全5件 (5件中 1-5件目)
1

これは、畑のモロッコインゲンのサラダの仕込み。モロッコインゲンは塩を入れた熱湯で2分と少しゆで上げて、氷水に取り水を切ったらさらにペーパータオルなどで水分をふき取り、シチリア島のトラパニ塩田の塩とサルディニア島産のサンジュリアーノのオリーヴオイルで合える。シンプルだけど青い豆の一番おいしい食べ方だと思います。空豆や剥いた枝豆、春先の柔らかいグリーンピースなどこのやり方で食べると美味いです。削ったパルミジャーノチーズやペッコリーノチーズをのせればよいワインのおつまみになりますね。素材の味がもろに出るので、新鮮な豆と上質な塩と極上のオリーヴオイルを使い、余分な水分をしっかり取り除くのが肝心です。サンク・オ・ピエの初夏の定番です。前菜の付け合わせのサラダに入ってますよ。 畑の胡瓜が取れてきたので早速ピクルスに。毎年販売もします。これはテリーヌなどの付け合わせになります。 うちの畑の水茄子とハンガリー産の国宝豚マンガリッツァ豚の生ベーコンのサラダ仕立てです。これはもうすっかりサンク・オ・ピエの夏の風物詩といってもいいくらいの定番となりました。水茄子というのは生食用の茄子で、皮を剥いて食べるとスーッと溶けるような食感があります。ちょっと青い風味があって甘くないメロンを思わせるような風味。これに脂肪融点が低いマンガリッツァ豚の生ベーコンを合わせます。水茄子と生ベーコンを一緒に食べると二つが溶け合ってスーっと消えていきます。とても心地よい不思議な食感です。あとに残るスモークの香りも心地よいです。たぶん誰もやっていない料理だと思います。
Jun 27, 2016

前回のブログで紹介しましたハンガリー産マグレ鴨です。フォアグラを取るために肥育した鴨ですから、皮が厚くて脂がのっています。その皮をカリッと香ばしくなるように脂を落としながらしっかり焼きます。コップ半分くらい脂が出ますよ。そうすると皮の風味が凝縮されて、カリッと香ばしく焼けたフォアグラみたいな風味が出ます。まずこれがマグレ鴨の魅力ですね!赤身の肉の方はごく軽く火を通してから、暖かい場所でゆっくり休ませて余熱で火をしっとり通します。 画像のように皮は黒っぽくなるくらいにしっかり焼けて、赤身の方は均一にロゼに色仕上がれば完璧ですね。シャラン産鴨やバルバリー鴨などと違い飼育期間が長い鴨なのでやや肉質が固めなマグレ鴨ですから、肉の繊維を断つような方向で少し薄めにカットすると食べやすいです。まあ、この焼き上がりなら厚く切っても大丈夫なくらい柔らかいですけどね!マグレ鴨はあまり好きじゃないといううちのマダムも試食して、「これなら美味しい。やっぱり焼き方が違うね!」と納得でしたよ。 もう一つ、夏向けの肉料理です。ニュージーランド産仔羊の肩ロース肉(チャックロール)のソテーカレー風味のバターソースです。 仔羊は、日本に輸入される肉のほとんどが主にオーストラリアとニュージーランドで生産されているんですが、おおざっぱに言うとそれぞれの国の羊の品種の関係で、、、オーストラリアは、肉がやや大きめで味が濃く風味が強めなので、゛仔羊が大好き!”という方むきな肉。一方、ニュージーランドは、肉は小さめで味は淡白、羊臭さがなくて食べやすい。というのが定番でした。それが近年品種改良などで、ニュージーランド産仔羊が肉が大きめなのに癖がないという、ある意味日本人向けというか、万人向けという肉が出てきました。それがこの肉です。(ちなみにこのブランドは、ハラール認証を受けていて、ムスリムの方でもお召し上がりいただけます。) さてこのお料理、肉は牛でいうところのリブロースよりも少し頭に近い背肉です。赤身ほぼ100%で余計な脂も筋もほとんどありません。