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「なぜ走った?」その瞬間、スタンドからは落胆の声が洩れた。3点をリードする法政、4回裏の攻撃。二死から3番・向山基生(4年、法政二)がレフト線に快打を放ち二塁へ。打順よく次打者は4番・中山翔太(4年、履正社)。法政にとっては1点追加、いや、あわよくば2点追加を狙える好場面。186cm、90kgの巨漢、鍛え上げた両腕の筋肉がキラリと光り、スタンドにいるだれもが中山の打席を注目していました。ところが、次の瞬間、信じられないプレーが起きました。突然に二塁走者の向山が三塁へ走ったのです。無情にも審判の判定は「アウト!」。1塁側スタンドからは冒頭の落胆の声が洩れました。この場面は中山のバットにすべてを賭けるべきで、リスクを冒してまで三塁を狙う必要などなかった。中山はベンチに視線をやり、両手を広げて⁇と、首を傾げていました。「ボクノコト シンジテイナイ?」このプレーの直後、流れは完全に慶應に傾きました。5回表、郡司裕也(3年、仙台育英)ら慶應打線が5本の長短打を繰り出し一挙に逆転、そのまま勝利しました。 (写真1)中山翔太のルーティーン。(写真2)相馬優人。3回、ライト越えの2点適時打を放つ。(写真3)郡司裕也。5回、逆転となる2点適時打をレフト越えに放つ。(写真4)スコア(写真5)三浦銀二(1年、福岡大大濠)。3番手で登板し好投した。2回、被安打1、奪三振5。
2018.04.29
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今日行われた立教大ー法政大の1回戦は、立教が3-2で先勝し開幕以来3連勝。春連覇に向けて快調な滑り出しを見せました。一方の法政は、開幕戦に白星を挙げることはできませんでした。今日も大阪桐蔭OBたちが躍動しました。まずは立教、2回裏の攻撃。この回先頭の4番・三井健右(大阪桐蔭)が1ボールの後の2球目をフルスイングすると、打球は高く高く舞い上がってライトスタンドへ。滞空時間のとても長い本塁打、この豪快な一発がチームに勢いをもたらしました。2試合連続の2号本塁打。187cm、87kgの巨漢、左打席の立ち姿には「雰囲気」が漂います。まだ2年生、これからが楽しみです。投げてはエース・田中誠也(3年、大阪桐蔭)が相変わらず小気味よい投球で法政打線を翻弄、7回を無得点に抑えました。一方の法政は、9回、代打で登場した福田光輝(3年、大阪桐蔭)が2点本塁打を放って一矢報いましたが、時すでに遅し。開幕戦を白星で飾ることはできませんでした。悔やまれるのは4回、無死二塁の場面、中途半端な攻めで好機を逸したこと。打者は送りバントの構えで初球のボール球をファール、2球目も送りバントの構えだったがストライクにもかかわらずバットを引き、あっという間に0-2に追い込まれ、結局その後は策なく三振に倒れました。また主砲・中山翔太(4年、履正社)に2本の長打が出たものの、いずれも走者なしの場面では得点力が半減します。1番から3番までのテコ入れが必要なんでしょう、きっと。(写真1)立教大・三井健右(写真2)立教大・田中誠也(写真3)法政大・福田光輝が9回、2点本塁打を放つ(写真4)スコア(写真5)大阪桐蔭時代の三井健右。2016年夏の甲子園2回戦、対八戸学院光星(NHK)
2018.04.22
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大谷翔平のメジャー挑戦が始まりました。まだ10試合に過ぎませんが、これまでの成績は特筆ものです。【投手成績】2試合(13回)2勝0敗【打者成績】8試合30打数11安打、打率.367、本塁打3、打点11。いやはやイジョーというか、何というか・・・。メジャーでもこれだけ活躍できる選手だったのですねぇ。いま『大谷翔平 挑戦』(岩手日報社)という書籍を読んでいます。中には「翔平を語る 栗山英樹監督×佐々木洋監督」という対談記事があって、これがとても面白かった。まだ発売中で詳しく書けませんが、佐々木監督は大谷のメジャー宣言時から栗山監督と出会うまで打者としての可能性を捨てていた」と反省とともに当時の心情を吐露していました。大谷が花巻東3年時に宣言したメジャー挑戦は、当時様々な論議を呼びました。「160kmは魅力、投手で行くべきだ」といった意見がある一方で「いやいや、打球を飛ばすパワーはメジャーでも通用する、打者で行くべきだ」という主張もありました。が、いずれにせよ二刀流といった発想は少なく、投打どちらかを限定的に捉えることが多かったように思います。もし、これまでの指導者が大谷の半分の可能性を否定していたら、今の大谷の活躍はありませんでした。大選手を育成するということ、これは指導者にとっても失敗の許されない大仕事なんだと、そんなことを思わずにはいられませんでした。(写真1)書籍『大谷翔平 挑戦』(岩手日報社)(写真2・3)TBS『サンデーモーニング』より
2018.04.15
