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では、木曜日のビール・白ワインのリストです。★ビール◎ホフブロイ ヘーフェ ヴァイツェン 1本(330ML)¥1000 独・ミュンヘン地方です。小麦50%、大麦50%ずつ使っていて、キメが細かく、そして、大麦のざっくりした香ばしさとあいまって本当に上品な味わいで、まさに一杯目にふさわしいビールだと思います。「ふわふわ」の触感は、試してみる価値が十分にあります。◎フランツィスカーナー ヘーフェ ヴァイスビア 1本(355ML)¥1000 独・ミュンヘン地方です。これも、小麦50%、大麦50%を使っています。酵母の香りが強くて、まるで、上品なトロピカルフルーツのような鮮やかな香りがあります。そして、触感は、やはりふんわり滑らかで、一つ一つの粒子が細かくて、とても上品です。 120ミリ(70ミリ)★シャンパン◎フレネ ジュイエ スペシャルクラブ プルミエクリュ 1998 ¥2400(¥1200) 仏・シャンパーニュ地方の小規模の生産者です。ヴェルズネイ村が本拠地で、地に足を着けた、ガシっとした味わいです。これを飲んで感じるのは、やはり、この生産者は、シャンパンの良さを知っているな・・・と。四角形の立体的な構造ながらも、肉付きの豊かさ、滑らかさとのバランスが良くて、メリハリがしっかりしています。飲めば飲むほど、「旨いな~(上手いともいう)」と唸らせます。◎ギイ ミッシェル ブリュット "ピノ・ムニエ" 1990 70ミリ¥2200 仏・シャンパーニュ地方、これは、ここ数年日本に輸入され始めたもので、熟成したもののあまりの品質の良さに、驚いた記憶があります。熟成を重ね、もちろん、柔らかい熟成感、コクがあるのですが、それと同時に、ビシっ!とした酸味の鮮やかさがしっかり残っているのです。熟成しても、颯爽とした生命力が残っているのは、本当に驚異的だと思います。口に含んだ時の、ジワジワっとした旨みは、やはり、シャンパンの醍醐味ではないでしょうか。◎ピエール ルグラ ブラン ド ブラン 1990 70ミリ¥2200 仏・シャンパーニュ地方、シュイイ村のシャルドネを100%使っています。正直言いまして、私が飲むのは初めてなので、なんとも言えません。ただし、シュイイ村(特級畑)100%のものは、記憶にないので、どんな味わいになるか、本当に楽しみです。★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ レ クロ 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。(さて、ヴォーデジール畑を開けた次には、最も偉大とされる"レ クロ"の畑です。やはり、すべての特級畑の中でも、最も立体的構造と、コクがあり、さすがと思わせる存在感を放っています)◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎ピュリニー モンラッシェ レ コンベット 2002(J.クドレイ ビゾ家) ¥6400(¥3200) 仏・ブルゴーニュ地方です。ジャンイヴ・ビゾ家との遺産分割相続によって、誕生したドメーヌだそうです。実際に、ほとんど知られていません。味見してみると、ねっとりしたムルソー的な味わいで、まるで、ギー・ルロー家のワインのような『詰まった味わい』です。ピュリニーらしい、ミネラルの弾けるような感じというよりは、ムルソー的な、ねっちりしたコクを味わえます。そして、ソゼ家のワインのような、錫や、銅を感じるミネラル(緑系のミネラル)はやはり、とても個性的と言えるでしょう。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.30
では、木曜日の日本酒のリストです。黒龍、磯自慢がリストに加わりました~。 120ミリ(70ミリ)◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎黒龍 大吟醸(2010 BY) ¥1600(¥800) 福井県産です。黒龍が、日本でものすごく人気があるのは、やっぱり水が清らかで、「柔らかい」からではないでしょうか。いろんな日本酒がありますが、これほど、しっとり「水のように綺麗な」味わいのものは、なかなかありません(静岡系も多少柔らかいですが)。この大吟醸は、ズドーン!と豊かなのに、とても、優しい触感で、まさに黒龍の真骨頂だと思います。◎磯自慢 大吟醸 一滴入魂 生詰(2010 BY) ¥2400(¥1200) 静岡県産です。この地域と、この蔵の特徴は、やっぱり「清らかさ」にあるのではないでしょうか。初亀も、そうなのですが、やっぱり「水がいい」のだと思います。いつまでも清々しく、流れるように余韻まで綺麗さが押し寄せる・・・。こってりしているというよりは瑞々しい、とてつもない上品さを感じます。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.30
では、木曜日の赤ワインのリストです。 120ミリ(70ミリ)★レオン バラル家 ●フォージェール キュベ ジャディス 2008 ¥2000(¥1000) 仏・ラングドック・ルーション地方です。レオン・バラルと言えばこの地域の「鬼才」と いうべき存在で、これほどまで複雑で、葡萄の凝縮感のあるワインは、フランス全土 を探しても、なかなか見当たりません。強烈な「土っぽい香り」の中に、ガリッグの ようなハーブが混じったような個性的な要素、そして、花崗岩や、深い石灰質のキメ の細かい香りが、重層的に上がってきます。この迫力と、複雑な奥行きは、もうさすが としか言いようがありません。ラングドックではゴービー社の「ムンタダ」と双壁をなす のではないでしょうか。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎デコイ 2008(ダックホーン社) ¥2800(¥1400) カリフォルニア・ナパ地方です。最近のカリフォルニアワインは、一昔前の強引で、やたら抽出した、こってりした味わいのものとは、少し変わってきています。最近は、 豊かな酸味を備えて、フランスワイン的な上品さを身につけつつあるように思います。 カベルネソーヴィニオんの、「ズドーン!」としたパワーを感じながら、タンニン、酸味のバランスが素晴らしく、奥行きのあるグラーヴのワインのような気高ささえ、覚える かもしれません。最近のナパのワインの完成度の高さを、ぜひ・・・。◎ニュイ サン ジョルジュ レ ミュルジュ 2004(アラン ユドロ ノエラ家) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年という年は、実は本当に素晴らしい出来で、酸味の質が良く、ミネラルの美しさが煌めき、ブルゴーニュらしい美しい味わいになっているのです。この生産者は、古典的な作り方で、ほのかに酵母の柔らかいニュアンスや、土の複雑な味わいが入り混じっています。2004年らしい鋭さと、テロワールの豊かさが合致した、まさに飲み頃と言ってもよいでしょう(でもこれからも熟成続けます)。◎ヴォーヌ ロマネ 2004(ミュニュレ ジブール家) ¥3800(¥1900) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年のブルゴーニュは、本当に素晴らしい出来です。ミネラルの粒子が、キラキラと本当に美しくて、酸味の綺麗さと相まって、ブルゴーニュ らしい、上品さにあふれているのです、すでに甘さと酸味のバランスと、奥行きが伴っ て、今飲んで十分美味しい状態になっています。ミュニュレ・ジブール家は、モザイクの ようなヴォーヌロマネ村の堅さと、艶やかさを、見事なバランスで表現しています。あまり にも素晴らしいので、今後エレヴァージュのハウスワインとして、しばらく置くことに決めま した。◎ジュブレイ シャンベルタン アン シャン ヴィーユ ヴィーヌ 1996(ドニ モルテさん) ¥6800(¥3400)仏・ブルゴーニュ地方です。アンリ・ジャイエさん亡き後、彼のような完成度の高いワインを継ぐのは、間違いなくこのドニ・モルテさんでした。しかし、ドニ・モルテさんは2006年に拳銃自殺してしまいました・・・。まるで、花火を目の前で炸裂したかのような鮮烈なミネラル感と、奥行きから出てくる豊かなコク。その2つの要素を、両立させるのは、至難の業でしょう。それを成し遂げているのが彼で、まさに天才的 だと思います。この才能と、不断の努力は、ここまでできる人はきっといないのでは ないでしょうか。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.30
では、木曜日のデザートワインのリストです。DRC(ロマネ コンティ社)の、マール ド ブルゴーニュ 1947年をリストに載せました。★ほのかな甘口◎グラーヒャー ヒンメルライヒ シュペトレーゼ 2004(ヨハン ヨゼフ プリュムさん) ¥2200(¥1100)独・モーゼル地方です。「天上のネクター」と言われ、冷やした洋梨や、桃をツルリと飲み込んだかのような触感で、自然な酸味で、余韻がとても心地よい清涼感をもたらしてくれます。 ドイツワインは、ただ甘いだけではありません。この豊かな酸味こそ、素晴らしい上品さをワインに与えているのです。ドイツワインの生産者の中で、多くの人がこのプリュムさんに憧れて、このスタイルを目指すと言われる、理由がここにあります。「ドイツワインなんだただ甘いだけ」と、間違った認識を持たれている方へ、無理矢理飲ませたい・・・(卍固めをかけながら、元気ですか!)。 ◎ヴーヴレー ドミ セック 1989(ドメーヌ ド ラ フォンテネリ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) 仏・ロワール地方です。このワインは、一年ほど前によくグラスワインで出していました。シュナン・ブラン種ならではの、清らかな甘さ。熟成することによって、尖ったこの品種の欠点がなくなり、トロっとした、自然な丸みを帯びています。そして、甘いとはいっても、余韻に豊かな酸味が残るので、葡萄をそのまま口に含んでいるような、心地よい甘さがいつまでも感じられるでしょう。★貴腐ワイン◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ポートワイン●テイラー トーニー 40年 60ミリ¥3500(¥1800) ポルトガル産です。