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2014.01.10
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カテゴリ: 映画/歴史・伝記
【壬生義士伝】
20130121

「貫一郎・・・食え、食え・・・南部の米だ。北上川の水で育った盛岡の米だ。・・・食え! のう、貫一・・・おめぇのお陰で、しづも子供たちも腹いっぱいだ。んだば今度はおめぇが食え! 南部の米・・・夢に見たべ。食ってけろ、貫一・・・うめぇぞ。貫一・・・貫一!(号泣)」

幕末の日本が大きく波打って、揺れに揺れていたことは今さら言うまでもない。
日本の各地で一揆や強奪など、目に余る暴徒が横行し、治安は悪化する一方だった。
そんな中、幕末の京都の治安を取り締まるために、会津藩が京都守護職の任に就いた。

その預り浪士隊として活躍したのが「新撰組」である。
今ふうに言えば、会津藩という“企業”から委託を受けた「新撰組」という“派遣会社”が警察の仕事を引き受けたという図式になる。
この「新撰組」の印象と言えば、昭和初期まではずい分と野蛮で冷酷非情な人斬り集団というイメージが強かったのだ。
それは幕府側に立つ、言わば第一党であったせいで、改革を訴える知識人や思想家を徹底的に弾圧したからだ。
しかしそれも、後世の史学者や歴史作家である司馬遼太郎の登場により、「新撰組」のイメージは大きく変わった。

明治初期、一人の老人が風邪をひいたと思われる孫を背負い、小さな診療所を訪れる。


待合室は、近日引越しのため荷物が無造作に積まれ、雑然としていた。
老人は孫の診察を待つ間、ふと、古びた一枚の写真に目を見張る。
その写真に写った武士は、老人のよく知る男、吉村貫一郎その人であった。
物語はここから回想シーンとして展開してゆく。
幕末の京都、新撰組に一人の男が入隊して来た。
盛岡南部藩出身の吉村貫一郎である。
風采のあがらない、野暮ったさの目立つ田舎者である反面、その剣術は並々ならぬ腕前を持っていたため、隊士らは皆一目置いていた。
だがその一方で、吉村は何かにつけ給金を要求し、タダ働きを好しとしなかったため、“守銭奴”と陰口をたたく者もいた。

この映画の原作は、世紀のストーリーテラー浅田次郎である。
そのため史実とはかけ離れており、司馬文学のような格調高さは望めない。
だが、現代を生きる我々にわかり易い方法で「義とは何か」「家族を想う心」などのテーマを、直球で教えてくれるのだ。

また、チョイ役だが、大野次郎右衛門(三宅裕司)の草履番として働く佐助役を、山田辰夫が好演。
さらに、沖田総司役を 堺雅人 が史実に近く、のらりくらりと捉えどころのない前髪の美剣士として演じていることに注目。

難を言えば、終盤、ストーリーが流されぎみでピークを逸してしまったかに思えた。
鳥羽・伏見の戦いのシーンにおいて、錦の御旗に立ち向かって行く吉村貫一郎をラストにしたらどうであろうか?

素人の勝手な世迷言なので、あしからず。

ちなみに、原作は言わずと知れた 浅田次郎 、この映画が面白くないはずはない。
浅田次郎原作の 『鉄道員(ぽっぽや)』 コチラ (^^)v

2003年公開
【監督】滝田洋二郎
【出演】中井貴一、佐藤浩市

20130124aisatsu





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最終更新日  2014.01.10 05:47:17
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