これを1.5cmくらいに切って塩を振りあまり強くない火で何度かひっくり返しながらやさしく火を入れて、暖かいところで休ませてロゼ色に仕上げます。 焼いた鍋についたスック(こびりついた香ばしい肉汁)を水でデグラッセ(スックを溶かす)して、そこにカレー風味の合わせバターをモンテ(バターを分離しないように乳化させながらソースを仕上げる)します。カレー風味の合わせバターは、室温に戻して柔らかくしたバターにカレー粉とトマトパウダーとほん少しのおろしにんにくとほんの少しのレモン汁にその他隠し味を加えて練ったものです。 仔羊はカレーとの相性が良いですからね!食べてみると、「本当に羊なの?」と思うくらいに癖がなく柔らかくて美味しい肉です。カレー風味のバターソースとも良く合います。畑の夏野菜、茄子、万願寺唐辛子、モロッコインゲン、ズッキーニなどとも良く合いますね。しばらくスペシャルメインディッシュでやるつもりです。美味いですよ!ぜひどうぞ。
Jun 26, 2016

サンク・オ・ピエで、¥2000程度の追加料金にもかかわらず人気があるシャラン産窒息鴨の胸肉ですが、フランスにおける鳥インフルエンザの影響でこのところ輸入が停止されております。しばらく有った国内の冷凍在庫も底をつき、いよいよ品物が無くなりました。 再開は早くとも12月ごろになりそうです。 代替品として、ハンガリー産のマグレ鴨を使うことにします。こちらは、シャラン産窒息鴨よりだいぶお安いので、追加料金は¥600くらいですみそうです。マグレ鴨というのはフランスで開発されたミュラールという品種の鴨です。北京ダックとバルバリー鴨の交配種で、頑強で脂がのりやすくフォアグラを取るのに向いているんです。 皮をカリッと焼くとほのかにフォアグラの風味があって赤身のほうにもコクがあるお肉です。 フランスの鴨やほかの家禽類が一切入ってきませんので、しばらくはハンガリーの鴨になると思います。よろしくお願いします。 ホームページのメニューもハンガリー産に入れ替わってます。ランチコース ディナーコース ご覧になってください。
Jun 21, 2016

フォアグラのオムレツです。 世代的にいって、私くらい(現56歳)のコックさんはオムレツがちゃんとできます。昔はオムレツがフランス料理の基礎と言われてましたから、さんざん練習しました。今はそんなこと言う人いないでしょうが、、、。まあ、フランス料理の基礎というよりもフライパンを自在に使いこなすための技術の基礎といったほうが良いでしょう。最近はオムレツと言ったら、朝食メニューとか洋食屋さんのメニューで、フレンチレストランでオムレツやっている店はもう少ないと思います。 私はかつて、生うにのオムレツというのをスペシャリテでやってまして、25年以上前のことですが結構人気がありました。生うにをオムレツに包み込んで焼き、盛りつけてからさらにウニをトッピングするというやつです。キャビアのオムレツもやりましたね!帝国ホテルの故村上シェフの本にあった料理でしたが、キャビアの場合はキャビア自体に火を通してしまうと美味しくないのでお客様の前にワゴンのグリドンでシェフ自らプレーンオムレツを焼きあげて、オムレツに少し切れ目を入れてそこからキャビアをたっぷり入れるというものでした。美味しいでしょうが、帝国ホテルで村上シェフにそんなことしてもらったら、いったいいくら取られたんでしょうね? その後、料理とワインの相性というのを研究するようになってから、ウニとかキャビアとかイクラとか魚卵系はワインにはちょっときびしいという事をつくづく感じて、サンク・オ・ピエを始めてからは、ウニのオムレツもさっぱりやらなくなってしまいました。ところが最近ふと思い立ってやってみました。