個人的なお気に入り曲は、スティングらしさがよく出ている1.「ハウンズ・オブ・ウィンター」。さらには、4.「ブロート・トゥ・マイ・センシズ」からは、当時の思索に満ちたスティングの姿が目に浮かぶ。そして、10.「バルパライソ」(日本盤表記では「ヴァルパライゾ」)も、リスナーの想像力をかき立てる曲で、南半球の海をテーマにした情景美が思い浮かぶ。ついでにもう一つ印象的な曲を加えておくと、9.「悔いなき美女(La Belle Dame Sans Regrets)」は、フランス語で歌われている。スティングはスペイン語やポルトガル語を駆使すること(例えば1988年リリースの『ナーダ・コモ・エル・ソル』、関連過去記事はこちら)はよく知られるが、ここではフランス語の曲を披露している。共作ということなので、さすがに歌詞は共作者によるのだろうが、本当に器用というべきか語学の才能があるというべきなのか、こういうことがさらりとできるのには、思わず感心させられてしまう。
[収録曲]
2. I Hung My Head 3. Let Your Soul Be Your Pilot 4. I Was Brought to My Senses 5. You Still Touch Me 6. I'm So Happy I Can't Stop Crying 7. All Four Seasons 8. Twenty Five to Midnight 9. La Belle Dame Sans Regrets 10.Valparaiso 11. Lithium Sunset