サミー・ヘイガー(Sammy Hagar)、本名サミュエル・ロイ・ヘイガー(Samuel Roy Hagar)は、米国のロック・ミュージシャン。1947年カリフォルニア生まれとされる(生年については1949年説もあるらしい)。デビューは、1970年代前半、モントローズというバンドのヴォーカリストとしてであった。その後、1976年からはソロでの活動を開始し、10枚ほどのアルバムを発表した。1985年、ヴォーカリストのデヴィッド・リー・ロスが脱退した後のヴァン・ヘイレンに加入し、96年までヴァン・ヘイレンのヴォーカリストとして活動した(なお、ヴァン・ヘイレンへは後に一時期復帰を果たしている)。ヴァン・ヘイレンを抜けた後は、ふたたびソロに戻って活動を続けたが、1999年からはサミー・ヘイガー・アンド・ザ・ワボリタスという名義でアルバム制作をしている。
日本ではヴァン・ヘイレンのヴォーカルとしてのヘイガーは比較的知られているが、ソロの活動については、残念ながらあまり評価されていない。そこで、これぞヘイガー、という1曲をまずは取り上げておきたい。典型的なナンバーを1曲ということになると、筆者としては、断然、この「ワン・ウェイ・トゥ・ロック(原題:There’s Only One Way To Rock)」を挙げておくのがいいと思う。ソロとしてのヒット曲(1981年発表)であると同時に、ヴァン・ヘイレン在籍時にもレパートリーにしていた曲で、ヴァン・ヘイレンのライブ盤にも収録されている。
加えて、この曲のテーマが何ともシンプルで直球である。原題(There’s Only One Way To Rock)を直訳すれば、「ロックする方法は一つしかない」(もしくは「ロックへの道は一つしかない」)である。曲全体に疾走感があり、ギターのリフがかっこいい。実際に歌われている歌詞の内容も、“人を愛する方法はたくさんあるけれど、ロックする方法は一つだけ”という、恥ずかしくなってしまいそうなぐらいのわかりやすさなのである。