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あれからばったり来なくなったまりか。そうこうしているうちにロケットも完成し、そして、花火大会も迫ってきていました。ーーー花火大会。日本で一番大きな打ち上げ花火。それを彼女にみせるため、あのロケット・オリオン2号の特等席で彼女にみせるため、高野は、まりかが寝ている屋敷の2階に忍び込むのでした。ひっきりなしに続く咳にうなされながらも、突然の訪問を喜ぶまりか。そんな彼女に、高野は楽しそうに花火のことを語り出しました。しかし、そこへまりかの父が、有無を言わさず平手打ちを打ってくるのでした。さらに彼女の父親は、高野の胸ぐらをつかみ、罵声をあびせかかりました。止めに入る、まりか。あまりの衝撃的なことに、発作が起こり、ひどい吐血を・・・・・・花火大会当日。自分の部屋で無気力に寝ころんでいた高野の家に、まりかの父が訪ねてきました。「娘が・・・・・ 家にいないんです 娘は生まれつき身体が弱く ひとりで外出できるような子ではありません そちらのお子さんにどこか心当たりでもあればと思いまして------ 実は娘をしばらくの間 スイスの療養所に移すことに決めました 明日一番の飛行機で 日本を発つ予定です」 もう会えなくなる---そう思うやいなや、高野はこっそり部屋を抜け出し、一目散にオリオン2号のもとへと走り出していました。・・・オリオン2号。その前に倒れていたまりか。身体を少し触れただけで、すごく熱があることも分かりました。すぐさまおぶって連れ出そうとする高野。対してまりかは、待ってと、一緒に花火が見たいと、そう、言うのでした。「私・・・・・ ほんとはね ずーーっと前からこの場所に来てたの いつも見てたの 毎日少しずつ出来上がっていくロケット----- 遠くから見てたの ずっと 見てたの だから私 嬉しかった 友だちだって言ってくれて 嬉しかった すごく嬉しかった」オリオン2号の向こう側に、とびきり大きな打ち上げ花火が、とてもきれいに舞っていました。・・・・・これで、5巻も終わり。高野とまりかの過去のおはなしも、終わり。次から6巻ですが、過去のはなしの合間にあったアスミの状況も振り返りつつ、端折りつつ、感想文色を強めながら、続けていきますです。3ヶ月ほどあいちまいましたけど、次のんはもっと早めにいくですよ。ふたつのスピカ5巻なんかよかったら、拍手おしてくださいませ。web拍手
July 3, 2007
基地作りを手伝っていたまりか。自然と会話も弾み、作業も順調に進んでいきました。そうして、ロケットもとうとう完成。上部にのぼり、座って夕陽をのんびり眺めるふたり。ふと何気なく、まりかは去年観に行った舞台について語りはじめました。「『美女と野獣』って知ってる? 魔法で野獣にされた王子様と女のコの話 お城で二人がダンスをするシーンが素敵なの 私もあんな風に踊れたらなぁって お父さんに話してみたことあったんだけど」ここではっと何かに気がついたように、話を止めたまりか。急に黙って、表情もみるみる硬く変わってゆきました。・・・帰ったあとで、さっきのことが気になって、"野獣"に扮して彼女を喜ばそうと思った高野。しかし、彼女の言ってた"野獣"というのが一体どういうものなのか、どうにも分かりませんでした。なので、自分のイメージしたままに、段ボールを材料にしてお面を作成。作り上げるやいなや、すぐさま彼女のもとに向かいました。・・・いつものように、広いお部屋にぽつんと置かれたベッドの上に座っていたまりか。そんな彼女の耳に、窓をコツコツ叩く音が。窓を開けて部屋に入ってくる、お面の少年。そのまま彼女に近づいて、お面の彼は言うのです。「少しの時間 わたしと一緒に踊ってくれませんか?」・・・突然のことに、きょとんとするまりか。しかし次の瞬間、満面の笑みをもって、返しの言葉を添え、快く受け入れるのでした。「それ 野獣って言うより らいおんさんって感じよ。」・・・帰り間際。お面を外し、窓を開けて外へと出ようとする高野に、まりかはそっとつぶやきました。「私 友だちって呼べる人 ずっと いないの ずっとひとりなの だから-----」この彼女の言葉を遮り、高野は微笑み言いました、「ずっとじゃないじゃん」「とっくにもう 友達じゃん」「また遊ぼうぜ」・・・お互い笑顔でさようなら。高野が見えなくなった直後、突如襲ってくる、発作。床に垂れる、血。 神さま-----・・・・・しばらく更新していない間に、12巻が発売されました。この巻で、ひとりひとりが、大きな転機を迎えることになります。・・・とにかく、ひっさしぶりに書くことができました「ふたつのスピカ」、次はもっと近いうちにやるですよ。こっそりと。ふたつのスピカ5巻ふたつのスピカ12巻なんかよかったら、拍手おしてくださいませ。web拍手
April 3, 2007
ガラスを割った一件以来、山には近づかなくなっていた子供たち。 高野がいくら誘っても、誰も再び行こうとはしませんでした。 ・・・そんな、ある日。 父の仕事場から作業道具を持ち出して、足早に山へと繰り出していった高野。 彼が屋敷の前を通り過ぎていく様を、女の子は窓越しから見ていました。 確認するや否や、「トイレ。」と言ってこっそり屋敷を抜け出す女の子。 高野の行った方向を、大して動けぬ体で、 必死になってたどってゆくのでありました。 高野の行った先。木々の中でその形だけがただ残っている、 廃線線路のずっとずうっと向こうの方。 線路をたどって行くにつれ、次第に大きくなってゆく 「トンカン トンカン」という心地よい作業音。 ・・・そして女の子は、高野のいるその場所に、だどり着くのです。 すぐに彼女の気配に気づいた高野、その女の子に話しかけます。 「裏山の屋敷の子だろ? よくこんな所まで来れたな 地元の奴だってめったにこんな所来ないぜ」 見つかった直後は木の後ろに隠れていた女の子も、 ゆっくりと顔をこちらに向けてのぞき込むようになっていました。 「完成するまでナイショにするつもりだったのにバレちゃったな でも君で良かったよ」 ・・・ いつのまにか、仲良く会話を始めていたふたり。 しかし、そんなに時間もしないうちに、 女の子は咳をしたまま止まらなくなり、 落ち着いた後で、帰ることにするのでした。 帰り際に、女の子は言いました。 「また来てもいい? この場所誰にも言わないから」 今にも不安がこみ上げてきそうな瞳で、高野の答えを待つ彼女。 その瞳をじっと見つめて、高野は言うのでした。 「誰にも言わないなら いいよ」 ・・・あの頃の思い出の場所、オリオン2号(ロケット)に座り込み、じっくりと記憶の糸をほどいていたライオンさん。結局その女の子の名前は聞けず終いだったことも思い出しつつ、地面に降りてオリオン2号の全体を見渡してみるのでした。・・・そして、ロケットのてっぺんに、何かが描いてあることに気づくのです。再び上によじ登り、コケを落としてじっくり見入ったライオンさん。そこには、あの女の子が描いたとおぼしきオリオン2号の落書きが残っているのでした・・・。・・・・・最近書いてなかったんですが、それでもほぼ毎日web拍手をいただけていたのは、ほんとに嬉しかったです。「ふたつのスピカ」の良さに、共感してくれる方がいらっしゃるといるのは、レビューを書いてるわたくしとしても、最大の喜びだったりします。このまま、ゆっくりではありますけれども、着実に現連載に追いつくのを目標に、のーんびりやっていきますので、なんとなく見守っていてくださいませー。ふたつのスピカ5巻なんかよかったら、拍手おしてくださいませ。web拍手
January 28, 2007
プラネタリウムでたまたま会って以来、ひまわり園の子供たちと仲良くなっていったアスミ。桐生が進路のことで悩む一方で、彼女は子供たちに、空の星の素晴らしさを、宇宙への夢を、生き生きと語るのでした。そんな彼女を見て、子供たちは言うのです。「お姉ちゃん 昔のお兄ちゃんみたい」アスミが聞き返すと、子供たちはさらにこう話すのでした。「兄ちゃん 前はボクにも楽しそうに お星さまの話 してくれたよ」「最近ぜんぜん笑わなくなったしな」「いつもひとりなの」・・・宇宙学校。その日は、”緊急用脱出用カプセルに入ってしばらくじっとしている”という訓練が行われました。カプセルの中では、やたら揺れたり持ち上げられたりしているのが分かりました。「そういう訓練なのだ」と軽く思っていたアスミ。カプセルの扉のロック解除の合図により扉を開け、そこで初めてカプセルが揺れていた理由に気づくのでした。アスミの視界には、木々が覆いしげる世界がひろがっていました。『打ち上げまたは宇宙から帰還の際にロケットが不時着したものと想定し 5日以内に地図指定の場所に集合する』・・・ここからが、本当の訓練だったのです。・・・同じ頃、ライオンさんは由比ヶ浜にいました。山の中に、ぽつんと建った一軒の別荘。かつてここには、ひとりの女の子が療養をしていました。 山を絶好の遊び場にしていた高野(ライオンさん)たち。 彼らを、二階の窓から羨ましそうに眺める女の子。 そんな彼女を、高野以外の子供たちは気味悪がります。 一人の子が、彼女の部屋に向かって石を投げました。 割れる、窓ガラス。 あいにく女の子にはケガはなかったものの、 ガラスを割ったことに恐れおののき、急いで逃げる子供たち。 逃げながら、彼女のいた窓のほうを振り返る高野。 女の子は、おそるおそる頭を出して、再びこちらを眺めていました。 ・・・・・と、これで、ようやくアニメとしての最後のハイライト、サバイバル訓練に入ったわけですが、アニメのほうではカットされているライオンさんの話にこそ、むしろじーんとくるものがあったりします。この先は、ライオンさんの回想とアスミたちの訓練とが同時に進行していって、ふたつの世界の、まりかとマリカが、最も注目されるような展開になっていきます。うん、切ない。ああ、また涙が出てきそーう。ええと、そんなんわけです。まりかちゃんがもうかわいそうでかわいそうで・・・。ふたつのスピカ5巻なんかよかったら、拍手おしてくださいませ。web拍手
