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2020年10月25日
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カテゴリ: クラシック
東京文化会館小ホール 18:00〜

 ドビュッシー:前奏曲集 第一巻
        映像 第一集、第二集
        喜びの島
 <アンコール>
 ドビュッシー:ベルガマスク組曲 〜 月の光

 ピアノ:仲道郁代

 ​ ウィーンフィルは来ない方が ​....とか言いながら、今日はダブルヘッダー。どーゆーこっちゃ、と。いや、矛盾はしてないんですけれどね。私の中では。端的に言ってしまえば、ウィーン・フィルは来日しなくたってウィーン・フィルたり得るけれど、東フィルや仲道郁代はここで演奏会しないと存亡の危機に立たされるかも知れない(立たされないかも知れないけれどね)、というね。


 この公演があるじゃないか、と気付いたのが1ヶ月ほど前。東フィルの定期があるからな、と思ってよく見ると、2回公演で2回目は18時から。これなら行けるな、と思って、結構お高いチケットだったけれどフラフラとつい出来心で買ってしまっていたのでした。もうちょっと落ち着いてると思ったんだけどなぁ...
 東フィルの方を先に聞いたのだけど、そっちの話を書かずに先にこっちを書くのは、まぁ、こちらの方がちょっといろいろ考えさせられてしまったから。

 いや、演奏は良かったですよ。面白かった。仲道郁代の演奏は、ふんわりした演奏ではなくて、いっそベートーヴェンでも弾くかのような、骨太の芯の通った演奏。明晰でもある。ごく真っ当なピアノの演奏だったと思います。東京文化会館の小ホールというのも良かったのかも知れないですね。どうしてもチケット代は高くなるのだけれど、この大きさのホールはやっぱりリサイタル向き。特にここの小ホールはいいですね。ピアニストは無理しなくてもきちんと音が通るし。
 前後半で言うと、前半の方が個人的には良かったなと思います。仲道郁代の力強さ、明晰さがより生きる曲が、前奏曲の方に多いように思いましたので。実は「帆」なんかも明晰に弾かれると魅力的ですし、「西風の見たもの」なんて素晴らしいですよ。

 演奏はいいんです。ただ、久々にドビュッシーを生で聞いて、思ってしまったのだけれど....
 ドビュッシーって、一般的には印象派なんて言われて、それこそふんわりした曖昧な、掴み所のない音楽、って思われる部分があると思うんですね。或いは構成がはっきりしないような音楽。でも、生で聞くと、やっぱり、こうした明晰で力強い部分もあって、むしろ生で聞く際には、そうしたところこそが聞きどころになるようにも思うし。それが顕著なのは「沈める寺」でしょうか。この曲も久しぶりに聞いたけれど、やはり生で聞いていると、幾重にも立ち上ってくるような音の積み重ねが、いわば物理的に迫ってくるのが楽しい、とも言える。
 のだけれども。一方で、いや、もっと掴み所のない響きというのもあるよね、とも思うわけです。でも、そういう響き方というのは、こういう風に聞いていると、ちょっと座りが悪かったりするわけです。「映像」なんかには、そういう響きも少なからずあるのでして。「喜びの島」なんかになると、そうしたものと力強さとが相俟って迫ってくるわけで。あるレベルを超えるとなるほどこれは難しい、と思う訳です。決して仲道郁代の演奏がダメなのではなくて、ただ、他の可能性も見えてしまうのですね。聞く側の問題だと思います。
 ドビュッシーは、難しいのだな.....直前に聞いてたのがベートーヴェンだけに、久々にこういう演奏を聞くと、ドビュッシーは実は難しいのだな、と改めて思います。

 「喜びの島」が終わるや、立ち上がって拍手してる人がいたけれど、ああいう人って、きっと、何聞いてもああいう風になるんだろうなぁ。ある意味幸せですね。うらやましいといえばうらやましい....





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最終更新日  2020年10月25日 23時35分52秒
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