました。そして、オッターヴィオも、わかっているけど、プライドと損得勘定からアンナを攻めきれないやりきれなさを、技巧満載アリア「私の愛する人を慰めに行ってください」を泣き節調にすることで、吐露しているように感じました。そういう意味では、ツェルリーナもホントは権力と富を持つジョバンニに惹かれながらも、分相応を意識してマゼットを選ぶ感満載。エルヴィーラはなんか普通の演出以上にジョバンニへのアピールを感じたし。。 ロッケンロール本場、さすがイギリスの演出!!と感じました[m:50] 指揮 アントニオ・パッパーノ演出 カスパー・ホルテン演出助手 エイミー・レーンレポレロ アレックス・エスポージトドンナ・アンナ アルビナ・シャギムラトヴァドン・ジョヴァンニ イルデブランド・ダルカンジェロ騎士長 ライモンド・アチェトドン・オッターヴィオ ローランド・ヴィラゾンドンナ・エルヴィーラ ジョイス・ディドナートツェルリーナ ユリア・レージネヴァマゼット マシュー・ローズドンナ・エルヴィーラの侍女 チャーリー・ブラックウッド フォルテピアノ アントニオ・パッパーノロイヤル・オペラ合唱団 、ロイヤル・オペラハウス管弦楽団 2015(平成27)年9月13日 NHKホール
2015年09月13日
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焦らず、サスペンス調にじっくりネチネチ攻めてくるパッパーノ、いいです!まったく飽きない。ドン・ジョバンニをオールスターキャストにしたから、マクベスはパッパーノのやりたいようにやったのでは?戦略にはまってしまいました。 キーンリサイドはもうお見事です。最初は小心者感がみなぎって、まわりの歓声に手が震えちゃってるんですから、細かい演技がニクい!でも最後は人生達観してしまう。「慈悲、尊敬、愛」を歌ったあとの、ラストのモノローグをキーンリサイドは大事にしているというのが、たいへんよくわかります。そう、マクベスは、本当は自尊心が高く、でもそれをあらわにすると、叩かれるということがよくわかっている、賢いやつ。実は世渡り上手で小心者を演じていただけなんじゃないのか?でも、俺は王さまの前では小心者を演じられる、たいした人間なんだというプライドみなぎる、すっごい嫌なやつなのかもしれない。魔女と出会って、冷静さをなくしてしまった。ある意味、魔女はマクベスの本心なのかな、とも考えます。 そして、夫人の方が実は小心者で、隠すためにわざと虚栄心押し出して、勝ち気さを振る舞う。でもキャパオーバーになって、最後は崩壊する。悪いことを悪いと感じないホントにクソなやつは、自己嫌悪でなんか死なないし。 モナスティルスカは難役のマクベス夫人をしっかり歌って演じていたと思います。まぁ細かいこと言えば、アジリタ部分をもっとちゃんとできていればとかありますが、やっぱマクベス夫人は歌唱テクニックを超越するオーラと存在感がないと役に負けてしまうし、モナスティルスカはそれにマッチしていました。有名な、手紙のシェーナからはじまるカヴァティーナより、ラストの狂乱の方が聞きごたえありました。マクダフのイリンカイの悲しみのアリアは泣けました、最後にビシッと締めてくれてます。 幕間のシャンパン飲みながらや、帰りの電車でひさびさにいろいろ振り返って考えることができて、楽しかったです。 指揮 アントニオ・パッパーノ演出 フィリダ・ロイド再演監督 ダニエル・ドーナーマクベス サイモン・キーンリサイドマクベス夫人 リュドミラ・モナスティルスカバンクォー ライモンド・アチェトマクダフ テオドール・イリンカイマルコム サミュエル・サッカー医師 ジフーン・キム夫人の侍女 アヌーシュ・ホヴァニシアン刺客 オーレ・ゼッターストレーム伝令/亡霊1 ジョナサン・フィッシャー亡霊2、亡霊3 野沢晴海、鈴木一瑳ダンカン王 イアン・リンゼイロイヤル・オペラ合唱団、ロイヤル・オペラハウス管弦楽団2015(平成27)年9月12 日 東京文化会館大ホール
2015年09月12日
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8月初め、イタリア旅行でコルティナ・ダンペッツォに泊まった際に、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにも来たことのある、オーケストラ・ハイドン・ディ・ボルツァーノ・エ・トレント Orchestra Haydn di Bolzano e Trento の公演があり、行きました。イタリア南チロル地方、トレンティーノ=アルト・アディジェ州を根拠地にしているオーケストラで。サマーファスティバルでの演奏です。指揮は、やはりラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに来たことのあるアジス・ショハキモフAziz Shokhakimov。最後にモーツァルトの交響曲36番リンツを演奏しましたが、他はプロコフィエフ交響曲、ガスリーニのピアノフォルテとオーケストラのためのコンチェルト、アイヴスの管弦楽曲と、現在のおよそ日本では聞かない楽曲ばかりで、たいへん興味深かったです。プロコフィエフの古典交響曲は初めてです。以外に「クラシック」なのにびっくり。イタリアのジョルジョ・ガスリーニのコンチェルトは、ジャズテイスト満載、イタリアにもこういう曲があるのだとの驚きとともに、大変楽しいもの。チャールス・アイヴスの管弦楽曲「答えのない質問」は、トランペットソロが客席後ろを移動しながらソロパートを演奏、後ろの壁に向かって演奏したりで、ソロパートが自問自答のようで印象に残りました。ラ・フォル・ジュルネの現代作曲家特集みたいな演目を30ユーロ(約4000円)で楽しめました、ヴァカンス先で出会う演奏会はいいですね!指揮 アジス・ショハキモフ Aziz Shokhakimovピアノフォルテ アルフォンソ・アルベルティ Alfonso Albertiボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団(オーケストラ・ハイドン・ディ・ボルツァーノ・エ・トレント) Orchestra Haydn di Bolzano e Trento プロコフィエフ 交響曲第1番ニ長調作品25「古典交響曲」ジョルジョ・ガスリーニ ピアノフォルテとオーケストラのための協奏曲チャールズ・アイヴス 答えのない質問 The unanswered questionモーツァルト 交響曲第36番ハ長調 K425 「リンツ」2015(平成27)年8月7日 21時~23時コルティナ・ダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo 、ヴェネト州、イタリア)、アレクサンダー・ジラルディ・ホールAlexander Girardi Hall にて
2015年08月07日
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エレガントでゆったりした、まさにフランスの田舎の湯治宿の雰囲気で音楽は進んでいきます。女声陣が特によかったです。フォルヴィル伯爵夫人の光岡さんの、役柄ハマり具合最高です!オープニング早々、超難アリアの見事な歌いきりで盛り上げてくれました。宴会が始まる前(この舞台では第二部始まって宴会の準備をしている)の音楽が楽しくて心地よくて、ゼッタの真髄感じました。しかし87歳でかくしゃくとした足取り、3日間振り切る体力と、ゼッタに圧倒された舞台でした。 指揮 アルベルト・ゼッタ演出 松本重孝コリンナ 佐藤美枝子メリベーア侯爵夫人 鳥木弥生フォルヴィル伯爵夫人 光岡暁恵コルテーゼ夫人 清水知子騎士ベルフィオーレ 小山陽二郎リーベンスコフ伯爵 山本康寛シドニー卿 伊藤貴之ドン・ブロフォンド 久保田真澄トロンボノク男爵 三浦克次ドン・アルヴァーロ 牧野正人ドン・ブルデンツィオ 柿沼伸美ドン・ルイジーノ 真野郁夫デリア 山口佳子マッダレーナ 河野めぐみモデスディーナ 但馬由香ゼフィリーノ 藤原海考アントーニオ 立花敏弘藤原歌劇団合唱部東京フィルハーモニー交響楽団2015(平成27)年7月5日 日生劇場にて
2015年07月05日
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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン3日目、ピアノ演奏を朝から3演目聞きました。361 G409 10:30~11:15クレール=マリ・ルゲ(ピアノ) J.S.バッハ 3声のシンフォニアより第11番 ト短調 BWV797 J.S.バッハ カプリッチョ 変ロ長調「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992モーツァルト ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付」 アンコール J.S.バッハ イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971より第1楽章クレール=マリ・ルゲは初日はチェロとのデュエットで聞きましたが、出演者情報に「高貴な息づかい」と評されているように、深い世界に、いざなわれるように感じます。とにかくエレガントなバッハでした。 352 D7 12:15~13:00 マタン・ポラト(ピアノ) J.S.バッハ(リスト編) 前奏曲とフーガ イ短調 BWV543 J.S.バッハ パルティータ第1番 変ロ長調 BWV825 J.S.バッハ イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 アンコールJ.S.バッハ ゴルドベルグ変奏曲 BWV988 より第25変奏1曲目の前奏曲部分は感情の爆発かと思われるほど、フーガ部分の理知的な感じと対照的でした。以後も理路整然とした、清々しいバッハです。たまたまクレール=マリ・ルゲがアンコールで弾いたイタリア協奏曲、生で個性の違いを聞き比べるという貴重な体験ができました。 冒頭ルネ・マルタン自らによる、シュウ・シャオメイ降板の説明とマタン・ポラトの紹介がありました。シャオメイは足を怪我して2ヶ月間全公演キャンセルとのこと、とつぜんのできごとだからとはいえ、主催者自ら説明とは、シャオメイはそれだけこの音楽祭で重要視されているんですね。再来日を切に希望します。 353 D7 14:00~14:45アンヌ・ケフェレック(ピアノ)ヘンデル パッサカリア ト短調HWV432J.S.バッハ(プゾーニ編) コラール前奏曲「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659マルチェッロ( J.S.バッハ編) オーボエ協奏曲 ニ短調 BWV974よりアダージョヘンデル(ケンプ編) メヌエット ト短調(クラヴィーア組曲HWV434から)ショパン ノクターン ト短調op15-3D.スカルラッティ ソナタ ニ短調K.32 ショパン ノクターン ト短調op37-1J.S.バッハ(ヘス編) 主よ人の望みの喜びよ BWV147ヘンデル シャコンヌ ト短調 HWV435アンコールJ.S.バッハ(プゾーニ編) コラール前奏曲「私はあなたを呼ぶ」 ケフェレックが冒頭に日本語で、「最後まで続けて弾くので、拍手は最後にお願いします」とメッセージしました。納得の演奏です。別々の曲なのに、ケフェレックが、奏でて作り出す瞑想の世界は素晴らしかったです。ケフェレックはやっぱり音に絵画をイメージします。アンコールのバッハのコラールは静かな渚が目の前に浮かびました。やっぱりケフェレックはすごい。聞くことができて本当に良かったです。
2015年05月04日
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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015初日、ピアノ演奏メインで、夕方から3演目聞きました。135 B5 17:30~18:15オーレリアン・パスカル(チェロ)クレール=マリ・ルゲ(ピアノ)ブロッホ 祈り(ユダヤ人の生活より)リスト エレジー第1番、第2番メシアン 聖母の最初の聖体授受(「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」から)(ピアノソロ)メシアン イエスの永遠性への賛歌(「世の終わりのための四重奏曲」から)フォーレ エレジーop.24アンコールフォーレ 夢のあとに今回のテーマのひとつ、祈りのパシオンから。心が洗われて、祈りたくなる音楽って本当にあるんだなぁというのが、率直な感想です。リストのピアノ&チェロは、リストらしい曲想ありながら、敬虔な雰囲気になるという、貴重な体験でした。156 D7 19:15~20:00 アブデール・ラーマン・エル=バシャ(ピアノ)ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 op.27―2「月光」ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 op57「熱情」このベートーヴェンはすごかった。まず、一時間にこの2曲演奏って普通の演奏会じゃありえないでしょ。「月光」の第3楽章のヒステリックな高まりが、見事に「熱情」に繋がりました。エル=パシャは、たいへん冷静に知的に演奏し、それがかえって感情のうねりを感じさせます。本当にすばらしい演奏でした。137 B5 21:00~22:00マタン・ポラト(ピアノ)J.S.バッハ ゴルドベルグ変奏曲 BWV988シュウ・シャオメイが健康上の理由でキャンセル、今年はシュウ・シャオメイが3年ぶりに来るって言うんで一番の目的だっただけに、本当に残念でした。で、後釜のルネ・マルタンお勧めのマタン・ポラトの演奏に。ピアノの音色に幾何学式をイメージしました。たいへん理路整然で、バランスいい、ゴルドベルグです。弾いてるマタン・ポラトはけっこう表情豊かなのですが、ピアノの音色は感情過多にはならず、知的に進みます。このギャップもいい。さすがルネ・マルタンお勧めだけありました。シャオメイは知性に癒しや優しさがプラスアルファされて、なんとも言えない空間作り出してくれるんですよね~回復して再来日してくれることを期待です。
