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2010.05.16
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 町の奥の方には沢山居るのだが、これまで我が家の庭では見たことがなかった。それが、昨日、遂に出現した。妙なハナアブで、地面に興味があるらしい。最初は巣穴を探している ニッポンヒゲナガハナバチの雌 と思った位である。



スイセンハナアブ(雄)1


スイセンハナアブの雄.地面に御執心

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/15)

 残念ならが、2方向撮ったところで逃げられてしまい、正背面と正面からは撮れなかった。しかし、翅脈は良く見えるし、かなり特徴のあるハナアブなので種類は判別出来そうである。早速、市毛氏の「ハナアブ写真集」を参照してみた。

 始めはハラブトハナアブの仲間かと思ったが、どうも違う。ハナアブ科では、CuA1脈は翅縁近くで曲がりdm-cu脈となって翅縁に沿って走る(下の写真)。ハラブトハナアブ類ではハッキリした角を持って曲がるのに対し、写真のハナアブでは円弧を描く様に滑らかに曲がっている。また、R4+5脈(下)の曲がり具合も一寸違う。どうやら、別のグループらしい。


スイセンハナアブ(雄)2


最初の写真に翅脈名を入れた

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/15)

 更に探してみると、ナミハナアブ亜科(Milesiinae )マドヒラタアブ族(Eumerini)のスイセンハナアブが見付かった。全体の形ばかりでなく、翅脈相もよく似ている。手元の図鑑を調べてみると、北隆館の大圖鑑に載っていた。

 解説には、「脚は黒色で後脚の腿節は肥厚し脛節内側中央付近は広く瘤状に膨れ、末端内側には長い角状突起があり、外側には板状の突起がある」とある。脛節末端は見えないし、その外側の出っ張りも角度の関係で板状であるか否か判断出来ないが、「内側中央付近で広く瘤状に膨れ」ているのは確認出来る。

 また、学名で検索すると海外の綺麗な画像がゴマンと出て来る。圖鑑にも書かれている通り、胸背と腹部の被毛には変化が多いが、非常によく似た色合いのものもある。スイセンハナアブ( Merodon equestris )の雄として間違いないであろう。


スイセンハナアブ(雄)3


後脚脛節は中央付近で内側に膨れている

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/15)

 このスイセンハナアブ、名前の通り幼虫がスイセンやグラジオラス、アイリス、ユリ等の球根を傷害する(北隆館の圖鑑に拠る)。地面に興味があるらしく見えたのは、そのせいかも知れない。

 外来昆虫で、何時頃渡来したのかは調べても分からなかったが、オランダから輸入した球根に付いていたと云われている。「外来種ハンドブック」を見ると、備考欄に「根絶」と書かれていた。・・・ちっとも根絶していないではないか!!
 今年、このハナアブを彼方此方で見かけるのは、ヒョッとすると大発生の前兆ではないだろうか。読者諸氏の庭にも来ていないか、気になるところである。







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最終更新日  2010.05.16 14:01:33
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