それがこれです。 このフォアグラのオムレツは、卵を割って生クリームを少し加えて白トリュフ風味の塩と白コショウで味をつけて軽く解きます。フォアグラは2~3cmくらいに切って塩を振ってフライパンで焼きます。だいたい火が通ってら皿に取り出して、出てきた脂を少し卵に入れます。これで卵が白トリュフとフォアグラの風味ですごいことになってます。それでオムレツを焼き、中にとろんと溶けたフォアグラを包み込むわけです。もちろん卵はレア気味です。 卵トローリのフォアグラがトロンで白トリュフがホワーンときて、もうすごいですよ!(笑) 今スペシャル前菜でやってます。
Jun 20, 2016

世界一美味しいといわれるスコットランドサーモンを昆布〆にします。 盛り付けてサーモンにローマ法王献上品のチェルビアの塩で味をつけ、アオサノリをミルサーで粉にしてサルディニア島産の極上ヴァージンオイルと合わせた海藻オイルで風味をつけてあります。綺麗なサーモンの味わいを柔らかい当たりのチェルビアの塩が引き立て、昆布の旨味とアオサノリの香りが良い具合で、とても美味いですよ!ワインは、、 ミュスカデ・セヴル・エ・メーヌ・シュル・リ、クロ・デ・ブリオール、ヴィエイユ・ヴィーヌドメーネ・ド・ラ・ペピエールです。ちょっと長い名前ですが、、フランス一の大河ロワールの河口付近で出来るワインで、特別に優秀な区画の樹齢の高い古木のブドウで造られています。ミュスカデというと普通はお気楽な軽いワインなんですが、この作り手のこのクラスはブルゴーニュの上級品を思わせるくらいの気品があって、昆布やアオサノリの海のミネラル分がワインのミネラル感と柑橘系のさわやかな酸味とよく合って実に料理がおいしくなります。 次のスープは、自家菜園の新玉ねぎをこのように鍋に入れてバターを少しと塩を少しして、蓋をしてごく弱火にかけます。3~4時間かけて、、、 新玉ねぎの水分だけでこんな風になるまで火を通すと、ちょっと信じられないくらいに甘味が出ます。ここに鶏ガラスープを少しととろみつけの小麦粉を少し足してちょっと煮たら、ミキサーにかけて滑らかにしてからシノワで濾します。牛乳を少し加えてフォアグラのソテーを浮かべると、、 自家菜園の新玉ねぎの甘いポタージュとフォアグラのソテーです。これは数年前に作り上げたメニューで毎年のようにやっていますが、常連さんの間ではもはや伝説的な料理になっています。 「これは反則だ!」とか、「このスープ3杯とデザートだけでもいい」とか、「いっそバケツ一杯食べたい」などという興奮したコメントが多数寄せられています。私自身もちょっとやりすぎてしまったかなと思うくらい美味いです。(笑)合わせるワインは、、 コトー・デュ・ラングドック・カディエール・ブラン、ドメーヌ・ラ・プローズです。西南フランスのワインらしくしっかりしたボディーでほんの少し感じる甘味が新玉ねぎの甘みとよく合い、切れの良い後味がフォアグラの脂をさっぱり流す感じなので、またスープに手が出るというループな関係です。もう一つ、サンク・オ・ピエのフォアグラワインの定番、アルザスのゲヴェルツトラミネールもあります。こちらはもう妖艶に絡み合う感じ、ちょっとエロいです。(笑) 熊本赤牛の内もも肉です。内ももは牛で最も赤身率の高い部位ですが、和牛だけに少しサシがありまして肉質も柔らかいです。褐毛和牛なので、黒毛和牛ほどの脂ではありません。アミノ酸的な旨味も多くてとても好ましい肉です。私のイメージする牛肉の理想に近い感じですね。 肉のソースに使う牛肉のジュです。牛筋と牛コマ肉をオーブンで香ばしく焼いて水で煮だしたものを良く煮詰めてこのようにスープンを刺しても倒れないくらいの硬い煮こごりになってます。