2015年05月02日
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ファビオ・ビオンディのきびきびしたヴィヴァルディ、すばらしかったです!バロックはやっぱメリハリ大事、 60分弱とちょっと長めの各幕ですが、のめり込んでしまい、あっという間に時間が過ぎました。小さいホールで目の前で古楽器で演奏して、ビオンディのヴァイオリン弾く姿や歌手への指示が手に取るようにわかる。イイですね~今回はシンプルだけど能楽をイメージした舞台装置、演出、衣装が見事に音楽とマリアージュしてました。漆塗りや枯山水を感じる舞台、男性役は能衣装のような出で立ちで、しかも全員が扇子を持ち、感情表現に利用する。ホント楽しい!わくわくして聞いていました。テオルボというリュートに似た楽器の音色を初めて耳にしました。物悲しい、エレジー感じる音色で、これ日本人好みだと思いました。能の演出で効果増します。歌手はビオンディ氏の考え方で、かつてのカストラートは地声で歌ったのだから、地声(声域)が近いと思うメゾソプラノ主体のキャスティングになっているそうです。 まずユリア・レージネヴァが圧巻。2幕「私は危険な海にいる船のよう」は、全曲続くアジリタとジェットコースターのような上がり下がりをものともせず、完璧に歌いきった。生で、しかも目の前で繰り広げられる超絶技巧の迫力はすごかった。レージネヴァは3幕も技巧の入ったアリアを見事に歌ってくれました。どうしても華やかなテクニックに耳が行きがちですが、マリアンヌ・キーランド、ヴィヴィカ・ジュノーはじめ、テクニックに裏打ちされた面々が、叙情豊かなバロックを現代に甦らせてくれました。バロック堪能、来て良かった!!音楽監督・ヴァイオリン ファビオ・ビオンディ 演出 彌勒忠史 (テノール) ポリフォンテ マグヌス・スタヴラン (メゾゾプラノ) メロペ マリアンヌ・キーランドエピーティデ ヴィヴィカ・ジュノーエルミーラ マリーナ・デ・リソトラシメーデ ユリア・レージネヴァリチスコ フランツィスカ・ゴッドヴァルトアナッサンドロ マルティナ・ベッリ 演奏 エウローパ・ガランテ(管弦楽) 2015(平成27)年2月28日(土) 神奈川県立音楽堂
2015年02月28日
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今回、正義(リラの精)vs悪(カラボス)の対比がたいへんわかりやすい。マラーホフがカラボスやるからこその展開なのでしょうが、リラの精もうまいからこそ映えた舞台ですね。毅然とカラボスに立ち向かうリラの精の立ち振舞いは気持ち良かった!オーロラ姫とデシレ王子は 若々しさが好印象でした。青い鳥のパ・ド・ドゥもたいへん高いレベルで見ごたえありました。バレエもやっぱ、お互い高めあう総合力なのだと実感した、充実した公演でした。 オーロラ姫 川島麻実子デシレ王子 岸本秀雄リラの精 三雲友里加カラボス ウラジーミル・マラーホフフロレスタン国王 木村和夫王妃 榊優美枝カタラビュット/式典長 和田康佑フロリナ姫と青い鳥 中川美雪―入戸野伊織東京バレエ団指揮 ワレリー・オブジャニコフ東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団2015(平成27)年2月8日 東京文化会館大ホール
2015年02月08日
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テンポがいいだけでなく、役割を見て聞いてるだけで、的確に表現するゼッダ御大はすばらしいです!二幕のファルスタッフとフォードの二重唱からフォードのモノローグにかけてのゾクゾク感は味わったことない。嫉妬に狂うさまは、本当にオテロのコメディ版なのだと初めて感じました。この部分で音楽と同化できたのは、忘れられないでしょう。いろんな場所から次々楽器や声が聞こえてくるけど、実は秩序立って計算されているので心地よいのだということを、これほど感じたことはないです。 タイトルロール折口さんよかったです。騎士のノーブルさと、純情すぎて笑ってしまうバランス絶妙。結局ファルスタッフは世間知らずなんだなぁと納得してしまいました。フォードの森口氏、やっぱ二幕のモノローグが印象残る。存在感あってよかった。女声はクイックリー夫人の牧野さんが喜劇の絶妙なポイントを押さえて存在感ありました。さすがです。アリーチェの佐藤さんも品格あって、私は初めてですが、よかったと思いました。アンコール拍手が普通だったのが私は不満です。ナンネッタの清水さんも私は初めて聞きました、のびやかでいいですね!これからどんどんコロラトゥーラ役を聞かせていただきたいです。 新年最初のオペラ、アルベルト・ゼッダで迎えられるとは!今年もいい音楽聞いていきたいです。 指揮 アルベルト・ゼッダ演出 粟國淳 ファルスタッフ 折江忠道フォード 森口賢二フェントン 中井亮一アリーチェ 佐藤亜希子ナンネッタ 清水理恵メグ・ページ 日向由子クイックリー夫人 牧野真由美カイウス 所谷直生バルドルフォ 曽我雄一ピストーラ 小田桐貴樹 藤原歌劇団合唱部 東京フィルハーモニー交響楽団 2015₍平成27₎年1月25日 東京文化会館大ホールにて
2015年01月25日
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楽しいフランス・バロックでした。地域の音楽祭はこういったレアもの狙い目ですね、音楽関係者だけでなく地域の愛好家も見に来るから盛り上がります。指揮者、寺神戸氏の企画はいいです。バロックへの情熱も感じました。プラテは、蛙の妖精(女王)というから、カウンターテノールかと思ったら、普通のテノールなんです!ジュピタル(ゼウス)の偽プロポーズを信じる、見た目はイマイチという設定だから、男が演じたほうがいいんでしょうね。でも、プライド高いけど純情という役回りも表現しなきゃならない難役と思います。この主役をいかにうまく演じるかで決まる演目だと実感。タイトルロールのマティアス・ヴィダルよかったです。 ベツァベ・アースはバロック的な硬質な声でよかった。バリトンのフルヴィオ・ベッティーニは美声が響いて、もっと歌ってほしかった。ジュノン(ヘラ)の小野さんは少ない出番だけど、役柄表現うまい!モミュスの小笠原さんは、狂言回しの役だからこそ、演技も歌も重要ですね。印象残ったしよかったです。2幕、2階席で歌ったジュピテルが舞台の雲になっての登場に間に合わなくて、代わりに雲パネルもって登場して、あとで交代して舞台袖捌けていくのは、小劇団風ノリだった[m:50] やっぱ舞台は楽しくなきゃね。アンコールで合唱繰り返し、盛り上がりました。 セミ・ステージ形式/フランス語上演/日本語字幕付 指揮 寺神戸 亮管弦楽・合唱 レ・ボレアード(オリジナル楽器使用) プラテ マティアス・ヴィダルフォリー/アムール ベツァベ・アースジュピテル/サテュロス フルヴィオ・ベッティーニジュノン 小野 和歌子シテロン 与那城 敬メルキュール 安冨 泰一郎クラリーヌ 鈴木 美紀子モミュス 小笠原 美敬タリー 高橋 美千子テスピス 石川 洋人 2014(平成26)年11月9日 北とぴあさくらホール
2014年11月09日
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ひさびさに聞くラ・ボエームはそうそうたるメンバー。2幕のカルチェ・ラタン、ムゼットのワルツから終盤まで、こんなに楽しく引き込まれたのもひさびさです。そして3幕からはバルバラ・フリットリが本領発揮の、高潔で純粋なミミが圧巻でした。 なんといってもバルバラ・フリットリのミミの見事さ。藤原歌劇団80周年とBunkamura25周年コラボ企画だそうですが、プロジェクトものは過去にドタキャン喰らって猜疑心の固まりになってしまい、フリットりは大丈夫そうと思えるまでギリギリチケットためらってました。そんなわたくしの小心さ(笑)を吹き飛ばす、ミミの豊かな心に圧倒されました!ソットヴォーチェが心地よく響きます。(あのオーチャードホールで弱音しっかり響かせるのもすごい!)ミミのやさしさに感情持っていかれてました。 もう一人フィリアノーティは、ロドルフォではこれでいいのでしょうね。ハイCはかなりきつそうでした。堀内氏も森口氏も久保田氏も一枚看板の方々、なんという贅沢な配役!みなさん演技も歌も一つ一つがたまらない。堀内氏はムゼッタへの葛藤がイイですね~そして小川さんは、ムゼッタがいるからこそ引き締まるのだということを見せて聞かせてくれました。演出はハデではないけど、カルチェ・ラタンなどは紙吹雪でもりあげたり、わたしは落ち着いてよかったと思います。指揮も、プッチーニは流れを止めずに心地よくという鉄則をくずさず的確に進めていたと感じます。本当にひさびさの充実した時間でした。 指揮:沼尻竜典演出:岩田達宗 ミミ:バルバラ・フリットリ ロドルフォ:ジュゼッペ・フィリアノーティムゼッタ:小川里美マルチェッロ:堀内康雄ショナール:森口賢二コッリーネ:久保田真澄ベノア:折江忠道 アルチンドロ:柿沼伸美 パルピニョール:岡坂弘毅 藤原歌劇団合唱部、多摩ファミリーシンガーズ東京フィルハーモニー交響楽団 2014(平成26)年11月1日 Bunkamuraオーチャードホール
2014年11月01日
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前回見たときと同じ演出、その時は巨大人形とかワケわからないと感じましたが、今回はドン・ジョバンニの過去の総括をイメージしているということかなぁ、と頭を整理して見ることができました。歌手は女性がよかった。カルメラ・レミージョは安定と貫禄満載。もう次世代ディーヴァですね。アガ・ミコライもドンナ・エルヴィーラのやりきれない想いがヒシヒシ伝わってきます。テクニックも決めてくれます。鷲尾さんは、明るい声がツェルリーナらしくてよかった。可愛いが計算も感じる、私にとっては、たいへん好感持てるツェルリーナでした。 男性、妻屋さんの威厳ある騎士長、町さんの気弱そうなマゼットはむちゃくちゃよかったが・・・メイン二人はわたしは少し不満。まずアドリアン・エレートもマルコ・ヴィンコも、美声だか、声の迫力でレミージョやミコライに負けてしまっているように感じました。ドン・ジョバンニもレポレッロも、ドン・オッターヴィオ同様の優男(やさおとこ)程度の感じ。わたしは、特にドン・ジョバンニにはもっと憎々しいほどのエロスの塊のようなものを期待するので、ちょっと残念です。レポレッロもイケメンだけど、主人に対抗するほどのエロスは感じない。もともと、降板したロレンツォ・レガッツオのレポレッロ目的で買ったので・・・レガッツオだったらもっとレポレッロのイメージも、ドン・ジョバンニとの関係も変わっていたでしょうか。指揮は、一言で言うと無難。1幕ラスト、仮面の3人(ドン・オッターヴィオ、ドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィーラ)登場しメヌエットが始まる辺りからは、テンポよくたたみかけて欲しいのですが、ちょっと遅い。個人の趣味なのでしょうが、わたしは全体的にちょっと刺激不足でした。ドン・ジョバンニは、歌手はそれぞれいいのに、観賞後によかったぁというのになかなか出会えません。このあたりがモーツァルトの難しさでしょうか。 指揮 ラルフ・ヴァイケルト演出 グリシャ・アサガロフドン・ジョバンニ アドリアン・エレート騎士長 妻屋秀和レポレッロ マルコ・ヴィンコドンナ・アンナ カルメラ・レミージョドン・オッターヴィオ パオロ・ファナーレドンナ・エルヴィーラ アガ・ミコライマゼット 町 秀和ツェルリーナ 鷲尾麻衣新国立劇場合唱団東京フィルハーモニー交響楽団2014(平成26)年10月19日新国立劇場オペラパレスにて
2014年10月19日
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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでもお馴染みのベレゾフスキーによる、ロシア・ビアノ曲のコンサートです。前半のラフマニノフ・ソナタは、いかにもロシアらしい内陸の力強さでありながら、ラフマニノフの繊細さ優雅さも感じさせてくれます。後半は超絶技巧派の本領発揮。メトネル、バラキレフという、日本ではマイナーな作曲家のピアノ曲に全員が引き込まれてしまったのは、すごいです。今回は、舞台後ろのP席で、しかも鍵盤と弾いている動きがすべて見下ろせる、個人的にベストポジション。メトネルの祝祭の踊りのときも、鍵盤を端から端まで動き回りながら、美しい音色が奏でられることに驚愕していたのに・・・バラキレフのイスラメイはもうスゴすぎです。スピード、テクニック、それでいて単に正確に弾くだけでなく、音色と強弱の絶妙な奏でにもう大興奮でした。会場は約半分弱の入りでしょうか、でもおそらくラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで聞いたファンが多いのでしょうね、ブラヴォの掛け声と、大きな拍手が長く続き、アンコールはチャイコフスキーで3曲弾いてくれました。充実のコンサートでした! ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 op.28 第1楽章 アレグロ・モデラート 第2楽章 レント 第3楽章 アレグロ・モルト<休憩>メトネル: 忘れられたメロディ op.38から 川の歌 op.38-4 祝祭の踊り op.38-3バラキレフ: スケルツォ第2番 変ロ短調バラキレフ: マズルカ第2番 嬰ハ短調 マズルカ第4番 変ト長調 マズルカ第5番 ニ長調バラキレフ: イスラメイ(東洋風幻想) アンコールチャイコフスキー:四季より 8 収穫 9 狩 10 秋の歌2014(平成26)年10月11日 (土) 19:00 開演 東京オペラシティ コンサートホール
2014年10月11日
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アリーナ姫を7人の男性がサポート。しかも人気演目の見処満載で、それを若手スターが次々演じるという、まさにバレエのドリームプロジェクトでした。オープニングは、5人の男性が黒上下のシンプルな装いで、アリーナが代わる代わる彼らを相手にしていて、ローズアダージョ前ふり見事!本日特別プロの「本番」ローズアダージョは、王子たちはオープニングと同じ黒上下、アリーナはオーロラ姫の衣裳付けて、イレギュラーで最後に追加で3人のメンズ現れて求愛、とまさにプロジェクトのアリーナ姫を讃える盛り上がり企画でした。 二部の「レディオとジュリエット」のダンスはハウスかヒップホップみたい。男性が次々に、EXILE張りに踊るのも斬新だった。しかし、アリーナ・コジョカルって、いくつになっても10代の女の子みたいに踊るのは不思議。最後のトークイベントの素の彼女は、大人の女でしたから。しかもチャーミングで品があるし。そんな個性を生かした、面白いコンテンポラリーにも、今後期待です。 第1部 15:00~16:20「オープニング」振付:ペタル・ミラー=アッシュモール 音楽:アレクサンドル・グラズノフアリーナ・コジョカル、オヴィデュー・マテイ・ヤンク、ロベルト・エナシェ、堀内尚平、クリスティアン・プレダ、ルーカス・キャンベル「パリの炎」振付:ワシーリー・ワイノーネン 音楽:ボリス・アサフィエフローレン・カスバートソン、ワディム・ムンタギロフ「真夏の夜の夢」より"結婚式のパ・ド・ドゥ"振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フェリックス・メンデルスゾーンアリーナ・コジョカル、ダヴィッド・チェンツェミエック「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I. チャイコフスキーヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー「ノー・マンズ・ランド」より パ・ド・ドゥ振付:リアム・スカーレット 音楽:フランツ・リストアリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー ピアノ演奏:高野直子 Co-production of English National Ballet and Queensland Ballet「ドン・キホーテ」振付:アレクセイ・ラトマンスキー(原振付:マリウス・プティパ) 音楽:レオン・ミンクスユルギータ・ドロニナ、イサック・エルナンデス〈本日の特別プログラム〉「眠れる森の美女」より"ローズ・アダージオ"振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I. チャイコフスキーアリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー、ダヴィッド・チェンツェミエック、オヴィデュー・マテイ・ヤンク、ロベルト・エナシェ第2部 16;40~17:35「レディオとジュリエット」振付:エドワード・クルグ 音楽:レディオヘッドアリーナ・コジョカル、ダヴィッド・チェンツェミエック、ロベルト・エナシェ、堀内尚平、オヴィデュー・マテイ・ヤンク、クリスティアン・プレダ、ルーカス・キャンベル"Radio and Juliet" is a production of The National Opera House in Bucharest(Romania) 2014(平成26)年7月27日 ゆうぽうとホール
2014年07月27日
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カーテンコール、客席が明るくなったのに手拍子で呼び戻されたときの、マエストロ・ムーティの本当にうれしそうな笑顔が印象的でした。 先週のシモン・ボッカネグラと比べたら、驚きの連続。まず午前のWEBでの今日の配役発表では、歌う予定だったアビガイッレ役タチアナ・セルジャンが、会場には、ラッファエッラ・アンジェレッティに急遽交替の告知。そして真ん丸のソニア・ガナッシ(笑)わたし舞台見たとき、あまりの変わり様に、代役かと思いましたよ!(爆) さて、アビガイッレ急遽代役はやっぱ痛いですね。うわさほどひどくなかった、全員で歌うとこで邪魔はしないし、高音フォルテはヒステリックに響くが・・・というのが正直な感想です。ただ頑張って歌ったことにたいして、大きな拍手は送られていました。 男声はやっぱザッカーリアのドミトリー・ベロセルスキーですね。とにかく品がいい、威厳がある、ノーブルな役から悪役までこれから何でもこなせそうですね。シモン・ボッカネグラにも出ていたし、今回一番印象に残った歌手です。 「金色の翼に乗って」はラストひっぱられた余韻が美しいこと!ここも印象に残ってます。 しかし、こうしてみると、ストーリーが本当によくわかんないオペラですよね。ムーティが振ったから、まとまったんだろうなぁと納得。やっぱオペラは指揮者できまるのだと改めての納得でした。 指揮 リッカルド・ムーティ演出・美術 ジャン=ポール・スカルピッタ衣装 マウリツィオ・ミレノッティ合唱指揮 ロベルト・ガッビアーニナブッコ ルカ・サルシイズマエーレ アントニオ・ポーリザッカーリア ドミトリー・ベロセルスキーアビガイッレ ラッファエッラ・アンジェレッティフェネーナ ソニア・ガナッシ大司祭 ルーカ・ダッラミーコアブダッロ サヴェリオ・フィオーレアンナ スィムゲ・ビュユックエデスローマ歌劇場管弦楽団ローマ歌劇場合宿団2014(平成26)年6月1日 NHKホールにて
2014年06月01日
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なんだかんだ言われても、ムーティのヴェルディはいいですね。飽くことなく時間が過ぎてしまいました。そして、ときには海のさざ波、ときには海をわたる風のように、静かに奏でられる弦が、ジェノバの雰囲気を醸し出し、単に復讐や憎悪のどろどろにはしていません。フリットリの急遽の代役、エレオノーラ・ブラットは、最初は堅さが出てましたが、徐々にこなれて、紅一点の重要ポイントこなしてました。若さあふれてイイ。フランチェスコ・メーリも、こういった直情的かつ繊細な役どころも表現豊かでイイですね~なんといっても低音陣が皆充実。タイトルロールのジョルジョ・ペテアンは本当に歌いっぱなしで、最後まで全然疲れ感じないのですから、素晴らしい歌いっぷりです。なんといっても品があります。低音メイン三人、甲乙つけがたし!なかなかこういう機会ないですよね!! しかし、日本人のムーティびいきを差し引いても、カーテンコールは、ひさびさの大盛況、はっきり言って前回スカラ座より盛り上がってました。イタリアに求める「らしさ」を指揮も歌手も超良質に仕上げてくれればイイんです!! 指揮:リッカルド・ムーティ演出:エイドリアン・ノーブル美術:ダンテ・フェレッティ衣裳:マウリツィオ・ミレノッティ合唱指揮:ロベルト・ガッビアーニシモン・ボッカネグラ:ジョルジョ・ペテアンマリア・ボッカネグラ(アメーリア):エレオノーラ・ブラットガブリエーレ・アドルノ:フランチェスコ・メーリヤーコポ・フィエスコ:ドミトリー・ベロセルスキーパオロ・アルビアーニ:マルコ・カリアピエトロ:ルーカ・ダッラミーコ伝令:サヴェリオ・フィオーレ侍女:スィムゲ・ビュユックエデス ローマ歌劇場管弦楽団ローマ歌劇場合唱団プロローグ、第1幕 15:00 - 16:40 休憩 第2幕、第3幕 17:10 - 18:102014(平成26)年5月25日(日)東京文化会館大ホールにて
2014年05月25日
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最終日、大好きなアンヌ・ケフェレックをメインに据えられました。 まずは昨日と同じトリオから。昨日に続く、ひたすら軽快なハイドンが心地よい。そしてラヴェルのピアノ三重奏曲の描く夢幻の幻想に圧倒されました。ピチカートから入っていき、ヴァイオリンとチェロとピアノがそれぞれ織り成す曲想は、フルオーケストラのように華やかで、かつエキゾチックな雰囲気。私はオリエンタルをイメージしました。こんな幻想的かつ壮大な三重奏曲があるんですね、たいへんすばらしかった! 361ハイドン:ピアノ三重奏曲第28番 ホ長調Hob.XV-28 第1楽章 アレグロ・モデラート 第2楽章 アレグレット 第3楽章 フィナーレ:アレグロラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 第1楽章 モデレ 第2楽章 パントゥム:アッセ・ヴィフ 第3楽章 パッサカイユ:トレ・ラルジュ 第4楽章 フィナーレ:アニメトリオ・カレニーヌ マリー=カトリーヌ・ジローのピアノソロ、ショパンとモシェレスを堪能しました。彼女はは本当にピアノが大好きなんだなぁという気持ちが溢れて伝わってきます。それを感じ取れたら、他に何も言うことなし、大満足です。362ショパン:ボレロ ハ長調 op.19モシェレス:スペイン・ロンドショパン:3つの新しい練習曲 KK II b-3 第1番 へ短調 第2番 変イ長調 第3番 変二長調モシェレス:性格的練習曲第1番 op.95-1「怒り」ショパン:即興曲第4番 嬰ハ短調 op.66「幻想即興曲」モシェレス:メランコリックなソナタ op.49ショパン:タランテラ 変イ長調 op.43ピアノ マリー=カトリーヌ・ジロー アンヌ・ケフェレックのピアノというのは、本当に不思議。音を奏でているのに(ピアノ・ソロ・リサイタルを聞いたときもそうでしたが)絵のようで、色彩をふんだんに感じます。凛としている感じもいいですよね。今回モーツァルトを知的かつ表情豊かに奏でてくれました、言うことなしです。しかし「ジュノム」の第3楽章、ロンド・フィナーレなのに、合間にメヌエットが出てきて、しかもまったく違和感ない。モーツァルトはまさに天才です。343モーツァルト:ディヴェルティメント 二長調 K.136 第1楽章 アレグロ 第2楽章 アンダンテ 第3楽章 プレストモーツァルト:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」 第1楽章 アレグロ 第2楽章 アンダンティーノ 第3楽章 ロンド:プレストアンコールヘンデル:メヌエット ト短調(W.ケンプ編曲)ピアノ アンヌ・ケフェレック横浜シンフォニエッタ指揮 ジョシュア・タン
2014年05月05日