December 21, 2006
●ケイとシュウ早朝。図書室。ふだんからお気に入りの場所として入り浸ってるシュウとは違い、珍しく朝からその場所でパソコン相手ににらめっこするケイ。ケイは、獅子号被害者リストを調べていました。その目的は、アスミの気になる人・桐生の名前があるかどうかを確認するため。・・・彼の所属するひまわり園は、災害などで親を亡くした身寄りのない子供たちを保護する施設。ケイは、そこから、彼女たちの世代での大きな災害~獅子号事件~に目を付け、すぐさま朝から調べているのでした。そして、彼女は思いがけないことを知ることになるのです。アスミ自身も、獅子号事件の被害者であるということを・・・。●マリカと府中野朝。かもめ寮から下る長い階段。その階段の前を毎朝原動機付き自転車で通過する府中野。その日も、何気なく階段に目をやり、延々と続くそれにうんざりしてみるのでした。・・・と、そんなところへ、マリカちゃんが降りてきたり。「鴨川さんだったら 先に出たわよ」「たまたま通りかかっただけだろが」「そう」 ・・・「乗せてってやろうか 学校まで」意外な顔をするマリカちゃん。それでも結局、乗せてもらいました。そして目にする、素晴らしい風景。「鴨川には この道 教えんなよ 星といい 桜といい あのバカは上ばっか見てるから 危なっかしくてしゃーない」●アスミ朝。何もかもが、いつにも増して上の空のアスミ。電信柱に頭をぶつけてうっかり謝ったりなどするのでした。・・・そんな現場をこっそり見ていた、ライオンさん。彼は、ぼーっとしているアスミに軽く渇を入れ、それから自分はしばらく出かけることを告げて、すぐに退散するのでありました。●桐生放課後。桐生は、アスミに返してあげられなかったロケットのキーホルダーを探し、いろんな店をわたり歩いていました。・・・でも、同じものは、見つかりませんでした。あきらめてひまわり園に帰った桐生。門には、ケイが待っていました。無視して中へ入ろうとする彼に、ケイは、あるひとつのことだけ言い残して、去って行きました。「アスミも 獅子号の事故でお母さん亡くしてるんだ」●アスミと桐生夜。かもめ寮。アスミを尋ねて、ケイがやってきました。そっとメモを渡して、長居はせずに、立ち去るケイ。そのメモには、桐生のいるひまわり園の地図が描かれていました。・・・日を改めて、ひまわり園を訪れたアスミ。しかし、彼はまだ帰っていませんでした。アスミは、その足で、彼の通う北星高校へと向かいます。しかし、たどり着くも、既に正門は閉まっていました。帰り道。川を渡る橋の上。ふと川辺をのぞくと、そこに桐生はいるのでした。何かを必死に探している桐生。すかさず駆け寄り、手伝い出すアスミ。少しずつ、言葉を交わし始めるふたり。「おまえの母親も・・・・・ 獅子号の事故で・・・・・ 死んだのか?」「・・・・・・・・ うん・・・・・」「だったらどうして ロケットに乗ろうなんて考えるんだよ」 ・・・後日。アスミの元には、つぎはらぎだらけの、ちょっと見た目は変わってしまったキーホルダーが、返ってくるのでした。・・・・・まとめるのに、数日かかりました。このお話、いろんな人のエピソードが錯綜してて、それでそのどれもが外せなかったりと、なんかもうどうしたらいいものやらと・・・。それでもなんとか考えて、ちょっと作ってみました。でもなー、あかんかなー。あかんかったらごめんです。とにかく、重要なお話だったわけです。ケイの号泣が、ンモウ身にしみてきたわけです。キーホルダーが戻ってきて微笑んだアスミを見て、これ以上ないくらいホッとしたわけです。11巻も出てきたし、意外にHotな「ふたつのスピカ」。また日が空かないうちに次も書くですよー。ふたつのスピカ5巻ついでに、ふたつのスピカ11巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
December 5, 2006
マリカちゃんを初めて見てから、以前会ったことがあるようで、それがいつどこであったのかが、全く思い出せないでいたライオンさん。そんなライオンさんに、先日の一件以来、心ここにあらず状態のアスミは、尋ねるのでした。「ライオンさんにとって先生は初恋の人?」この言葉にアスミの心の変化を感じ取ったライオンさん、自分初恋の思い出について、話し出すのでした。 初恋は、先生に出会うずっとずっと前。 小学3年生のとき。 名前も知らないコだった。 その当時、家の近くの山の中腹に診療所のような建物があって、 年に一度 夏の間だけそこに来る女のコがいた。・・・ここまで話をして、何か新たなことを思い出したライオンさん。そう、今アスミとともにいるマリカちゃんは、初恋のコに、あまりに似ていたのです。気が付くやいなや、言葉を濁して、あとのことは話すのを避けるのでした。・・・一方、キーホルダーを拾っていた彼。名前は桐生といいました。学校は、北星高校。伝統名門進学高校。そして、付け加えるなら、金持ちの多いおぼっちゃん高校。しかし、彼は施設の子でした。特待生として、どうにか通うことが出来ていました。先日の期末テストでも、トップの成績を修めていた彼。それを、ひがむ輩が、いました。屋上で、アスミのキーホルダーを眺める桐生。彼の前に、その輩どもは、現れました。キーホルダーを取り上げ、踏みつぶし、挙げ句の果てに「獅子号のできあがり~~」などとののしる彼ら。これには桐生も頭に血が上り、殴りかかっていきました。とはいえ、多勢に無勢。見事に返り討ちに遭い、そして、アスミのキーホルダーは、近くの河原へと、投げ捨てられるのでありました。その日の放課後。アスミとケイは、北星高校の校門で、桐生が出てくるのを待っていました。アスミと再会をした桐生でしたが、先の出来事のため、返すにも、返せないわけです。しかし本当のことを言えるわけもなく、代わりに彼はこう言うのでした。「捨てたよ あんなもん からかったんだよ (中略) 何が宇宙開発だ 何がロケットだ ふざけんな あんなもん 兵器と同じだ!!」・・・走ってその場を去ったアスミ。その後、彼女は、公園のジャングルジムの上で、ただただ夜空に輝く星を眺めていました。彼女の瞳からは、涙が、流れていました。・・・・・と、いうわけで、結局5巻に入りました。桐生のお話は、アニメではスポッと抜けていますので、そのぶんこの5巻はまだアニメだけのおかたにとっては読み応えがあったりする巻です。とにかく、まだ強情を張って、ほんとうの気持ちを伝えられないでいる桐生ですが、次第に、心が開けるようになっていきます。その過程が、もうなあんかじーーーんとくるわけです。そんなん言いつつ、スピカアニメ記念週間の急ピッチレビュー、順調にこなしていますです。目標、アニメ終わる前にアニメの最終回を越えること。達成めざして、ぬるーくやっていきますですよ?(できなかったらごめんなさい。)ふたつのスピカ5巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
October 20, 2006
