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クリスマスなどを含めて、忙しかった昨年の暮れに比べて毎年年明けは静かなスタートだ。クリスマス・ディナーの時などは、常連さんで満席にもかかわらず全くテーブルに顔も出せないほど忙しさで、全くキッチンから離れられない状態が続いた。 年明けは、皿を運んで料理の説明や世間話などしながらのんびり仕事が出来る。 毎年この時期は、2月21日の開店記念日辺りからはじめる特別メニューのことを考えていて、何をしているかというとまずは、エスコフィエ・フランス料理 を読み返す。これは分厚いレシピの本でクラシックなフレンチの聖書のような物。それから、手当たり次第に本棚の料理書や料理が出てくる小説やエッセイなど何でも読む。 その一方で好きな数学や物理関係の本なども読む。(多分左脳の活性化に良い) さらに集中して譜面を見ながら、バッハのフーガを聴く。(普通音楽は右脳で聴くのだが、複雑なフーガを譜面を追いながら聴くときには多分左右の脳が全開になるのではないか、、、) まあ、数学や音楽はたいして関係ないのかもしれませんが、気分転換は必要ですな、、。 とにかく、2月の下旬に向けて 7周年記念コースメニューを画策中です。 画像は、ネコヤマさんという編みぐるみ作家の本をもとにうちのマダムが編んだ あみねこ。あみねこのいる生活
Jan 31, 2008

これは、自宅の庭のレモンで作ったシャーベット。材料はレモン汁と砂糖それにレモンの皮を卸したものを少し。隠し味にイタリアのカプリ島産のリモンッチェロ(レモンの皮のリキュール) かなり酸っぱくて、美味しい。 このシャーベットは今やっている新春コースのアヴァンデセール(デザートの前のデザート)に出しているもの。 イチゴと自家製スモークサーモンのアミューズ(突き出し)から始まり、フォアグラのテリーヌ、オマール海老のリゾット、シャラン産窒息鴨のフィレ肉のポアレときてかなりのボリュームのコースだからデザートの前にサッパリと味覚をリセットし、さらに酸味の力で食欲をもう一度掻き立ててもらうためのシャーベットだ。 このあと、いつもより大き目のクレーム・ブリュレを召し上がっていただく。 新春コース。
Jan 24, 2008

まるで、トリュフのソースのようですが、、、ブラウンマッシュルームのデュクセルがベースになっている。 デュクセルというのは、普通マッシュルームをみじん切りにして同じくみじん切りしたエシャロット等と一緒にバターでゆっくり炒めて水分を飛ばし旨味を凝縮した物だ。そのまま何かの詰め物に使ったりもするが、肉料理や魚料理のソースにキノコの凝縮した旨味を加えるために使われる事が多い。 この料理に使ってある私の作ったデュクセルは、エシャロットなどは入れずに房総産のブラウンマッシュルームだけを使った物で、水分が飛んでパサパサになるくらいまで火を入れてある。ここまでやると、デュクセル・セシュといって乾燥デュクセルという事になる。まさにキノコの旨味が元の10倍くらいに凝縮されている。 マデラ酒を煮詰め、鴨と鶏で取った茶色のだし汁を加えて煮詰め、このデュクセル・セシュを加えてバターでモンテして仕上げたのがこのソース。 マデラ酒由来の甘味と肉の旨味とキノコの旨味と香りが合わさって、なんともいないくらい複雑で奥行きのある味わいだ。 熟成したメルロー主体のサンテミリオンやポムロールなど、又はコルトンやポマール、サヴィニィあたりの熟成したブルゴーニュワインなどと合わせたらきっと楽しいだろう。 しかも、鴨はシャラン産の窒息鴨のフィレ肉!!鴨というと固めの肉というイメージがあるが、このシャラン産の鴨のフィレ肉は上手に焼き上げれば(これがはなはだ難しいのだが、、)とろけるように柔かい肉なのだ。300年以上もの伝統を誇るシャラン産の鴨肉。ただいま新春コースで召し上がっていただけます。
Jan 23, 2008

