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2014.03.21
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カテゴリ: 映画/アクション
【新少林寺】
20120408

「人生とは縁だ。縁に従えば安らかになれる。これを持っていってくれ。ショウダン(のお骨)は君と一緒に・・・」
「あなたはどうするの?」
「ソウバンが来る。あいつを改心させるのは、私の務めだ」


さすがは香港映画だと思うのは、単に優れたカンフーアクションを観たせいだけではない。
中国という歴史の背景、宗教的、思想的な重みを、今さらのように感じたからだ。
ハリウッドの作品と比べると、その相違点がハッキリして来るのだが、例えば、殺人や窃盗など様々な過ちを犯して来た男が悔い改めて、ラストでは大成功を収めて終わったりするハリウッド映画に対し、香港映画ではそうはいかない。
この作品のラストを観ていただければ、因果応報、諸行無常の東洋思想がスクリーンいっぱいに映し出されている。
どちらのパターンが良いかは、各人の好みにもよるが、同じ東洋人として“もののあわれ”を感じながら鑑賞できるのは、やはり後者の方であろう。
さて、『新少林寺』では、ほんのチョイ役だがジャッキー・チェンが出演している。
この役者さんはやっぱり大スターだ。
風変わりな厨房係というキャラだが、ジャッキーが登場したとたん画面が明るくコミカルになるのだから不思議だ。
ムードメイカーというのは、ジャッキーのような役者さんを指して言うのかもしれない。


国内は内乱状態にあり、西欧諸国につけ入る隙を与えていた。
そんな中、登封市にある少林寺の僧侶たちは、食料の配給や負傷した人々の救助などに追われていた。
一方、少林寺に逃げ込んだ敗軍の将を追って、敵対するコウケツ軍がなだれ込んで来た。

独裁的で血も涙もないコウケツは、許しを請う敵の将軍を背後から射殺すると、少林寺をあざ笑い去って行く。
だが、そんなコウケツも腹心のソウバンに裏切られ、愛娘を失うことになる。
※人命は、漢字ではなくカタカナ表記とする。

この作品のテーマは、中華人民共和国としての国家的なプロパガンダが含まれている(?)。

それは、内々で揉めたり争ったりしていると、外国勢力に漁夫の利をさらわれてしまうぞ、大切なのは人民の一致団結だ、という明確な主義主張である。
大衆の娯楽を通して発信する、この防衛意識の強さは、ある意味、見習わなくてはならない国防精神だと思う。
それにつけても、徹頭徹尾、視聴者の感情を揺さぶり、琴線に触れ、涙なくしては観られない作品に仕上げられている。

2011年公開

【出演】アンディ・ラウ、ニコラス・ツェー、ジャッキー・チェン

20130124aisatsu





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最終更新日  2014.03.21 06:01:54
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