駅前の雑貨屋で、気に入ったロケットのキーホルダーを買ったアスミ。大事に大事に、ポケットに忍ばせておいたのですが、うっかり気づかずに落としてしまうのでした。そして、その現場を偶然目撃していた、島津に似た、あのときの彼。しかし、その場ですぐに声をかけることはないのでした。・・・飛行機の急降下を使った、無重量を経験する訓練。通称、ゲロ彗星。最初のうちは楽しいかもしれないが、無重量状態で回転でもしようものなら、それを止める術はそんなになく、最後には酔って吐いてしまうというなんとも実は過酷な訓練。そおんなことなどつゆしらず、単に好奇心むきだしで大はしゃぎなケイたち。しかし、やはし最後のほうではアスミが酔って吐くのを皮切りに、んもうみいんなそれぞれ もらいゲロ。終わった後で、しっかりと、機内の掃除などをやらされる羽目になるのでした。・・・掃除をやっと解放されて、別のカリキュラムだったシュウ、府中野と合流するアスミ、ケイ、マリカちゃん。今回起こったこの大惨事を、大変ご機嫌ななめにおはなしするケイ。それをなだめるかのごとく、自分たちがそれをやったときも見事なまでにゲロまみれだったことを打ち明けるシュウ。そういうわけで、とどのつまりはこういうこと。アスミ「それなら みんな ゲロ仲間だね」大爆笑する一同。戸惑うアスミ。「おめーが言うな バカ!」の府中野の言葉に、顔を真っ赤にするアスミ。こんな光景に、思わず笑みをもらす、マリカちゃん。出会った当初は、ツンとした表情をくずさなかった彼女も、だんだんと微笑むことができるようになってきていたのでした。・・・帰り道。前の日に落としてしまったロケットのキーホルダーがないかどうか、辺りを注意深く見渡しながら歩いていったアスミ。そうしながら、いつもと同じように、電車に乗りこむのでした。一方、そのキーホルダーを拾っていた、彼。電車に乗り込むアスミを見かけ、一瞬躊躇するも、今度は思い切って近づいていくのでありました。駅を過ぎ去ろうとする電車に、彼は必死に駆け寄り、そしてアスミに語りかけるのです。・・・・・そんなんわけで、ここから、アスミと彼のまともなコミュニケーションが始まるのでした。そして、これで4巻は終了。巻末の読み切りはどうしようか考え中。紹介するかもしんないけど、しないかも。とにかく、そんなん具合で、なんかとっても切ない恋が始まろうとしているこの物語。次回もすんどい期待なはずです。(そして、わたくしはどっかに転がっていった5巻を探すのです。 手元にないので困ってますですよ?)ふたつのスピカ 4巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
October 17, 2006
お正月。寮に残っていた、アスミとマリカちゃんはふたりで初詣に。一方ライオンさんはというと、自分の先祖の墓の前。途中で買ってきた(?)お酒を墓石にかけてやりながら、ひとり思いにふけっていました。それは、三途の川までの道のりの、死後の世界でのある出来事。・・・ 三途の川への長い長い道のりを、黙々と歩き続ける死んでしまったものたち。 それをぼんやり眺めていたライオンさんでしたが、 ふとひとりの老人に目がとまるのです。 ・・・ライオンさんの、父親でした。 彼はその老いた体を引きづって、必死に歩き続けようとしていたわけですが、 うまいように体が動きません。 すかさず手を差し伸べたライオンさん。 しかし、無言のまま、自分の正体を決して明かしたりはしないのでした。 ライオンさんは、そのまま厳しい道のりを、 父を背負ってがむしゃらに突き進んでいきました。 途中、ふとひとやすみ。 辺りはすっかり夕暮れ時になり、目の前には真っ赤な夕陽が、 とても綺麗にうつっていました。 夕陽を見ながら、父親は語り出します。 それは、先立たれてしまった息子のこと。 「ずいぶん 恨まれただろうな」 そう切り出して話したのは、 彼の夢を理解してあげられなかったことへの後悔。 そして、年に1度でもいいから息子に一杯おごってもらいたかったという、 とてもちいさなちいさな自分の夢。 ・・・ その後、「最後くらいは自分で歩く」と言って、 ライオンさんの助けは借りなかった父。 とうとう、目的地・三途の川に到着するのでした。 舟に乗り、いざ渡ろうとする父に対して、渡るのは拒んだライオンさん。 最後の最後の別れ際で、彼は初めて言葉を発するのです。 「恨んでなんかなかったよ 父さん」 そして彼は、たった一度だけ連れて行ったもらったオリオン座の星見のことを語り、 それがとても嬉しかったのだと、ようやく言い出すのでした。 ずっと前から言いたくて、言いたくて、でも言えなくて、 そんな心残りだったことを、ようやく言い出せたのでした。 「いつかまた会えたら その時は必ず一杯おごります 必ず一杯おごりますから!」・・・・・わたくしにとっては4巻のなかで最も泣き所だった今回のおはなし。アニメではやってたのかな? なんか記憶が微妙。ていうか、そおんなアニメ、今日の早朝からスタートしています。BSで。一週間ぶっつづけで。生憎、わたくしBSは今は見られない状態なので、スルーせざるを得ないのですが、見られるひとは、見ておいたほうがいいかもです。ちなみに、ここではあんまり振れなかったアスミとマリカちゃんの初詣のおはなしも、なんかとってもいい感じでした。マリカちゃんが、なんかもうラブリーで仕方がないのです。うん。と、いうわけで、今週はアニメスピカweekということもあり、わたくしもいつもより多めのペースでスピカの記事を書いていくつもりなわけです。近日中に次書きますわ。ふたつのスピカ 4巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
October 16, 2006
寮での新しい生活を始めたマリカちゃんのもとに、彼女の父が訪れていました。彼は、学校で倒れたことを聞き付けて、彼女を連れ戻しにやってきていたのでした。戻ることに応じないマリカちゃん。そんな彼女に対して、父は言うのです。「まったく、本当のマリカはそんなこと言うような子ではなかったぞ!」激昂するマリカちゃん。「わたしはわたしよっ!! 他の誰でもないわっ!!」言い放った後、席を立ってどこかへ行ってしまうのでした。・・・数日後。寮に帰ってきたアスミは、部屋に戻るついでにと、マリカちゃんの忘れ物を手渡されるのでした。彼女の部屋に入ったアスミ。マリカちゃんは、秋のうららかな日差しに、読書の途中でうとうとと眠りについていました。起こさずにそっと忘れ物を置いて出ようとしたアスミですが、ふとマリカちゃんが開いていた本が目にとまります。手にとって、ちょっとだけ読んでみたアスミ。すると、本から一枚の写真が落ちてくるのでした。・・・写真には、屈託のない笑顔で写っているマリカちゃんの姿が。『そういえばマリカちゃんの笑ってるところって見たことないっけ・・・・・』そんなふうに思ったアスミですが、その写真のある奇妙なところに気づきます。端に記入されていた日付が、8年も前のものになっていたのです。しかし、この当時は、ただの間違いとしか認識していなかったアスミ。これが意味する重要なことを知るのは、まだちょっと先のはなし。・・・月日はあっという間に過ぎ去り、季節は冬。クリスマス。アスミは、マリカちゃん宛に、クリスマスカードをつくっていました。・・・・・一気に季節が進み、初めての東京での冬を迎えたアスミ。一体どうなってくのか、楽しみですねー。相変わらずマリカちゃんはラブリーですねー。そして、アスミのクリスマスカード書いてる姿で、初めて彼女が左利きだったことをわたくし知ったりしましたです。さあ、次はお正月のおはなし。また近いうちにまとめてみます。そうそう、お知らせ。NHK-BS2で、アニメ「ふたつのスピカ」の再放送がやるですよー?10/16~、AM5:00~5:50とのこと。BS見られるよい子のみんなは、見てみるのもよし。ふたつのスピカ 4巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
October 12, 2006
小笠原第二打ち上げセンター。そこで打ち上げられる無人飛行ロケットの打ち上げを、宇宙飛行士コースの一同は見学していました。 吸い込まれるように見入っていたアスミ。一方で、帰る時間は迫ってきます。見学だけだっていうのに、結局いつもと変わらず走って帰りの船に戻ることになった生徒一同。帰りの船。予算の都合とはいえ、トンボ返りの見学劇におおいに愚痴を漏らす生徒たち。そういう生徒たちとは違い、アスミは、何も言わずに甲板を散歩。甲板には、打ち上げ反対を掲げた団体も同席していました。そんなひとたちの中に、アスミは見つけます。島津に似た風貌の彼を・・・。そんなはずない。頭で分かってはいるものの、やはり気になって一瞬彼に見入ってしまったアスミ。彼の方もそれに気がつき、そして語りかけるのでした。「君、 宇宙学校の生徒だろ? 目障りなんだよ。」・・・拳をギュッと握りしめて、無言でその場を立ち去ったアスミ。そんなアスミを、ケイが呼び止めてきました。彼女が言うには、集合がかかっているとのこと。教員からの話の内容は、以下のようなものでした。・レポート10枚以上提出(生徒ども、ブーイングの嵐)。・今回見学した場所から、2年後に有人宇宙ロケットを打ち上げる計画が進んでいる。そして、この学校からもそのロケットに宇宙飛行士として生徒を搭乗させることが、正式に決定した。いよいよ"宇宙"という夢も、現実にぐっと近づいてきたアスミたち。その目標に向かって、俄然その目を輝かせて、離れゆく島を眺め返すのでした。・・・数日後。アスミはレポートを提出したその帰りに、ふとプラネタリウムに立ち寄ります。