数多くあるポートワインのシッパーの中でも、テイラー社は、非常に"第一級"に格付けされる存在だと言われます。奥深いコクと、気骨のあるがっしりした構造、そして、鮮やかな、かぐわしい芳香のどれもがスケールが大きいのです。特にこのトーニーポートは、大樽で熟成しているため、酸素と長い間接触し、なんともいえない複雑さを備えています。フレッシュさが特徴のヴィンテージポートに比べて、この「溶けた複雑さ」は、やはり多くの人が虜になる理由がわかります。●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンファークラス 1979 蒸留所元詰め スコットランドの偉人シリーズ No.9 グラハム・ベル 2003年瓶詰め 54%VOL 1200本限定 ¥3500(¥1800) スコットランド、スペイサイド地区です。グレンファークラス蒸留所は、あんまり知られていないですが、非常に高品質のシェリー樽のものがたくさんあって、マッカランと比べても、遜色ないほどレベルが高いものを生産しています。特に、昔ながらのシェリーの空き樽は、現在ではほとんど手に入らなくなっていて、こういう味わいのものは本当に貴重です。(2011年6月30日に味見しました。抜栓後1年半経過しています。 まだまだエステル臭が強烈で、まるで昔売っていた、1968年のJUGの ようなたっぷりしたシェリーの濃厚さを持っています。まだ少し若く、もう少し 時間が経てば、どんどん甘さが出てくるでしょう。いずれにしても、強烈な シェリーの甘さ、パワフルさを堪能できます。ただし、現代にあるような苦み のニュアンスではなく、あくまでカラメルのようなまろやかさがあります)★おすすめ食後酒◎マール ド ブルゴーニュ 1947(DRC・ロマネコンティ社) 15ミリ¥4400 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な味わいです。その強さが、長い年月の熟成の結果、どのような複雑さを身に着けたか、これは歴史的に飲む価値があると思います。 ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.30
すっかり蒸し暑い空気が残るこの西麻布の窓から、外を眺めると、茜色に染まった夕焼けが、どんどん夜の暗闇に、呑み込まれていきつつあります・・・。そんな真夏の入り口に、皆様いかがお過ごしでしょうか。 (ちなみに・・・、鉄板アカネは、堀北真希)ところで、最近、ブログを更新していなくて、すいません・・・。今日こそ真面目に打とうと思ったのですが、自宅で、暑さの中、寝てしまっていました・・・(反省)。さて、エレヴァージュは、なんと、今日からビールが解禁です!。暑い夏は、ワインよりも、やっぱりビールかな・・・と。まず最初に、◎フランツィスカーナー ヘーフェ ヴァイスビア ◎ホフブロイ ミュンヘナー ヴァイスビア、いわゆる小麦系の、ふんわりした優しいビールです。以前から、「やっぱり暑い夏はビールが飲みたいよな~」と、思っていたので、ようやくふさわしいものが見つかりました!。(納得がいかないものは、置きたくなかった・・・)それで、今日は、他にシャンパンが3種開いています。◎フレネ ジュイエ スペシャル クラブ プルミエクリュ 1998 70ミリ¥1200◎ギイ ミッシェル ピノ ムニエ 1990 70ミリ¥2200◎ピエール ルグラ ブラン ド ブラン 1990 70ミリ¥2200やはり、暑い夏は、「泡責め」で・・・。(あっ、攻めという単語、間違えた)また、今日は、★ドニ・モルテ●ジュブレイ シャンベルタン アン シャン V.V.1996年 70ミリ¥3400★アラン ユドロ ノエラ●ニュイ サン ジョルジュ レ ミュルジュ 2004 70ミリ¥1800★ジョルジュ ミュニュレ●ヴォーヌ ロマネ 2004 70ミリ¥1900★クドレイ ビゾ○ピュリニー モンラッシェ レ コンベット 2002も、開いています~。今日の夜中には、明日の詳細を、きちんと記したいと思います。(伝えたいことがたくさんあるので・・・)では、よい水曜日をお過ごし下さい。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.29
先週の暑さが、まるでうそのような、涼しい風が、西麻布にも吹いています・・・。そんな一週間の始まりに、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、先週の暑さのせいで、もうすっかりシャンパン週間を始めようという気持ちになりました。また、今週の半ばからは、ビールも始めますので、ぜひ楽しみにして下さい~。では早速、今週の目玉のワインのお知らせです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6月27日(月)から、◎ギィ ミッシェル トラディション 1990 70ミリ¥220029日(水)から、◎ピエール ルグラ ブリュット 1990 70ミリ¥22007月1日(金)から、◎サロン 1999 40ミリ・・・¥3300・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上です。ちなみに、今日は、★ドニ モルテ●ジュブレイ シャンベルタン アンシャン V.V.1996,◎フレネ ジュイエ スペシャルクラブ 1998★クドレイ・ビゾ◎ピュリニー モンラッシェ レ コンベット 2002★アラン ユドロ ノエラ●ニュイ サン ジョルジュ レ ミュルジュ 2004、などなど開いています~。時間があれば、今日の夕方までメルマガを書き、ブログの細かいアイテムなどを更新したいと思います。では、よい1週間をお過ごし下さい。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.27
いつの間にか、あんなに蒸し暑かった空気も、早朝になって、ようやく収まってきています・・・。そんな土曜日に、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、昨日の目玉のワイン、★エマニエル ルジェさん●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004年 40ミリ¥5800、昨日は、気圧が低く、湿度も高いために、うまい具合に、味わいが「開き」ませんでした・・・。さて、土曜日の今日はどうなっているか、本当に楽しみです。(今月、このワインを開けるのは3回目ですが、土曜日は、 限りなく「開いて」、すさまじい香りを放っていました)さて、今日は、★ドニ モルテさんの、●ジュブレイ シャンベルタン アン シャン ヴィーユ ヴィーヌ 1996年もグラスワインで飲めます。詳細は、夕方までになんとか更新できれば、と思っています。では、よい土曜日をお過ごし下さい。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.25
熱気を帯びた、夏の日差しが、西麻布のお店の中へ、ジワジワと入り込んで来ています・・・。そんな梅雨の終わりに、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、最近、ブログをきちんと更新できなくて、すいません・・・。とはいえ、気合を入れて営業していますので、夕方までに、更新できれば、やります。(今日はメルマガを真面目に打っています)ちなみに、今日の目玉は、エマニエル ルジェ家のヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004年。先週と、3週間前の反省を踏まえて、木曜日の19時にすでに抜栓しています。(そのまま16度で朝4時まで置いて、 12度に落として、18時に16度に戻します)そして、★ドニ モルテ●ジュブレイ シャンベルタン アン シャン V.V.1996年、★クドレイ ビゾ家○ピュリニー モンラッシェ レ コンベット 2002年、◎フレネ ジュイエ スペシャル クラブ 1998、なども開けています~。なんとか、夕方までに更新できれば・・・。では、よい土曜日をお過ごし下さい。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.24
眩しい、夏の色彩を帯びた太陽の光が、この西麻布のお店に入り込んで来ています・・・。そんな6月の半ばに、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、今日はちょっと用事がありまして、20時から営業します。いつもの19時から、ちょっと一時間ほど営業開始が遅れます。どうか、ご容赦下さい・・・。念のため、今週の目玉のワインを記しておきます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6月22日(水)から、●シャトー シュヴァル ブラン 1978 40ミリ・・・¥3900 仏・ボルドー地方です。いわゆるボルドーの偉大な「8大ワイン」の一つです。最も優しい丸さを持った味わいで、深く、トロけるような触感は、まさにこのシュヴァル・ブランの専売特許ではないでしょうか。特に、1978年という年は、酸味が綺麗で、ボルドーらしい愚鈍さがなく、いまだに瑞々しい果実味の新鮮さが残っていて、信じられないぐらい若々しいのです。そして、フレッシュなのに、こんなに優しい味わい。まさにシュヴァル・ブランの真髄ではないでしょうか。 24日(金)から、★エマニエル ルジェさん●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004 40ミリ・・・¥5800 ~実は先週の金曜日、たしかに美味しかったのですが、少し味わいが、 「堅かった」のです。3週間前に開けた時は、抜栓後翌日が美味しかった ので、19時間前に抜栓したのですが、それでも、堅かったのです。失敗 の原因は、いろいろ考えられます。今回は、24時間前に抜栓し、温度 管理をもう少し厳重にして、金曜日美味しい状態にします。詳しくは、今週 の金曜日のメルマガにて伝えます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上、簡単な業務連絡でした・・・。ちなみに、詳細なグラスワインのアイテムは、夕方19時過ぎに、更新できればと思います。では、よい水曜日をお過ごし下さい。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.22
