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2013.03.11
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カテゴリ: 名文に酔う
菊池寛の命日を、東奥日報「天地人」で知ったことは先日の記事に記しましたが( コチラ をご覧あれ♪)、今日は続編で坂口安吾のお話です(^^)v

まずはこれをご一読ください。


だから、探し物をして見つけたときは、こう叫んだのではないかと推測する。
「あった、あった」。
 さて、探すといえば、先ごろの県立高校入試制度見直しに関する会議でのこと。中学校側から高校側へ提出する受験生の調査書について、委員の一人が次のようなことを言った。
「調査書とは中学校の先生にとって、いわば一つの芸術作品」。学級活動や生徒会活動、部活動などについて書く欄には、中学校側のたくさんの思いが詰まっている。子どもたちを合格させたいという思いである。
 この委員によれば、「中学校の先生が調査書を書くとき、すぐにいいところについて書ける子」という子がいる。
でも、そういう子ばかりでもない。それぞれの子どものいいところを探して、先生方は一生懸命、調査書を書くのだという。
 世には目立つ花あり、目立たぬ花もあり。人も同じことか。安吾の部屋ではないけれど、埋もれたり、隠れたいいところを見つけ出すのは簡単なことではない。子どもとじっくり向き合って「あった、あった」と、いいところを見つけて伸ばす。それが先生の仕事。
 春は「あった、あった」の季節である。あす11日は県立高校入試前期試験の合格発表の日。「番号があった」。子どもの努力、中学校の先生方の苦労が歓声に変わることを願う。』


おそらくこの写真でしょう(^^)
2013311a

まさに「堕落論」を地で行くような一枚ではありませんか!
堕ち切るまで堕ちよ
安吾の叫びが聞こえるようです。

このごろは暴走老人という巷のレッテルに、すっかり慣れ親しんでしまった感のある石原慎太郎氏ですが、氏の「実在への指標」という安吾論は明快です。

「坂口安吾の文学の魅力は、あの得もいえぬ痛烈さであり、その痛烈さとは、文明や文化の粉飾への毅然とした拒否に他ならない。」

2013311b

伝統や貫禄ではなく、実質だ

この強烈な個性(安吾臭)が、一部の人にはたまらない魅力なのだろうと思います(ということは安吾匂か・笑)。
ちなみにこの写真は銀座のルパンでの一枚で、安吾はこれが気に入り「この一枚をもって私の写真の決定版にする」といったそうです。


「堕落論」の安吾を引いて合格発表にもっていくあたりはサスガですねぇ~!
見事なコラムに謹んで敬意を表します。
きっと太宰のご当地ですから、何かDNAのようなものを受け継いでいるのかもしれませんね。
おかげさまで、久々に安吾を紐解く機会をいただきました、東奥日報に感謝(^人^)

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.03.11 06:42:20
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