館内一杯にきらめく星々に見入っていったアスミ。あっという間に公演時間は終了するのでした。明かりがともされる館内。そして、アスミは気がつくのです。"彼"も、その場所にいたということを。「あ・・・の 私 今日ココ初めてで・・・・・その」話しかけるアスミ。それに対し、彼はすぐさま目をそらし、そそくさと会場をあとにするのでした。彼のいなくなった館内で、アスミの脳裏に、島津が亡くなったあの日のことがフラッシュバックしてきます。次の瞬間、アスミは彼を追いかけるため、外に駆けだしていました。・・・しかし、既にその姿はありませんでした。わけもなく、かなしい気持ちになるアスミ。わけもなく、涙があふれ出てくるのでした。・・・・・てな具合で、新しい人物が出てきました今回。彼は、この先のおはなしで、ひとつの鍵を握る人物になるのですね。名前は、ここではまだ明かさないことにします(そして、わたくしぱっと出で思い出せなかったりとか)。初恋のひととよく似たひととの出逢い。そのことで、アスミはどんなふうに成長していくのか・・・。アニメではなかったテーマです。さて、一体次はどんなんことが待っているのか(ていうか、わたくしどんなんふうにまとめたらよいものか)、期待しないで気長にまっててくださいまし。<関連ログ>ふたつのスピカ「アスミの桜」ふたつのスピカ 4巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
October 2, 2006
2学期。宇宙飛行士訓練も、よりいっそう本格的なものになることもありますし、アスミはこれを機に髪を短くするのでした。切ってくれたのは、寮長代理のりんごさん。そして、ひととおり散髪が終わったあとで、りんごさんはふと思い出して言うのでした。「今度新しく誰か入寮してくるみたいだよ。」・・・初日から訓練が始まる宇宙飛行士コース。アスミ、ケイ、マリカちゃんの3人は、同じグループで、この日は宇宙服を着用しての水槽中の作業訓練をすることとなっていました。3時間も水槽の中に居続けることとなるこの訓練、当然途中で もよおしたとしても外に出ることなど出来ません。と、なると、実際 もよおしたらどうするのか・・・・・答えは、オムツ。アスミのオムツ。宇宙服の下に、オムツをはいて、いざのときのために備えるのでした。・・・さて、アスミにはとっても違和感なしのこのオムツ、一体マリカちゃんにはどのような印象があるのか。ある意味このオトコのロマンたるものに果敢にも挑戦してくださったのは、他ならぬ、ケイ。しかし、やはり天はそれを許しはしませんでした。いつも冷静であり続ける美しいマリカちゃん・・・訓練開始。宇宙服着用、そして周りが水ということもあってか、思っていた以上に自由が利かないことに戸惑うアスミ。それでもがんばるアスミでしたが、ふと、左手に力が入らなくなります。そのまま何も出来ずに、途中で引き上げることとなったアスミたちグループ。このアスミの異変を気づかう、マリカちゃん。思えば天体観測の日、アスミは崖から落ちて左肩を負傷しています。訓練後、アスミにそのことを尋ねるマリカちゃんに、アスミは言うのでした。「ううん、わたし 握力弱いし それに 戻っただけだから マイナスじゃないから」この左手の握力低下は、もともとアスミが抱えていた獅子号事故の後遺症。彼女は、それを補うために、小さい頃から握力トレーニングを欠かさず行い、そのおかげで通常の力を出せていたのでありました。観測会のあの怪我は、低握力に戻ってしまう引き金に過ぎなかったのです。・・・夕方。小さい頃と同じように、意識的に左手の筋トレを自室で行っていたアスミに、りんごさんから声がかかります。声がかけられるや否や、りんごさんのいる玄関へ向かったアスミ。そこには、その日からかもめ寮に入ることになったひとが、立っていました。・・・・・最近やたらひっぱってきましたが、アニメではなかったんですけど、マリカちゃんは寮に入ってしまうのでございますですことよ?そんなん具合で、原作はこの先、すこーしずつアニメとずれていくのです。("アニメの方がずれていった"という方が正しいのですが。)なんちゅうか、今回のおはなしはググッとくるような泣き所はあまりありませんでしたが、これもこれから起きてしまう彼女たちの試練の布石なわけで、大事なおはなしに違いないのです(特にマリカちゃんが入寮したとこあたり。)と、いうわけで、次回なんかは全くアニメにないエピソードです。期待です。ふたつのスピカ 4巻アニメのサウンドトラックこれ聴きながら漫画読むと、んもうどっぷり浸かることが出来たりします。拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
September 15, 2006
「ロケットの運転手さんになる」この夢のために、幼い頃から毎日ひたすらにライオンさんと一緒に走り込みを続けていたアスミ。そんなアスミの姿を、病院の窓から追い続けていた少年が、いました。彼の名は、島津タカシ。小学校からアスミと同じ学校でしたが、いかんせん身体が弱いせいで、ほとんど出席できずに過ごしていました。・・・そして、彼にも、ライオンさんの姿が見えていました。アスミと島津が初めて会話を交わしたのは中学生になってから。いつものように走り込みをしていたアスミでしたが、その日はたまたまライオンさんの伴走がおらず、それを気になった島津が病院の屋上から声をかけたのがきっかけでした。それから、急速に仲を深めていったふたり。走り込みのたびに、病院の屋上に寄っては、ふたりで会話などを楽しんでいたのでした。そんな中、アスミは島津がいつも手にしていたスケッチブックが気になります。「ねェ島津くん いつもココで 何描いてたの? コレ 見ていい?」そわそわしながら見せるのをためらった島津は、屋上から見える高台の公園にある桜の木を指さし、その木を描いているのだと言うのでした。由比ヶ浜の事故で唯一残った桜の木。本当は満開の桜を描きたいのだけれど、その桜はあの事故以降は花を咲かせていない・・・。そして、その桜が満開になったときは、自分のスケッチブックを見せてあげると、そう言うのでした。ある日、学校で仲良くしているところを目撃され、冷やかされるようになります。ふだんから変わった人間として嫌がらせをされていたアスミ。そのとばっちりを島津にも受けさせないために、彼女は強引に島津を引き離すのでした。・・・次の日。いつものように学校の教室に入ったアスミでしたが、周りが妙に騒がしいことに気づきます。続いて、府中野が、アスミに落ち着いて聞けと念を押してから、こう切り出すのでした。「島津が死んだ 」そして"最後にこの本を鴨川に"と、『宇宙飛行士になるには』という本を手渡されるのでした。放心状態のままその本をパラパラとめくってみたアスミ。めくったページに、落書きがあることに気づきます。落書き。アスミとライオンさんの走っている姿。そこで初めて彼にもライオンさんが見えていたことを知り、たまらなくなって彼女は教室を出たのでした。向かった先は、あの桜の木。満開の桜が、そこにはありました。桜の下には、スケッチブックが。そこには、アスミの走る姿ばかりが、描かれていたのでした。・・・・・ふと、感想じゃなくてあらすじ書いてるのに気が付きましたですよ。次あたりから、感想色の濃いものにしようかと思います。ええ。とりあえず、やっぱし文章書いてて今回もしっかりと泣いていました。なんかもう、歳食うと涙腺ゆるみやすいんですねー。びっくり。そんなんわけで、これで3巻終わりですー。4巻からは、アニメと食い違う部分も多々出てくるようになります。コレは、目が離せませんね?(買って読めというだけの話だと思います。)それでは、また近いうちに続き書くですー。ふたつのスピカ 3巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
September 3, 2006
