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2008.02.03
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カテゴリ: 映画/戦争・史実

「(缶詰を指して)その缶・・・その缶を開けようと。」
「ここに住んでるのか? ここで働いてるのか?」
「いいえ。」
「職業は?」
「私は・・・ピアニストでした。」
「ピアニスト・・・」


現代、ハリウッドは主にユダヤ人による産業。
そんなユダヤ人の悪夢であるホロコーストを扱った作品はいくつかある。

当時はその残酷極まりない行為の本質などわかるはずもなく、単純に「かわいそう」と感じる自分がいるに過ぎなかった。

「戦場のピアニスト」が真実を語っていると思わせる点を考えてみた。
それは、ユダヤ人にとっての敵がナチス・ドイツに限られていないということだ。
恐ろしいのは、「敵は内にある」という点。
同胞であるはずのユダヤ人警察官による虐殺行為が横行していたのだ。
逆にラストでは、敵であるはずのドイツ軍将校によって主人公は命拾いする。
つまり、戦争の酷さというのは、そういうことなのかもしれない。
この作品は、2002年にカンヌ映画祭において、パルムドール賞を受賞するほどに一定の評価を受けたホロコースト映画である。

1939年、ナチス・ドイツ軍がポーランドに侵攻するところから物語は展開する。
シュピルマンは、ワルシャワのラジオ局でショパンを演奏中に爆撃を受ける。
街はドイツ軍によって完全に占拠され、ユダヤ人に対してゲットーへの移住命令が出された。

シュピルマンは、その運命のもとにピアニストという職を追われてしまう。

ドイツ軍に侵略され、辺り一面焼け野原の中、シュピルマンが足を引き摺りながら歩くシーンは、その見事な美術効果である背景とコラボして絶対的な喪失感をかもし出していた。
さらに、廃墟の一角でドイツ軍将校に見つかってしまい、絶望の淵に追いやられてしまったかに見えたのだが、芸術的才能が彼を救ったのである。
命じられるままに弾いた曲は、ショパンの夜想曲第20番嬰ハ短調。
かろうじて焼失を免れたピアノを前に、月明かりだけを頼って鍵盤を弾く姿は奇跡の天使。


2002年公開 【監督】ロマン・ポランスキー 【出演】エイドリアン・ブロディ


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.02.03 14:21:09
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