吟遊映人 【創作室 Y】

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2008.04.26
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カテゴリ: 映画/TVドラマ

「私たちの間にあるものか。」
「そうよ。・・・深い愛で結ばれている。」
「そうか。・・・君の口からその言葉を聞けてうれしいよ。そうだ、変わらぬ愛だ。」

久しぶりに格調高い作品を観た。
詩的で大袈裟なほどの自己アピールと女性への賛辞は、イギリスならでは。
シェイクスピアを生み出した国だけのことはある。
偉大な劇作家シェイクスピアを庇護したのは他でもない、エリザベス1世なのだ。
この作品は、イギリスのチャンネル4でテレビ放送されたものだが、なかなかどうして侮れない出来映え。


出演者もそうそうたる顔ぶれを揃えた。
エリザベス役のヘレン・ミレンは言うまでもないが、レスター伯役のジェレミー・アイアンズは円熟した演技と上品な身のこなし、言わば“ジェントルマン”の風格を画面いっぱいからかもし出していた。
ジェレミー・アイアンズは「ダイ・ハード3」に悪役として出演したこともあり、決して類似性のある役柄ばかりを演じている人ではない。
数々の名誉ある賞を受賞した実績のある演技派なのだ。

テューダー王朝最後の女王であるエリザベス1世は、磐石ではなかったイングランドを独立した国家として建て直しを計るため、英国国教会を樹立。
これにより、ローマ教皇から正式に破門宣言される。
以後、エリザベスは国内のカトリック勢力と立ち向かうこととなる。
特にスコットランド女王メアリーは、敬虔なカトリック信者であったため、エリザベスの側近たちはメアリーを危険視していた。
だが、メアリーは列記としたイングランド王位継承権を持っていたため、エリザベスは処刑をためらったのである。
結局、側近たちに押し切られる格好でメアリーを処刑するものの、その死後、スペインとの対立が激化。
アルマダ海戦ではついにスペインの無敵艦隊を倒し、イングランドが世界貿易を一手に握るようになる。


様々な視聴の仕方があると思うが、あえて注目してもらいたいのはレスター伯のエリザベスに対する“愛のささやき”である。
この表現力は、正に、詩的文学と言えよう。
この作品が単なる史実にならなかった所以は、このドラマチックな表現力の豊かさにあるかと思われる。
ぜひ、このセリフの言い回しに着目していただきたい。

※エリザベス1世は生涯独身を貫いたが、実際にはレスター伯とは恋仲で“愛人”であったとされる。


【監督】トム・フーパー
【出演】ヘレン・ミレン、ジェレミー・アイアンズ

※後編は コチラ から

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最終更新日  2014.05.18 08:16:39
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