長い道のりを歩くのに、普段着で飛び出してきてしまったマリカちゃん。目的地のバス停に降り、しばらくしてから調子を崩し、失神してしまわれるのでございます。(実はここまでが前回のおはなし)・・・ 気を失ってるとき、彼女はゆめをみていました。 幼いころのゆめ。 同じ部屋に閉じこめられたまま、 決まった時間に家庭教師が訪れ、 決まった時間に食事をする。 ひとりで、食事をする。 何も変わらない日々のなかで、 たったひとつの高い窓から見える星だけは、 毎日少しずつ位置を変えた。 外出の日。 生まれて初めて外に出た日。 彼女は山手線を一周し、そして公園に出て、何かを聞いたのでした。 見上げた空には大きなビルが。 そしてそのビルの上には・・・・・ライオンさんの影?・・・「マリカちゃんーー」と、そんなとき、ふと自分を呼ぶアスミの声に気がつき、彼女は気がつきました。貧血を起こしていたようで、足にできたマメにはハンカチがくるまれていました。マリカちゃん、これに対して、「・・・・・」何も言わないマリカちゃんに、シュウは語りかけるのでした。「少しは人を頼るのも悪くないと思うよ 貸し借りの世界じゃないんだからさ 仲間って」この言葉で少しうち解けたのか、マリカちゃんは府中野に背負ってもらって移動することにするのでした。道筋は、アスファルトからすぐに山道へと突入。少し歩いていったところで、大雨に当てられ、雨宿りする一行。そんな雨を見ながら、彼女は再び回想にふけります。・・・ 初外出の日。 その日ものちに雨が降った。 降ったとき、車を呼びに世話係の男は公衆電話へ向かっていった。 そのスキに走って逃げ出した。あてもないというのに。・・・雨は、止んでました。再びを山登りを続ける一行。相変わらず険しい山道が続いていました。ここでマリカちゃん、「もう平気よ。自分で歩けるわ。」彼女、まだ少々よろけるものの、もう本当に自分では歩ける程度に回復していました。そして歩き始めるや否や、彼女は小声で言うのでした。「ありがと・・・・・」・・・ 逃げながら、彼女は思っていました。 行きたいとこなんてなかった。 ただ逃げ出したかった。遠くへ。 そうして、ビルの階段をひたすら上へ上へと駆け上ってゆくのでした。・・・山登りを続けていた一行。しかし先ほどの大雨のせいか、地盤がゆるんでおり、岩盤がマリカちゃんの頭上から落ちてきます。これをかわして足を踏み外すマリカちゃん。それを追って彼女に飛び込んでいくアスミ。ふたりとも、崖へ転落していったのでした。転落した地で、軽傷で済んでいたマリカちゃん。一方で、アスミは、左肩をひどくケガしており、またマリカちゃんが声をかけてもまともに動けてない状態でした。これをみたマリカちゃん、自分の足のマメなどかえりみず、すぐさまアスミをかついで、そして歩き出しました。しかし、道がよくわかりません。そんなところで、あの日、ビルの屋上から聞こえた、あの音が、再び聞こえてくるのでした。ーーあの時と同じだーー・・・ どんなに足が痛くても どんなに粋が切れても たとえ誰にも気づかれなくても たとえひとりだけでも ほんとうは ほんとうは (たどり着いた先。そこは、ビルの階段から見た、めいっぱいに拡がった、 壮大な星空でした。)・・・そして、ケイが彼女たちを見つけました。ふたりまとめて抱きつき、再会を本気になって喜んだのでした。・・・そんな、さんざんだった次の日、お目当ての観測所は、休館日。結局、災難だけが記憶に残ったような、そんな夏の旅行になってしまいました。しかし、マリカちゃんは、何かにふっきれたような、素敵な微笑みを浮かべるのでした。マリカ、帰りのバスにて・・・・・相変わらず、じーーぃんとくるおはなしでした。さあ、ここから、マリカちゃんてば、加速してどんどんいい子になっていきます。そして、アニメ設定からどんどん違ったお話がもう鬼のようにはいってくるですよ。でもそれは4巻からですね。その前に、3巻の最後のお話、「アスミの桜」があります。これも、なんか泣いちゃいます。ていうか、泣きましたよ、しっかりと。そんなんわけで、次回も、なんとなく期待。ふたつのスピカ 3巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
August 8, 2006
もうすぐ夏休み。迫り来るこの大きな休暇に備え、ケイたちはどこに行こうか話し合っていました。「そりゃ絶対海よ 海!!」夏の淡い出逢いを期待して、強く主張するケイ。一方、由比ヶ浜で飽きるほどに海を見てきた府中野、それには大反対。結局、候補地の決断はアスミにゆだねられることに。アスミが出した希望の地は、"宇宙観測通信所"。星好きなアスミにすれば、最高の夏休みスポットなのでありました。・・・決まった夏の旅行に、マリカちゃんを誘うアスミ。しかしマリカちゃん、「悪いけど遠慮するわ。」飽くまで、ひとりであろうとし続けるのでした。そんなマリカちゃん、1学期最後の訓練を終えた直後、体調を崩して倒れてしまいます。気を失った彼女は、そのまま保健室に運ばれたのでした。目が覚めたときは、夕方。既にすべての授業は終わっていました。しかし、保健室の外には、目が覚めるのを健気に待ち続けるアスミとケイが。保健の先生曰く、「寝てるし遅いからもう帰りなさいって言ったんだけど聞かなくてね」人を思う気持ちが、純粋で一直線なこの行為に、何かを思うマリカちゃん。・・・そうして、1学期は終わっていきました。・・・旅行当日の朝。アスミとケイは、再びマリカちゃんを誘うべく、彼女の家へ出向きました。マリカちゃんの家を見て、その大きさに唖然とする二人。おそるおそる門をくぐっていくと、2階の部屋の窓ガラスが割れ、その破片が目の前に飛び散ってきます。そして次の瞬間、玄関からマリカちゃんが。後から彼女の父が出てきて、マリカちゃんを家に戻そうと腕を引きます。激しく抵抗するマリカちゃん。アスミは、マリカちゃんファーザーにタックルをし、彼がうろたえた隙にマリカちゃんを連れ出すのでした。・・・・・やっぱし、シリアスに書いてて、ひとりだけ「ちゃん」づけするのって、すげえ滑稽ですね。なんか、実感しました。しかしそのノリで、マリカちゃんのお父さままで変な呼び方してみたりとか。何かいい呼び方見つけたら、知らないうちに差し替えたりしますです。とにかく、こうして思いがけず、マリカちゃんも突如参加してしまった夏の旅行。行き先は千葉の宇宙観測通信所。果たして、どんな試練とかが待ってるんでしょうねー(また焦らしてみた)。ふたつのスピカ 3巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
July 17, 2006
アスミの件についていろいろと疑惑が表にでてきてしまった佐野先生。次第に立場は危うくなっていき、授業をボイコットする生徒まで出てきたりするのでした。・・・そして、彼は辞表を提出する決心をします。一方アスミ、屋上でライオンさんに佐野先生に宇宙飛行士を否定されたことについて励まされ、それから宇宙史の本を探しに図書館へ行って、夢をふくらまそうとしていました。図書館。宇宙史の本を見つけて読書に没頭していたアスミでしたが、ふと本棚の隙間から窓の方を眺めたとき、そこには佐野先生がいたのでした。その表情は、自分を陥れようなんて、微塵も想像できないような、実に透き通ったものでした。・・・職員室に戻った佐野先生。かつて予算会議でアスミをやめさせることについて猛抗議をした塩見先生に声をかけられ、屋上に連れ出されました。そこで、塩見先生の口から、鴨川トモロウは獅子号開発チームから外れていたことを知ったのでした。そして、トモロウが外されたその後、獅子号開発は予算が大幅に削られていた、さらに獅子号は純国産ではなかったという噂があることを同時に知ることになりました。・・・佐野先生、宇宙学校講師としての最後の日。学校を後にしようとする彼にアスミは近づき、あの日彼が図書館で澄んだ瞳で見ていた図鑑を開いて、そして言うのでした。「同じですよね 先生も同じですよね 見ていたものは 同じですよね」佐野先生は、悲しい顔で微笑みかえし、何も言わずに去っていったのでした。・・・・・そんなんわけで、とりあえず今回の佐野先生の去りっぷりも、かなり泣けてしまいました。学校を去った佐野先生ですが、彼のおはなしはこれで終わりません。獅子号事件の真相を暴くべく、これより彼は精力的に活動を開始するのですね。そおんな彼の生き様が、もうムショーにかっこいいわけですが、それはちょっと先のお話です。さて、今回を振り返ってみることにしますが、アスミは一つのヤマを無事に乗り越えられたわけです。これからもさらにたくさんの試練がアスミにふりかかってきます。とはいえ、次に試練が待ち受け得ているのは、マリカちゃんになります。わたくしが最もひいきにしているマリカちゃんになるわけです。いったいどんなんになっちゃうのか、楽しみですねーー(焦らしてみた)。ふたつのスピカ 3巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
July 13, 2006
かつて、獅子号開発チームに所属していた、佐野とトモロウ。佐野のコスト優先とも考えられる設計案に異を唱え、トモロウは設計を変更させた。・・・そして、事故は起こった。自分はロケット開発の蚊帳の外に追いやられていたにも関わらず、墜落事故の罪だけは立派になすりつけられ続けている。そんな感情から、佐野先生はトモロウを心底憎んでいました。そんな私怨から出された、アスミ追放の企みも失敗に終わり、逆に自分の状況が危ういものになりつつありました。一方、宇宙飛行士コースの生徒たち、アスミ・ケイ・マリカちゃん・府中野・シュウは、過酷なカリキュラムに負けないために、ひとつの約束をするのでした。「卒業式むかえるまで 絶対に学校やめたりしないって!!」そうして彼女たちは、手を出し合い、重ね合わせるのでした。・・・・・ちょっと端折ってます。最後の方。ひとつの話で、いろんなことがありすぎるんで、全部追いきれないのがちと残念です。しかしながら、このおはなしでのハイライトは、間違いなく、画像にあるところの5人の結束に他なりません。この絆が、のちのち彼女たちに降りかかってくるあらゆる苦難を乗り越えるための根幹になります。そおんな、おそらく若いうちにしかできない、純粋な絆とかみせつけられて、「うわあ、なつかしいわざ。」とか、自分のこととかと照らし合わせたりしながら、今回は読んでいたりしてました。ふたつのスピカ 3巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