では、火曜日の白ワインのリストです。★シャンパン◎フランソワ スコンデ グランクリュ ア シルリーNV ¥2400(¥1200) 仏・シャンパーニュ地方の小規模生産者です(レコルタン・マニピュラン)。ピノノワ ールを67%使って、滑らかで、きめ細かいコクが感じられます。8年ほど前から、 こういう小規模生産者のシャンパンが入り始め、最初に思ったのは「葡萄の質が 違う」ということでした。通常売られている、大手のネゴシアンのものに比べて、 葡萄がしっかり凝縮して、口に含んだときに、葡萄の生命力が「ギュッ!」と弾ける ようなほど、強烈なのです。やはり、葡萄の存在感、まさにこの言葉に尽きます。★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ レ クロ 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。(さて、ヴォーデジール畑を開けた次には、最も偉大とされる"レ クロ"の畑です。やはり、すべての特級畑の中でも、最も立体的構造と、コクがあり、さすがと思わせる存在感を放っています)◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎コルトン シャルルマーニュ 2008(ドメーヌ フェヴレイ・フェヴレイ社の自社畑) ¥6800(¥3400) 仏・ブルゴーニュ地方です。フェヴレイ社と言えば「大きい会社」で、凡庸なワインを数多く出しているのではと、思われているかもしれません。しかし、実際は、これほど品質の高いものを数多く出せるという会社(ほぼドメーヌ)は、なかなかありません。特に、このコルトン・シャルルマーニュは、ロマネコンティよりも生産量が少なく、いわば、傑作中の傑作中です。このワインは、ブルゴーニュのすべての要素が詰まった、歴史的な遺産と言えるのではないでしょうか。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.21
では、 火曜日の日本酒のリストです。緑川、売り切れました~。昇龍蓬莱(神奈川の酒蔵です)、 純米吟醸 漕場汲み「阿波山田錦が入りました!。 また、初亀 純米吟醸、黒龍 大吟醸、磯自慢 純米大吟醸、などなど、新たに仕入れていまして、保管しています。これらは、水の清らかさ、上品さが見事に表現されている、 まさに夏向きの日本酒だと思います。美味しくなったら、メニューに載せますので、どうか少しだけ待ってください~。 120ミリ(70ミリ)◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎亀齢 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ 線状心白米(強力) (2009 BY) ¥1200(¥600) 広島県産です。以前「凱陣」にいた杜氏の西垣さん親子が、この蔵に移籍して作っています。 開けてすぐの段階では、あまりにも堅かったので、3か月放置(プレイ)しました。そうすると、自然に、奥の方から旨みと、円やかな甘さが出てきてバランスが良くなってきました。この蔵のポテンシャルは、本当に凄いです。余韻の途方もない長さと、味わいの太さは、他に比類するものは少ないのではないでしょうか。今お燗を研究中で、もうすぐお燗で出せるようになると思います。「ぬる燗」にすると、この旨みが幾層も広がり、複雑さが何倍も拡大するでしょう。少しだけ待って下さい。(もちろん、11度で味わっても十分美味しいです)(11月1日の段階で。米の奥の方から、腰の入った旨みが、どんどん湧いてきています!。 やはり、開けたてよりも、今の方が格段に複雑さがあります) ◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎東一 純米大吟醸 生酒(2010BY) ¥1800(¥900) 佐賀県産です。南のお酒は、グイグイと、米の旨みのパワーが湧いてくるように力強いです。キューンという酸味と、尖った鮮やかさのある北のお酒とは対照的で、とてお面白いのでは ないでしょうか。この東一は、お米の活き活きした生命力を直に感じ、まるで華やかなシャサーニュモンラッシェのように、しっとりした触感と、鮮やかなフルーツのニュアンスが、綺麗に融合しています。こういうお酒を飲むと、日本酒を嫌いと決めつけている人も、好きになってしまうのではないでしょうか。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.21
では、火曜日の赤ワインのリストです。●シャトー ピション ロンゲヴィル バロン 1976 70ミリ¥2600 仏・ボルドー地方です。ピション・バロンは、熟成の初期はすごく「凶暴」な味わいで、タンニンが強すぎて、とても飲みづらいのです。しかし、ここまで熟成を重ねれば、トロっとした柔らかさ、ポイヤックらしいもっちりした触感が出てきて、まさにボルドーらしい奥行きを堪能できるのです。特に、1976年ものは、バランスが良く、このポテンシャルが十二分に発揮しています。(月曜日に味見しました!。柔らかくて、本当に良い状態です。これだから、1976年は、買う価値があるのです。ボルドーの本当の深さ、上品な味わいがここに・・・) 120ミリ(70ミリ)★レオン バラル家 ●フォージェール キュベ ジャディス 2008 ¥2000(¥1000) 仏・ラングドック・ルーション地方です。レオン・バラルと言えばこの地域の「鬼才」と いうべき存在で、これほどまで複雑で、葡萄の凝縮感のあるワインは、フランス全土 を探しても、なかなか見当たりません。強烈な「土っぽい香り」の中に、ガリッグの ようなハーブが混じったような個性的な要素、そして、花崗岩や、深い石灰質のキメ の細かい香りが、重層的に上がってきます。この迫力と、複雑な奥行きは、もうさすが としか言いようがありません。ラングドックではゴービー社の「ムンタダ」と双壁をなす のではないでしょうか。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎サヴィニー レ ボーヌ レ ラヴィエール 2004(シャンドン ド ブリアーユ家) ¥2400(¥1200) 仏・ブルゴーニュ地方です。シャンドン ド ブリアーユ家は、あんまり有名ではない生産者ですが、私はその自然さがとても気に入っています。特に2004年ものは、酸味がとても綺麗で、透明感あふれる上品さがもうたまりません。アメリカメディアは2004年ものをけなしていますが、これほどブルゴーニュの良さが出ていて、しかも、この美味しいままずっと熟成する、素晴らしいヴィンテージは、なかなかないと思います。このワインはまだ飲んでいませんが、どんな味わいになるか、本当に期待しています。◎デコイ 2008(ダックホーン社) ¥2800(¥1400) カリフォルニア・ナパ地方です。最近のカリフォルニアワインは、一昔前の強引で、やたら抽出した、こってりした味わいのものとは、少し変わってきています。最近は、 豊かな酸味を備えて、フランスワイン的な上品さを身につけつつあるように思います。 カベルネソーヴィニオんの、「ズドーン!」としたパワーを感じながら、タンニン、酸味のバランスが素晴らしく、奥行きのあるグラーヴのワインのような気高ささえ、覚える かもしれません。最近のナパのワインの完成度の高さを、ぜひ・・・。◎ヴォーヌ ロマネ 2004(ミュニュレ ジブール家) ¥3800(¥1900) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年のブルゴーニュは、本当に素晴らしい出来です。ミネラルの粒子が、キラキラと本当に美しくて、酸味の綺麗さと相まって、ブルゴーニュ らしい、上品さにあふれているのです、すでに甘さと酸味のバランスと、奥行きが伴っ て、今飲んで十分美味しい状態になっています。ミュニュレ・ジブール家は、モザイクの ようなヴォーヌロマネ村の堅さと、艶やかさを、見事なバランスで表現しています。あまり にも素晴らしいので、今後エレヴァージュのハウスワインとして、しばらく置くことに決めま した。◎ペルナン ヴェルジュレス レ ヴェルジュレス 1990 (ラルー・ピオ家) ¥5800(¥2900) 仏・ブルゴーニュ地方です。昔から、この生産者の作るワインは、安定感があって、好んで買っています。熟成しながらも、ワインの内実に果実の「張り」があって、本当の複雑さが、奥からジワジワ出てくるからです。特に1990年ものの充実ぶりは目の覚めるほどで、やはりいいヴィンテージのパワフルさ、重層的な味わいを感じます。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.21
では、火曜日のデザートワインのリストです。シャトー クリマン 1973年が売り切れました!。代わりと言っては何ですが、DRC(ロマネ コンティ社)の、マール ド ブルゴーニュ 1947年をリストに載せました。★ほのかな甘口◎ベルンカステラー ドクトール シュペトレーゼ 2008 (ドクター ターニッシュ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) 独・モーゼル地方です。プリュムのような豊かなネクターの要素、エゴン・ミューラーのような研ぎ澄まされた酸、そこまでのレベルはないのですが、最も古典的で、安心感のある生産者です。穏やかな酸味、自然な甘さ、モーゼルワインに求めるものが、ここにあります。 ◎ヴーヴレー ドミ セック 1989(ドメーヌ ド ラ フォンテネリ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) 仏・ロワール地方です。このワインは、一年ほど前によくグラスワインで出していました。シュナン・ブラン種ならではの、清らかな甘さ。熟成することによって、尖ったこの品種の欠点がなくなり、トロっとした、自然な丸みを帯びています。そして、甘いとはいっても、余韻に豊かな酸味が残るので、葡萄をそのまま口に含んでいるような、心地よい甘さがいつまでも感じられるでしょう。★貴腐ワイン◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ヴィン サント(イタリアの陰干しぶどうからの甘口ワイン)◎ヴィン サント トスカーノ ヴィラ ディ ヴェトリス 1985 (G.