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2013.02.04
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カテゴリ: 映画/戦争・史実
【ディア・ハンター】
20130204

「山で死ねるならおれは本望だ。覚えてるか?」
「何だ? 一発(のこと)か?」
「二発は恥だ。」
「それほどの事かな?」
「シカは一発で仕留めてやらなきゃ。皆分かってない。ヴェトナムが心配か?」
「(もちろんさ)シカの事を考えてるけど、やはりね。おれは木が好きなんだ。山の木はそれぞれが違う。そこがいい。バカみたい?」
「本当の猟友だ。」


これまでいくつかの戦争映画は観たけれど、派手な殺戮シーンや死体の山などを見せることもせずに、淡々と戦争の恐怖を表現しているのは「ディア・ハンター」ぐらいかもしれない。
物語の前半部では、結婚式の賑やかで明るい雰囲気。
みんなでうたって踊って騒いで新郎新婦を祝福する「光」の部分が画面いっぱいに広がっているのだ。
一方、中盤あたりから一転してベトナムの戦場シーンに切り替わるのだが、陰気で狂信的で救いのない暗い「影」の部分で覆われる。
この場面転換は、観客に言いようもない衝撃を与え、鉛のように重い気持ちを押し付けてくる効果があるから不思議だ。

舞台はペンシルヴァニア州の田舎町。
製鉄所で働く仲良し5人組が主な登場人物となっている。
休みの日ともなれば全員で鹿狩りに出かけ、わいわい飲んで騒いで、ごくごく平凡な男同士の仲間だった。
しかし、そんな彼らのうちマイケル、ニック、スティーブンの3人は、ベトナムに徴兵されることになっていた。

そこでは、残酷極まりないロシアンルーレットの賭けが行われていた。
いつ発射されるともしれない緊迫感の中、リボルバーの引き金を引くことは、とても正気の沙汰ではなかった。
一人冷静でいられたマイケルが機転を利かせ、ベトナム兵の隙をねらい、次々とベトナム兵を射殺。
3人で死にもの狂いの逃亡が始まる。

作品全体を混沌とした暗いムードが漂っていて、それがどんなに明るい状況下でも、影のようにまとわりついていたのが印象的である。
さらに、ベトナム戦争をモチーフにしているせいか、アジア人蔑視が色濃く感じられた。

ここでは、ベトナム人が徹底的に悪役として登場している。
「ディア・ハンター」は公開当時、高く評価された作品で、数々の賞を総なめにしている。
役者陣の非の打ちどころのない演技力には脱帽だ。
中でも、孤独と傷心の日々に暮れる、いたいけなヒロイン役を演じたメリル・ストリープの輝きは、ことさらオーラを放っていた。
言わずもがな、反戦映画の金字塔である。


おせっかいながら、購入をお考えの諸氏に!
時代の波に押されショートデザインも追加されたようですが、ここは定番のオレンジカラー(デ・ニーロ着用)をお求めになることを、吟遊映人はおオススメ致します(^O^)

1978年(米)、1979年(日)公開
【監督】マイケル・チミノ
【出演】ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ、クリストファー・ウォーケン

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.02.04 06:38:09
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