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本日は前半はサロン雰囲気の小粋な演奏。後半はフィリップ・カサール、フィリップ・ジュジアーノという、知的に感情抑えてるのに、かえって情感伝わるという、大変私好みのプログラム堪能の1日でした。 朝一は、いかにもハイドンらしい、ひたすら明るいピアノ三重奏曲と、いかにもモーツァルトらしいオシャレで華やかなピアノ三重奏曲。曲調に、遥か昔のソナチネ練習を思い出してしまいました(笑)モーツァルトの第3楽章の変奏は、ピアノ・ヴァイオリン・チェロの組み合わせだとこんなに多様になるんですね~、よかった!261ハイドン:ピアノ三重奏曲第27番 ハ長調Hob.XV-27 第1楽章 アレグロ 第2楽章 アンダンテ 第3楽章 フィナーレ:プレストモーツァルト:ピアノ三重奏曲第2番 ト長調K.496 第1楽章 アレグロ 第2楽章 アンダンテ 第3楽章 主題と変奏:アレグレットトリオ・カレニーヌ モーツァルトの子供時代から晩年へかけて、順に手紙を朗読して、そのイメージに合ったモーツァルト歌曲を天羽明惠さんが歌う、ユニークな企画。オペラ「マティルデ・ディ・シャブラン」タイトルロール役のCDでしか聞いたことのないので、ぜひ生で聞きたかった天羽さんは、ベルベットのようなやわらかさのなかに力強さとやわらかさを感じます。モーツァルトのオペラがたいへんよく合いそう、今度聞いてみたいです。天羽さんの澄んだ声は、たいへん素敵でした! 262手紙からひも解くモーツァルト歌曲の世界モーツァルト:春への憧れ鳥たちよ、年毎に寂しい森の中ですみれ喜びは胸に躍りクローエに魔術師静けさはほほ笑みにルィーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき夕べへの想いアンコール春への憧れ 1番のみソプラノ 天羽明惠ピアノ 仲田淳也朗読 村上信夫 フランスの音楽教育家ナディア・ブーランジェが指導したアメリカ人作曲家の企画。ガーシュインのジャズと、コープランドのリズム&ブルースがよかった。ルネ・マルタンが企画しなきゃたぶん聞く機会ない楽曲を体験できました。263ナディア・ブーランジェ・トリビュートグラス:メタモルフォーシス ガーシュイン:3つの前奏曲 第1曲 変ロ長調 第2曲 嬰ハ短調 第3曲 変ホ短調 コープランド:4つのピアノ・ブルース 第1曲 きままなポエム 第2曲 甘さと物憂げ 第3曲 黙りと感覚 第4曲 はずみをつけてグラス:ウィチタ・ヴォルテックス・スートラ フィリップ・カサールでシューベルトの遺作ピアノ・ソナタを聞きました、いやぁすばらしかったです!病に冒された死の間際の遺作なのに、なぜか後半行くほど明るい曲調になる。でも希望の光には感じません。第3楽章スケルツォから第4楽章の凄まじさ!第3楽章スケルツォでいったん死の直前の覚醒を得ますが、第4楽章では、繰り返されるモチーフの明るさと合間の深刻さの交代が、死を目前ということを如実に感じます。モチーフはやがて半音づつさがって弱くなり、最後の力を振り絞った蘇生後に力尽きる。カサールの表現は大変知的で感情に流されないが、映像を見るようなイメージを感じる。強弱と緩急のバランス見事です。わたしが今まで感じていた、オーストリア人のシューベルトとまったく違う色彩と映像で表現されるイメージに大感動です。アンコールの即興曲はひたすら優しくて和みました。シューベルトを大得意とするピアニスト堪能です。よみうり大手町ホールという新しいホールも、音響効果よく、これから色々開催されて馴染むとかなりよくなりそうです。 284音楽の捧げもの〈最期の音楽〉シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調D960(遺作) 第1楽章 モルト・モデラート 第2楽章 アンダンテ・ソステヌート 第3楽章 スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ・コン・デリカッツァ 第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポアンコールシューベルト:即興曲 変ト長調D899-3ピアノ フィリップ・カサール シューベルトの余韻冷めやらぬまま、よみうり大手町ホールから有楽町国際フォーラムへもどり、今日のラスト、フィリップ・ジュジアーノのショパンに。1995年のショパンコンクール最高位者(1位なしの2位)は、知的でした。前奏曲24曲全曲を休みなしに一気に聞けるというのは、マニアックでふつうの演奏会だとなかなかないんですよね~ヴァリエーションに富む曲を感情に流されることなく、しかし杓子定規ではなく、余韻聞かせながらの表情に魅入られました。266ショパン:ノクターン 嬰ハ短調 KK IV a-16(遺作)ショパン:24の前奏曲 op.28ピアノ フィリップ・ジュジアーノ
2014年05月04日
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今年はまずは、フォーレのレクイエムから。フォーレも初めて、そしてミシェル・コルボもわたしは初めてです、いつもタイミング悪くてチケット取れなくて。フォーレは鎮魂の中でも、荘厳で讃えるというより、美しい楽園への誘(いざな)いというイメージをもちました。しかもコルボの指揮するローザンヌ声楽アンサンブル、ピアニシモがまたいい!冒頭、合唱のピアニシモは弦楽器かと思ってしまいました。ほんとうに美しく、聞き終わったあと、心が浄化(ピューリファイ)されるってこういうことかと体感できる、至上の音楽でした。143 フォーレ:レクイエムop.48アンコール グノー:「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」より終曲指揮 ミシェル・コルボソプラノ シルヴィ・ヴェルメイユバリトン ファブリス・エヨーズオルガン マルチェロ・ジャンニーニローザンヌ声楽アンサンブルシンフォニア・ヴァルソヴィア 次は、いろいろ珍しい曲目を積極的に紹介しているという、マリー=カトリーヌ・ジロー。今回はチェコの作曲家モシェレスの作品をいろいろ選んでいるようで、興味深いです。ショパンは異なった2曲を組み合わせた大変ユニークなもの。それにしても彼女のテクニックすごいです!モシェレスは七重奏曲というめずらしさに興味持ったのですが、仲間内で楽しむミニピアノ・コンチェルトという感じでした。まあしかし、ピアノが圧倒的存在感で、他は伴奏みたいというのはしかたないのかな。大変希有な演奏楽しみました。やっぱこういうの聞く機会って、ここじゃなきゃないですものね~。 134ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調op.22モシェレス: 七重奏曲二長調op.88 第1楽章アレグロ・コン・スピリート 第2楽章スケルツォ:プレスト 第3楽章アダージョ・コン・モート 第4楽章フィナーレ:アレグロ・コン・ブリオピアノ マリー=カトリーヌ・ジロークラリネット 山根孝司コントラバス 赤池光治フォル・ジュルネ・カメラータ ヴァイオリン アナ・ゲッケル ヴィオラ コランタン・アパレイー ホルン ニコラ・ラメズ チェロ ルイ・ロッドゥ 2002年リストコンクール満場一致で優勝のジャン・デュベのオール・リスト・プログラムラストの自身で編曲した、「19のハンガリー狂詩曲 第19番」に尽きます。超絶テクニックはもちろん、彼のピアノは大変情熱的で、甘さを感じます。リストはテクニックにハマりがちな一般ピアニストと大違い、まさに「現代のリスト」ですね!イングリット・フジコ・ヘミングの「癒し」音色(これはこれで衝撃でハマりました)のリストばかり聞いてきた私には、まさに当時のリストはこれで御婦人方を引き付けたんだろうなぁと想像する、大変カッコイイ音色でした。(見た目はかなりのオッサン体型ですが)途中のオリジナルのハンガリー狂詩曲は楽譜見ながら弾いてました。譜面見ながら弾くレベルのテクじゃないですから、たぶん編曲の方を弾きすぎて、オリジナル弾くには慎重になっているんだろうなあと理解してます。リストの神髄に触れた気分です、すごかった。155リスト ペトラルカのソネット第47番、第123番(巡礼の年 第2年「イタリア」より)リスト 19のハンガリー狂詩曲より 第1番、第4番、第18番リスト(デュベ編) 19のハンガリー狂詩曲より 第19番ピアノ ジャン・デュベ 今日の最後、シューマンのピアノ五重奏曲。名曲というのはピアノと弦楽奏団のバランスが大変よくて心地いいですね。第4楽章は、民族的なフレーズで、ドヴォルザークかと思ってしまいました。ピアノソロ以外の室内楽奏というのを聞く機会がほとんどないので、大変楽しめました。若手のカメラータの、特に第4楽章の掛け合いのコンビネーションがたいへんよかったです。 126シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調op.105 第1楽章 ミット・ライデンシャフトリッヒェン・アウスドリュック(情熱的な表情をもって) 第2楽章 アレグレット 第3楽章 レブハフト(生き生きと)シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調op.44 第1楽章 アレグロ・ブリランテ 第2楽章 イン・モード・ドゥナ・マルチア ウン・ポコ・ラルガメンテ 第3楽章 スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ 第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポピアノ クレール・デゼールフォル・ジュルネ・カメラータ ヴァイオリン 正戸里佳 ヴァイオリン クレモンス・ドゥ・フォルスヴィル ヴィオラ コランタン・アパレイー チェロ オーレリアン・パスカル
2014年05月03日
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イザベル・シアラヴォラは、まさに女優ですね。彼女の踊りにこんなにものめり込むなんて! 時間が経つのを忘れる、すばらしい舞台でした。 カーテンコールは、帰る人なく全員スタンディングで10分近く続いて、シアラヴォラはもう何度も何度も拍手に答えていました。心情訴えかけてくるバレエの舞台。テクニック云々ではない、叙情的な個性という、バレエの本質を初めて垣間見たような気がします。忘れてならない、相手役のマチュー・ガニオ。アルマン(オペラの椿姫のアルフレート)役まさに適任です。隣で話してるの聞こえてきたら、なんでも30歳ですでにオペラ座最年長男性エトワールなんだとか。大好きなショパンと二人のすばらしいエトワールに酔いしれた夜。春ももうじきです。 音楽:フレデリック・ショパン振付・演出:ジョン・ノイマイヤー(1978年)美術・衣装:ユルゲン・ローゼ照明:ロルフ・ヴァルター2006年6月20日パリ・オペラ座初演 マルグリット イザベル・シアラヴォラアルマン マチュー・ガニオデュヴァル氏(アルマンの父) アンドレイ・クレム(ゲスト・アーティスト)マノン・レスコー エヴ・グリンツテインデ・グリュー クリストフ・デュケンヌプリュダンス ヴァランティーヌ・コラサントガストン ヴァンサン・シャイエオランプ シャルロット・ランソン公爵 ローラン・ノヴィN伯爵 アドリアン・ボデナニーナ(マルグリットの侍女) クリスティーヌ・ペルツェー 指揮 ジェームズ・タグル東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団ピアノ エマニュエル・ストロセール、フレデリック・ヴェス=クニテール 2014(平成26)年3月22日 東京文化会館大ホールにて
2014年03月22日
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第一声でディーヴァのオーラに引き込まれました。テオドッシュウはまだまだ健在、すばらしいです。今回は日本のファンへのサービスとしてみれば最高のパフォーマンス。歌う役柄のイメージにあわせて5回着替えるし、ミミやカヴァレリア・ルスティカーナ、アンコール最後のプッチーニと3回も客席回って歌うし。特に最後は一番後ろまでぐるりと回ってくれて、わたしも目の前で声を感じて、やっばスッゲーなぁと感じ入ってしまいました。 メインは第一部のオテロのデスデモーナと第二部ラストのレディ・マクベスですね。気品と情感あふれるハマり役のデスデモーナに、テオドッシュウの秀でたドラマ性が反映するレディ・マクベスは、やっぱ聞き応えあり。 個人的に、今回の選曲に対しては、プッチーニはチケット売るためのプロモーターの戦略見え見えだなぁ、でも日本人好みのサービスしないとお客さん入らないンだろうなぁ、アンナ・ボレーナやルクレツィア・ボルジアとか歌ってくれないかなぁ、というところですが。。でも、1曲目運命の力の歌い出しで聴衆の心をすぐつかみ、さらに声がワンワン割れてしまうホールの特徴をすぐさま把握し、2曲目のオテロからは見事に対処し、ビアニシモをまんべんなく響かせるのは、本当にすばらしい、まさに貫禄です。 ここんところの来日オペラはいまいちだったので、ぜひ本領発揮でオペラに来ていただきたいです。 第一部運命の力 神よ、平和をあたえたまえオテロ 柳の歌~アヴェ・マリアラ・トラヴィアータ さようなら、過ぎ去った日よ仮面舞踏会 死にましょう、しかしその前にお願い〈休憩〉第二部ラ・ボエーム 私の名はミミラ・ボエーム ミミの別れ「あなたの愛の呼ぶ声に」トスカ 歌に生き、恋に生きカヴァレリア・ルスティカーナ ママも知るとおりマクベス 光は萎えてアンコール蝶々夫人 ある晴れた日にトゥーランドット 氷のような姫君の心もマスカーニ:友人フリッツ このわずかな花プッチーニ サルヴェ・レジーナ 2014(平成26)年3月2日 東京オペラシティコンサートホール
2014年03月02日
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指揮がデニス・ヴラセンコに変更でしたね、失念していました。名前は修正しましたが感想は変わらずです。--------------------シラグーザはおとといは不調と言われていましたが、今日はいつもどおりハイCバシバシ決めるし、サービス全開、「おもてなし」と日本語で言って笑いと拍手もらったり、万全でした。 金曜いらした方にはもうしわけないですが、シラグーザの良さでロッシーニ堪能です。 しかしそれよりも何よりも、引き付けられたのは光岡さんのアデルでした。 一幕のあの超難関技巧のアリア、歌いだしで彼女の奏でるコロラトゥーラと役どころのコミカルで大げさな嘆きがあまりにマッチしていて、ひょっとしてこれは凄いことに!と予感しました。アジリタは見事に転がす、それでいて技巧だけで訴えるのではなく、アデルの心情やコミックのおかしさも伝えてくる、いやぁすばらしかったです。 光岡さんは最初のインパクトが終演まで続きました。アンコールでは涙ぐんでいるようでした、本当にすばらしかったです。 シラグーザと光岡さんに加え、ランボーの森口さんもイゾリエの松浦さんも、歌手はみんなで楽しんで充実しているのが、伝わってきて、本当に楽しい舞台でした。 ヴラセンコはちょっとスピード感に欠けた指揮、今日は歌手たちにかなり助けられたのでは?でも押さえどころは良さそうなので、今後に期待です。 指揮 デニス・ヴラセンコ演出 松本重孝オリィ伯爵 アントニーノ・シラグーザアデル 光岡暁恵伯爵の教育係 彭康亮(Kang-Liang Peng)イゾリエ 松浦麗ランボー 森口賢二ラゴンド 吉田郁恵アリス 宮本彩音騎士 岡坂弘毅東京フィルハーモニー交響楽団藤原歌劇団合唱部 2014(平成26)年2月2日 東京文化会館大ホールにて
2014年02月02日
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すごいトスカでした。事前にお聞きしたとおり、オケがバックに徹してなんてものではなく、物語と一体化してすすんでいきました。 2幕の息をもつかせぬ迫力と緊張は今まで感じたことありません! プッチーニは聞く機会は多いけど、なかなかこれほどのものには当たらないです。しかも先週のヴェルディ「仮面舞踏会」と比べると、指揮者が別人ではないかと思うくらいの、印象やインパクトの違いにもびっくりです。 とにかく2幕の劇的に次々進む迫力に圧倒、ストーリーがわかっているのにこれだけワクワクドキドキの展開なんて、ひさびさです。わたしはスカルピアのラド・アタネリが一番気に入りました。本当に憎たらしい悪役に徹して、ノセダのドラマを一層盛り上げてます。ひさびさ感銘受けたスカルピアです。アルバレスはさすが。感情押さえ目でかえって激情が伝わります。まさに誇りをもった騎士でした。知名度的にも一番の拍手当然でしょう。 パトリシア・ラセット、もっと拍手受けてもよかったのではと感じます。感情起伏の激しさが、ノセダの音楽にミックスされて、ビンビン伝わってくる、渾身のトスカでした。 しかしイイ舞台はやっぱあるんですね~おいしいワインを飲めそうです。 指揮 ジャナンドレア・ノセダ演出 ジャン・ルイ・グリンダ トスカ パトリシア・ラセットマリオ・カヴァラドッシ マルセロ・アルヴァレススカルピア男爵 ラド・アタネリアンジェロッティ ホセ・アントニオ・ガルシア堂守 マッテオ・ペイローネスポレッタ ルカ・カザリンシャルローネ フェデリコ・ロンギ 看守 ジュゼッペ・カポフェッリ牧童 阿部昇真 2013(平成25)年12月8日 東京文化会館大ホール
2013年12月08日
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ノセダはエレガントに優雅に、このどろどろした愛憎劇をまとめていたと思います。やさしいのではない、この気品がたまらない。オケが繊細でバックに撤して歌手に歌わせるというあたりまえのことで、心に響いてくるんですね。 このあいだのネルロ・サンティ同様、ヴェルディは指揮者次第であることを改めて実感しました。 歌手はおおむねよかったのでは。 リッカルドのラモン・ヴァルガスは一番拍手もらってましたが、個人的にはまだ軽い感じで、それをカヴァーするために、ソロではちょっと感情過多と感じたところもありました。ラストは淡々と歌っていましたが、死ぬ間際はルチアのエドガルドっぽく感じたのは事実。 でも少しづつ役柄移行しているようですから、長く聞けることを期待。 アメーリアのオクサナ・ディカはわたしはよいと思ったのですが、会場拍手もヴァルガス、コルネッティの次(キャリアや日本での知名度的には仕方ないですね)、本人は出来に納得いかなかったのでしょうか、非常にあっさりしたカーテンコールでした。 ウルリカのマリアンネ・コルネッティは存在感ありますが、1幕2場しか出ないなら、他の出演者が出だし大変抑えめなところ、もっと爆発して盛り上げてほしかった。「なんか最初の方あっさりしてましたね」「これだけ長場なんだからあとに持ってくるわよ」なんて会話が帰りのロビーで聞こえてきてしまいました。 オスカルの市原さん、狂言回しのコロラトゥーラで活躍してました。レナートのヴィヴィアーニは派手さないけどきっちり役どころつかんで、けっこう印象残りました。 それぞれの有名なソロより、2幕の重唱や3幕1場の重唱の方が印象に残っているのは、ノセダが見せ場聞かせ場こころえている証と思います。 来週のトスカも楽しみです! 指揮 ジャナンドレア・ノセダ演出 ロレンツォ・マリアーニリッカルド ラモン・ヴァルガスレナート ガブリエーレ・ヴィヴィアーニアメーリア オクサナ・ディカウルリカ マリアンネ・コルネッティオスカル 市原愛シルヴァーノ フェデリコ・ロンギサムエル ファブリツィオ・ベッジトム ホセ・アントニオ・ガルシア判事 ルカ・カザリントリノ王立歌劇場管弦楽団、合唱団2013(平成25)年12月1日 東京文化会館大ホール
2013年12月01日
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派手さはないこのオペラで、序幕のオープニングが奏でられた瞬間、ワクワク感でいっぱいになりました。 ネルロ・サンティはすばらしいです!特に3幕・4幕、オケを抑え目にすることで、劇的な展開を表現していくことに、ヴェルディの神髄感じます。オケはでしゃばらす、場面転換や状況表現は前面に出てという、当たり前のことがやっぱ難しいのだということを実感。そしてその中で感情持たせるサンティの采配に改めて感服しました。 歌手はやっぱ、パオロ・ルメッツとグレゴル・ルジツキの低音二人がよかったです。終演後ひさびさ豊かな気持ちです。 NHK交響楽団第1766回 定期公演 Aプログラム指揮 ネルロ・サンティ シモン パオロ・ルメッツマリア/アメーリア アドリアーナ・マルフィージフィエスコ グレゴル・ルジツキガブリエレ サンドロ・パークパオロ 吉原 輝ピエトロ フラノ・ルーフィ射手隊長 松村英行侍女 中島郁子二期会合唱団 2013(平成25)年11月10日(日) NHKホールにて
2013年11月10日
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フォーゲルとコジョカルのカップルはまさに少年と少女でした。特にコジョカルのジュリエットはどんな場面でも、アクロバティックなリフトされてても、ロミオとの愛の場面でも、恋する少女です。すばらしいです!フォーゲルも、インタビューに答えていたとおり、若くて思慮が足りない、だからこそ情熱的なロミオでした。今表現できる良さがたいへんよく出ていたと思います。マキューシオとティボルトがハマり役で、おかげて2幕がスリリングで楽しかったこと。特にマキューシオは見るからに陽気なラテン系で、イイ雰囲気だしまくりでした。満席で、カーテンコールは10分以上続き、最後は全員スタンディングで、と大興奮で大満足です\(^o^)/ 指揮 デヴィッド・ガーフォース演奏 東京シティ・フィルハーモニック・オーケストラ ロミオ フリーデマン・フォーゲルジュリエット アリーナ・コジョカル マキューシオ アントニーノ・ステラティボルト ミック・ゼーニベンヴォーリオ クリスティアン・ファジェッティパリス マルコ・アゴスティーノキャピュレット公 アレッサンドロ・グリッロキャピュレット夫人 サブリナ・ブラッツォ 乳母 デボラ・ジズモンディロレンス修道僧 マシュー・エンディコットマンドリン・ダンス(ソロ) ヴァレリオ・ルナデイ3人の娼婦 ベアトリーチェ・カルボネ、エマヌエラ・モンタナーリ、アレッサンドラ・ヴァッサッロ ミラノ・スカラ座バレエ団2013(平成25)年9月22日(日) 東京文化会館
2013年09月22日
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今回のツアー絶好調のレオ・ヌッチ、楽日は一番のノリだったのでは?まさにヌッチ祭でした。とにかく2幕はすごい!今まで聞いたことのない迫力とすごみで、ヌッチのパワーに息を呑んで集中しました。こんなすさまじい「悪魔め、鬼め」なんて聞いたことない。これを体験できただけでも、今日聞いた甲斐があります。今回初日からずっと続けているのですね!「Si,vendetta」のアンコールは大興奮。思わずおきてしまった手拍子にも「シッ」と注意してくれる人がいて、マナー知らない一部の人にイライラしたファルスタッフとは大違い。もう~~~~気持ちよく聞けました。アンコールのジルダの3点Esではヌッチは歌わず、マリア・アレハンドレスをちゃんと引き立てています、パフォーマンスさすがです。 とにかくヌッチさまに体中しびれました。 マリア・アレハンドレス、ジョルジョ・ベッルージとも、サイトでいろいろ事前に見たほど悪くなかった。ノリノリのレオ・ヌッチの薫陶を十分受けたのでしょう。アレハンドレスは、リリコでたぶん年数経つとジルダ向きではないだろうが、恋する乙女の艶っぽさを声に感じました。ベッルージも真摯な感じがいい。もうちょっと経験積めばノーブルさがもっと出るように感じます。 グスターボ・ドゥダメルも、事前に言われたほど悪くないなぁと心地よく感じてました。聞いたほどがなりたてず歌手のバックになっているし、ちょっと焦って出てしまってもすぐ歌手に合わせるし。まぁ3幕の4重唱は今後の期待と割り切ることができましたので 去年、一昨年のグルベローヴァに次いで、桂冠名人レオ・ヌッチの至芸を直接味わえたのは、本当に幸せでした。 指揮 グスターボ・ドゥダメル合唱監督 ブルーノ・カゾーニ演出 ジルベール・デフロ再演演出 ロレンツァ・カンティーニ マントヴァ公爵 ジョルジョ・ベッルージリゴレット レオ・ヌッチジルダ マリア・アレハンドレススパラフチーレ アレクサンドル・ツィムバリュクマッダレーナ ケテワン・ケモクリーゼジョヴァンナ ジョヴァンナ・ランツァモンテローネ エルネスト・パナリエッロマルッロ セルジョ・ヴィターレボルサ ニコラ・パミーオチェプラーノ伯爵 アンドレア・マストローニチェプラーノ伯爵夫人 エヴィス・ムーラ廷吏 ヴァレリー・トゥルマノフ小姓 ロザンナ・サヴォイア ミラノ・スカラ座管弦楽団ミラノ・スカラ座合唱団ミラノ・スカラ座バレエ団 協力:東京バレエ学校 2013(平成25)年9月15日(日)13:00開演/NHKホール
2013年09月15日
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出演者が楽しんでやっているのが伝わってきました!そりゃぁ、バルバラ・フリットリ、ダニエラ・バルチェッローナ、ラウラ・ポルヴェレッリなんて御夫人方には、かなうはずありません。紳士方がちょっと迫力不足に感じましたが、まあ御夫人方にやり込められるのですから、仕方ないんでしょう。アンブロージョ・マエストリは、8月にオペラ座ライブ・ビューイングで見たのと比べると、生はずっとやさしく人間的な感じがします、やっぱ直接聞かないとわからないですね! イギリスが舞台の話ですが・・変な言い方ですが今日の舞台はイタリアのオペラ劇場が演ずるヴェルディなのに、たいへん「イギリスっぽく」感じました。指揮のハーディングがイギリス・オックスフォード出身だからでしょうか?「そうなんだぁ」という心境。 カーテンコールは全員はしゃいで、ハーディングは明け方のニュースを受けて、最後は2020年オリンピック招致ののぼりを持って出てきて笑いを誘いました。カーテンコールで一番イタリアを感じました(笑) 指揮 ダニエル・ハーディング合唱監督 ブルーノ・カゾーニ演出 ロバート・カーセン再演演出 ロレンツァ・カンティーニ サー・ジョン・ファルスタッフ アンブロージョ・マエストリフォード マッシモ・カヴァレッティフェントン アントニオ・ポーリ医師カイウス カルロ・ボージバルドルフォ リッカルド・ボッタピストラ アレッサンドロ・グェルツォーニフォード夫人アリーチェ バルバラ・フリットリ ナンネッタ イリーナ・ルングクイックリー夫人 ダニエラ・バルチェッローナページ夫人メグ ラウラ・ポルヴェレッリミラノ・スカラ座管弦楽団ミラノ・スカラ座合唱団 ◆上演時間◆ 第1幕、第2幕 15:00 - 16:30 第3幕 17:00 - 17:45 2013(平成25)年9月8日(日)東京文化会館大ホール
2013年09月08日
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デヴィーアは最初から最後まで完璧、圧巻は3幕でした。体だけでなく心も弱いヴィオレッタでした。常に誰かに支えていられないと生きていけない。だからアルフレードお坊っちゃんを支えなきゃならないときは幸せになれないんですね。3幕でアルフレードが見違えるように人間的成長して現われて、初めて頼れて幸せになれるはずが、時すでに遅し。ジェルモンの手紙を繰り返した後の「遅いわ!」の一言、突き刺さりました。 気高く、芯は強いヴィオレッタではなく、本当は弱いヴィオレッタ。デヴィーアは激しい感情表すことなく、抑え目な感情で、演出や指揮の要望どおりにみごとに演じて歌いました。 今の時代、こういうヴィオレッタの描き方って珍しいかも。グランヴィル医師が最初から最後までかたわらに付き添っていたのが印象的。特にデヴィーアには気丈なイメージを抱いていただけに、ちょっとビックリ演出です。音楽的にドラマティックに盛り上げてほしい場面も、じっくり聞かせるみたいになって、欲求不満になったのは事実。 堀内さんジェルモンとデヴィーアの2幕はなにものにも変えがたい。村上さんアルフレードは、今回人間的にどんどん成長していくストーリー。最後3幕でヴィオレッタを包み込めるようになりました。やっぱここのヴィオレッタとのやりとりよかったですね~[m:50] 指揮 園田隆一郎演出 岩田達宗ヴィオレッタ マリエッラ・デヴィーアアルフレード 村上敏明ジェルモン 堀内康雄フローラ 鳥木弥生ガストン 所谷直生ドゥフォール 三浦克次ドビニー 柿沼伸美グランヴィル 久保田真澄アンニーナ 家田紀子ジュゼッペ 山内政幸使者 江原実召使 秋本健藤原歌劇団合唱部東京フィルハーモニー交響楽団スターダンサーズ・バレエ団 2013(平成25)年9月5日(木) 新国立劇場オペラパレス