July 4, 2006
実家に戻ったアスミ。その日、偶然にも鈴成先生は結婚式を挙げていたのでした。丘の上より、ウェディングドレス姿で穏やかに微笑む彼女を眺めるライオンさん。耐えられずにその場を離れたところで、アスミに出くわすのでした。・・・ライオンさんが今、鈴成先生の隣にいない原因になったあの事故は、父のせいかもしれない。そんな思いもあり、アスミは彼にひたすら泣いてあやまります。本来自分も相当こたえているはずなのに、泣き崩れるアスミを優しく諭すライオンさん。気を落ち着かせるために、そっと取り出したハーモニカから響いてきた曲、「見上げてごらん 夜の星を」。これに元気づけられたアスミは、自信を取り戻し、宇宙学校に戻っていったのでした。そして、ライオンさんも、東京に出てみることを決心するのでした。・・・・・とにかく、ライオンさんがなぐさめてるそのやり方ってのが、もうすんごい上手なわけです。そしてそれは、音楽というものを同時に扱うアニメにおいて、よく表現されていましたね。うん、また涙拭きつつ書いてたりしてました。ふたつのスピカ 3巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
July 1, 2006
かさねは、由比ヶ浜の事故で左腕にひどいやけどを負いました。彼女の父は、同じくこの事故で傷を負い、亡くなっていました。父親がおらず、その上自らの左腕の傷がいじめの格好の的とされ、ろくに学校にも行っていませんでした。そんなときに知り合った女の子、アスミ。アスミは、彼女の少しひねた性格も気にせず、気さくに語りかけてくるのでした。そうした優しさに、心を許し、アスミと友達となったかさね。しかし、アスミの父親が、自分をこんな境遇にした宇宙開発事業団の関係者であると知ると、とっさに無視をきめこむことになります。それから、ずっとかさねはアスミを避け続けました。ずっと、ずっと・・・。ある日、アスミはたまたま男の子たちに傷跡を暴かれていじめられているかさねに出くわします。そこで、アスミが差し出したもの。「お星様・・・・・」アスミは言いました。「ライオンさんが言ってたの お星様見てると元気が出るんだって・・・・・ だからもっといっぱい取ってくれば かさねちゃんのケガ・・・・・」しかしかさねは、この言葉に逆上し、アスミにたたみかけるのでした。「あんたのパパが、 私のパパ殺したのよっ!!」言い放って、すぐさまかさねは走り去るのでした。明くる日、学校にて、アスミはかさねが引っ越して由比ヶ浜から間もなくいなくなることを知ることになります。公園で、ひとり悩むアスミ。これを見たライオンさん、「見送りにいかないでいいのかい?」などと尋ねるも、アスミは「もう友達じゃないから」行きたくても行けないと、そう答えるのでした。意固地になってるアスミに、ライオンさんは諭します。「なあ チビちゃん・・・引っ越しの日。電車に乗り込み、揺られるかさね。ふと窓の外をみると、アスミが、見送りにきていました。電車の窓の向こう、はっぱ星を満面に散らし、そしてアスミは言うのでした。「ずっと ずっと ずっと 友だちだよーーーっ」そしてかさねは気づくのでした。・・・・・アニメでも登場していました、幼い頃のアスミとかさねのおはなしが、第2巻の最後を飾っていました。個人的には、ひどく心に響いた話のひとつでして、ふたりの思いのすれ違いとか、そんなん思うだけで号泣しちゃうわけです(そして、書いてる今も半ベソかいてたりとか)。尚、アニメでは、成長し、自分のコンプレックスを克服したかさねが登場してきますが、原作ではまるで逆のベクトルに進んでいったであろうと思われるかさねが登場してきます。しかし、まだそれはずいぶん先のおはなし。また当分は、アスミたちのお話に戻ります(ていうか、現行ではアスミは家出中。)そんなんわけで、2巻終了です。次回からは3巻に突入です。ふたつのスピカ 2巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
June 28, 2006
ライオンさんが由比ヶ浜からいなくなってしばらくした頃。児童がやりたい放題に騒いでいる状態をうまくまとめられないでいる自分に、ひどく落胆している鈴成先生がいました。そういう思いをしていたある日、彼女のお父さんが尋ねてきます。そして、「東京へ帰ってきなさい」こう言って、彼女に戻ってくるよう促すのでした。死別した恋人(ライオンさん)の故郷であり、彼が最も愛していた地、由比ヶ浜。そこで小学校の教師をやり続けることに、果たしてどれだけの意義があるのか。彼女は、ひたすら悩んでいました。・・・由比ヶ浜小学校恒例のハイキング大会。自分の意思が固まらないままに、鈴成先生はこの行事を迎えることになります。そして、そんな宙ぶらりんな心境を鋭くつくように、アスミが森の中で行方不明になります。府中野の案内のもと、アスミを探す鈴成先生。奥へ奥へ進んでいくと、ふと見慣れぬ線路に出くわすのでした。「この線路は廃線よ」見たこともないその線路を、無意識に廃線と断言した鈴成先生。自分でも不思議に思うのですが、次第に、それは以前に恋人が自分に語り聞かせてくれた彼の記憶のせいだということに気づきます。彼の記憶の先で、付近にはロケット型の秘密基地があるというところまで思いだし、そして彼女たちは到達したのでした。そこには、アスミが座っていました。アスミは、ライオンさんのハーモニカの音を聴き、その音を追いかけてくうちに、そこにたどり着いていたのでした。「そっか、アスミちゃん、ライオンさんに会いたいんだ・・・・・ でもその人は もう・・・・・」アスミに優しく語りかける鈴成先生。同時に、まるで彼女自身にも、自分で言い聞かせているような表情でした。しかし、その間を割って、府中野が面白い物を見つけます。それは、ハイキング大会の記念メダル。奥の宝箱に入っていたのでした。宝箱には、他にも一枚の写真が。その裏には、幼かった頃の恋人の、夢が、綴られていたのでした。・・・「キラキラした瞳の 夢いっぱいの子供たちと 一緒に生きてみたいーーー」鈴成先生、これをきっかけに、昔自分が抱いていた夢を思いだし、自信を取り戻すのでした。一方、アスミは、ずっと会えなかったライオンさんにたどり着いていたのでした。・・・・・「2015年の打ち上げ花火」の、あとに続くおはなしです。ライオンさんが帰ってきたり、そおんな重要なことがあったりしました。正直、そこの部分はわたくし見落としてまして、今回読み返してみて初めて知ったり。とにかく、物語としては、鈴成先生を中心にして、展開されています。飽くまで、アスミは、ひとつのエッセンスとしての存在。こういう見方というのも、アスミ主人公としての「ふたつのスピカ」をたくさん見ているわたくしには、とても新鮮に見られました。ふたつのスピカ 2巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
June 27, 2006
予算会議。厳しい財政で、教員の研究費が削られるという現実の中、ひときわ高い出費項目があることが問題になります。それは、アスミのサイズに合わせられた特注の宇宙服のためのものでした。「この生徒一人のために この金額・・・」そんな声も上がりますが、命をつなぐもの大事なものですから、そういうわけにもいかないわけです。そこで出てきた佐野先生の黒い名案、ひととしてかなり間違ったことですから、普通は通るわけありません。しかし彼は、「彼女に自主的にやめてもらう」ことで、学校の責任問題などはパスできるなどと続けて提案するわけです。口では言えないまでも内心は自分に来るお金を少しでも多くしたい、そう思う教員は少なくなかったのでしょう。佐野先生は、誰の制止を受けることなく、しばらく話し続けるのでした。が、とうとう我慢できずにひとりが割って入ります。「学校の都合で生徒をやめさせるなんてもってのほかだ」この意見により、アスミの件については中断され、会議は終わりました。とはいえ、この会議の後、影で佐野先生は"自主的"というやつを是非実行してほしいと依頼されるのでした。佐野先生、さっそくアスミに接触し、アスミが宇宙飛行士になるなど無理だと説得したのでした。極めつけには、こんなことも言ったり。これにひどく動揺したアスミは、授業をサボり、実家へと帰ってしまうのでした・・・。・・・・・なあんて、書いてて泣いちゃいました。久しぶりなんで。この漫画、若いものたちが宇宙という夢を追って純粋に頑張るのがテーマだったりします。しかしそのサイドで、かつて若かったものたちが、あきらめかけた夢を取り戻し、そして取り戻していくというテーマもひょっこり現れたりします(佐野先生とか、アスミの父親とかの物語)。これは、アニメのお話が終わった後の展開になりますし、そんなに話も多くはないですけど、やっぱりかなりじーーんとくるわけです。で、今回のおはなしは、そういうサイドのテーマの、序章だったりもするのですね。ともかく、今回のおはなし、何も分からぬままにやりこめられて、そして逃げてしまったアスミに感情移入というよりは、大人の思惑の錯綜に目が入った、わたくしとしてはそんな感じで読んでたりしました。個人的には、佐野先生の意見を覆した塩見先生がやたらかっこよく見えました。ふたつのスピカ 2巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