グラーティ社) 60ミリ・・・¥2000(¥1000) 伊・トスカーナ地方です。これはまるでシェリーの甘口・オロロソのような豊かな甘さと、酸味が綺麗に溶け込んだふくよかさが同居した、とても魅力的なデザートワインです。1985年ものということもあって、とても自然で、甘さが突出せず、豊かな酸味が、複雑な奥行きを見せています。こういう世界も、一度好きになってしまうと、もう止められません・・・。(好評なので、2本目を開けました!)★熟成した日本酒の甘口◎達磨正宗 純米甘口芳香 昭和59年度醸造酒 蔵出しは2007年(1984年醸造) 60ミリ・・・¥2800(¥1400)岐阜県の蔵です。今まで、ずっとこの蔵の熟成したものを置きたいと思ってきました。「日本酒は、熟成しない」と言われますが、そんなことはありません。熟成した日本酒を作るために、この蔵はずっと研究してきて、ここまで素晴らしいものが出来ました。紹興酒が持つ溶けた奥行き、マディラワインの持つ強烈なパワー、ポートワインが持つ豊かな甘さ、その3つの全てを兼ね備えた、世界的に見ても、本当に偉大なお酒だと思います。やはり、ここまで複雑な甘さを作るのは、日本人ならではの繊細で、忍耐のいる仕事に他なりません。このお酒は、お店に来てくれた人に、何が何でも飲ませたいほど、素晴らしいのです。(4月20日に味見しました!。これを飲むのは4回目なのですが、やはり、素晴らしいです・・・。溶け込んだ、複雑な旨みは、もうたまりません・・・。どの温度で出そうか悩んだ挙句、16度で固定することにしました。(あえて常温という言葉を使わず)室温だと味わいが本当にぼやけてしまって、たしかに美味しいのですが、この日本酒のポテンシャルを表現できていないような気がします。それで、16度にしてみると、酸味と、甘苦みの輪郭が出て来て、スケールの大きい骨格に変わるのです。冷やし過ぎると逆にふくらみが出てこないので、この温度管理は本当に難しいです。ひとまず、16度でずっと固定したいと思います)★ポートワイン●テイラー トーニー 40年 60ミリ¥3500(¥1800) ポルトガル産です。数多くあるポートワインのシッパーの中でも、テイラー社は、非常に"第一級"に格付けされる存在だと言われます。奥深いコクと、気骨のあるがっしりした構造、そして、鮮やかな、かぐわしい芳香のどれもがスケールが大きいのです。特にこのトーニーポートは、大樽で熟成しているため、酸素と長い間接触し、なんともいえない複雑さを備えています。フレッシュさが特徴のヴィンテージポートに比べて、この「溶けた複雑さ」は、やはり多くの人が虜になる理由がわかります。●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンエルギン 1971(イタリアのサマローリ社により、1988年に瓶詰。 "FRAGMENTS OF SCOTLAND" 50%VOL) 30ミリ¥5500(18ミリ¥2800) スコットランドのモルトウイスキーです。このボトルは、イタリア人のサマローリさんによって選ばれ、瓶詰めされました。彼は、極上の樽だけをピンポイントで選び、彼の名前のラベルを貼って市場に出しています。ワインの業界で言えば「アンリ・ジャイエ」さんになるのではないでしょうか。グレンエルギンらしい「蜂蜜のような甘いニュアンス」を、最大限に生かした「太いコク」がこのウイスキーにはあって、他のグレンエルギンでは 到底発揮できないような、完成度の高い一品になっています。(2011年6月15日に再度試飲、抜栓後3年ほど経過。残りあとボトルの4分の1。グレンエルギンは、やはり蜂蜜のような甘さが特徴で、実は骨太の甘さが隠れてます。その個性が、この段階で最大限に出ています。豊かで、丸い甘さ。こういう麦芽の濃密な甘さを感じるモルトウイスキーは、なかなか最近は見つけることができません)★おすすめ食後酒◎マール ド ブルゴーニュ 1947(DRC・ロマネコンティ社) 15ミリ¥4400 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な味わいです。その強さが、長い年月の熟成の結果、どのような複雑さを身に着けたか、これは歴史的に飲む価値があると思います。 ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.21
どんよりした空気の中で、また雨が降りそうな、そんな気配を感じます・・・。そんな土曜日の朝に、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、昨日の目玉のワイン、★エマニエル ルジェ●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004年昨日は、開店19時間前に抜栓し、味わいを「開かせる」ようにしました。ただし、先々週の土曜日の味わいとは、少し違いました。以前に開け、抜栓後2日目の状態は、まるでフェルメールの柔らかい光のように、ミネラルの輝きが、部屋の隅々まで行きわたるほど、優しい味わいに包まれていました。しかし、今回の瓶は、金曜日の段階で、まだまだストイックな細いミネラルの堅さがあって、まるで、ルーミエ家のミュジニーのような、高潔な強さが支配していたのです・・・。(それでも、このミネラルの甘さが素晴らしかった)さて、今回の瓶、開けるタイミングも異なったため、味わいが違うことになって、もしイメージと違って、失望してしまったら、申し訳ありません。ただし、クロ パラントゥーというワインは、ナイフの刃の上に乗っているような、ギリギリの緊張関係に成り立っているということだけ、どうかわかってください。さて、土曜日の今日、どのような味わいになっているか、本当に楽しみです。今朝の4時に12度に下げて、17時に16度に戻し、様子を見てみます。ちなみに、来週も同じワインを開けますが、その場合、26時間前に抜栓し、16度で保存し、15時間前に12度に下げ、また2時間前から16度に戻して、どんな味わいを引き出せるか、見てみたいと思います。少し難解な話で、申し訳ありません。メルマガで書いたフェルメールとは、少し違ったということだけを、伝えておきます。では、今日の味わい、ぜひ楽しみにして下さい。よい土曜日の夜をお過ごしください。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.18
しとしと降り続いていた雨が止んで、このお店の中から、遠くの方の紫陽花の青が、はっきりと息づいているのを感じます。そんな金曜日の夜に、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、今日はメルマガを必死に書いていたおかげで、ブログの更新ができませんでした・・・すいません。ちなみに、今日の目玉は、★エマニエル ルジェ●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004年 40ミリ¥5800★ジャンテ パンシオ家●ジュブレイ シャンベルタン V.V.1972 70ミリ¥2900、そして、これも開けました!。★ドメーヌ フェヴレイ(フェヴレイ社の自社畑)○コルトン シャルルマーニュ 2008 70ミリ¥3400 ~ロマネコンティよりも生産本数が少ない、この会社の看板ワインで、 コルトン・シャルルマーニュの傑作と言えるでしょう。その他のワインは、昨日の木曜日のリストを参照して下さい。投げっぱなし(ジャーマン)で、すいません。では、よい金曜日の夜をお過ごし下さい。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.17
どんよりした、曇りがちのこの西麻布の中で、遠くの方に見える紫陽花が、鮮やかな青色を放っています・・・。そんな梅雨の季節に、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、今日も業務連絡がたくさんありま~す。いきなりどんどん並べていきたいと思います。 (ゴングの前に、ラリアット)では今週の目玉のワインのお知らせを。(ツイッターでは、リアルタイム情報を流して、空席情報や、急に開けたワインなどを、伝えています。ElevageAzabu で検索してみて下さい)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6月15日(水)から、★ジャンテ パンシオ家●ジュブレイ シャンベルタン ヴィーユ ヴィーユ 1972 70ミリ¥2900 仏・ブルゴーニュ地方です。1972年という年は、あんまり知られていないのですが、すごく良い年なのです。もちろん、1971年、1969年に及びませんが、それでも、柔らかいバランスがとても心地よいのです。少しタンニンが残っていてその奥にふんわりした柔らかい果実味が。そのタンニンの残り具合と、果実味の構成の仕方で、その味わいの良しあしが決まります。さて、この生産者のワインは本当に古典的な「堅い」作り手なので、熟成して、どのような良さが出ているか本当に楽しみです。(水曜日に味見しました!。ふわふわの触感で、まさに1972年らしい良さを、十分に備えています。ジュブレイシャンベルタン村のワインは、熟成の若い段階では、ビシバシと、ミネラルの鋭さが強すぎて、飲みづらい場合が多いのです。しかし、ここまで熟成を重ねると、本来隠されていたコクのある旨みが出てきて、とても豊かな味わいになるのです。この1972年ものは、その典型的なもので、やはり、この村のワインは、偉大だなと、感じさせるのに十分です。あまりにも状態が良くて、感動しました!。「感動した!」BY 小泉元首相) 6月17日(金)から、★エマニエル ルージェさん●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004 40ミリ・・・¥5800 仏・ブルゴーニュ地方です。もうこの「クロ パラントゥー」の畑に関しては、語りつくせないほど偉大な畑です。金曜日までにメルマガをもう一本書きますが、本音を一つ述べたいと思います。彼のこの「クロ パラントゥー」のワイン、今買うなら、1997年~2009年の間で、選べるとすれば、間違いなくこの2004年ものを選ぶでしょう。これほどクロ パラントゥーの真価を、隅々まで表現している年は、(現時点では)めったにありません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎新たに入荷したボトルのワイン、たくさんあります~。 たとえば、 ★ドニ・モルテ●ジュブレイ シャンベルタン アン シャン V.V.1996 ★アラン ユドロ ノエラ●ニュイ サン ジョルジュ レ ミュルジュ 2004、などなど ★ラルー・ピヨ●ペルナン ヴェルジュレス イル ド ヴェルジュレス 1990 ¥22000 ●ピション バロン 1976 ¥22000 ●ピション ラランド 1978 ¥34000 ●シュヴァル ブラン 1978 ¥48000 ●ラスカーズ 1970 ¥29000 などなどです。◎モルトウイスキー あと1~2杯で売り切れるものがあります。 7年以上前に仕入れたもので、今では手に入れるのも困難で、 2度と、この値段では飲めないと思います。 ◎タリスカー 25年 (ダグラスレイン社 オールドモルトカスク トップノッチ シリーズ 50%VOL)30ミリ¥2500(18ミリ¥1300) ◎マッカラン 1964(蒸留所元詰め 17年もの) 30ミリ¥7200(18ミリ¥3600) ◎アードベッグ 1976(ダグラス オブ ドラム ランリグ) あと18ミリだけ¥2900 ◎グレングラント 1964 (ムーンインポート社 1988年に瓶詰め "ANIMAL" 46%VOL) 30ミリ¥5500(18ミリ¥2800) ◎実は知られていないのですが、 エレヴァージュのメールマガジンは2種類あります。 ★現在多くのお客さんに、リアルタイムで流しているもので、 2200人ぐらいの方へ、配信しています。 (当然、無料です) ★過去のメールマガジンを、再編集して、新たに書きおろした もので、これは有料で、電子書籍化して、販売しています。 http://plaza.rakuten.co.jp/elevage1/diary/201106010010/ 上述の、「無料の」メールマガジンは、 毎週1~2回配信していまして、今週の目玉のワインの見どころを、 深く、じっくりと語っています。 ここの載せているブログは、単純に表面的なもので、 はっきり言ってあんまりおもしろくありません。 ですから、この「無料の」メールマガジンをご希望の方は、 このブログの文頭にある、メールアドレスへ、「メルマガ希望」と 送って下されば、こちらで登録しておきます。 その一方で、 過去3~4年ほど前のメルマガを再編集したものは、 よりいっそうマニアックに、細かい情報を載せています。 もしご希望の方は、 こちらから、登録してみて下さい。 http://plaza.rakuten.co.jp/elevage1/diary/201106010010/ (また、新しい記事を追加しておきました)◎ブショネのワインが出ました!。 ブショネという現象がどんなものか、お店に来て下さったかたへ、 「これですよ」と、味見で差し上げます。 体験されたい方は、遠慮なくおっしゃって下さい~。◎ウイスキーや、ワインの「一本入り」の木箱、 大量に余っています・・・。 ご希望の方は差し上げますので、遠慮なく・・・。◎お店の予約に関して、ややこしいですが説明します。 ○21時までは、あらかじめ予約できます。 ~ゆっくり、お食事とともに、時間を過ごしてほしいですから・・・。 ○21時以降は、直前の予約のみ承ります。 ~いらっしゃる、20~30分前にお電話を下さい。 席が空いていれば、席を確保することができます。 せっかく来て下さったのに、満席だと申し訳ないので・・・。 ○あらかじめ、「このワインがどうしても飲みたい!」、と、ボトルのワイン を指定して下さった場合は、時間帯に関わりなく、予約を承ります。 (前日または、何時間前に抜栓し、状態を整えてから出します)では、よい木曜日をお過ごしください。 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.16
木曜日のお料理のメニューです!。すいません、パルマハムが、なくなってしまいました・・・(大人気)。明後日には、届きますのでどうか少しだけ待ってください。★冷たい前菜◎オリーヴ ¥700 (ハーフサイズ・お1人様用)¥400 ~シチリア産の添加物を全く使わない自然な味わい。ソルビン酸など保存料 が入っていないため、「豆を食している」とても素朴な触感です。こういうものこそ、 素材の良さが出ます。◎グリーンサラダ ¥900◎にらのお浸し ¥700◎サーモンのサラダ ¥1600★温かい前菜 ◎地鶏のスープ(1人用) ¥400~疲れた胃に優しく沁み込んできます。8時間かけて煮込んだとても自然な 味わいです。◎新じゃがいもの蒸したもの ¥900◎ソラ豆の塩茹で ¥900◎ズッキーニの塩焼き ¥800◎地鶏の手羽と、野菜のポトフ ¥900~透明感のある自然な出汁が、とても綺麗で、上質な白ワインと完璧に合います。 エレヴァージュでは、アンリ・ボワイヨさんのワインをお勧めしています。◎出汁巻き卵(利尻昆布を使った、ふんわりした味わい) ¥900 (ハーフサイズ)¥700◎うどの天ぷら ¥900◎出し巻き卵 ¥900 (お一人様用)¥700★珍しい生ハム、いろいろあります。◎サラミ~ミラノ風・ピシっとスパイスが利いていて、都会的な味わい ¥700 ~ナポリ風・トロっと肉の素朴なコクが融合した田舎風な味わい ¥700◎ハモン イベリコ ベジョータのチョリソー ¥900 ~なんと、ベジョータからのチョリソーです!。旨みの広がり方が尋常ではありま せん。チョリソーというと、辛いものを想像されるかもしれませんが、これは全く 辛くありません。肉の複雑な旨みがしっかり凝縮して、おつまみとして最高です。◎プロシュート ディ パルマ ¥1300 (ハーフサイズ) ¥700 ~肉厚の、トロっとしたコクのある旨みは、もうたまりません・・・。ハーフサイズ ではなく、フルサイズで召し上がることをお勧めします。その大きさと、肉厚の 迫力に、きっとびっくりされることでしょう。◎プロシュート ディ サン・ダニエーレ ¥1300 (ハーフサイズ) ¥700 ~15か月熟成です。「パルマ産」よりも上質とされ、ふわふわの、綿のような柔らかい触感は、もう一度味わうと病み付きになります。◎ハモン セラーノ アルティザン ¥1300 (ハーフサイズ)¥700 ~黒豚と白豚のあいの子です。旨みの厚みと、柔らかい脂身の組み合わせ が見事に溶け合っていて、寄り添うように美しいのです。14か月熟成。◎ハモン セラーノ トレヴェレズ ¥1300 (ハーフサイズ)¥700 ~スペイン・グラナダ近郊のトレヴェレス地区産です。標高1500メートルで、 かなり乾燥している村のようです。そのため、ハムの名産地として有名で、 綺麗に筋が入った脂身は、まるで松坂牛のように滑らかで、上品・・・。 23ヵ月熟成。◎ハモン イベリコ レセボ ¥2500 (ハーフサイズ)¥1300 ~サラマンカ地方、ギフエロ地区のものです。ドングリを食べて、大きくなりきれ なかったものは、飼料を食べて体重が増えたものになり、「レセボ」と分類され ます。ベジョータのものとは異なり、ドングリのナッツ系のコクと、脂身のしっかり した豊かさが混じり合って、非常に食べ応えのある、完成度の高い味わいに 仕上がっています。24か月熟成。 ◎ハモン イベリコ ベジョータ ¥2800 (ハーフサイズ)¥1400~サラマンサ地方、ギフエロ地区のものです。ドングリだけを食べて、丸丸太った イベリコハムの最高峰です。38か月熟成という、極めて長い時間をかけて、 この上ない複雑さを身に着けます。上記の生ハムは、真空パックではなく、発注してから切り分けられるために、塩気がきつくなく、とても自然な肉の旨みが感じられます。マグロと一緒で、購入してから、少し時間が経った方が、どんどん複雑になってきて、味わいの立体感と奥行きが出るようです。★パテ・サラミなど・・・。◎パテ ド カンパーニュ(豚のパテ)パンがついています。 ¥1000 (ハーフサイズ・お一人様用) ¥500 ◎パテ ド フォア(レバー ペースト) ~これも、パンがついています。塩加減と、レバーの柔らかさが 絶妙に絡み合っています。 ¥1000 (ハーフサイズ・お一人様用) ¥500◎コッパ ディ パルマ ¥900~肩ロースの生ハム、大理石のような霜降り模様で、脂身が口の中でしっかり 溶けて、肉の旨みと融合します。◎生ハム・サラミ等盛り合わせ ¥2400 (お一人様用) ¥1200 ~その日の熟成状態のいいものを、優先的に揃えて、組み合わせています。 量が多く、いろいろ楽しめるので、かなりお得です。◎シャルキュトリ盛り合わせ ¥2200 パテ・レバーペースト、サラミ、生ハムにパンが付きます。以前よりもグレードが あがって、かなり食べごたえのある内容となっています。★チーズなど・・・。◎チーズ盛り合わせ ¥1600★くじら料理◎くじらのカルパッショ ¥1600 ~鹿肉と非常に良く似ています。脂身が少なく、しっとりと喉の奥まで滑り込んで いく質感はもう素晴らしいです。エレヴァージュでは、シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006年(アンドレ ブリュネルさん)をお勧めしています。◎クジラのベーコン ¥1400 ~ねっとりとした旨みがたまりません。★焼き鳥など肉料理◎焼き鶏の盛り合わせ ¥1600 ~いろんな部位が乗っていて、ちょこちょこつまめます。腿、砂肝、副腎、ハツ、 レバーに分かれています。特に肥内系の鶏は、身が非常に締まっていて、コリコリした感触が・・・。◎地鶏のつくね (塩のみ) ¥1200 (卵黄、タレ付き) ¥1300◎地鶏の唐揚げ ¥1200 ~鶏屋さんの唐揚げは、やはりモノが違います。 ★ご飯系の〆のお料理◎親子丼 ¥1100 ~人気のメニューです。リゾットのようなお皿で出しますので、取り分けられます。 黒七味をかけて、鶏の柔らかな甘さと、スパイスの辛さが相乗します。◎地鶏の雑炊 ¥900◎鶏のお茶漬け(梅茶漬け、海苔茶漬けもできます) ¥1100ワインバー エレヴァージュ 吉田 岳史 東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889 ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.16