2013年09月05日
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楽しかったぁ~次から次へと、息つく間もなく展開していく舞台に圧倒され続けです。アリスと恋人ジャック(夢の中ではハートの騎士)は、キトリとバジルに似てるなぁと感じながら見てました。でもこの舞台、主役を盛り上げるサイドキャストが、たいへん個性的で愛すべき存在。なんといってもハートの女王のインパクト大。第3幕で「ローズ・アダージョ」のパロディを踊り終えた後は、割れんばかりの拍手と歓声でした。踊りのパートが多く、キャラクターとテクニック双方ないと見応えない役。普通憎まれ役のハートの女王を、あれだけ愛すべきコミカルな存在にした、ゼナイダ・ヤノウスキーはすばらしいです。マジシャン(夢の中では、いかれ帽子屋)のスティーヴン・マックレーは、3幕のタップダンスが圧巻。今日の出演者の中では、日本では一番名が知られてる存在だし、アビール度抜群でした。ローレン・カスバートソンの怪我が回復せず降板したステージ。今日のみの出演だったベアトリス・スティックス=ブルネは、たぶんカスバートソンとイメージが似てるのかもしれません。コケティッシュかつ繊細な表現、細かい動きが続くダンスをこなしていました。アリスは動きっ放しで、怪我治り切らないカスバートソンは無理なはずと納得。パートナーのルパート・ペネファーザーは、端正な二枚目ですが、今回は少しアピールに欠けていたかなぁ。まあ、カスバートソン配役で組まれたヤノウスキーやマックレーがいたのですから、頑張ったと思います。マチネですが、カーテンコールが20分くらい続き、最後は1階フロアはスタンディングで敬意払ってました、すばらしい公演でした!振付:クリストファー・ウィールドン音楽:ジョビー・タルボット 編曲:クリストファー・オースティン、ジョビー・タルボット アリス:ベアトリス・スティックス=ブルネルジャック/ハートの騎士:ルパート・ペネファーザールイス・キャロル/白うさぎ:エドワード・ワトソンアリスの母/ハートの女王:ゼナイダ・ヤノウスキーアリスの父/ハートの王:アラステア・マリオットマジシャン/いかれ帽子屋:スティーヴン・マックレーラジャ/イモ虫:エリック・アンダーウッド侯爵夫人:フィリップ・モズリー牧師/三月うさぎ:リカルド・セルヴェラ聖堂番/眠りネズミ:ジェームズ・ウィルキー料理女:クリステン・マクナリー召使い/さかな:ルドヴィック・オンディヴィエラ召使い/カエル:蔵 健太アリスの姉妹たち:リャーン・コープ、エマ・マグワイア執事/死刑執行人:ポール・ケイ3人の庭師:アクリ瑠嘉、サンダー・ブローメルト、ジェームズ・ヘイ不思議の国の登場人物たち:英国ロイヤル・バレエ団指揮:デヴィッド・ブリスキン東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団2013年(平成25年)7月7日 東京文化会館大ホール
2013年07月07日
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ヴィオレッタは、華やかさと気高さで覆い隠しているが、実は健康ではなく、弱くて暗い。テオドッシュウは一貫して演じていたと感じました。1幕は、テオドッシュウにしては息絶え絶えな高音やアジリタであったと感じたのは事実。でもヴィオレッタって、実は健康でないし、自立もしていないのですよね。だからアルフレードを養おうとしてもうまくいくはずないし。役作りとして妙に納得してしまいました。 特に2幕のジェルモンとのやりとりは、相手役のカルマンディという名バリトンだったこともあり、本当にすばらしかった!!テオドッシュウが歌うヴィオレッタの思いがひしひしと伝わります。アルフレードのフェルナンデスも、昨日のブリックナーに比べると、歌い慣れていて、細かい表現、仕草がハマってました。 昨日はエヴァ・メイの独り舞台で、メイが自分の思うところ余すところなく発揮、それだけインパクトは強かったですが、今日はテオドッシュウを軸にまわりが補完しあって作り出す世界。どっちも堪能できて幸せですヽ(´▽`)/ しかし・・・3階両翼席ごっそり空いてました。昨日は団体が入ってうまっていたみたいですけど、日曜より土曜のほうがやっぱ人気あるんですね。 指揮 ヤーノシュ・コヴァーチュ演出 アンドラーシュ・ベーケーシュヴィオレッタ ディミトラ・テオドッシュウアルフレード ヤベ・トメ・フェルナンデスジェルモン ミケーレ・カルマンディハンガリー国立歌劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団2013(平成25)年6月23日 東京文化会館大ホール
2013年06月23日
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エヴァ・メイ目当てです。期待どおりでストレス発散。表現や表情が抜きんでてます!アルフレードやジェルモンも(最近歌われるカヴァレッタは抜きでしたが)けっこうよかったです。とくにジェルモンは威厳と父親愛の暖かさを感じました。大きな拍手もらっていて、うれしそうでした。でも、当然のことながら、やっぱメイのヴィオレッタの世界にハマります。特に弱音で表現する嘆きが本当にすばらしかった。今回は3幕がとくにすごかった。愛の渇望、かなえられない絶望、再会の陶酔的な喜び、生きることへの急激で壮絶な執着。いやぁ引き付けられっぱなしです。オペラグラスで見る、髪振り乱した表情もすごい! エヴァ・メイの鈴の音のような心地よい高音が大変お気に入りです。で、コロラトゥーラはキレがあるというより、聞いていると癒されて心が豊かになるという類と感じてました。この間のソロリサイタルでは、ふくよかで暖かみが増してきたなぁと感じましたが、今回のヴィオレッタはそういった年を経た声の変化を、表情付けにたいへんうまく転嫁させてるなぁと感じます。メイのオペラが久々に聞けた、良き日でした。指揮 ドモンコシュ・ヘヤ演出 アンドラーシュ・ベーケーシュヴィオレッタ エヴァ・メイアルフレード サボルチャ・ブリックナージェルモン アナトリー・フォカノフハンガリー国立歌劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団2013(平成25)年6月22日 東京文化会館大ホール
2013年06月22日
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アニエス・ルテステュのガランス、エレガンスと妖艶が新鮮だった!情念も交じった女がすばらしかった!ステファン・ビュリオンのバチストも、純な感じとガランスへの未練と魅せてくれました。重たい話だけど、気持ち良い締め括りにしてくれたのは、コケテイッシュな回りの人々です。最後、謝肉祭パレードは、いろんな思いなんてどうでもいいじゃない、個々には大きいと感じるかもしれないけど、流れの中じゃたいしたことないと、哲学を感じてしまいました。2幕最初は、新作の練習という設定でバレエ・テクニックを堪能させてくれたりと、落としどころわかってます。開幕時や、中幕時のパフォーマンスとか、会場にいることで楽しめる舞台、最高でした!2013(平成25年)6月1日 東京文化会館大ホールにて
2013年06月01日
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今日はコルボにはじまり、たいへん特徴深い希有な演奏に接することができました。 245 聖なるパリソプラノ アンヌ・モンタンドンメゾ・ソプラノ セシル・マシューテノール マティアス・ロイサーバリトン ジャン=リュック・ウォーブルローザンヌ声楽アンサンブルローザンヌ器楽アンサンブル指揮 ミシェル・コルボデュリュフレ グレゴリオ聖歌による4つのモテット op.10グノー レクイエム ハ長調(1893)アンコールグノー 十字架上のキリストの最後の7つの言葉グノーの半音階の出だしし、まるでサスペンス・ドラマのようでミステリアス。でも歌が始まるととにかく美しい旋律が続きます。バッハのような重厚ではないけど、でもドラマティックで、私はオペラの一場面のように感じました。しかしレクイエムとしてまとめあげるコルボはすばらしいです。 267 20世紀パリ 音楽の冒険(Dプロ)アンサンブル・アンテルコンタンポランヴァイオリン ジャン=マリー・コンケルフルート ソフィー・シェリエオーボエ ディディエ・パトークラリネット ジェローム・コンテピアノ 水野英樹 プーランク オーボエ・ソナタ 1 悲恋 2 スケルツォ 3 嘆きブーレーズ フルート・ソナチネマヌリ ミシガン・トリオ(クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための)オーボエ・ソナタはいわゆる古典のソナタと違い、快活で陽気でひたすら楽しい。そのあとの現代フランス音楽は衝撃でした。解説にも書いてありましたが、まるでシェーンベルクのようにピアノとフルートがうねるブーレーズは迫力あった。そして、本当に電子音を楽器で表わしている感のマヌリ。ピアノの大きく開けた弦に向かってクラリネットを鳴らして共鳴させたり、ただただ圧倒でした。終演後、置いてある楽譜にみんな寄ってきました、普通の音符の楽譜なんでまたまたびっくり!奥が深いです。 268ギター パブロ・サインス・ビジェガスアルベニス アストゥリアス(スペイン組曲op.47より) タレガ アルハンブラの思い出ロドリーゴ 祈りと踊り~ファリャへのオマージュタレガ アラビア奇想曲ヒメネス 「ルイス・アロンソの結婚式」よりアンコールTango en Skai by R.Dyens パブロ・サインス・ビジェガスは、今スペインでは、カリスマ性と実力人気ある若手スペイン・ギターのギタリストのようです。神が降りてきました。私は運良く一列目正面でしたが、弾いてる手は普通で、なんであんなアンサンブルの音色が出るのかわからないです。つまびく指が全部違う動きしているんでしょうね。一本のギターを右手と左手両方で弾いてるみたい。しかも、アコースティックなのに、エレキギターのような余韻が聞こえたり、もう信じられないことだらけ!最後のヒメネスのルイス・アロンソの結婚式の間奏曲なんて、弦楽奏団です。すごかった。この100人程度の会場で、ブラヴォーが響き渡り、22時近くと遅いのにみんな帰らず拍手が鳴り止まず。いかに感動したかです。もちろんテクニックだけではありません。目をつぶりながら思いをこめて奏でる音色は心に響きます。わたしは目の前にスペインの日差しと水(川や池)を思わずイメージしました。アンコールのタンゴはなんとおしゃれ!洒落た酒場をイメージします。つぶやきにも、写真アップしましたが、結局私が聞いたなかで一番のお勧めのプレイヤーでした。絶対日本でも、女性受けするんで、人気でますよ。わたしは二日間だけですが、チケット取れた演目、どれもよかった、運の良さを感じざるをえません。
2013年05月04日
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今日はフランステイスト3公演を堪能しますまずは、132 パリのバロックピアノ イド・バル=シャイクープラン作曲さまよう亡霊たち(第25組曲5)神秘的な女(第25組曲2)収穫をする人々(第6組曲1)心地よい恋やつれ(第6組曲2)タンブラン(第20組曲8)神秘的なバリケード(第6組曲5)ロジヴィエール(第5組曲1)子守唄、またはゆりかごの中のいとし子(第15組曲2)葦(第13組曲2)煉獄の魂(第13組曲5)修道女モニク(第18組曲3)嘆きのほおじろ(第14組曲4)騒がしさ(第18組曲4)クープラン(第21組曲3)ティク-トク-ショック、またはオリーブ絞り機(第18組曲6)アンコールクラヴサン曲集第3巻 第14オルドルから「恋のうぐいす」クープランは装飾音の多さがバロックテイストですが、バル=シャイはそれを詩情たっぷりに表現するので、リストやショパンのように感じました。ほんわかしたバロックがフレンチ・ア・ラ・カルトなんですね。 153フルート ジュリエット・ユレルハープ 吉野直子プラジャーク弦楽四重奏団ドビュッシー シランクス(フルートソロ)ルーセル フルート、ヴィオラ、チェロのための三重奏曲 1.Allegro grazioso 2.Andante 3.Allegro non troppoルーセル エルペノールop.59(フルートと弦楽四重奏団)ドビュッシー 神聖な舞曲と世俗的な舞曲(ハープと弦楽四重奏団) 森と風と日差しと田園でした。ドビュッシーやルーセルの色彩を表す根幹に触れた感じです。半音階を奏でるフルートが和的でエキゾチックな不思議なテイストです。最後のハープは本当に楽しくウキウキしました。 154ソプラノ アンドリーア・ソアレピアノ フィリップ・カサールビゼー アラビアの女主人の別れビゼー 愛の歌マスネ 夕日デュパルク 戦いの起こった国へドビュッシー 歌曲集「忘れられたアリエッタ」 1 やるせない夢心地 2 巷に雨がふるごとく 3 木陰にて 4 回転木馬 5 緑(グリーン) 6 憂鬱フォーレ 月の光ドビュッシー 月の光ラヴェル 歌曲集「シェエラザード」 1 アジア 2 魔法の笛 3 つれない男アンコールマスネ ギター当初の曲順変えたようで、アラビアではじまり、アジアを歌うシェエラザードで締めたプログラム構成は正解。アンドリーア・ソアレは、高音は溌剌と明るいのですが、中低音はどっしり暗めの歌声で、たいへん表情豊か。きっとマスネのマノンや、椿姫ヴィオレッタとか、明るさと個性と両方求められる役とかおもしろそうな気がします! 日本で、フランス音楽ってなかなか広く接する機会ないので、今日はバロックや近代、歌曲と、ふだんあまり接することない曲のライブに触れて、たいへん心は満足しています!とくに、ドビュッシー、ルーセル、ラベルという19世紀終わりから20世紀初頭は、和のテイストをビンビン感じて、絵画もそうですけど、アジアの衝撃ってやっぱエキサイティングだったんだなぁと改めて感じた1日でした。