June 24, 2006
アスミの父と因縁を持つ佐野先生が、アスミを退学させるために行動を起こし始めたり、裏で何やらこっそりと動きがあったこの回。表の面では、アスミとマリカちゃんとの間で大きな出来事が起こります。水泳の授業。ひょんなことから溺れてしまうケイを、助けに出ようとして結局自分も溺れてしまうアスミ。こういう状況を見て、わたくしたちのマリカちゃんは、「誰かのために自分が犠牲になるなんて、バカバカしいって言ってるの」などとおっしゃるわけです。馴れ合うことなど反吐が出るほど嫌みたいな、そんなあ態度を見せるマリカちゃんに、アスミは、「一人じゃ宇宙には行けないよ」この言葉に、そのときは反発するも、実は相当心に響いていたマリカちゃん。んもう、アスミのことが気になって気になって仕方がなくなってきます。・・・で、また別の日の放課後。プールには、必死になって泳ぎの練習をするアスミの姿があったのでした。実のところは、彼女は、小さい頃に川で溺れたことがトラウマになっていたのでした。アスミの姿を遠くから眺めるマリカちゃん。ふとした瞬間、沈んだまま浮かんでこなくなります。マリカちゃん、それを見るやいなや、すぐさま着衣のままプールに飛び込み、アスミを助け出すのでした。・・・・・だんだんと、マリカちゃんもアスミを中心とした輪に近づいてきました。今後のマリカちゃんの心の氷が溶けていく様には、目が離せません。まあそんなところです。今回はあんまりしっかりとした感想書かないです。もう一息ついてから思いの丈をそれこそ山のように出したいとおもいますです。ふたつのスピカ 2巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
May 8, 2006
高校生活が始まりました。とりわけ、宇宙飛行士コースは、基礎体力づくりのために、恐ろしいほどの走り込みが待っていたのでした。この地獄のカリキュラムに早速愚痴をもらすケイでしたが、一方でアスミはむしろ走るのは得意で、難なくこなしていたのでした。と、いうのも、それは6歳の頃から既に宇宙を想定して、ライオンさんと一緒にジョギングしていたためなのでした。そして、この新しい季節に、同級生としてアスミ、ケイ、府中野、シュウは出会います。ひょんなことからこの4人で校内施設の宇宙資料館に行くことに。そこで見つけた宇宙服に、4人そろって目を輝かせて見つめます。「いつかこの服を着て、みんなで宇宙に行けるよね 行けるよね みんなで」ちなみに、まだマリカちゃんは、アスミのことを気にしつつも、まだそれほどなれ合いになりきれていません。しかし、この話より、アスミは今まで彼女のことを「宇喜多さん」から「マリカちゃん」と呼ぶようになります。徐々にではありますが、確実に、アスミたちとマリカちゃんとの距離は近づいていくのでありました。・・・・・こんなふうに、夢に目を輝かせて、その目標に向かって全力でがんばろうとする姿は、すごくうらやましいですね。学生時代、部活等で仲間と一緒に一つの目標に向かってひたすらにがんばるということがよくあるし、わたくし自身がんばっていました。それは今でも大変貴重な経験になってますし、そのときの仲間は未だにつきあいがあったりします。しかし、これだけ明確に"宇宙"というものに向かってひたすらにがんばるというのは、とてつもなくすごいものを感じたりするわけです。高校の時分で既に何かになりたいというのをはっきりと心に抱いているのはすごいと思うわけです。そんなかんじで、今回はおわりっ。ふたつのスピカ 2巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 28, 2006
念願の高校にも無事合格し、東京での生活へと旅立つアスミ。一方で、彼女といつも共にあった宇宙飛行士の幽霊・ライオンさんは、恋人のことが忘れられないためか、由比ヶ浜にとどまります。"ほんとうのひとり"になってしまうかもしれない、そんな不安をかかえつつ、アスミは新天地に赴いたのでした。入学式。学校生活最初の晴れの舞台。そこには、閉鎖環境試験のときに一緒に苦難を乗り越えた、ケイ、そしてマリカちゃんもいました。入りたかった高校に入学できて浮かれまくる入学生たち。ケイもそんな中のひとりだったわけですが、 マリカちゃんは違いました。整った容姿、そして魅惑的な目はひときわ周りの注目を集め、浮かれ入学生どもにパーティなどに誘われたりもしたのですが、彼女はそんな誘いを一蹴して、さらにこんな言葉をあびせるわけです。「その汚い手で触れたら・・・・・殺すわよ」ひとを信じず、ひたすらにひとりで生きられるところを目指していこうとしているこの当時の彼女には、ひとと馴れ合うというのはどうにも耐え難いことだったようです。・・・式後、うれしそうな表情で帰る生徒たち。一方、アスミはひとり、新しい住処となった寮へと帰っていきました。寮の入り口までさしかかったとき、そこには父・トモロウがいました。彼は、どうにか仕事の暇をつくってアスミの入学式に顔を見せていたのでした。"入学記念"ということで、外食をしに出る二人。トモロウは、亡くなった妻との思い出の店へと向かいますが、既につぶれている模様。仕方なく、屋台のラーメンを食べることにします。食事をしながら、トモロウは妻の形見をアスミに託し、精一杯の暖かい励ましの言葉をかけ、そして由比ヶ浜へと帰っていきました。夜の闇も手伝い、本格的にひとりの寂しさを味わいながら寮へと帰るアスミでしたが、帰った寮では、今度はこんなひとたちが。アスミの知らないところで、幼なじみの府中野を筆頭にして、いつまでも帰らないでいるアスミを探してくれているひとたちが、そこにはいたのでした(府中野はまだ探し回っていたらしいです)。入学式のときにはあんなにツレナイ態度をとっていたマリカちゃんさえも、口では「むりやりひっぱり出された身にもなってよ」などと言ってはいましたが、しっかりと探してくれていたのでした。こうして、自分は東京でもひとりぼっちではないことを確信したアスミ、いよいよ次回より新たな高校生活がスタートしていきます。ふたつのスピカ 2巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 20, 2006
アスミ母の死から49日。母もそろそろ三途の川を渡ってる頃かと思われるこの時期、アスミは三途の川をイメージしつつ川を眺めながら、学校で課題に出された「おかあさん」の絵を描いていました。そして、気のゆるんだ瞬間、川へと転落してしまいます。そのまま、意識が回復しないアスミ。そのときアスミは、三途の川への道が続く世界で、現実では一度も会話をしたことのなかった母に会っていたのでした。アスミは、お母さんに会っていながらも、自分の名前を出してはならず、それでもがんばってがんばって、お母さんに付き添って三途の川まで送り届けました。最後の最後に、母は見えなかった目が見えるようになり、自分の娘を認識して「アスミ、アスミなの?」と呼びかけられても、アスミは決して答えませんでした。ただただ、涙ぐみながら、"おかあさん"を書いてある旗をなびかせ、三途の川を渡ろうとする母に無言のメッセージを伝えていたのでした。そして病院のベッドで目が覚めたときのアスミが言った言葉が、画像であった通りです。・・・・・もうわたくし、涙がとまりませんでした。切ないですね。でも、ほんとにいい話でした。・・・・・さて、1巻はこれで終わり。次からは2巻に入ります。ふたつのスピカ第1巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 18, 2006