海老や蟹などの甲殻類、もちろん身も美味しいのだが頭や尻尾の殻などからとる出汁が美味しい。甲殻類の場合、例えば1キロのうち食べるところは多くて400グラムくらいだろう。つまり、歩留まりがせいぜい3割強から4割くらいだ。だから海老や蟹の身だけ食べてからは捨ててしまうのはじつにもったいない話だ。 伊勢海老の味噌汁なんて、美味いですよね!身は刺身でいただいて、残った殻を使って味噌汁を作るわけですね。 でも、オマール海老の場合は、やはりアメリケーヌソース!!殻は出来るだけ細かく砕く。その殻をオリーブオイルなどで強火で炒める。海老や蟹の殻の香りや旨味成分の一部は油に溶けやすいので、この炒める作業は大事。強火で香りを引き出すのもポイントだ。 よく炒めるといっても焦がしては駄目。よく炒まったら、コニャックでフランベして白ワインと水又は薄いチキンブイヨンかフュメw)?气」鼻Ε櫂錺愁・・・ぢ魚のだし汁)、別に炒めたミルポワ(香味野菜、玉葱、ニンニク、エシャロット、ニンジンなどをいためたもの)と、トマトピュレかトマトの水煮の缶詰を加えて煮込む。 あくはもちろんよく取るのだが、最初に炒めたときに海老の風味を引き出した油は一緒にすくって捨ててはいけない。 まあ、30分も煮れば大体味が出るでしょう。シノワなどで漉しましょう。こうして出来た液体がクーリ・ド・オマールといって、ちょいと濃い目のオマールの出汁だ。これをさらに煮詰めてコーン・スターチやらブール・マニエなどで濃度をつけ、コライユといって海老のミソを加えて仕上げた物が、ソース・アメリケーヌというものだ。 上の画像のオマール海老のリゾット仕立、アメリケーヌ風は、、、クーリ・ド・オマールでリゾットを炊いて、仕上げに海老のミソとチーズやバターなどで仕上げて、海老の身はちょうどよくローストして添える。クーリ・ド・オマールを程よく煮詰めバターとクリームで仕上げて回しかける。オマール海老を食べつくすという点でじつに美味しい料理だ。 新春コースの魚料理です。予約限定です。
Jan 18, 2008

これは、新春コースの前菜のフォアグラのテリーヌ。材料は、フォアグラと塩と少しの砂糖とほんの少しのナツメグ。要するにフォアグラと調味料だけ。 まあ、数あるテリーヌ料理、数あるフォアグラ料理の中でも最高峰といえるだろう。 うちの店の人気メニューのフォアグラのソテー。これは、生のフォアグラに小麦粉をまぶしてフライパンで焼くのだが、、、 新鮮なフォアグラがあればサッと焼いて出せるシンプルな料理だ。確かに美味しい料理だ。 だが、サッと作れるフォアグラのソテーと違ってテリーヌはシンプルながらとても手間がかかる料理だ。 まず、フォアグラは、薄い塩水につけて一晩置き血抜きをする。次の日、冷蔵庫から出して室温に戻し柔かくしてから、フォアグラの中の太い血管を掃除する。その柔かいまま調味料を使いながらテリーヌ型に詰め込む。 一晩置いて味を浸み込ませたあと、低温のオーブンでゆっくり火を入れる。フォアグラ自身から出た脂でゆっくり火を通してそのまま冷やし固めて、さらに1週間ほど熟成させて出来上がり!詳しくは、フォアグラのテリーヌの話の前後をご覧ください。
Jan 16, 2008

生ハムとフルーツというのがありますね。よくあるのは、メロンですかね、、、。生ハムは塩気が強いですから、ちょっと甘い果物とあわせると美味しいわけです。メロン以外にも無花果、洋梨マンゴーやパパイヤなんかもとても合いますね。 スモークサーモンも塩っぱい食べ物です。よくレモンを絞ったりしますね、、。レモンは酸味と柑橘類独特の果実の風味。レモンが合うなら、グレープフルーツやオレンジも合いますね。それから酸味がしっかりした果物といえばイチゴやキウイがありますね。 というわけで、イチゴとスモークサーモンの組み合わせ。これがまたシャンパーニュに合うんですね!高級店に行くとこれにウニとキャビアが乗ったりしますがあれは駄目!魚卵系はワインを不味くします。もしウニもキャビアも乗せたいのなら、北欧のアクアビットやロシアのウオッカを飲みましょう!これは抜群に合います。 今予約限定の新春コースのアミューズでお出ししています。
Jan 15, 2008