では、水曜日のデザート的なもののメニューです。◎日本初出店の、ブルゴーニュの 「ファブリス・ジロット」さんのチョコレート、 「クルール ド ブルゴーニュ」が入荷しました!。 これは、新鮮なフランボワーズ、桃、カシスなどの ジュースを、チョコレートの間に挟んだもので、 これほど鮮やかで、強烈な香りを放つものは、 ほかに見当たらないような気がします。 このような劇的な香り、そして味わいは、 やはり彼ならではだと・・・。 これは、まさにチョコレートの傑作、 と言ってもいいのではないでしょうか。◎京都の「アトリエ ラ パージュ ブランシュ」さんから、ガトー・フォマージュ(木・金・土限定)、など入荷しました!。「ビシっ!」という、強烈な芳香と、口に含んだときの柔らかさの、モザイクのような美しさは、まさに「フランス的」です。これほど存在感のあるお菓子を作れる人は、東京の中でも、なかなかいないのではないでしょうか。(多くの方は、ぼやけた、日本人らしい「調和の取れた味わい」を、 無意識に表現してしまいます・・・)もし東京にお店を出されていたら、あっという間に人気になってしまって、私では買えなくなってしまうでしょう。◎カプチーノの豆、新たなブレンドが届きました。それで、今度はもう少し柔らかいものを注文したのですが、豆が落ち着くまで、少し時間がかかります。今日、いろいろ試してみますので、どうか少しだけ待ってください~。★デザート的なもの◎ガトー フォマージュ(木・金・土限定) ¥800◎アマレットとオレンジの焼き菓子 ¥400◎ガレット ブルトンヌ ¥400(上記の3つは、京都の「アトリエ ラ パージュ ブランシュ」さんから、 わざわざ送ってもらっています)◎ファブリス・ジロットの"クルール ド ブルゴーニュ"◎ファブリス・ジロットのパート ド フリュイ ¥600 ~フルーツのエキスを凝縮したパテです。ドライフルーツを上品に強烈にした よう。そして、なんて瑞々しいのでしょう!。果汁がこぼれそうなほど、新鮮 さを感じます。はっきり言って、感動しました。◎ファブリス・ジロットのタブレット(チョコレート) ~PERU(ペルー産の、土の柔らかいニュアンスと、コクの効いた味わい) ¥500 ~コート ジヴォワール(ミルク入りで、滑らかな、トロけるような甘さ) ¥500 ~VENEZUELA Noisettes Caramelisees (ヴェネズエラ産チョコに、カラメル化させたクルミをまぶして)¥500◎ピエール エルメのチョコレート ~CHUAO(幻の谷、チュアオからのとても希少な逸品です)¥700 ~ORIGINE PORCELANA(クリオロ種だけを使った極めて上品な味わい。 酸味と、ミネラルの輝きが特別) ¥600◎ピエール マルコリーニのチョコレート ~メキシコ、グランクリュ リミティッド エディション ¥800 (メキシコの偉大な畑からの限定版です。鮮やかで、輝くような酸味が、 この上なく上品で、本当に素晴らしいです) ★ALTA Piura, Perou;Plantacion Las Pampas, ¥900 (ペルーのピウラ高地から、パンパス農園のもの。ペルーらしい赤砂のような、 土の香りをふんだんに感じ、霧のようなきめ細かい余韻が。クリオロブランコ というとても貴重な品種より) ★Oriente Cuba,Grand Cru Propriete;Terruno de Baracoa, ¥900 (キューバ東部の偉大な畑より。バラコア地区。小気味良い軽さの中の、 上品なバランスが最高です。トリニタリオ種) ★Aragua, Venezuela;Grand Cru de Propriete;Hacienda Chuao, ¥900 (ヴェネズエラの「チュアオ谷」からの究極の逸品。おそらく最高峰の輝き を持つチョコレートではないでしょうか。「チョコレートのロマネコンティ」と 言われます。全ての要素が、さりげなく、自然なバランスで寄り添う。クリオロ プリミティヴという、原始クリオロ種を使っています。とてつもなく貴重) ☆食後の飲み物★エスプレッソ ¥500★カプチーノ ¥800 ~コーヒー豆は、エレヴァージュのためだけに作られています。普通のコーヒー屋 さんの原価の4~5倍ものクオリティに高い豆、苦味の奥に、立体感のある構造と、 奥行きの深さが桁外れです。 砂糖を入れてみて下さい。 隠されていたその奥行きが、一気に広がります。 砂糖を控えめに入れられる方も多いのですが、「ガッツリ!」入れた方がいいです。 砂糖を足すことによって、甘さだけ出てくるわけではありません。 むしろ、隠されていたコーヒーの複雑さが、一気に顔を出し、立体感が出てくるのです。 味わいのヴォリュームが、何倍も膨らむのを、 きっと体感されると思います。 ★大紅袍(ダイコウホウ) ¥1600★ダージリン ファーストフラッシュ 2011、 (ジュンパナ アッパー農園、タルボ農園) オータムナル 2010、少しあります。 (マーガレッツホープ農園)以上です。 ワインバー エレヴァージュ 吉田 岳史 東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889 ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.16
では、木曜日の白ワインのリストです。★シャンパン◎フランソワ スコンデ グランクリュ ア シルリーNV ¥2400(¥1200) 仏・シャンパーニュ地方の小規模生産者です(レコルタン・マニピュラン)。ピノノワ ールを67%使って、滑らかで、きめ細かいコクが感じられます。8年ほど前から、 こういう小規模生産者のシャンパンが入り始め、最初に思ったのは「葡萄の質が 違う」ということでした。通常売られている、大手のネゴシアンのものに比べて、 葡萄がしっかり凝縮して、口に含んだときに、葡萄の生命力が「ギュッ!」と弾ける ようなほど、強烈なのです。やはり、葡萄の存在感、まさにこの言葉に尽きます。★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ レ クロ 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。(さて、ヴォーデジール畑を開けた次には、最も偉大とされる"レ クロ"の畑です。やはり、すべての特級畑の中でも、最も立体的構造と、コクがあり、さすがと思わせる存在感を放っています)◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎ムルソー オスピス ド ボーヌ "キュベ ジャン アンブロ" 1988 (ポール ミセリ家) ¥5800(¥2900) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、典型的なムルソーです。樽の熟成期間が長く、しっかり酸素と接触したおかげで、まるでナッツを思わせるようなタンパク質系の旨みと、柔らかく、滑らかなコクを身に着けています。20年以上熟成しているおかげで、かなり複雑な旨みがあって、綺麗なアミノ酸が、熟成した生ハムにとても良く合うでしょう。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.16
では、 木曜日の日本酒のリストです。昇龍蓬莱(神奈川の酒蔵です)、 純米吟醸 漕場汲み「阿波山田錦が入りました!。 また、初亀 純米吟醸、黒龍 大吟醸、磯自慢 純米大吟醸、などなど、新たに仕入れていまして、保管しています。これらは、水の清らかさ、上品さが見事に表現されている、 まさに夏向きの日本酒だと思います。美味しくなったら、メニューに載せますので、どうか少しだけ待ってください~。 120ミリ(70ミリ)◎緑川 "緑" 雪洞貯蔵 純米吟醸 ¥1200(¥600) 新潟県産です。新酒を絞った後、雪が解け終わる初夏まで半年間雪洞で寝かせた ものです。貯蔵前に[火入れ」をして、半年間寝かせるというのは「ひやおろし」に近い のではないか、と思います。緑川は、米の純粋な、キラキラしたパワーを感じながら、 とても繊細な部分もあるというお酒です。これを飲むたびに、「あー、質が高い、いいお 酒だ」と感じるのです。過ぎゆく夏を感じながら、ひんやりした触感のこのお酒を味わう ・・・まさにひやおろしの醍醐味です。 (11月1日の段階で、少し米の甘さが落ち着いて、辛くなってきました。このタンニンが 和らいでくれれば、次の段階で、甘さの広がりが出てきて、さらに美味しくなるような気が します。ひとまず、寝ている段階かもしれません)◎蓬莱 特別純米 槽場直詰め 無ろ過生原酒 美山錦 60 (2010 BY) ¥1200(¥600)神奈川県産です。岐阜に近い蔵の蓬莱泉とは違います。この蔵は、あまり知られてはいないのですが、「ここまで強烈なのか!」と思わせるほどの凝縮感があって、ギューン!というミネラル感が本当に素晴らしいのです。ブルゴーニュの白ワインの生産者でも、なかなかここまで凝縮感のあるものは、なかなかないような気がします(ドーヴネーや、ソゼ、ラモネに近い味わい)一度、この蔵のパワーに触れてしまうと、もう止められません。◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎亀齢 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ 線状心白米(強力) (2009 BY) ¥1200(¥600) 広島県産です。以前「凱陣」にいた杜氏の西垣さん親子が、この蔵に移籍して作っています。 開けてすぐの段階では、あまりにも堅かったので、3か月放置(プレイ)しました。そうすると、自然に、奥の方から旨みと、円やかな甘さが出てきてバランスが良くなってきました。この蔵のポテンシャルは、本当に凄いです。余韻の途方もない長さと、味わいの太さは、他に比類するものは少ないのではないでしょうか。今お燗を研究中で、もうすぐお燗で出せるようになると思います。「ぬる燗」にすると、この旨みが幾層も広がり、複雑さが何倍も拡大するでしょう。少しだけ待って下さい。(もちろん、11度で味わっても十分美味しいです)(11月1日の段階で。米の奥の方から、腰の入った旨みが、どんどん湧いてきています!。 やはり、開けたてよりも、今の方が格段に複雑さがあります) ◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎東一 純米大吟醸 生酒(2010BY) ¥1800(¥900) 佐賀県産です。南のお酒は、グイグイと、米の旨みのパワーが湧いてくるように力強いです。キューンという酸味と、尖った鮮やかさのある北のお酒とは対照的で、とてお面白いのでは ないでしょうか。この東一は、お米の活き活きした生命力を直に感じ、まるで華やかなシャサーニュモンラッシェのように、しっとりした触感と、鮮やかなフルーツのニュアンスが、綺麗に融合しています。こういうお酒を飲むと、日本酒を嫌いと決めつけている人も、好きになってしまうのではないでしょうか。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.16