2013年05月03日
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今回メインは、シューマンの謝肉祭「4つの音符による面白い情景」作品9 やっぱり、知的で、後半行くほどテンションあがる、バランスよい演奏でした。 去年聞いた「展覧会の絵」と同様、音色で本当に情景が浮かびます。 テクニックと撫でるような癒しの音色の相乗効果、そしてシューマンもフジコ・ヘミングの世界で弾いてしまうこと、やっぱすごいなぁしか出できませんでした。 至福の時間でした! アンコールもお気に入りのベートーヴェン、テンペスト第三章を弾いてくれました。荒れくれてない、極めて知的なベートーヴェンで満足度アップです。 J,S,バッハ 主よ、人の望みの喜びよ シチリアーノ フルート・ソナタ第2番変ホ長調 第2楽章 R.シューマン 謝肉祭「4つの音符による面白い情景」作品9 前口上 ピエロ アルルカン(道化役者) 高貴なワルツ オイゼビウス フロレスタン コケット 返事(応答) 蝶々(パピヨン) A.S.C.H.-S.C.H.A.~踊る文字 キアリーナ ショパン エストレラ 再会(めぐりあい) パンタロンとコロンビーヌ ワルツ アルマンド(ドイツ風ワルツ) 間奏曲(パガニーニ) 告白 プロムナード 休息 ペリシテ人と戦うダヴィッド同盟の行進 -休憩- S.V.ラフマニノフ 13の前奏曲 作品32より 第5番ト短調 F.ショパン 幻想即興曲 ノクターン 第20番嬰ハ短調「遺作」 エチュード 作品25番第11番イ短調「木枯らし」 F.リスト ため息 泉のほとりで ラ・カンパネラ -アンコール- ベートーヴェン テンペスト第3楽章 2013(平成25)年4月6日 紀尾井ホールにて
2013年04月06日
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出ずっぱりテノール、リッカルドの笛田さん、終わりまで持つのかなと当初思いましたが、ああいう歌い方なんですね。テンション保って3幕アリアを朗々と歌い上げたのですから、すばらしいです。今回はあえて若手の方の日に来たのですが、なんか久々メイン4人のイイ声に接してイイ気分です。 そりゃあ、最初は緊張しますよね。1幕最初は指揮も歌手もちょっとぎこちなかったかなぁ。でもウルリカの牧野さんがパンチ放ちました。決して派手ではないですが、低音もずっしり響いて、大変な凄味を感じます。ワンシーンだけなのに、かえって印象つける、理想のウルリカ。ヴェルディのメゾを色々聞きたいです。 牧野さんは、やっぱ2幕のアメーリアとの最後のデュエットの苦悩が印象的です。忠義から復讐に翻ってしまう苦悩がありあり出ていてよかった。 アメーリアの廣田さんは、すばらしかった!最初、アメーリアにはちょっと声が細いかなぁとか感じましたが、慈愛に満ちた声が訴えかけてきます。心にズシッと響いてくる歌声は感動しました。 指揮の柴田さんも、淡々としながらノッてきましたね~オスカルのオクサーナ・ステパニュックの装飾音符が彩りになって心地よかったです! 指揮 柴田真郁演出 粟國淳リッカルド 笛田博昭 レナート 牧野正人アメーリア 廣田美穂ウルリカ 牧野真由美オスカル オクサーナ・ステパニュックシルヴァーノ 羽渕浩樹サムエル デニス・ビシュニャトム 伊藤貴之判事 狩野武召使 真野郁夫暗殺団 田中大揮、別府真也、前田進一郎、和下田大典藤原歌劇団合唱団東京フィルハーモニー交響楽団2013(平成25)年2月11日 東京文化会館大ホール
2013年02月11日
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ジョイス・ディドナートは素晴らしかったです。ただやっぱ演出というか、この作品やるにあたっての基本コンセプトに、たぶんアメリカでウケるにはこうするんだなぁと、少し悲しく感じたのは事実。幕間の総裁、演出、美術の対談では、明らかに「リアリズムの追求」と言っていました。ドラマチックで見応えある舞台作りにはなったけど、ベルカントじゃないなぁと、かなり許容範囲広い私でも感じました。リアリズム追求だから、エリザベッタもコララトゥーラ部分も歌えるスピント系なんですね。南アフリカ出身の新人、エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーは、この演出においてはぴったりの人選。これをチャンスにドラマティックの分野で伸びていくでしょう。それと、指揮者へのインタビューはないから、音楽作りより舞台の見映えのほうが中心なんですね。 グルベローヴァやデヴィーアの、CDやDVDでしかこの作品観賞したことないのですけど、メゾのディドナートを、CDならともかく天下の大舞台のタイトルロールに持ってくること自体、かなりの独自性アピールですよね。でも、思うことは、ネトレプコで聞かなくて良かったということです。作品自体は見て、聞けてたいへん良かったと思います。手軽に見られるからこその辛口感想になりましたf^_^;)
2013年02月10日
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やっぱシラグーザは素晴らしい、期待どおりのネモリーノ。シラグーザの歌声は音符が見えるようです。弱になろうとアップテンポになろうと、一音一音クリアで、しかもビロードのようにやわらか。本当に心地よい。発するものすべてを受けとめることで、心が満たされます。ベルカントの雄、たいへん堪能しました。大満足です。 きびしい意見も見ました、アディーナのニコル・キャベルですが、わたし的には意外とよかったです。アディーナの声質かと言われればもちろんクエスチョンマークですが、高慢で世間知らずな田舎娘の雰囲気をよく出していたと感じます。何より全編落ち着いてきちんと歌う真摯な感じが、最後のアディーナのネモリーノに対して抱く気持ちと重なって共感できました。 で、これは、今日は着実に淡々と振った、指揮のジュリアン・サレムクールの采配によるところが大きいのかなとも思いました。サレムクールは、事前のコメントとかで見た、ノッて感情こもる感は今日はあまり感ぜず、どちらかというと知的にすすめていたように感じました。自分が熱くならない分、歌手にお任せするという感じです。まあうまくこなしといたと思います。 愛の妙薬は、イカサマ師のドゥルカマーラがうまいかどうかで、舞台の出来が決まるとわたくしは感じているのですが、今回のレナート・ジローラミは期待を満たしてくれました。最後アディーナを包み込んであげるような感じになりながら、結局世間をうまく回るイカサマ師でした、というオチをうまく演じています。ベルコーレの成田博之さん、ジャンネッタの九嶋香奈枝さんも、個性が出ていてよかった。なんといっても明るくファッショナブルな舞台が見る人の気分を楽しくさせてくれました!あと、今日のオケ、金管と太鼓が気持ち良かった(^^)v 指揮 ジュリアン・サレムクール演出 チェーザレ・リエヴィ美術 ルイジ・ペーレゴ衣装 マリーナ・ルクサルドアディーナ ニコル・キャベルネモリーノ アントニーノ・シラグーザベルコーレ 成田博之ドゥルカマーラ レナート・ジローラミジャンネッタ 九嶋香奈枝新国立劇場合唱団東京交響楽団チェンバロ 石野真穂2013(平成25)年2月3日 新国立劇場オペラハウスにて
2013年02月03日
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ヘンデルのパッサカリアが始まったときから、海岸の砂浜で、遠く水平線のかなたに太陽が反射してきらめくのを、静かにおだやかに見ている自分をイメージしました。ドビュッシーの映像の「水に映る影」につなかり、アンコールのショパンまで、ずっとそんな心地が続いてます。 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンには毎年来ているのに、実際に聞いたのは初めてのケフェレック。わたしを、こんなにやさしく、穏やかな気持ちにさせてくれた、ある意味衝撃の音色でした。 やっぱ前半最後の、ベートーヴェンの月光ソナタが秀逸。ベートーヴェンって感情的というより理屈っぽくなりがちなイメージですが、そういった面は残しつつやさしく、上品で穏やかなオブラートでつつまれてます。大感動です。 後半のフランスものも、ちょっと羽目外しがちな展開を、品の良さで抑えている感じ。 そしてアンコールは、あくまでやさしく上品な、でも気取ってないという、わたしが今まで接したことのないショパンでした。こんなやさしくて素直な気持ちになれるなんて、ケフェレックはやっぱりすばらしいです。 ヘンデル パッサカリア ト短調HWV432J.S.バッハ(ブゾーニ編) コラール前奏曲「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659aA.マルチェッロ(バッハ編) オーボエ協奏曲 二短調よりアダージョヘンデル(ケンプ編) メヌエット ト短調HWV434J.S.バッハ(ヘス編) カンタータ「心と口と行いと命もて」BWV147より「主よ、人の望みの喜びよ」 ヘンデル シャコンヌ ト長調HWV435ベートーヴェン ビアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調Op.27-22「月光」 休憩ラヴェル 古風なメヌエットラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌドビュッシー 映像 第1集(水に映る影、ラモーを讃えて、運動)ドビュッシー 映像 第2集(葉末を渡る鐘の音、そして月は廃寺にかかる、金色の魚)アンコールサティ 「3つのグノシェ」よりショパン 幻想即興曲2012(平成24)年12月8日 東京文化会館大ホール
2012年12月08日
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マリンスキー・バレエのラ・バヤデールを見てきました。 今日は新人のオクサーナ・スコーリクがニキヤ。とにかく手足長!脚が180度に頭のはるか上に上がるんですから。おまけに体重を感じないジャンプ. イメージ的にはクールビューティな感じで、ジゼルとかドハマりそうな、ぜったいスターになります。 ソロルのウラジーミル・シクリャローフはすごいですね!ジャンプの高さは驚愕です。しかもふわっと飛んじゃうんですからねぇ。 マリンスキーはコールドに至るまで、美しいのが素晴らしい。しかも全員ジャンプでドスンと響かない。まぁ超一流プリンシパルには当然でも、全員が全員そうだともうすごいとしか言えないですね。 で気分良く帰って、ブリのコンフィーにしたんで、当然シャンパンです。 フランク・ボンヴィル、今年のノーベル賞受賞パーティで2005ミレジャンが採用されて一躍有名になった酒蔵家。これは、エクストラ・ブリュットですがブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)でミネラル感あふれていながら、エレガントでもう気持ちよく飲んじゃいます(><)
2012年11月25日
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やっぱデセイの狂乱はすさまじいです。今日はグラスハーモニカで、幻想的な雰囲気になり、テンションアップ。デセイの歌は、絵が情景が見えます。音楽だけど、耳からだけでなく視覚的な印象を与えてくれる不思議さが、わたしがデセイにのめり込む理由のひとつです。 細かいこと言えば、そりゃでてきます。直前のエドガルド変更で、私の大好きな場面の、泉の場の二重唱の、探り探りな感じや、ゲルギエフの指揮がやたらせかせかしてるとか。(このあとサイン会もあったみたいだし、開演が押したんで21時40分終演予定が50分になりますとなんどもアナウンス入った・・・)でも全員スタンディングで何度も呼び寄せてカーテンコールしたことに、わたしは大部分の人の正直な感想があると思います。 強烈なブーがいました。出演者もコーラスも全員譜面見ていたからですかね~わたしはその点はあまり気にしないので。 正直、今日のデセイは「香炉はくゆり」で超高音ださなかったし、ちょっと咳き込んで「苦い涙」に入りましたから、体調悪かったんだと思います。それでもあの臨場感とインパクトはやっぱすごい! ゲルギエフ指揮で同じ共演者で、舞台で演出ついたのはもっとすごくなるだろうに、やってくれないかなぁと思いました。 エドガルドの代役、エフゲニー・アキーモフ、よかったです。まだ勢いでいってしまい、最後の祖先の墓よは、少々力んだ感ありましたが、でも場を積めばエレガントになりそうです。ライモンドとアリーサは実直で役柄そのものだったし。エンリーコは、ドン・カルロのロドリーゴが合いそう、今は一族トップよりナンバー2という雰囲気に感じてしまいました。ロシアの人材おそるべし!です。 指揮 ワレリー・ゲルギエフマリインスキー歌劇場管弦楽団ルチア ナタリー・デセイ(ソプラノ)エンリーコ ウラジスラフ・スリムスキー(バリトン)エドガルド エフゲニー・アモーキフ(テノール)アルトゥーロ ディミトリー・ヴォロパエフ(テノール)ライモンド イリヤ・バンニク(バス)アリーサ ジャンナ・ドムブロフスカヤ(メゾ・ソプラノ)ノルマンノ 水口聡(テノール) グラス・ハーモニカ サッシャ・レッカート新国立劇場合唱団2012(平成24)年11月12日(月)サントリーホールにて
