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2013.11.03
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【ライフ・オブ・デビッド・ゲイル】
20120401

「これはオフレコだけど」
「いいわ。オフレコで」
「ルーマニアの秘密警察の手口だ。手錠をかけ鍵を呑ませ、口にテープ、ビニール袋で窒息死させる。口を割らない者へのやり方だ。死んでいく者に悟らせるんだ。“自由への鍵は、結局、自分自身の中にあった”ってことをね」


今さら言うまでもないことだが、この作品は死刑制度に反対している監督が、「冤罪での死刑はありうるのだから、死刑は廃止するべきだ」とする立場で製作したものだ。
日本のような小さな島国と違って、アメリカは多民族で形成された国家である。
しかもキリスト教主義が根底にあるので、宗教上からも死刑の存廃については、大きな影響があるに違いない。
まかり間違って無実の人が死刑を宣告を受けることなどあってはならないが、そういうことがありうるのだから死刑制度なんて即撤廃、という結論は早計のような気がする。
ただ、昨今の警察官の汚職やわいせつ行為、さらには捜査能力への不信感を考えると、やはり人間のやることに完璧なものなどないのだと、改めて痛感せざるを得ない。
とすると、あるいは死刑囚の中に冤罪で命を落とすことになる者もいるのではないかという疑問も生じてしまう。
そんな中、死刑制度の存続に賛成する人たちに、一石を投じた作品となっている。

死刑判決の下されたデビッド・ゲイルは、多額の報酬と引き換えに独占インタビューに応えることになった。
ゲイルは、女性敏腕記者のビッツィーを指名し、無実の罪であることを主張する。

元大学教授で、死刑廃止運動に携わっていたため、死刑賛成派の過激派が仕掛けた罠ではないかと訴える。
最初は半信半疑でゲイルの話を訊いていたビッツィーだが、しだいにゲイルは冤罪なのではと疑問を抱き始めるのだった。

主人公のデビッド・ゲイル役に扮したケヴィン・スペイシーは、とにかくカッコイイ。

インテリでクールで、その甘い声も役者として効果的だ。
今回のデビッド・ゲイルという複雑なキャラクターも、見事なハマリ役で申し分ない。

女性敏腕記者ビッツィー役のケイト・ウィンスレットも、女性らしさを失わず、それでいて芯の強い熱血ジャーナリストを演じていた。
内容としては、賛否両論あるところだが、どこまでも冷静さを失わないケヴィン・スペイシーと、熱く勢いのあるケイト・ウィンスレットの対比が面白い。
思想的なものに捉われず、社会派サスペンスとして鑑賞するのがおすすめだ。

2003年公開
【監督】アラン・パーカー
【出演】ケヴィン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.11.03 06:01:50
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