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2013.05.17
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テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
【北國新聞 時鐘】
20130517


いま話題の会津若松城で、維新の城攻めを語る地元ガイドに「薩摩・長州の官軍」と言いかけて、叱られた。

「官軍、賊軍ではない。敵は西軍、我らは東軍である」。「忠臣蔵」の悪役・吉良上野介ゆかりの三河では、タクシー運転手が律義に「吉良さん」と言い続けた。地元では名君として慕われている。

またぞろ「歴史認識」が騒々しい。対立する双方が「正しい歴史」を主張し、加えて「幅広い視野」での「公正な論議」を口にする。この常套句が、歴史の門外漢にはまるで分からない。双方が言うそんな歴史なるものが、果たして注文通りに手に入るのか。

諸説を引きずる歴史なら、当地にもある。前田利家と宿敵の佐々成政、2人に敵対した一向一揆。遠い昔の歴史評価が、いまも時に猫の目みたいに変わる。誰からも異論の出ない「正当」や「公正」な歴史など、ひょっとして無い物ねだりではないのか。

「歴史認識」騒ぎには、別の狙いがありそうである。高尚な理屈と飯粒は、どこにでも付く。フーテンの寅さんの口癖が浮かぶ。「てめえ、さしずめインテリだな」。インテリも善し悪しか。


~~~~~~~~

コラム氏の見識と勇気と筆力と何より大人の振る舞いに、まずは大敬意を表したい。
「騒々しい」話題を取り上げるコラムは数多あれど、正義を語って真理をかたらず。
時鐘は唯一、真理をついている。

真理はひとつなり、されど正義はひとつならず。

「双方が言うそんな歴史なるものが、果たして注文通りに手に入るのか。」

「歴史認識」は当事者の数だけあり、それが当事者の正義である。
されば真理とは何か。
それは「歴史」の事実だけである。

そも、認識とは感情に基づくものでありそれを議論するのはむなしい事なのである。
行間にコラム氏の知見たるを見た。


「それを言っちゃぁ、おしめいよ」
も寅さんの口癖。
成熟した人間は「高尚な理屈」や正義を振りかざしたりはしないものなのだ。

それはそれとして、会津のガイドさんの心意気や見事!
願わくは、子々孫々まで受け継いで欲しいものだと思います。

心ある読者は中公新書から出ている『ある明治人の記録』をご一読されたし。


20130124aisatsu





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最終更新日  2013.05.17 06:18:35
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