クレーム・ブリュレの本場は、多分スペインのカタロニア地方。カタロニアには日本の柳川鍋にそっくりな土器に濃厚なカスタードクリームを入れて冷やし固めた物の表面にカソナード(三温糖のような茶色の生成していない粗糖)を振ってから、専用の焼きゴテで焼き付けカラメリゼした名物デザートがある。本場スペインの物は、一口食べるだけで歯が痛くなりそうなほど甘~~いのが普通。その上量もたっぷり!丼サイズの物も珍しくない。 もちろん、私の作るクレーム・ブリュレは、歯が痛くはならない。量も普段は小さなココットで作っているのだが、今やっている新春コースではいつもより大きいココットで作っている。量も3倍くらい。フランスサイズだ。しかもお客様の目の前でファイヤーして仕上げるパフォーマンス?つきです。 軽く1000℃を超えるトーチバナーで一気に砂糖をカラメリゼすると、香ばしい香りが立って食欲を刺激する。バニラビーンズもたっぷり入って、まさにほっぺが落ちるような美味しさ!予約限定の新春コースのデザートです。
Jan 14, 2008

仔牛のレバーのステーキ。材料はこれ、、。 これは、カナダ産の仔牛のレバー1頭分。赤黒いような成牛のレバーと比べるとかなり淡い色。味も淡白でさっぱりしている。 肉食獣は倒した獲物を食べるときに、大抵レバーから食べ始めるという。やはり柔かくて栄養が有り、消化も良いレバーが一番魅力的なのだろう。 良質なたんぱく質の塊で鉄分もたっぷり! まあ、栄養もさることながら仔牛のレバーはとにかく美味しい!レバーは苦手で、、、という人こそ食べてみて欲しい。 ミディアムからミディアムレアくらいに焼き上げ、焦がしバター風味のソースを使うのが私流。最近大好評の温前菜です。(しばらくメニューに載っています)
Jan 12, 2008

これは、蕪のポタージュ。 ポタージュというと日本では、コーンクリームポタージュなどを筆頭にとろみのついたクリームや牛乳で仕上げた物ということになっているようだが、、、本来のフランス料理用語では、とろみのついたものやにごった物、コンソメのように澄んだ汁物など全て含めていわゆる汁物全般を指す言葉だ。 ポタージュがまず、ポタージュ・リエ(つなぎの入った、とろみのついた汁物、コーンクリームスープなど)とポタージュ・クレール(澄んだ汁物、コンソメの類)に分かれる。 この蕪のポタージュはもちろんポタージュ・リエの仲間だ。つなぎは米!蕪のような繊細な味わいを生かすにはやはり米が最適だ。つなぎといっても皮を剥いた蕪を1キロに対して米はカップ1/3弱もあればたくさん。 蕪にひたひたくらいの量の薄めのチキンブイヨンと生米を入れて火にかけ沸騰したら、火を弱めて18分煮る。コツは、あくをこまめに取る事くらいか、、。 あとはミキサーにかけてシノワなどで漉す。牛乳を少しとバターと生クリームをほんの少し加えて仕上げる。味付けは塩だけ。蕪が繊細なので胡椒も要らないと思う。 この手のポタージュのとろみ付けには、よくジャガイモを濃度をつけるのに使うが、ジャガイモというのは意外に持ち味が強いので、ニンジンなどとあわせるにはいいかもしれないが、蕪に使うと蕪が負ける。また、バターと小麦粉を炒めたルーなどもちょいと重すぎるのだ。やはり、少量で適度なとろみがつきしっかり脇役に徹してくれる米が適しているのだ。 米というと、シェフの和風なアレンジ?などと思うかもしれないが、これがとてもクラシックなフレンチの技術。古いやり方なので忘れ去られているきらいがあるが、上手に使えばとても優れた方法なのだ。
Jan 10, 2008