では、木曜日の赤ワインのリストです。★ジャンテ パンシオ家●ジュブレイ シャンベルタン ヴィーユ ヴィーユ 1972 70ミリ¥2900 仏・ブルゴーニュ地方です。1972年という年は、あんまり知られていないのですが、すごく良い年なのです。もちろん、1971年、1969年に及びませんが、それでも、柔らかいバランスがとても心地よいのです。少しタンニンが残っていてその奥にふんわりした柔らかい果実味が。そのタンニンの残り具合と、果実味の構成の仕方で、その味わいの良しあしが決まります。さて、この生産者のワインは本当に古典的な「堅い」作り手なので、熟成して、どのような良さが出ているか本当に楽しみです。(水曜日に味見しました!。ふわふわの触感で、まさに1972年らしい良さを、十分に備えています。ジュブレイシャンベルタン村のワインは、熟成の若い段階では、ビシバシと、ミネラルの鋭さが強すぎて、飲みづらい場合が多いのです。しかし、ここまで熟成を重ねると、本来隠されていたコクのある旨みが出てきて、とても豊かな味わいになるのです。この1972年ものは、その典型的なもので、やはり、この村のワインは、偉大だなと、感じさせるのに十分です。あまりにも状態が良くて、感動しました!。「感動した!」BY 小泉元首相) 120ミリ(70ミリ)★レオン バラル家 ●フォージェール キュベ ジャディス 2008 ¥2000(¥1000) 仏・ラングドック・ルーション地方です。レオン・バラルと言えばこの地域の「鬼才」と いうべき存在で、これほどまで複雑で、葡萄の凝縮感のあるワインは、フランス全土 を探しても、なかなか見当たりません。強烈な「土っぽい香り」の中に、ガリッグの ようなハーブが混じったような個性的な要素、そして、花崗岩や、深い石灰質のキメ の細かい香りが、重層的に上がってきます。この迫力と、複雑な奥行きは、もうさすが としか言いようがありません。ラングドックではゴービー社の「ムンタダ」と双壁をなす のではないでしょうか。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎サヴィニー レ ボーヌ レ ラヴィエール 2004(シャンドン ド ブリアーユ家) ¥2400(¥1200) 仏・ブルゴーニュ地方です。シャンドン ド ブリアーユ家は、あんまり有名ではない生産者ですが、私はその自然さがとても気に入っています。特に2004年ものは、酸味がとても綺麗で、透明感あふれる上品さがもうたまりません。アメリカメディアは2004年ものをけなしていますが、これほどブルゴーニュの良さが出ていて、しかも、この美味しいままずっと熟成する、素晴らしいヴィンテージは、なかなかないと思います。このワインはまだ飲んでいませんが、どんな味わいになるか、本当に期待しています。◎パイン リッジ メルロー ナパヴァレー クリムゾンクリーク 2006年 ¥2600(¥1300) カリフォルニア・ナパ地区です。ナパのメルローは、やはり一言で言えば、滑らかで甘い、葡萄のジュースを感じるような触感ではないでしょうか。その中でも、いろんなメルローがあって、これは、どこかフランスのサンテミリオンのワインに、憧れているような雰囲気を感じます。豊かで、パワーがありながら、どこか上品さや、赤い果実のニュアンスや、しっかりした「クラシックな」タンニンがあるからです。その「フレンチ風」のメルローの意味合いをぜひ。◎ヴォーヌ ロマネ 2004(ミュニュレ ジブール家) ¥3800(¥1900) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年のブルゴーニュは、本当に素晴らしい出来です。ミネラルの粒子が、キラキラと本当に美しくて、酸味の綺麗さと相まって、ブルゴーニュ らしい、上品さにあふれているのです、すでに甘さと酸味のバランスと、奥行きが伴っ て、今飲んで十分美味しい状態になっています。ミュニュレ・ジブール家は、モザイクの ようなヴォーヌロマネ村の堅さと、艶やかさを、見事なバランスで表現しています。あまり にも素晴らしいので、今後エレヴァージュのハウスワインとして、しばらく置くことに決めま した。◎ボーヌ クロ ド ラ ファギーヌ 1988(ジャク プリュール家) ¥6400(¥3200) 仏・ブルゴーニュ地方です。このジャック・プリュール家は、複雑な土壌の味わいを、しっかりワインに反映させ、なんとも言えない奥行きがある生産者で、いつも信頼できる味わいです。さて、実際に味見してみると、1988年ものとは思えないほど若々しく、葡萄の強烈な存在感を発揮しています。ボーヌ村の個性は、底の方にじわじわ、後から感じられます。(火曜日に味見しました!。素晴らしく良い状態で、まだまだすごく若々しいです。以前この生産者に抱いていた印象は、腐葉土のような複雑なニュアンスだったのですが、このワインにはそんなことは微塵もありませんでした。その理由はおそらく、エレヴァージュが、立てて保存していることにあります。立てることによって、細かい澱や苦い成分がゆっくりと底に沈み、苦みや汚れのない新鮮なジュースの部分を感じやすいというところにあるのではないでしょうか。そういう意味では、やはり、自分で買って、きちんと保存しなければ正確な判断は下せないのかなと、微妙な気持ちになりました)ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.16
では、木曜日のデザートワインのリストです。エゴン・ミューラーのワインが、 売り切れました!。★ほのかな甘口◎ベルンカステラー ドクトール シュペトレーゼ 2008 (ドクター ターニッシュ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) 独・モーゼル地方です。プリュムのような豊かなネクターの要素、エゴン・ミューラーのような研ぎ澄まされた酸、そこまでのレベルはないのですが、最も古典的で、安心感のある生産者です。穏やかな酸味、自然な甘さ、モーゼルワインに求めるものが、ここにあります。 ◎ヴーヴレー ドミ セック 1989(ドメーヌ ド ラ フォンテネリ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) 仏・ロワール地方です。このワインは、一年ほど前によくグラスワインで出していました。シュナン・ブラン種ならではの、清らかな甘さ。熟成することによって、尖ったこの品種の欠点がなくなり、トロっとした、自然な丸みを帯びています。そして、甘いとはいっても、余韻に豊かな酸味が残るので、葡萄をそのまま口に含んでいるような、心地よい甘さがいつまでも感じられるでしょう。★貴腐ワイン◎シャトー クリマン 1973 60ミリ・・・¥3500(¥1800) 仏・ボルドー地方、バルザック地区です。クリマンは、ディケムの最大のライバルで、ズドーン!という立体感のある迫力のあるディケムのスタイルとは対照的です。つまり、純粋に酸味が綺麗で、キューンという鮮やかな上品さがあるのです。セミヨン100%だけを使ったその酸味の美しさは、他のどの蔵でも真似できないほど気高いものがあります。1973年という年は、正直言ってあんまり良くありません。しかし、この酸味の質の高さから判断して、失望することはないと思います。◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ヴィン サント(イタリアの陰干しぶどうからの甘口ワイン)◎ヴィン サント トスカーノ ヴィラ ディ ヴェトリス 1985 (G.グラーティ社) 60ミリ・・・¥2000(¥1000) 伊・トスカーナ地方です。これはまるでシェリーの甘口・オロロソのような豊かな甘さと、酸味が綺麗に溶け込んだふくよかさが同居した、とても魅力的なデザートワインです。1985年ものということもあって、とても自然で、甘さが突出せず、豊かな酸味が、複雑な奥行きを見せています。こういう世界も、一度好きになってしまうと、もう止められません・・・。(好評なので、2本目を開けました!)★熟成した日本酒の甘口◎達磨正宗 純米甘口芳香 昭和59年度醸造酒 蔵出しは2007年(1984年醸造) 60ミリ・・・¥2800(¥1400)岐阜県の蔵です。今まで、ずっとこの蔵の熟成したものを置きたいと思ってきました。「日本酒は、熟成しない」と言われますが、そんなことはありません。熟成した日本酒を作るために、この蔵はずっと研究してきて、ここまで素晴らしいものが出来ました。紹興酒が持つ溶けた奥行き、マディラワインの持つ強烈なパワー、ポートワインが持つ豊かな甘さ、その3つの全てを兼ね備えた、世界的に見ても、本当に偉大なお酒だと思います。やはり、ここまで複雑な甘さを作るのは、日本人ならではの繊細で、忍耐のいる仕事に他なりません。このお酒は、お店に来てくれた人に、何が何でも飲ませたいほど、素晴らしいのです。(4月20日に味見しました!。これを飲むのは4回目なのですが、やはり、素晴らしいです・・・。溶け込んだ、複雑な旨みは、もうたまりません・・・。どの温度で出そうか悩んだ挙句、16度で固定することにしました。(あえて常温という言葉を使わず)室温だと味わいが本当にぼやけてしまって、たしかに美味しいのですが、この日本酒のポテンシャルを表現できていないような気がします。それで、16度にしてみると、酸味と、甘苦みの輪郭が出て来て、スケールの大きい骨格に変わるのです。冷やし過ぎると逆にふくらみが出てこないので、この温度管理は本当に難しいです。ひとまず、16度でずっと固定したいと思います)★ポートワイン●テイラー トーニー 40年 60ミリ¥3500(¥1800) ポルトガル産です。数多くあるポートワインのシッパーの中でも、テイラー社は、非常に"第一級"に格付けされる存在だと言われます。奥深いコクと、気骨のあるがっしりした構造、そして、鮮やかな、かぐわしい芳香のどれもがスケールが大きいのです。特にこのトーニーポートは、大樽で熟成しているため、酸素と長い間接触し、なんともいえない複雑さを備えています。フレッシュさが特徴のヴィンテージポートに比べて、この「溶けた複雑さ」は、やはり多くの人が虜になる理由がわかります。