でも味わいは決してくどくなくクリーンですよ。 赤牛のローストです。超弱火でゆっくりと、焼くというより肉の温度を少しづつ上げていく感覚です。芯温がある程度上がったら温かい場所で休ませ余熱でほんのり火を入れていきます。供する直前に超強火で表面を焦がして香ばしさを出します。かなり特殊な焼き方ですが、イメージとしては、大きなローストビーフの真ん中だけを取り出したようなしっとりした仕上がりなんです。 合わせるワインは2種類。 ベルジュラック・エテ、シャトー・レ・ゾー・ド・カイユベル。 カシ・ルージュ、ドメーヌ・ラ・フェルム・ブランシュ。 ベルジュラックは、ボルドーから東に入った内陸部でこのワインもメルロー、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨンのボルドー品種で作られ、あえて樽を利かさないで果実味を生かした作りで、通常のベルジュラックにありがちな荒ぶるイメージとは対照的でバランスよくチャーミングなワインです。上品でとても口当たりが良いので旨味のある熊本赤牛にばっちりですね。 カシ・ルージュは、ちょっと変化球でマルセイユ近郊の地中海のワインです。ムールヴェードル100%で日本向けの特別キュベ。しっかりしたタンニンがありやや硬めの印象で南のワイン特有のインクや墨汁のかすかなニュアンスも感じるちょっと野性的イメージですが、赤身肉には抜群の相性を見せます。 アーモンド生地のアプリコットのガトー・ランヴェルセです。ランヴェルセというのはひっくり返したという意味で、ケーキ型の底にアプリコットを並べてアーモンドの生地を流し入れて焼き上げたらひっくり返すわけです。タルト・タタンも焼きリンゴの上にパイ生地をのせて焼き上げたらひっくり返しますよね。だから別名タルト・ランヴェルセ。プリンも型から出して茶色いほうを上にして盛り付ければ、クレーム・ランヴェルセと呼ぶこともあります。 デザートの盛り合わせは、アプリコットのガトー・ランヴェルセ、自家菜園のブルーベリーのアイスクリーム、カシスのムースのフランボワーズソースです。これに合わせるワインもあります。 ミュスカ・ド・リヴザルト、マス・デ・カプリス。完熟マスカットで仕込まれた甘口ワインです。これが特にアプリコットのケーキによく合いますね。デザートと甘口ワインのマリアージュは本当に至福のひと時ですよ。是非お試しください。さて、もちろんデザートに合わせるこーひーは、、、 さかもとこーひーのサンク・オ・ピエ6月7月のコース専用ブレンド!グァテマラ・エルインヘルト・イエローナンス、モカ・イルガチェフェ・ハマ、エチオピア・モカ・ナチュラルのブレンドです。上品なグァテマラ・エルインヘルト・イエローナンスをベースに2種類のモカの異なる酸味が味わいの後味にブル-ベリー的な要素があって、なんともよく合います。さすがさかもとさん、今回もいい仕事ありがとうございます。 先日、さかもとさんがブログで「心震える魅力」として私の料理について書いてくださいました。ありがとうございます。 お料理の合わせるワインをお勧めしております。どれもグラスで125cc、100cc、60ccとお好きな量でご注文いただけます。ワインは飲みたいけれども量は飲めないというお客さまにも対応しております。 こうして、お料理とワインの組み合わせをお勧めしているので、たまにサンク・オ・ピエではワインを飲まないといけないのか?と誤解される方がいらっしゃるようですが、もちろんワイン無しでも大歓迎です。ワイン無しでも充分にお楽しみいただけると思います。お気軽にご予約ください。 サンク・オ・ピエ6月7月のコース
Jun 6, 2016
全5件 (5件中 1-5件目)
1


