吟遊映人 【創作室 Y】

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2010.12.01
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カテゴリ: 映画/SF

「どうして?」
「君が起きてからすべてを記録してる。僕のメモリを調べられたら君が危険だ。消去してくれ。君の出発後、再起動する」
「いいのか?」
「君を守るのが僕の仕事だ」

今年はどういうわけか、近未来を予測するようなSFモノが充実していた。
とにかく新しい形なのだ。
また、奥行が感じられる。
本作「MOON」を手掛けた監督の年齢を調べたら、なんと吟遊映人と同い年で、しかも誕生日は数日しか違わない。

作品のテーマは、ずばり、“企業と労働者”そして“自我”である。
捉え方は人それぞれだろうが、クローン人間が登場することで作品のテーマはグッと深みを増す。
人工的に生産されたクローン人間に、人権はないのか?
企業の馬車馬となって働き、生涯を終えていくだけのロボットに過ぎないのか?
いや、クローンにだって自我はある。
なぜならクローンは、列記とした人間なのだから。
と、そういう倫理的な意味合いが色濃く感じられた。
さらに、企業VS労働者という点については、もっとあからさまで、過度な成長を遂げた資本主義社会を暗に批難しているようだ。

近未来、宇宙飛行士のサム・ベルは、ルナ産業との契約で3年間、月に派遣されている。

月面で採掘されているヘリウム3を地球へ送る仕事である。
だが、作業員はサム一人きりで、基地には他に人工知能を搭載したロボット、ガーディが話し相手兼助手としているに過ぎない。
20101201b

そんなある日、月面で作業車を操縦中に事故を起こしてしまう。
しかし、気付くとサムは診療室で手当てを受け、ベッドに寝かされているのだった。

作品に出て来る基地の名前や、衛星通信機に映る企業側の人物を見ると、どうやら韓国資本の企業のようだ。
これをどう受け止めたら良いだろう?
吟遊映人としての見解はこうだ。

これは、世間一般の常識から言っても、当たらずも遠からずで、我々はなるほどと肯かずにはおられまい。
本作「MOON」を製作したのはイギリスの映画会社であるが、さすがに重厚にして格調高く、とかくB級に陥りがちなSF作品を、テーマ性の強いリアリティのあるものに仕上げている。
非常に完成度の高い、新しいSF映画であった。

2009年(英)、2010年(日)公開
【監督】ダンカン・ジョーンズ
【出演】サム・ロックウェル

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2010.12.01 16:11:28
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