音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2016年04月28日
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テーマ: 洋楽(3310)
自己の世界に傾いた大人向けの音楽


 スティング(Sting)は、ポリスの解散後、1985年からソロ活動を開始した。その中で彼はジャズ系ミュージシャンを起用してジャズの要素も取り込んだ新たな方向性を模索していった。1993年の 『テン・サマナーズ・テイルズ』 から3年をおいてリリースされたスタジオ第5作が、この『マーキュリー・フォーリング(Mercury Falling)』であった。

 スティング自身の言葉では、“死、あるいは、物事の終わりは、別のドアを開けるようなもの”で、“終わりは始まりでもある”というのが本盤のテーマなのだという。何だか仰々しい話に聞こえるが、東洋人的には万物は“輪廻転生”するわけだし、時も“まわる、まわるよ、時代はまわる”という歌があるように循環する。逆に西洋人はそんなにも一直線の時間観念や人生イメージに縛られていたのか、と驚かされるぐらいである。余談ながら、この“終わりは始まりでもある”というのは、アルバム中の詞にも反映されていて、1曲目の歌い出しが“マーキュリー・フォーリング”で、最後の曲の最後の詞も“マーキュリー・フォーリング”である。

 とはいえ、その当時のスティングが40歳代半ばという年齢を迎え、ある意味、若さゆえの力で進んできた頃と違って“いろいろなことを楽しめる”人生を送れるようになった、ただ怒るだけではなくて“人生の移り変わりが理解できるようになった”などと述べていたことを考えると、なるほどと言える。

 個人的なお気に入り曲は、スティングらしさがよく出ている1.「ハウンズ・オブ・ウィンター」。さらには、4.「ブロート・トゥ・マイ・センシズ」からは、当時の思索に満ちたスティングの姿が目に浮かぶ。そして、10. 「バルパライソ」 (日本盤表記では「ヴァルパライゾ」)も、リスナーの想像力をかき立てる曲で、南半球の海をテーマにした情景美が思い浮かぶ。ついでにもう一つ印象的な曲を加えておくと、9.「悔いなき美女(La Belle Dame Sans Regrets)」は、フランス語で歌われている。スティングはスペイン語やポルトガル語を駆使すること(例えば1988年リリースの『ナーダ・コモ・エル・ソル』、関連過去記事は こちら )はよく知られるが、ここではフランス語の曲を披露している。共作ということなので、さすがに歌詞は共作者によるのだろうが、本当に器用というべきか語学の才能があるというべきなのか、こういうことがさらりとできるのには、思わず感心させられてしまう。



[収録曲]


2. I Hung My Head
3. Let Your Soul Be Your Pilot
4. I Was Brought to My Senses
5. You Still Touch Me
6. I'm So Happy I Can't Stop Crying
7. All Four Seasons
8. Twenty Five to Midnight
9. La Belle Dame Sans Regrets
10. Valparaiso
11. Lithium Sunset

1996年リリース。





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Last updated  2016年12月29日 17時28分24秒
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