ちょっと珍しい野菜。コールラヴィです。アブラナ科の植物でキャベツの仲間だ。フランスでは、chou rave(シュー・ラーヴ)といって意味はキャベツの根っこ。丸く肥大した茎や根に当たる部分を食用とする。 紫や緑や白っぽい物など、、また大小も含めて色々な品種があるようだが、大きく分けて中国系とヨーロッパ系があって、一般的にヨーロッパ系のほうが実が大きく食感も良いらしい。ちなみにうちの畑のは、ヨーロッパ系の品種。 皮が固いので、厚く剥かなければならない。剥いてしまうと、、、 このように薄緑がかった白色で紫でも緑でも中身は一緒。剥いた私も区別がつかなくなってしまう。味も変わりはない。 普通火を通して使う事が多いのだが、薄く切ってヴィネグレット(ドレッシング)で和えておけば塩分で少ししんなりして生で食べる事もできる。 スープ煮にしたり、ポ・ト・フに入れたりするとちょっと里芋のようなねっとりした感じの舌触りで、ブロッコリーやカリフラワーの太い茎のところやキャベツの芯や太い葉脈の部分の味わいにほんのりキャベツの香りがして、ヨーロッパでは煮野菜の王様とも言われることがある。 ユニークなかたちと色なのだが、皮を剥くとなんだかよく分からない姿になってしまうので、皮や葉を上手く生かして使えない物かと今研究中です。
Jan 10, 2008

これは自宅の庭のレモン。無農薬有機栽培どころかただ植えてあるだけで何もしていないほったらかしの木からとったものだ。 毎年たくさん花が咲き、小さな実がなるのだが、せいぜいちゃんと取れるのは5~6個がいいところだったのだが、今年はなんと30個くらい立派な実がついている。 どうやら調べてみると、今年は全国的に柑橘類が大当たりらしい。確かにみかんも美味しいし、冬至が終わっても安くて綺麗な柚子がスーパーにたくさん並んでいる。 夏が暑くて雨が少なめで、初冬が温かく12月にはいって急に気温が下がったのが、柑橘類にはもってこいの条件らしい。 確かに隣近所や道々ちょいと人様の庭先を覗いても、みかんや柚子やレモンなどどこも黄色の大きな実がたわわになっている。確かに当たり年だという気がする。 このレモンを使って、新春コースのシャーベットを作ります。皮にワックスや農薬がついてないので、レモンの皮も安心して使えるのが魅力。
Jan 8, 2008

アミューズは自家製スモークサーモンでイチゴを包む。前菜はフォアグラ100%のテリーヌ。オマール海老のリゾット、アメリケーヌ風。シャラン産窒息鴨のポワレ。これにブラウンマッシュルームのデュクセルソースを添える。クレームブリュレを焼き立てで!このほかにうちの庭の有機レモンのシャーベットも、、。 2月の上旬ごろまでやる予定です。予約限定メニューですので、ご予約をお願いします。詳しくは、ホームページをご覧ください。
Jan 8, 2008

ノルウェーサーモンを半生に焼き上げたしっとり焼き。 サーモンは、ノルウェー産の刺身用の鮮度のいいものを軽く塩でマリネしてある。日本の塩鮭を見ても分かるとおり鮭は塩で〆たほうが美味しいのは、実証済みのこと。一般的に魚は、塩で軽く〆ると臭みが抜け、身が締まり、程よい下味がつくから、生の魚にいきなり下味をつけて調理するよりよい事が多いようだ。 特に水分が多い鮭や鱈などは、塩を上手に使うと格段に美味しくなる。 このサーモンは、焼いてそのまま食べて少し薄いくらいに塩を決めてある。そして、皮側をカリッと焼き上げ、そのままひっくり返さずに温かい場所で休ませて仕上げる。ミディアムに焼き上げたローストビーフを切り分けたときのような感じに魚を焼き上げるわけだ。手前のほうが半生になっているのが見えるだろうか? 鮭に塩をして、しっかり中まで焼いてしまったらただの塩鮭になってしまう。脂の乗ったノルウェーサーモンだから、ただの塩鮭でも結構美味しい事は間違いないが、、やはりレストランで出す料理なのだから、もう少し非日常性が欲しいところでしょ?だからこういう風に火を通してみるわけだ。カリッと焼けた鮭の皮はとても美味しい。戦国武将の伊達政宗は、鮭の皮が大好きで一寸の厚みの鮭の皮があれば何千石だかやっても良いと言ったらしい。だから皮側は、しっかり焼き上げる。でも身のほうは、しっとりと半生に、、、 かなり美味しいですよ! 今年もよろしくお願いします。
Jan 5, 2008
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