吟遊映人 【創作室 Y】

吟遊映人 【創作室 Y】

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

吟遊映人

吟遊映人

カレンダー

2014.08.16
XML
カテゴリ: 読書案内
【勝海舟/第三巻・長州征伐】
20140816

◆大坂夏の陣以来の戦、幕府VS長州
先日、バス停で女子高生二人の会話を、聴くともなしに聴いてしまった。
仮に二人をA子、B子としよう。
A子はカレシと上手くいっていない、というのもA子がカレシに距離を置こうと言ったところ、翌日になってカレシの方から急に別れようと言って来たと。
「あたしはさーただお互いがちょっとしたことでムカついてーすぐにケンカになるからさー冷却期間じゃないけどー自分を見つめ直そうよって意味でーべつに別れたかったわけじゃなかったのー」
「わかる、わかる」
「でー距離を置こうよって言ったらさー次の日カレシが別れようって言い出すしーはぁ?ってカンジ」
その後、延々とA子がB子に「どうしたらいい?」と相談をしたところ、B子が急に思いついて、柔道部の某先輩は仲介のプロ(?)で、何度となく別れてしまいそうになったB子カップルを奇跡的に救ったという話を始めた。
「A子さー柔道部の○○先輩に間に入ってもらってさー、たのんでみー。絶対カレシも考え直すと思うよー」
結局、バスが来てしまい、A子がB子の提案を受け入れたのかどうかは分からずじまい。


第三巻では、いよいよ薩摩の西郷隆盛が登場する。
勝麟太郎の宿泊する天満の近江屋五郎左衛門の旅籠に、西郷が訪れるのだ。
東の勝海舟、西の西郷隆盛、この両名は、後に幕府軍と官軍の代表として日本国の命運を定めていく。
この二人の心血を注いだ交渉がなければ、あるいは日本国は日本国でなかったかもしれない。

一方、幕府は長州に手を焼いていた。
というのも、長州は何事にも徹底しており、攘夷の布告を忠実に守り、馬関海峡を通行する外国船を片っ端から砲撃するのだ。
現代で言うところのタカ派で、それはもう容赦のない戦闘行為だった。
ところがこれに激怒したのがイギリス公使オルコック。
各国の連合艦隊で長州を総攻撃すると言い出した。
幕府は慌てた。
一方では攘夷、攘夷と布告しておきながら、外国へ味方するという矛盾も繰り返しているから、長州の融通の利かないやり方に苛立ちを隠せない。

なぜなら、いかに長州に罪ありとも、外国人の手を借りてこれを攻撃するなどというのは、同胞として国体の尊厳を辱めることだと皆が感じていたからだ。
しかし、それもこれも結局、今や幕府にそれだけの統率力がなく、求心力を欠いていた現れでもあった。

さて、ここに一つのエピソードがある。
それは、長州が朝敵となって二進も三進もいかなくなった際の、京での風評。
それは、敗軍であるはずの長州の評判が、すこぶる良かったのである。

とかく新撰組などは、武家はもとより町家にも金銀の無心にやって来るため、ありとあらゆるところで会津家中と見れば盗っ人呼ばわりされる有り様だった。
とにかく金に執着し、応じなければ乱暴を働いたのだ。
これは、勝海舟が評するところ、「会津には上に人物がない」とのこと。

※無論、これは江戸末期のことであり、現代のことではないため、あしからず。

こうして、日本はますます混乱を極め、カオスに突入していく。
勝麟太郎はあくまで国家統一を主張するが、果たしてこの意見が受け入れられる時が来るのか?
赤誠に生きる勝海舟のその後が見逃せない。

『勝海舟~第三巻・長州征伐~』子母澤寛・著


☆次回(読書案内No.139)は子母沢寛の「勝海舟~第四巻・大政奉還~」を予定しています。


『勝海舟』~第一巻・黒船渡来~は
20140802
コチラ


『勝海舟』~第二巻・咸臨丸渡米~は
20140809
コチラ




コチラ から
★吟遊映人『読書案内』 第2弾は コチラ から



20130124aisatsu






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.08.16 06:07:40
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: