全16件 (16件中 1-16件目)
1

小笠原あたりで水揚げされて、新島経由で空輸されるルートがあるようで、最近よく入ってきます。これは尾長鯛。 文字通り尾びれが長いです。鯛や鱸やこの尾長鯛など魚らしい形をした魚は、だいたい重量比で正身(刺身などになるところ)が1/3、頭が1/3、骨と内臓で1/3といった感じの割合です。ですから、魚を買って原価計算をするときには、キロ¥2000の鯛なら正身はキロ¥6000と考えるわけです。鮮魚は高いんですよ!一番歩留まりが良いのが平目で、重さの半分以上が正身なのでキロ¥2000の平目なら正身は¥3600くらいになります。 今回の尾長はきっかり3キロでしたから頭は鰓付きで1キロくらい、エラを外しても700gくらいあります。 立派な頭、これを半分に割ってカブト焼きでお出しします。 こんな感じです。割烹料理屋で食べれば結構取られると思います。スペシャルメインディッシュで2名限定ですよ!お箸で召し上がっていただきます。カマのあたりやほほ肉それから目の周りなどが美味いですね!魚好きにはたまらんです。
Sep 30, 2016

サンク・オ・ピエのご予約限定スペシャルコースの一つ、牛ヒレ肉のパイ包み焼きです。先週、ちょっと久しぶりに注文してくださったお客様がいらしたので、最新の画像で紹介させていただきます。 これが焼き上がりのパイ包み焼きです。こういう料理は、パイがさっくり焼けているのが理想なんですが、普通は中の肉汁が出てきてパイの底のほうはしんなりしてしまうことが多いのですが、私のパイ包み焼きは底のほうもさっくりと焼けているんです。どうなっているのかは、企業秘密といいますか、、むしろ、教えてもできることではないタイプの技術なので、詳しくは説明しません。これを切ると、、、 こんな感じです。美味そうでしょ?パイの底がへたっていませんよというところ見せるためにあえて底を上に向けて盛り付けてあります。肉とパイの間にキノコのデュクセル(キノコを微塵切りにしてよく炒めて旨味を凝縮したもの)を挟んでありますが、それのおかげでパイの底がサクサクに仕上がるわけではありません。秘密はオーブンの温度管理と余熱の使い方です。 この料理に使う牛ヒレ肉は、肉のど真ん中あたりだけで、しかもステーキにする時より1.5倍くらい大きめに切ってから筋や硬いところを全部外して芯だけにするので、かなり贅沢な使い方をしています。それをパイに包んで間接的に焼くことで、とても滑らかな上品な食感に焼きあがります。ちょっと真似のできないレベルの料理と自負してます。私の得意料理の一つです。
Sep 27, 2016

Menu d'Automne 2016 Cinq au pied.サンク・オ・ピエ秋のコース、2016¥6800(税別)10月1日より11月16日ころまでご予約限定メニューです!(3日前までにご予約ください)Culatello con cotenna di PARMA Galloni avec Salade tiede aux champignons du Japon.ガローニ社の高級生ハム、パルマ産クラテッロ・コン・コテンナ、和キノコの温かいサラダ添えFoie gras chaud avec poire rissolee et confiture de figue.フォアグラのソテー、焼いた洋梨とイチジクのコンフィチュール添えPotage aux chataigne.山栗のポタージュCuisse de poulet de HINAI avec risotte aux cepes sec et frais.比内鶏のもも肉のポワレ、ドライポルチーニとフレッシュポルチーニのリゾット添えMousse glacee de poire et coulis de framboises , Cake aux marrons et noisette roti , Pave de chocolat au cointreau洋梨のムースグラッセ、木いちごのクーリ添え、栗とローストヘーゼルナッツのケーキ、コアントロー風味の生チョコCafe de SAKAMOTO pour Menu d'Automne 2016 Cinq au pied. ou the , 2painsさかもとこーひーのサンク・オ・ピエ秋のコース専用ブレンド又は紅茶、2種のパン 10月1日よりサンク・オ・ピエ、秋のコースが始まります。前菜にはこの高級生ハムクラテッロ・コン・コテンナが登場!普通の生ハムは豚の足をまる1本使います。重量は約7キロ前後。このクラテッロは、クラッチャと呼ばれる上モモ肉の4キロくらいを取り出して作った生ハムなんです。つまり、最初から肉を半分近くまで削ってしまって柔らかくて美味しい部分だけで作るわけです。それから、通常の生ハムは塩だけで漬け込みますが、このクラテッロはハーブやスパイスもふんだんに使って漬け込むので、生ハムなのにちょっとサラミ的な香りもあってそれが魅力となっています。 このガローニ社クラテッロ・コン・コテンナは、実は上客のためにひそかに作られていた裏メニュー的存在で、普通は販売しないそうなんですが試食した日本の商社が惚れ込んでしまって無理を言って引っ張ってきたものだそうです。ですから、とても希少品。こういうものをさりげなく手に入れてしまうのがサンク・オ・ピエの良いところですよね!(笑)この生ハムに温かいキノコのサラダを添えたものが前菜です。 次のフォアグラは、ここ数年定番化していたフォアグラポルチーニはやめて、バターで焦げ目をつけた洋梨とおいしいイチジクのコンフィチュールを添えたフォアグラのソテーです。今、レギュラーメニューでフォアグラのリンゴ添えをやっていますが、フォアグラはいろいろなフルーツととても相性がよく、その中でもイチジク、洋梨は断トツです。しかも何とも妖艶なマリアージュが魅力で、さらにこれにワインを合わせるとその魅力がアップします。今回も相川さんにワインを選んでもらっています。 続くスープは、これもここ数年キノコのスープが多かったのですが今回は栗のポタージュ!イタリア産の山栗とうちの畑のちょっと栗っぽい味わいのする゛インカのめざめ″という品種のジャガイモを合わせたポタージュです。美味いですよ! メインは、比内鶏!フランスのブレス鶏にも匹敵する日本を代表する地鶏ですね!お値段も一流ですけどね!普通の国産鶏の4~5倍というところです。まあ、美味いものは安くはないですね。これを皮をカリッと身はしっとりと焼き上げて、ドライポルチーニのリゾットとフレッシュポルチーニのソテーを添えます。ポルチーニのソテーには鶏のジュも入れて旨味がたっぷりです。印象的なメインになると思います。 デザートは、3種類。洋梨のムースグラッセは、上品な洋梨のムースを冷凍してからすこし溶かし加減のものに木いちごのソースを添えます。ケーキは栗粉と小麦粉を半々でパウンド生地を作り、ラム酒風味のシロップ煮にした栗とこんがりローストして砕いたヘーゼルナッツを混ぜ込んで焼き上げます。生チョコは、ベルギーのカレボーのショコラにフランスのヴァローナも加えてオレンジリキュールのコアントローを効かせたものです。これにはもちろん、さかもとこーひーの素晴らしいマリアージュのこーひーをお願いしてあります。それから、相川さんのデザートワインも美味しそうですよ! 秋のコースは、ご予約限定メニュー、10月1日からの開始です。 サンク・オ・ピエホームページからご予約ください。
Sep 26, 2016

この4キロの大きな肉を解体して、、 一番柔らかく味わい深い内もものところをしっとりローストに、ランプや外モモの肉で串焼きに、、串焼きにはハーブのドライマジョラムをまぶして焼いてあります。シラーのワインをテイスティングすると、スパイシーさやハーブの香りという表現がたいてい出てきますが、そのハーブって私の感覚ではドライマジョラムを感じることが多いです。ですから、串焼きにドライマジョラムを使ってみました。付け合わせは白トリュフソルト入りのジャガイモのピュレなど。昨夜のワイン会のカリホルニア産のきれいなシラーのワインに合わせた料理です。このメインに使った肉が約1キロ弱で、残りは、、、 カレーにしてみました。シラーのワインはこういうスパイシーな料理にもあいますからね!これがまた大好評でした。私が作るカレーは基本的にはインドっぽいスタイルなんですが、ちょっとどこにもないような味わいなので、みなさん「なんで、こういうカレーが他にないのか?」とおっしゃってましたね、、、。(笑)で、カレーですけどもちろん普段の営業ではやってませんので、あしからず。
Sep 25, 2016

約4キロ、長さ60㎝、幅30㎝近く、、結構大きな肉です。 骨盤の一部と尾骨の一部がついているので、取り外します。 外した骨、結構肉がついてますが、後で出汁を取るので良しとします。 骨盤と尾骨が外れたところ。次は大腿骨と脛骨を外します。 外れました。 あとついているのは、膝蓋骨(膝のお皿)これも外します。 取れました。 だしを取るので、大腿骨と脛骨は割っておきます。これは力任せにやってもなかなか折れないんです。左手で軽く持って、包丁の背でスナップを効かせてある場所にある角度で当てると、いとも簡単に折れます。大腿骨骨折! こんな仕事は年に1回あるかないかですから、熟練しているとは言えません。腕のいい肉屋さんにはとてもかなわないでしょうが、初めてこれをやったときはばらすのに1時間以上かかったと思います。今は10分もあれば終わります。 この肉は、今夜のワイン会に使います。どうなるかは、またあとで、、、。 このジゴ・ダニョーは上の画像のように丸焼きにして食べることもできます。いわゆる、漫画肉ですね。よく食べる人なら6人くらい、普通は8~10人前くらいでしょうか?やってみたい方は、仲間を集めてお問い合わせください。そんなに高い肉ではないので、ご心配なく、、。
Sep 24, 2016

今月はまだ1週間ほどありますが、食材とワインがちょうど切れが良いタイミングなのと、急に涼しくなって来たので、8月9月のコースは終了させていただきます。 メインディッシュの熊本赤牛のネックのトマト煮込みは、まだ少しありますのでスペシャルメインディッシュでお出しします。パルミジャーノリゾット添えとなります。 次の秋のコースは、10月1日より開始します。次の定休日の26日にホームページにアップします。今回はここ数年似た感じのコースになっていたのを大幅に内容を変えてあります。ご期待ください!
Sep 23, 2016

先日紹介した鹿児島黒豚のバラ肉のコンフィの仕上がりです。表面がカリッとするくらいに焼いて黒コショウを挽き、バルサミコのソースを少しかけます。 よくできた分厚いチャーシューをカリッと焼いて食べる感じです。フォアグラみたいで美味いですよ!
Sep 17, 2016

リンゴがだいぶ出回ってきました。「リンゴが赤くなると医者が蒼ざめる。」という格言があるそうで、、そのくらい医者いらずの体に良い果物と聞きます。皮を剥いて生で食べる以外にアップルパイなどのスイーツに使いますが、ヨーロッパでは結構料理に使います。肉の煮込み料理に入れたり、上の画像のように焼いて付け合わせにしたりして使いますが、実はフォアグラとの相性が抜群なんです! リンゴは縦に八等分に切っておきます。フライパンにバターを入れて蜂蜜とグラニュー糖も入れて火にかけて香ばしくカラメリゼしたらリンゴを入れてソテーします。少し火が通ったら、りんご酢を加えてさらに火を通していきます。焼きリンゴというと甘ったるい感じが多いですが、酸味を加えることで味が引き締まります。レモン汁を使う人も多いのですが、レモンの香りが余計なのでりんご酢にします。リンゴからできたお酢ですからとてもナチュラル。 フォアグラはいつものように塩をして粉をまぶしてカリッとソテーしてりんごの上にのせます。甘酸っぱいリンゴとこってりしたフォアグラが、思いのほか相性が良くこれが実に美味いんです。合わせるワインは、ロワールの中流域のシュナンブラン種の甘口または半甘口白ワイン、ヴーヴレィとかコート・デュ・レーヨンなどです。もうこの料理にはこのワインが、、「これ専用!」といっても良いくらい、笑っちゃうくらいの相性です。 明日の夜から、フォアグラの相棒がりんごになります。もちろん、ワインもヴーヴレィが用意してありますよ!
Sep 16, 2016

普段よく使う包丁です。包丁は軽く研ぎます。きちんと刃のついている包丁の切れ味を復活させるには、刃先のほんの100分の数ミリていど研いであげれば大丈夫。だからこれだけ研いでも15分程度でおわりです。よく1本の包丁を1時間も研いでいるような人がいますが、あれは大事な道具を削って捨てているようなものです。必要以上に研ぐことはないです。余談ですが、実は刃物でなぜ物が切れるのか?物理学的にはまだ完全に解明されていないそうです。解明できれば間違いなくノーベル賞らしいですよ!? さて、秋の連休シルバーウイークの営業ですが、、17日(土)はお昼は空いてますが夜は満席、18日(日)もお昼は空いてますが夜は満席、19日(敬老の日)は月曜定休日、20日から25日は通常営業ですが、20日(火)の夜は空席あと2名、24日(土)の夜は満席です。それ以外はまだ空いております。22日の木曜日は秋分の日で市場や肉屋さんなど休みで仕入れができませんので、来週のご予約はお早めにお願いいたします。
Sep 16, 2016

コンフィという料理は、脂(主にラード)を用いて肉を煮ます。そのときに温度を80℃くらいに保つのがコツ。 最初から説明しますね。よくコンフィにする肉は鴨のもも肉や鶏のもも肉または豚の肩ロースやバラ肉などあと豚や牛のタンなどもやりますが、まず肉を塩漬けにします。濃いめにどっぷり塩漬けにして後で水洗いしてから水にさらして少し塩抜きをするのが昔のやり方。私の場合は、適度に塩を振ってラップでくるんで2日ほど冷蔵庫でつけおきます。漬け込むときにスパイスやニンニクやハーブなどを使うこともありますが、今回は良い黒豚を使うので塩のみ! キッチンペーパーで肉の水けをふき取り80℃に保てるように火力をコントロールしたラードで火を通します。ラードはイベリコ豚のラードを使っています。コンフィの良いところは。脂で煮るので肉の旨味が流出しないこと。旨味が残ったままコラーゲンがほどけて、食感はとろりと柔らかくなり水気で煮たものよりねっとりします。朝から初めて、8時間くらい加熱します。温度計を指して温度が上がりすぎないように監視しながらやります。竹串がスルッと通るくらいになれば、出来上がりです。火からおろしてそのまま冷まします。 翌日、なべから取り出して冷蔵庫で肉をしめます。ラードに付け込んだまま冷蔵庫に入れて熟成させるのが伝統的なやり方なんですが、私は熟成はさせません。冷蔵庫のない時代はかなり塩辛く作って、ラードが固まるくらいの気温の季節なら保存食になったわけですが、保存食としての意味ではなく、しっとり肉を仕上げるといことだけが目的ですので、熟成の必要はないと考えています。1日くらい冷蔵して肉がしまったら適当な大きさにカットしてラップして、冷凍または冷蔵します。 これが断面。ほんのりロゼ色なのは低温調理だからです。このまま、食べても厚切りチャーシューみたいでおいしいです。これを表面がカリッとするくらいに焼きます。そうすると、香ばしくて黒豚独特のコクのある脂がとろけて、まるでフォアグラのソテーのようですよ! しばらく、スペシャルメインディッシュでやります。お昼も夜もオーダーできますよ!お待ちしております。10数人前しかないのでお早めにどうぞ。
Sep 15, 2016

これは、タコのガリシア風。結構人気のある前菜です。寿司屋仕様の茹でタコの足を長いままレモン汁だけで軽くマリネして、カットして皿に並べ、チェルビアの塩を少し挽きかけ、スペイン産の特別なパプリカをたっぷり使います。ガーリック風味のオリーヴオイルとマヨネーズ的なアリオリソースが仕上げです。 ハライス・デ・ラ・ベラ産のピメントン・ドルセ(パプリカ甘口)と、、 同じくピメントン・ピカンテ(辛口)これは、完熟したパプリカの実をスモークしてから粉に挽いてあるという特殊な製法で作られていて、パプリカの甘い香りやピーマン香に交じって上等な葉巻のような香ばしいスモーク香が魅力なんです。スペイン独特のスパイスです。フランスのAOCに匹敵するDOの指定を受けている高級品です。 この前菜はほぼ開店当初のころからやっているんですが、なぜか人気が高くてメニューから外せなくなっているんです。どう見ても、フレンチっぽくないし、実は本格的なスペインのスパイスを使っているのに、スペイン料理でもないという、、。妙な存在なんですが、、、。常連さんの中にはこれが大好きという方が多くて、メニューから外すときっとがっかりされるだろうと思うと、やめるわけにいかないんです。(笑) 最近スペシャル前菜でやっている、北海タコのカルパッチョもよく出るんですが、日本人ってタコ好きなんですねぇ、、と実感します。 北海タコのカルパッチョ、自家製セミドライトマト風味。
Sep 14, 2016

サンク・オ・ピエの前菜でトップクラスの人気を誇るテリーヌ。テリーヌというのは、実は、、、 こういう器の名前です。これはフランスのルクルーゼ社の物です。分厚い鋳物にホウロウびきになっています。このテリーヌという器に材料を入れて焼いたり蒸したり、あるいはゼラチンや寒天で寄せたり,または重石をして押し固めたりして作った料理の総称をテリーヌといいます。 親子丼とか牛丼とか天丼とかありますね!?それらは、べつに丼を食うわけじゃないでしょ?丼という器が料理名になっていますね。それと同じで、この場合は調理に使った器が料理の名前になっているわけです。 サンク・オ・ピエで良く作っているのが、白身魚とホタテのテリーヌ。 白身魚500gをフードプロセッサーですり身にします。卵白2個分を加えてさらに回し、塩8g、白コショウとナツメグを各少々を加えて、回しながら生クリームを500㏄ゆっくり加えます。分離しないようにしっかりと乳化させましょう。湯通ししたホタテ貝のヒモとコライユ(赤色と白色の生殖巣)を細かく切って混ぜ込み、最後に小さめに切った貝柱を混ぜ込む。これをテリーヌに詰めて蓋をして湯煎にかけて170~180℃くらいのオーブンで蒸し焼きにします。約1時間くらい。出来上がったら粗熱を取り冷蔵庫で冷やしておきます。テリーヌから出したものを1㎝くらいに切り分け、サラダなどとともに盛り付けます。以前は、貝柱だけを入れていたのですが、最近思いついて貝ヒモやコライユを入れるようになりました。そのため、特にヒモからテリーヌを焼いている間に香り良い出汁というか旨味が出てホタテらしさがテリーヌ全体に広がって美味いです。 常連さんの中でかなりな人気の地鶏レバーのテリーヌ。私自身も大好きです。作り方はシンプル! 新鮮な鶏のレバー500gと新鮮な豚の背脂500gを良く冷やしておいて交互にミンチにかけて挽きます。または、フードプロセッサーにかけても良いです。塩13g、白コショウ黒コショウナツメグ各少々、カソナード(フランスの茶色い砂糖)3gを合わせてよく混ぜます。それをバターを塗りベーコンを張り付けたテリーヌに詰めてベーコンをかぶせて、テリーヌの蓋をして湯煎にかけて、あとは先ほどの魚のテリーヌと同じように蒸し焼きにします。 レバーは血抜きのために牛乳につけたり水にさらす人もいますが、私は血抜きはしません。血抜きをするとレバーのたんぱく質もかなり失われるので焼き上がりがぼそぼそになってつながりが悪いです。それに血の香りもレバーらしさの魅力の一つです。要は仕上がったときにそれが下品な方向に出なければよいだけのことです。つなぎのために卵や粉類やコクだしのために生クリームを入れたりする人もいるようですが、そういうものも使いません。ブランデーやワインの類も入れません。レバーと背脂のみ!です。ポイントは火の通し加減です。生焼けはもう論外ですが、火の入れすぎもアウト。過不足なくしっとりと仕上げなければいけません。実はこれが一番難しい。何人もの後輩に教えましたが、満足にできた人はいませんね、、。残念ながら、、、。 最近は、このようなクラシックな魚や肉のテリーヌは古臭いといって、若いシェフたちの間では断面の美しさだけの食ってもちっとも美味しくない野菜のテリーヌなんかが流行ってますが、私に言わせれば「満足にクラシックなテリーヌも作れないくせに、、、」と思いますけどね(笑) クラシックなテリーヌといえば、なんといってもフォアグラ!フォアグラだけをテリーヌに詰めてオーブンで蒸し焼きにします。サンク・オ・ピエでもクリスマス時などに作るとっておきの逸品ですね!これに貴腐ワインや遅摘みのゲヴェルツトラミネールなど合わせると、まさに盆と正月が一緒に来たような気分になりますよ(笑) そう言えば、以前テリーヌを凄い人に褒められたことがありました。過去のブログをご覧ください。ちょっと自慢話です。
Sep 9, 2016

サンク・オ・ピエの前菜で人気の高い自家製のスモークハムと生ベーコンです。ハムのほうは、薩摩黒豚の肩ロースを使います。肉にイタリアのトスカーナのチェルビアの塩(ローマ法王庁献上品の塩)をまぶしてラップに包み冷蔵庫で3~4日漬け込みます。味付けはこれだけ。普通ハムを作るときはソミュール液というハーブやスパイスなどを使った濃い目の塩水に漬け込むのですが、私の場合は塩をまぶすだけです。塩の量も肉1キロ当たり何グラムなどと決めていません。脂の乗り具合や肉の太さや水分などを見ながら、勘で塩を振ります。肉がなんといっても薩摩黒豚ですから、塩で充分だと思います。これを200℃くらいのオーブンに3分入れては温かいところで10分以上休ませるというのを何回も繰り返しながら、しっとりと火を入れます。温度計で図るわけではありませんが、肉の芯温が60℃くらいになればOKです。これを冷蔵庫で一晩休ませてから、冷燻に6時間くらいかけます。ラップにくるんで、一晩冷蔵庫に寝かせてスモークの香りを肉全体に回したら、真空パックにして冷凍または氷温で保存します。 マンガリッツァ豚の生ベーコンのほうもやはり塩を振ってラップで包んで冷蔵庫で3~4日漬け込みます。それを冷燻にかけます。通常の冷燻は30℃以下を目指すのですが、生ベーコンの時はあえて45℃くらいに調節します。この温度では火が入るわけではありませんが、脂肪分が溶けるぎりぎりの温度帯にすることで生臭さが取れます。燻製が終わったらまたラップにくるんで、冷蔵庫で一晩寝かしてから真空パックにかけて氷温庫でさらに1月以上熟成させてから使います。 市販のハムやベーコンは、食品添加物がてんこ盛りですから使う気になりません。しかもスモークハムと書いてありながら、燻製にかけてないものも多いんです。燻液といって煙の臭いの液体につけておしまいというのが意外に多いんですよ。スモークサーモンも安いのはほとんど燻製してません。 オーガニックのショップなどで手作りの無添加ハムやベーコンなどたまに売っているのを食べてみてもあまり美味しくないことが多いです。無添加にこだわってもまずくては意味がないです。私が自家製でハムやベーコンを作るのは、美味しいのが売ってないからなんです。フランスやイタリアの高級品なら美味しいのがありますが、ちょっと高くて手が出ませんし、国産の物は美味しくても添加物が多く、無添加のはたいてい不味い。したがって、自分で美味しく作るしかないということで、長年作っています。今でも少しずつ進化していると思います。 そういうわけで、サンク・オ・ピエのスモークハムと生ベーコンは豚肉と塩と桜のチップのスモークだけで出来ています。
Sep 8, 2016

通称北海タコ。和名は水タコ。タコ類の最大種で大きなものは足を広げると5メートル、体重50キロ以上に達することもあるという。よくあるマダコと違って、みずみずしい透明感のある身質が魅力で薄めに切って刺身やしゃぶしゃぶなどでいただくことが多い。小さめの北海タコをカルパッチョにしてみました。 薄めに切ってチェルビアの塩を振り、レモン汁を少しとサルディニア島産のオリーヴオイルをかけて、自家製セミドライトマトを散らしてあります。真ん中に少しラタトゥイユを添えて、、。さっぱりしていて美味いですよ!スペシャル前菜でやってます。 アメリカ産のブラックアンガス牛のタリアータです。肩ロースの中にあるザブトンという部位で、牛一頭で2~3キロしか取れない希少部位を使っています。1人前120g程度の小さな肉を30分くらいかけて弱火でゆっくり焼きます。というか、焼くというより温める感覚ですね。肉を焼くというと、ジュージューバチバチというイメージがありますが、しっとり柔らかく焼き上げたいのなら、弱火でゆっくり肉の内部の温度を上げてやることです。 タリアータというのは、イタリア料理で焼いた肉をタリアート(切るという意味)したという料理です。この皿は、まずバルサミコソースを皿に敷き、切った肉を並べます。ゲランド産のフルール・ド・セル(塩の華)を振り、ガーリック風味のオリーヴオイルを垂らして、パルミジャーノチーズを薄く削って散らします。バルサミコの酸味と甘みガーリック風味のオリーヴオイルの香ばしさとパルミジャーノの旨味が肉の味わいと混じり合ってシンプルだけどおいしい料理です。しばらくスペシャルメインディッシュでやってます。
Sep 4, 2016

6月頃採った新玉ねぎがこの時期になるとだいぶ水分が抜けて、新玉らしさが無くなってきます。召し上がった方はご存知でしょうが、初夏のコースの「新玉ねぎの甘いポタージュのフォアグラのソテー添え」のあの驚異的な甘さがだいぶ落ち着いて、むしろ旨味が増します。ただこの時期ずっと暑いので屋根付きのガレージに風通しが良いように置いてある玉ねぎがだいぶ傷んできます。それで、毎年8月の終わり頃か9月の初めころのお昼の予約が少ない日を狙って残りの玉ねぎを全部オニオングラタン用に仕込みます。仕込みといったって、玉ねぎ切って炒めるだけなんでやることは簡単なんですが、なんせ量が、、玉ねぎを70~80個とか今年は80から先は数えてませんが100まではないくらい。量が多いので皮剥くだけでも2~3時間かかるわけです。 それを紙のように薄く切ります。これがまた時間かかります。でも1個に1分はかからないくらいですけどね。最初はお店で2番目にでかい鍋(約30リットル、直径約40センチ高さ25センチくらい)に八文目くらいですね。上の画像は半日くらい火にかけた様子です。極超弱火でやるので3日か4日かかります。 これが2日目の終わり。3日目の朝に鍋を変えます。(直径24センチ、7リットル弱)初日に切りたてで見た目25リットルくらいあった玉ねぎが3日目の朝には6リットル無いくらいです。 上の画像が、3日目の朝。 これが、3日目の夜。これで、あとは余熱で出来上がるくらいですね。足りなければ明日もう少し火を入れます。これはプラックというフレンチ用の特殊なガス台がないとなかなかできません。プラックについて詳しくこちらをご覧ください。
Sep 2, 2016

うちの畑のカボチャが取れ始めました。先日の台風で、トマトやナスなど夏野菜はほとんどなぎ倒されてほぼ終了。まあ、どちらにしろもうシーズンはだいたい終わっていたのですが、、、。カボチャも葉っぱが引きちぎられてすごいことになっていたようですが、なんとか10個くらい採れました。まだ小さいのがいくつもなっているようなので、もう少し取れるかもしれません。 先週まで、スープはガスパチョをやっていたのですが、9月となると冷製スープもどうかなと思い早速カボチャのポタージュを作りました。 カボチャのポタージュを美味しく作るコツは、まず17~18分以上煮ないこと。それ以上時間をかけると香りが飛ぶし、苦味が出ます。それから、コーンスターチでほんの少しとろみをつけること。の2点です。カボチャのポタージュというとどうしても粉っぽいようなカボチャの粒子を感じることがあるんですが、コーンスターチでゆるくとろみをつけてやると一種の浮力みたいな作用で舌触りが滑らかになります。ただし、とろみが強すぎると下品になってしまうので微妙な加減が難しいんです。それがジャガイモのポタージュだと逆にざらついているくらいが私の好みで、コーンスターチも使わないし、ミキサーにもかけすぎないようにします。
Sep 1, 2016
全16件 (16件中 1-16件目)
1