2012年11月12日
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ウィーンの気品を漂わせながら、これでもかと押し迫るド迫力アンサンブル。進むごとにノッてきて、オケと歌手を融合させて、観客をどんどん引き付けるペーター・シュナイダーは、すごい、お見事としか言えません。ひさびさフィガロ&モーツァルト堪能です!とにかく楽しかった!! とにかくシュナイダーに魅せられました。本当のフィガロのアンサンブルは、こんな迫力とエネルギーの爆発なんですね~2幕終わりのスザンナが衣裳部屋からでてきたあたりから、どんどん人が増えていくアンサンブルの迫力には、いまを忘れて引き込まれていきました。 そして歌手は実際に聞いてみなきゃわかりません!! カルロス・アルバレスの威厳と気品に満ちたアルマヴィーヴァ伯爵バルバラ・フリットリの物憂げでありながらひたすら美しい伯爵夫人アニタ・ハルティッヒの快活でひたすら明るいスザンナアーウィン・シュロットの男らしく楽しく機知にとんだフィガロマルガリータ・グリシュコヴァの華やかでまさに女の子みたいなケルビーノその他共演者も、全員に引き込まれました。みんながいいと、オケがいいと、指揮者がいいと、相乗効果で期待以上に聞かせてくれる、まさに実例です。 今回特に惹かれたのは、ケルビーノのマルガリータ・グリシュコヴァです。華やかで明るくて、男っぽくないところがかえって役にハマります。 アニタ・ハルティッヒのひたすら明るくてスザンナ役そのものだったのも、印象的です。 ウィーンの気品とエネルギーに心が満たされました。 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲「フィガロの結婚」 指揮 ペーター・シュナイダー演出・美術 ジャン=ピエール・ポネル合唱監督 トーマス・ラング アルマヴィーヴァ伯爵 カルロス・アルバレス伯爵夫人 バルバラ・フリットリスザンナ アニタ・ハルティッヒフィガロ アーウィン・シュロットケルビーノ マルガリータ・グリシュコヴァマルチェリーナ ドンナ・エレンバジリオ ミヒャエル・ロイダードン・クルツィオ ペーター・イェロシッツバルトロ イル・ホンアントニオ ハンス・ペーター・カンメラーバルバリーナ ヴァレンティーナ・ナフォルニータ村娘 カリン・ヴィーザーウィーン国立歌劇場管弦楽団ウィーン国立歌劇場合唱団全4幕第1幕(転換)第2幕 15:00 - 16:50 第3幕(転換)第4幕 17:15 - 18:402012(平成24)年10月28日(日)神奈川県民ホール
2012年10月28日
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やっぱグルベローヴァすっげぇわ!感服しました。 共演陣のすばらしさ、チーム力のすごさは、さすがウィーン! このオペラ、特に1幕は場数が多くて、そのたび設定や歌手が入れ代わりで、(わたしは)どうしても集中力途切れてしまいがちです。ピドは非常にうまく運んでいたと思います。 グルベローヴァさま、もうすごいとしか言えません。 去年のロベルト・デヴリューの、役柄を超越した圧倒的存在感を見ただけに、歌唱的にはより技巧が多いアンナ・ボレーナは本当に歌い切れるのかなぁと思っていたのは事実。 素人の浅はかさな考えでした。 ディーバさまにたいへん失礼であったと反省。 超高音もアジリタも、目の前に迫ってきます。 CD聞いているみたいな完璧さです。それに直に聞く凄味が加わって、こんな経験できることに感謝。 グルベローヴァ、いちいちコメントなんかいりません、とにかく全部を受けとめて、体中心の奥底まで声の振動響き渡りました。 とくに、有名なAl dolce guidami「わたしの生まれたあのお城につれていって」は、もうすばらしいとしか言えない。桃源郷に誘われた心地です。 そしてcoppia iniquaラストで3点Esをこれでもかと引っ張って、もう言うことなし。 オペラグラスで覗いた表情が真に迫っていました。 さすがウィーン、共演陣すばらしかった。 まずはジョヴァンナ・シーモアのソニア・ガナッシ。2幕のアンナとの二重唱は本当によかった。 歌唱的には去年より存在感ありました。 エンリーコ8世のルカ・ピサローニは物憂げなバスをずっと響かせてよかった。 今回オススメはスメトンのエリザベス・クールマンです。 澄んだ歌声がたいへん印象的です。 グルベローヴァの最後の思いに、ウィーンのチーム力が加わって、本当にすばらしい舞台でした。 直後から会場全員スタンディングオベーション、みんな帰らず20分つづいたのは、グルベローヴァへの日本最後のはなむけだけでは、ありません! ガエターノ・ドニゼッティ作曲「アンナ・ボレーナ」 指揮 エヴェリーノ・ピド 演出 エリック・ジェノヴェーゼ 美術 ジャック・ガーベル、クレア・スターンバーグ 衣裳 ルイザ・スピナテッリ 照明 ベルトラン・クールデル 合唱監督 トーマス・ラング エンリーコ8世 ルカ・ピサローニ アンナ・ボレーナ エディタ・グルベローヴァ ジョヴァンナ・シーモア ソニア・ガナッシ リッカルド・パーシー卿 シャルヴァ・ムケリア ロシュフォール卿 ダン・ポール・ドゥミトレスク スメトン エリザベス・クールマン ハーヴェイ カルロス・オスナ ウィーン国立歌劇場管弦楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーン国立歌劇場舞台上オーケストラ 全2幕 第1幕15:00 - 16:35 第2幕17:00 - 18:30 2012(平成24)年10月27日(土) 東京文化会館大ホールにて
2012年10月27日
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私なりのかなり勝手な解釈と感想。グン=ブリット・バークミンのサロメは、狂気の表情を浮かべるが、最後は「少女」でした。少女だからこその、思い込みの狂気。まさに現代社会に通じるサロメです。10代で妖艶というよりも私には受け入れやすかった。 登場早々、ナラボートにヨカナーンのことを聞き、一途に思い込んでしまうのが、まさに少女。サロメにとってヨカナーンは韓流スターやジャニーズの度合いなのです。ふだん周りにいない異質なものだから入れ込んでしまった。わたしはサロメにはこれまで、興味を持った男は全員自分に興味を持たせたいタイプとイメージしていました。井戸から出た「大人」のヨカナーンは、なんだこのわけわかんない小娘、という理由で相手にしないのでは?世間知らずでわがままな「少女」だからこそ、目の前の「アイドル」ヨカナーンへの思い入れインパクトが半端じゃない。 ヘロデ王とヘロディアスが登場するまでのサロメのハイテンションすごかったです。ナラボートを嫉妬で自殺させてしまうのも、妖女にまどわされたというより、見切り付けたという感じ。 ヘロデ王とヘロディアスが、キャラ設定ぴったりでした。ヘロデ王のルドルフ・シャシンクは、シャイー指揮リゴレット画像のパヴァロッティに似た、いかにも好色そうな王様。ヘロディアスは、イメージ的には「奥さまは魔女」のエンドラ役のアグネス・ムーアヘッドっぽい、きつく怖そうな感じ。二人とも最後、ヨカナーンの首に愛おしく絡みつくサロメに完全に引いちゃってます。 バークミンは後半のほうは抑えた感じでしたが、だからこそ、普通の少女がはまりこんでしまった狂気を感じますサロメは、ヨカナーンを手に入れた夢見心地のままヘロデ王の命令で殺されてしまいましたが、あれだけ好き放題したのだから当然というのではなく、このままたぶん少女から成長しないであろうサロメにとっては、幸福だったんじゃないのか?これでよかったんだと妙に納得してしまいました。 妖女ではなく、純真ゆえ思いこんでしまう少女だったんだと感じたサロメでした。 バークミン出ずっぱりおみごとです。シュナイダーは非常にバランスよく、結局2時間近くのめりこませていただきました、すばらしいです。 指揮:ペーター・シュナイダー演出 :ボレスラフ・バルロク美術:ユルゲン・ローゼヘロデ:ルドルフ・シャシンクヘロディアス:イリス・フェルミリオンサロメ:グン=ブリット・バークミンヨカナーン:マルクス・マルカルトナラボート:ヘルベルト・リッペルト小姓:ウルリケ・ヘルツェル第1のユダヤ人:ヘルヴィッヒ・ペコラーロ第2のユダヤ人:ペーター・イェロシッツ第3のユダヤ人:カルロス・オスナ第4のユダヤ人:ウォルフラム・イゴール・デルントル第5のユダヤ人:アンドレアス・ヘール第1のナザレ人:アルマス・スヴィルパ第2のナザレ人:ミハイル・ドゴターリ第1の兵士:アレクサンドル・モイシュク第2の兵士:ダン・ポール・ドゥミトレスクカッパドキア人:ヒロ・イジチ奴隷:ゲルハルト・ライテラーウィーン国立歌劇場管弦楽団2012(平成24)年10月14日 東京文化会館大ホール
2012年10月14日
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エヴァ・メイのリサイタルに行ってきました!髪はシルバーでアップのショート、オレンジのドレスで華やかさは出すも、全体的に「お母さん」っぽくなったなぁというのが登場の印象です。(おばさんではありません!第1部はゴルディジャーニの「トスカーナ民謡集」とロッシーニの歌曲、ロッシーニは「イタリア・サロン歌曲集」で聞いたことある曲がありました。最初、ホール(東京オペラシティ)の特性で、うわぁ~んと声が割れて響いてしまったのを、すぐ調整して2曲目からはもう普通に歌っていたのはすごいですね!!プロフェッショナルの技です。そして隅々まで響き渡るようなピアニシモのソットヴォーチェが忘れられません。1部のフィナーレは私も好きなロッシーニの歌曲「La danza 踊り」で盛り上がって終了。もうただただ美しい声堪能です。第2部はロッシやドニゼッティのオペラアリアが続き、肩を出した黒のドレスに着替えたことで、シックで華やかな感じをアピールします。ロッシーニの「なりゆき泥棒」は本当に美しかった。そしてドニゼッティ「リタ」のあと、「シャモニーのリンダ」。相変わらずのテクニックです。彼女の声はふくよかで温かみあるので、キレの良いコロラトゥーラも、ナイフで突きさしてくるのでなく、包みこんでくるようです。そしてラストの「連隊の娘」は得意中の得意だけあり、楽しいの一言に尽きました。アンコールで4曲。ムゼッタのワルツ、踊り(2回目)のあと、リヒャルト・シュトラウスの「アモール」がよかった。シュトラウスは初めて聞きました。曲想(音階)や言語から、ドイツ語だなぁ、シュトラウスかなぁと思いながら聞いていましたが、とにかく美しく豊かな音楽の世界でした。本当に心地よかった。最後はジャンニ・スキッキ「わたしのお父さん」で終わりました。心豊かなときでした。2012(平成24)年9月26日 東京オペラシティコンサートホール
2012年09月26日
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高橋薫子さんのアミーナ目的、十分達せられました!やっぱフィナーレのAh!non credea mirarti~Ah!non giunge uman pensiero がすばらしかったです、聞き入ってしまいました。純な感じと凛とした感じ併せ持った雰囲気で本当によかったです。ロドルフォ伯爵、リーザ、テレーザと、まわりがお見事だからこそ映える舞台。特に、いつも威厳ある役で拝見する妻屋さん、ちょっと好色なロドルフォ伯爵のような役もこなされるのですね~さすがです。ロッシーニのブッフォでも拝見したことありますが、今日の役はそれ以上のハマり具合でよかったです。で、声質からいえば、今日のエルヴィーノはぴったりで、レチタティーボとかは本当に美しいのですが、歌になると、私のような素人でも感じざるをえないような、フレーズ切れ切れの、無理して高音出してる感で残念です。次回に期待です。指揮はわたし的には、特に1幕(ただでさえ2幕と比べて異常に長いので)、もっとメリハリ欲しかったです。でも最後は高橋さんで満足した舞台でした。指揮 園田隆一郎演出 岩田達宗アミーナ 高橋薫子エルヴィーノ 小山陽二郎ロドルフォ伯爵 妻屋秀和テレーザ 森山京子リーザ 関真理子アレッスィオ 和下田大典公証人 藤原海考藤原歌劇団合唱部東京フィルハーモニー交響団2012(平成24)年9月8日 新国立劇場オペラパレスにて
2012年09月08日
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