鈴成先生実際には「ふたつのスピカ」が連載される前に描かれている作品になります。アニメ1話に相当します。ただし、アニメとは違って、どちらかと言えばアスミの小学校時代の担任の先生、鈴成先生が中心に描かれています。・・・・・2010年、日本初の有人宇宙探査ロケット「獅子号」は、アスミの故郷・由比ヶ浜に墜ち、多くの死傷者を出す惨事を引き起こしました。アスミの母親も、この事故で重傷を負い、そのまま意識不明の状態が続いていました。そして5年後、アスミの母は意識を回復することなく、亡くなりました。その直後の、ある日々のおはなしです。以後の展開は端折りますが、幼いアスミなりの精一杯の母への思い、そして鈴成先生の死別した恋人との再会などが、もう、最高に泣けてきます。そしてその亡くなった鈴成先生の恋人が、のちのちアスミの心の支えになっていく優しい幽霊の、らいおんさんです。画像は、鈴成先生が、打ち上げ花火とともに恋人の姿を見た場面。その後、らいおんさんは、空の彼方へと消えていったのでした。・・・・・おそらく短編であったためだと思いますが、一話完結でまとめるために、らいおんさんは最後に成仏したように描かれているのがちょっと違和感あったりしました。とはいえ、その一話完結でありながら、背景の設定がかなり深かったりするのには驚かされます。この設定が、のちのちのアスミシリーズや、「ふたつのスピカ」に活かされてくるのだしょうねー、などとしみじみおもっちゃったりしました。ふたつのスピカ第1巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 16, 2006
ケイ5日目に起こった振動、あれは試験者側が起こした急減圧によるものでした。多くの受験者たちがここで脱落するなか、アスミたちのグループは棄権せずになんとか持ちこたえます。しかしながらアスミ自身は、急減圧時のショックで、過去のトラウマ(由比ヶ浜のロケット墜落事件:あとで詳しく語られる回があります)を思い出して頭の中が真っ白になってしまった模様。もはや、作業に復帰できない状態になってしまいます。そんな彼女をベッドに休ませ、ドミノ作業を再開するマリカちゃん、ケイの二人ですが、マリカちゃんってば、「全く・・・・・ 鴨川さん(アスミ)もいい迷惑だわ」なあんてことを口走ってしまったから、さあ大変。次の瞬間、ドミノはなぎ倒され、マリカちゃんの左頬にバチーンとキツイ一発がかまされるわけです。そして、ケイが言い放った言葉は、冒頭の画像の通り。ケイは、単純そうな性格をしていますが、一方で人並みならぬ情の厚さを併せ持っている、強い女の子です。この思いやりの深さで、以後も、幾度となく仲間たちは助けられていくことになります。かくいうマリカちゃんも、彼女とガチンコやってくうちに、だんだん丸くなってく、という言い方をしてもいいくらいです。・・・話を戻しますが、ケイとマリカちゃんのこのケンカ、途中からアスミが復帰することで収まります。そのまま夜も寝ずにがんばり続けて、無事、ドミノを全て並べ終えて、試験は終了したのでした。当然、結果は合格ですが、入学のおはなしはもうちっと先。次から2本ほど番外編です。ふたつのスピカ第1巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 14, 2006
シュウ7日間の閉鎖環境適応テスト。アスミたちががんばってる一方で、鈴木秋(すずきしゅう;以後シュウ)、府中野新之介というもう二人の仲間になる人物も同じ試験をうけているわけです。今回ピックアップしているシュウ、チャラチャラしていてカルーイ感じのする外見とは裏腹に、宇宙に対する夢の大きさはかなり深いものを持っています。そして、情にも厚い、いいヤツなのですね。さて、おはなしのほうに戻りますが、アスミたちの部屋ではただただツンツンしているマリカちゃんが割と深刻な問題であったのに対して、こっちはこっちで一発キャラの坊主くんがやりたい放題やってくれているのでございます。そんな坊主くんが、些細なことでキレちゃって、試験を放棄しようなんて行動をおこそうとしたもので、クールなシュウくんもこれには本気になって止めに入ったりしました。彼の宇宙への思い入れのよく現れたシーンだと思います。この危機を乗り越え、なんとか5日目に入っていくんですが、その日、急な振動が部屋を襲いかかります。ドミノは無惨にも倒れ、受験者たちは吐き気や歯の痛みなどを感じる者も多数現れました。そしてそのまま棄権してしまう受験者たちも。そんな状況の中、果たしてアスミたち、シュウたちはどのようにしてこの試験を乗り越えるのか?というところで今回は終わりです。・・・・・今回のおはなしでは、シュウのあの姿が、わたくしにとてはかっこいいことこの上なかったわけです。ほとんど毎回のおはなしで何かしら思い入れられるところがある作品というのも、すごいものです。と、いうわけで、また次回。ふたつのスピカ第1巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 11, 2006
マリカちゃん東京宇宙学校の入学試験の最終関門、閉鎖環境適応テストが始まりました。7日間、昼も夜も分からないような閉鎖空間で、初めて出会う他の受験者と共に課題をこなすという内容の試験です。その試験でアスミと同室になった二人、近江圭(おうみけい)と宇喜多万里香(うきたまりか;以後マリカちゃん)は、以後アスミの親友として支え合っていくことになるのですが、それはまだ先のおはなし。初対面となるこのおはなしでは、とりわけマリカちゃんがとんでもない問題児なわけで、他人と決して協調しないという冷たい一面をおおいに見せつけてくださいました。こんなことで、一体うまくのりきることができるのかな?てなかんじでこの回はおわりました。・・・・・ピックアップした画像はマリカちゃんです。彼女、とんでもなく複雑な過去を持っており、そのおかげで他人を頼れない性格になってしまっているわけです。のちのち、そういうことは話が進むにつれて、次第に明らかにされていきます。そして、彼女、アスミの底知れぬ優しさに触れていくうちに、だんだんと心を開くようになります。その過程を、押さえていくのもまたこの漫画の醍醐味かな、とか思えます。ええと、あまりここのコラムではふさしくない言葉になってしまいますが、彼女ってば、成長していくうちに、ツンツン→ツンデレ→素直クールと、二段階もクラスチェンジが行われていくわけです。ステキです。まったく、マリカちゃんばんざいです(意味なし)。ふたつのスピカ第1巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 10, 2006
少女が、いました。その少女は、ロケットの運転手さんになることが夢でした。しかし彼女の家には、その夢を叶えられるだけのお金がありませんでした。東京宇宙学校 宇宙飛行士コース。そこへ進学することが、彼女の夢の実現に最も近い道でありました。あきらめきれずに、こっそりと一次試験を受けた彼女。その合格通知が届いたところで、父親に受験がばれてしまいます。「だから別に、記念に受験しただけだよ」あきらめ気味に語る、彼女。その態度に対して、父はいきなり子を殴り、こういいます。「オレはそんな事聞いてんじゃねぇ!!」・・・そのまま、すれ違いの日々が続きます。あるとき、彼女は自分の本当の気持ちを告げる決心をし、父の仕事場・冬の夜の建設現場へと赴きました。久しぶりに会話らしい会話をするふたり。彼女は自分の本当の思いを告げようと、父に告げようとしたそのとき、父は彼女の手に、彼の全財産のお金が入った封筒を手渡し、そして・・・・・・・・最初なので、ながーめにかいちゃいましたが、わたくし個人としては、この最初の回から涙なくては語れないおはなしでございます。特に、画像にある、幼い頃に彼女の書いた「あすみのロケットにただで乗れる券」、お父さんはこれさえあれば何もいらないとさえ言ってくださってました。そこまで深い父の愛に、涙する彼女。このシーンがたまらなく大好きだったりします。ちなみに、「彼女」というふうにしか今回は表現しなかったですが、その彼女の名前は鴨川アスミ。この物語の主人公です。夢のためにひたすらに努力を続ける、とても優しい子です。この漫画は、そんな彼女が、これから会う仲間たちと、「宇宙」という夢のために、数々の困難を乗り越えて成長していく、そういうおはなしです。・・・・・余談ですが、アスミちゃん、連載数を重ねるごとにその絵柄がどんどん幼くなっていきます。実際は成長してるはずなのに・・・。そんなんわけで、この今回の絵が最も大人な彼女かもしれません。と、そんな感じで、これからもちょくちょく続けていきます。よろしくですー。ふたつのスピカ第1巻拍手にクリックしてくれますと、次書く意欲がすごくわいてきますので、できればお願いします。web拍手
April 9, 2006
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