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2013.11.28
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テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
20131128

【北國新聞 時鐘】

紅白(こうはく)歌合戦の出場者が決まると、つい、「知ってる歌手探(さが)し」をしてしまう。最初は知らない歌手を数えていたのだが、とっくに逆になった。

名前や顔どころか、読み方の分からない出演者までいる。泉谷(いずみや)しげるさんは知っているが、なぜ今ごろ初出場なのか、さっぱり分からない。どんどん時代に置いていかれるのか、それともはやり歌の世界がせわしなさ過ぎるのか。

かつては視聴率(しちょうりつ)80%、「国民的行事」といわれた歌番組である。もう、そんな言い方はなじまない。歌合戦に対する熱気(ねっき)は薄(うす)れたが、それでもこの国は「国民的」が好きである。国会では特定秘密保護(とくていひみつほご)法案を巡っても、盛んにその言葉が飛(と)び交(か)った。

賛成派は、法案は「国民的」理解を得たと主張する。反対派は「国民的」議論がまだ必要だと反論する。ダシに使われる方は、たまったものではない。まるで、どっちの主張にも賛成する、いい加減な「国民」だらけだというのだろうか。

自分たちの主張を、都合よく「国民的」と言い換(か)える悪い癖(くせ)なのだろう。世から世、人から人へ、心を打つ流行歌も、心を腐(くさ)らせる詭弁(きべん)も受け継がれていく。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

実に妙である!
連日の北國新聞なのだ。時鐘氏のコラムは冴えが増す。まるでこの冬一番の寒気に沿うようだ。
正論であることはもとより、紅白歌合戦から国会にもってゆく妙は第一級である。

眼目はここだ。

『自分たちの主張を、都合よく「国民的」と言い換える悪い癖なのだ』

正鵠を射る。まさにこの一文のためにあるのではないだろうか。
ちなみに、社論を世論に摩り替えるのはA新聞の常套手段なのだが、それをして時鐘氏は

『心を腐らせる詭弁』

と言ったのであろうか。ひとつ聞いて見たいところだ。
ご参考まで、同日のA新聞のコラムにこうある。

『安倍政権の本来の性格がはっきり出てきた』

激烈に断じるわけなのだが、『本来の性格』というのは『自分たちの主張』に他ならない。
そしてそれこそA新聞の『本来の性格』であり、それを自ら『はっきり出』してしまったことになるのだが・・


ともかくも、『国民的』と言われた多くの人々は、

『ダシに使われる方は、たまったものではない。』

そう思っているのだ。
そしてここからが時鐘氏の面目躍如なのだ。氏の大人たる所以はここでわかる。ただしわかる人にだけだ。

泉谷しげる。
あたりかまわず人目はばからず言いたいことを言いまくる、この悪口はなはだしい初老のおっさんは、きっと時鐘氏と同年代のはずだ。


『たまったものではない』

きっと泉谷のおっさんなら

『バカヤロー、クソ食らえ!』

そう言ったはずだ。時鐘氏が泉谷のおっさんに託したホンネであり、時鐘氏の第一級の大人たる所以である。

このごろの新聞には辟易した人も多いことであろう。
『いい加減な「国民」だらけだ』
新聞のそういう見下す姿勢を「国民」はちゃんと見て取るのだ。侮ってはいけない。
そして特定秘密保護法より新聞の行く末を案じてやまないのは私だけであろうか。
私にとって時鐘氏は最後の番人であり、新聞の未来を託せるただ一人である。

時鐘氏には北陸の北風に立ち向かうがごとく、常に気炎万丈でいてほしい。
ますますのペンが冴え渡ることを願ってやまない次第である。頑張れ北國新聞、時鐘!

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.11.28 05:59:54
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