本盤『エンド・オブ・ザ・ゲーム(The End Of The Game)』は、ピーター・グリーンがフリートウッド・マックを抜け、1970年に発表した初ソロ作である。本盤を聴いて思うのは、“垂れ流しセッション”風でありながら、“垂れ流し”にならず、随所でプレイが光っていることである。その手の盤はジャズに時々あって、ジャズの世界では“メンバー集めて録っちゃいました”的なアルバムをたまに見かける。逆に、ロックおよびその周辺分野にはこのパターンは多くはない。なので、ジャズ側で過去記事から一例を挙げると、クリフォード・ブラウン・オール・スターズ『ベスト・コースト・ジャズ』などがこれに該当する。このブラウニー盤を聴いていてもそうなのだけれど、セッション風(またはセッションそのまま録音)の盤が退屈にならないための条件はただ一つ。それは、名手の存在感があるかないかである。もちろん、本盤でのその役割はピーター・グリーンで、彼のギター演奏が随所で輝いている。これこそが本盤を駄盤で終わらせることのできない理由となっている。