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2014.04.20
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カテゴリ: 映画/アクション
【ミッション:8ミニッツ】
20120506

「あなたの助言、役に立ったわ」
「それはよかった」
「次はインドで自分探しかも。いい導師いる? ・・・路線変更して正解だったと思う?」
「同じ列車だが違う」
「深いわね。私も違う道が待っていると思うの」


この作品を観る前の印象としては、パニックモノかな?というぐらいの軽い気持ちだった。
だがすぐにそれは打ち消された。
観客を楽しませるためだけのエンターテインメントなら、もっとサスペンス色を強くしても良かったはずだからだ。
いろんな捉え方があるが、とりわけ強く感じたのは“自分探し”というキーワードだ。

実体のない自分が、死者の最後の8分間の意識に同化して任務を遂行するという行為。

実在していない自分が、プログラムの中でのみリアルな自分を感じるのだから。
果たして自分って一体何者なんだ?という疑問にぶつかってしまうのも当然だ。
監督はダンカン・ジョーンズで、『 MOON月に囚われた男 』を手掛けた俊英の監督だ。



陸軍大尉のコルター・スティーヴンスは、アフガンの前衛で戦っていたはずだった。
だが目覚めたのは、シカゴ行きの列車の中だった。
向かい合った座席に座る女性が、親しげに話しかけて来るが、コルターには見覚えがないし、自分がなぜここにいるのかも分からない。
慌てて洗面所で自分の顔を鏡に映し出すと、自分は自分でなくなっている。
ポケットの身分証明には、ショーン・フェントレスとあり、自分が別人になっているではないか。
それもそのはず、コルターの任務は、破テロの起きたシカゴ行きの列車に乗っていたショーンの絶命までの8分間の意識と同化して、テロを起こした犯人を見つけることだったのだ。

何がスゴイかと言えば、SFを超えたSFであることだ。
実体のない自分が、脳の意識下の中だけで、誰かを愛し愛されることで自分を認めていく。
リアルには存在し得ない自己存在の意義を、わずかでも感じ始めて行くという展開が胸を熱くさせる。
ストーリーの流れはあくまで犯人探しのための8分間のミッションを繰り返すわけだが、本当のところ、犯人が誰かということにあまり重点は置いていない。
それは、“自分とは何ぞや?”という命題を抱えた孤独な人間の、一筋の光を頼りに生きていく、新たな旅立ちの物語だからだ。


2011年公開
【監督】ダンカン・ジョーンズ
【出演】ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン

20130124aisatsu





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最終更新日  2014.04.20 06:06:25
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