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昨日(4月14日)開幕した東京六大学リーグは、初日から大阪桐蔭OBたちの活躍が目立ちました。まず第1試合の慶應義塾大ー東京大では、昨年の大阪桐蔭主将だった慶應・福井章吾(1年)が代打で出場するとさっそく右前適時打。さっそく初打席、初安打、初打点を記録。木製バットへの対応に苦しみ、つい一週間前まではBチーム。開幕に合わせるようにベンチ入りを果たしました。続く第2試合の立教大ー早稲田大戦は、両チームから多数の大阪桐蔭OBが勢揃い。立教・田中誠也(3年)は相変わらずテンポよい投球で勝利投手となり、開幕投手の重責を果たしました。7回1/3、93球、被安打4、奪三振7、与四死球1、自責点1は見事。「ベンチでは大阪桐蔭祭りやなぁ!と声があがっていました」と。また、立教の4番も大阪桐蔭OBの三井健右(2年)、8回に決勝適時打を放ちました。対する早稲田は、三井と同期の吉澤一翔(2年)が先発出場。さらに9回には昨年センバツ優勝の原動力となった徳山壮磨(1年)と岩本久重(1年)バッテリーが揃って出場し、「大阪桐蔭祭り」に花を添えました(笑)。大阪桐蔭旋風は時を越え、舞台を甲子園から神宮に移して益々吹き荒れそうです。※2017年センバツ・決勝戦(NHK)より。上から順に。(写真1)大阪桐蔭、優勝決定の瞬間(写真2)結果スコア(写真3)徳山壮磨(写真4)岩本久重。この大会は骨折のため記録員としてのベンチ入りだった(写真5)主将・福井章吾
2018.04.15
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3月30日、センバツ3回戦では、創成館がスコア1-1の延長10回、3番・松山隆一が今大会3本目のサヨナラ本塁打を放って智弁学園を下し、準々決勝にコマを進めました。これまで1大会サヨナラ本塁打2本という記録はありましたが、3本は史上初です。 ちなみに今大会1本目は明徳義塾・谷合悠斗が中央学院相手に放った3点本塁打。続く2本目は日本航空石川・原田竜聖が明徳義塾戦で放った3点本塁打。サヨナラ3点本塁打で勝ち負けともに経験した明徳義塾・馬淵史郎監督は「野球って怖いな。3ランで勝って3ランで負けた。劇的なボクの人生みたいなものです」と言ったコメントが印象的でした。 90回大会を迎えたセンバツ、前大会までのサヨナラ本塁打数は17本。内、1大会にサヨナラ本塁打2本という記録は2度ありました。1度目は、平成2年に愛媛・新田の宮下典明(2回戦、日大藤沢戦)と、チームメイトの新田・池田幸徳(準決勝、北陽戦)が放ったもの。池田の本塁打は延長17回に飛び出し、初出場のチームを決勝進出にけん引しました。そして2度目は平成16年、福岡工大城東・藤沢裕志(2回戦、拓大紅陵戦)と、済美・高橋勇丞(準々決勝、対東北戦)です。高橋がサヨナラ本塁打を放った時、東北のエース・ダルビッシュ有はマウンドにおらず、若生正廣監督に向けたさまざまな憶測や批判がありました。 余談ですが、上甲正典監督率いる済美は東北に勝利した後、準決勝を馬淵監督の明徳義塾と戦います。甲子園の上甲vs.馬淵はこの対決が最初で最後でしたが、この2人は愛媛県南予の同郷出身で親交が深かったそうです。以下、参考:wikipedia。 馬淵さんは言います。「済美vs.明徳の対戦前夜9時ごろ、上甲さんから電話があってね。『サウナ行って飯でも喰おうや』って。互いに探りを入れながら焼き肉を食べましたよ(笑)」と。そして平成26年9月、上甲さんは胆管がんで亡くなる1週間前、馬淵さんとの面会を切望する。急ぎ駆け付けた馬淵さんとの会話は弾んだ。ベッドに横たわり酸素チューブをつけたままの上甲さんは、嬉しそうに野球の話ばかりした、1時間半も。告別式では馬淵さんが弔辞を読んだ。「上甲さん、今日は悲しい、悔しい。上甲さんからは『鏡の前で笑う練習をしろ』と言われたけれども、不器用な僕に上甲スマイルのようなことはできませんでした」と言い、さらに「平成14年夏、明徳義塾が日本一になった時、上甲さんは自分のことのように喜んでくれた」と終始男泣きしながら読んだと。(以上、wikipedia) 冒頭に書いた馬淵さんの「僕の人生みたいだ」という発言は、自身の半生の「明」と「暗」を振り返ったものでしょう。平成4年夏、星稜・松井秀喜への5打席連続敬遠は多くの批判を浴びました。平成17年夏は県予選で優勝し、甲子園の組み合わせが決まった直後に野球部員の不祥事が発覚。急きょ出場を辞退し、責任をとって馬淵さんは監督を辞した。沈痛な面持ちで甲子園近くの宿舎を引き揚げる選手たちは痛々しかった。これらのことが「暗」ならば、「明」は平成14年夏の全国制覇や、甲子園20大会連続初戦勝利の記録がある。今大会では通算50勝目を挙げるなどあまたあります。社会人時代は兵庫県の警備会社・阿部企業で監督をした。皆が嫌がる深夜業務を率先して行ったのは馬淵監督だったと、選手の証言もある。 上甲さんは馬淵さんを評して、こんな言葉を遺しました。「誉めるところはあっても、けなすところはない男です。甲子園での実績も素晴らしいものがあります。勝負に対する強い思いや、はっきりした言動で世間では誤解されている部分もあるようですが、先輩への気遣いや生徒への思いなど感心することが多く、深く付き合えば彼の男気を感じるはずです」と。(写真1)明徳義塾・馬淵史郎監督。日本航空石川にサヨナラ負け直後「僕の人生のようだ」~NHK(写真2)故・上甲正典元済美監督~『高校野球名監督列伝』(ベースボール・マガジン社)(写真3)明徳・谷合悠斗がサヨナラ3点本塁打を放つ~NHK(写真4)日本航空石川・原田竜聖がサヨナラ3点本塁打を放つ~NHK(写真5)創成館・松山隆一がサヨナラ本塁打を放つ~NHK
2018.04.01
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