●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンエルギン 1971(イタリアのサマローリ社により、1988年に瓶詰。 "FRAGMENTS OF SCOTLAND" 50%VOL) 30ミリ¥5500(18ミリ¥2800) スコットランドのモルトウイスキーです。このボトルは、イタリア人のサマローリさんによって選ばれ、瓶詰めされました。彼は、極上の樽だけをピンポイントで選び、彼の名前のラベルを貼って市場に出しています。ワインの業界で言えば「アンリ・ジャイエ」さんになるのではないでしょうか。グレンエルギンらしい「蜂蜜のような甘いニュアンス」を、最大限に生かした「太いコク」がこのウイスキーにはあって、他のグレンエルギンでは 到底発揮できないような、完成度の高い一品になっています。(2011年6月15日に再度試飲、抜栓後3年ほど経過。残りあとボトルの4分の1。グレンエルギンは、やはり蜂蜜のような甘さが特徴で、実は骨太の甘さが隠れてます。その個性が、この段階で最大限に出ています。豊かで、丸い甘さ。こういう麦芽の濃密な甘さを感じるモルトウイスキーは、なかなか最近は見つけることができません)★おすすめ食後酒◎フィーヌ ド ブルゴーニュ 1979(DRC・ロマネコンティ社) 30ミリ¥6600(18ミリ¥3300) 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。この「FINE」というブランデーは、「MARC]とは違って、とても上品です。「MARC]が、ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な個性の味わいなのに対し、「FINE」は、葡萄を新鮮な状態で絞るために、とてもピュアで、汁気のある上品な味わいに仕上がります。特に、この1979年ものは、現在ではほとんど手に入らないと言っても差し支えないほど、数が希小です。(4月12日に味見しました!。この1979年ものを飲むのは、4回目なのですが、やはり、とても上品で、葡萄の蜜のような甘さが、内面から湧き出てくるようです。えぐみの強いマールとは異なり、やはり葡萄の圧倒的な質の良さを感じます。) ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.16
穏やかで、涼しい風が、 この西麻布のお店に、入り込んできています・・・。そんな6月の半ばに、皆様いかがお過ごしでしょうか。 ところで、最近更新を怠ってしまって、すいません・・・。伝えたいことは山ほどあるので、早速、以下にどんどん載せたいと思います。では今週の目玉のワインのお知らせを。(ツイッターでは、リアルタイム情報を流して、空席情報や、急に開けたワインなどを、伝えています。ElevageAzabu で検索してみて下さい)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6月15日(水)から、★ジャンテ パンシオ家●ジュブレイ シャンベルタン ヴィーユ ヴィーユ 1972 70ミリ¥2900 仏・ブルゴーニュ地方です。1972年という年は、あんまり知られていないのですが、すごく良い年なのです。もちろん、1971年、1969年に及びませんが、それでも、柔らかいバランスがとても心地よいのです。少しタンニンが残っていてその奥にふんわりした柔らかい果実味が。そのタンニンの残り具合と、果実味の構成の仕方で、その味わいの良しあしが決まります。さて、この生産者のワインは本当に古典的な「堅い」作り手なので、熟成して、どのような良さが出ているか本当に楽しみです。6月17日(金)から、★エマニエル ルージェさん●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004 40ミリ・・・¥5800 仏・ブルゴーニュ地方です。もうこの「クロ パラントゥー」の畑に関しては、語りつくせないほど偉大な畑です。金曜日までにメルマガをもう一本書きますが、本音を一つ述べたいと思います。彼のこの「クロ パラントゥー」のワイン、今買うなら、1997年~2009年の間で、選べるとすれば、間違いなくこの2004年ものを選ぶでしょう。これほどクロ パラントゥーの真価を、隅々まで表現している年は、(現時点では)めったにありません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎新たに入荷したボトルのワイン、たくさんあります~。 たとえば、 ★ラルー・ピヨ●ペルナン ヴェルジュレス イル ド ヴェルジュレス 1990 ¥22000 ●ピション バロン 1976 ¥22000 ●ピション ラランド 1978 ¥34000 ●シュヴァル ブラン 1978 ¥48000 ●ラスカーズ 1970 ¥29000 などなどです。◎モルトウイスキー あと1~2杯で売り切れるものがあります。 7年以上前に仕入れたもので、今では手に入れるのも困難で、 2度と、この値段では飲めないと思います。 ◎マッカラン 1964(蒸留所元詰め 17年もの) 30ミリ¥7200(18ミリ¥3600) ◎アードベッグ 1976(ダグラス オブ ドラム ランリグ) あと18ミリだけ¥2900 ◎グレングラント 1964 (ムーンインポート社 1988年に瓶詰め "ANIMAL" 46%VOL) 30ミリ¥5500(18ミリ¥2800) ◎実は知られていないのですが、 エレヴァージュのメールマガジンは2種類あります。 ★現在多くのお客さんに、リアルタイムで流しているもので、 2200人ぐらいの方へ、配信しています。 (当然、無料です) ★過去のメールマガジンを、再編集して、新たに書きおろした もので、これは有料で、電子書籍化して、販売しています。 http://plaza.rakuten.co.jp/elevage1/diary/201106010010/ 上述の、「無料の」メールマガジンは、 毎週1~2回配信していまして、今週の目玉のワインの見どころを、 深く、じっくりと語っています。 ここの載せているブログは、単純に表面的なもので、 はっきり言ってあんまりおもしろくありません。 ですから、この「無料の」メールマガジンをご希望の方は、 このブログの文頭にある、メールアドレスへ、「メルマガ希望」と 送って下されば、こちらで登録しておきます。 その一方で、 過去3~4年ほど前のメルマガを再編集したものは、 よりいっそうマニアックに、細かい情報を載せています。 もしご希望の方は、 こちらから、登録してみて下さい。 http://plaza.rakuten.co.jp/elevage1/diary/201106010010/ (また、新しい記事を追加しておきました)◎ブショネのワインが出ました!。 ブショネという現象がどんなものか、お店に来て下さったかたへ、 「これですよ」と、味見で差し上げます。 体験されたい方は、遠慮なくおっしゃって下さい~。◎ウイスキーや、ワインの「一本入り」の木箱、 大量に余っています・・・。 ご希望の方は差し上げますので、遠慮なく・・・。◎お店の予約に関して、ややこしいですが説明します。 ○21時までは、あらかじめ予約できます。 ~ゆっくり、お食事とともに、時間を過ごしてほしいですから・・・。 ○21時以降は、直前の予約のみ承ります。 ~いらっしゃる、20~30分前にお電話を下さい。 席が空いていれば、席を確保することができます。 せっかく来て下さったのに、満席だと申し訳ないので・・・。 ○あらかじめ、「このワインがどうしても飲みたい!」、と、ボトルのワイン を指定して下さった場合は、時間帯に関わりなく、予約を承ります。 (前日または、何時間前に抜栓し、状態を整えてから出します)では、よい水曜日をお過ごしください。 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。ワインバー エレヴァージュ吉田 岳史東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.15
水曜日のお料理のメニューです!。初夏向けの、新しいものがいろいろ加わっています!。ズッキーニの塩焼きなど・・・。★冷たい前菜◎オリーヴ ¥700 (ハーフサイズ・お1人様用)¥400 ~シチリア産の添加物を全く使わない自然な味わい。ソルビン酸など保存料 が入っていないため、「豆を食している」とても素朴な触感です。こういうものこそ、 素材の良さが出ます。◎グリーンサラダ ¥900◎にらのお浸し ¥700◎サーモンのサラダ ¥1600★温かい前菜 ◎地鶏のスープ(1人用) ¥400~疲れた胃に優しく沁み込んできます。8時間かけて煮込んだとても自然な 味わいです。◎新じゃがいもの蒸したもの ¥900◎ソラ豆の塩茹で ¥900◎ズッキーニの塩焼き ¥800◎地鶏の手羽と、野菜のポトフ ¥900~透明感のある自然な出汁が、とても綺麗で、上質な白ワインと完璧に合います。 エレヴァージュでは、アンリ・ボワイヨさんのワインをお勧めしています。◎出汁巻き卵(利尻昆布を使った、ふんわりした味わい) ¥900 (ハーフサイズ)¥700◎うどの天ぷら ¥900◎出し巻き卵 ¥900 (お一人様用)¥700★珍しい生ハム、いろいろあります。◎サラミ~ミラノ風・ピシっとスパイスが利いていて、都会的な味わい ¥700 ~ナポリ風・トロっと肉の素朴なコクが融合した田舎風な味わい ¥700◎ハモン イベリコ ベジョータのチョリソー ¥900 ~なんと、ベジョータからのチョリソーです!。旨みの広がり方が尋常ではありま せん。チョリソーというと、辛いものを想像されるかもしれませんが、これは全く 辛くありません。肉の複雑な旨みがしっかり凝縮して、おつまみとして最高です。◎プロシュート ディ パルマ ¥1300 (ハーフサイズ) ¥700 ~肉厚の、トロっとしたコクのある旨みは、もうたまりません・・・。ハーフサイズ ではなく、フルサイズで召し上がることをお勧めします。その大きさと、肉厚の 迫力に、きっとびっくりされることでしょう。◎プロシュート ディ サン・ダニエーレ ¥1300 (ハーフサイズ) ¥700 ~15か月熟成です。「パルマ産」よりも上質とされ、ふわふわの、綿のような柔らかい触感は、もう一度味わうと病み付きになります。◎ハモン セラーノ アルティザン ¥1300 (ハーフサイズ)¥700 ~黒豚と白豚のあいの子です。旨みの厚みと、柔らかい脂身の組み合わせ が見事に溶け合っていて、寄り添うように美しいのです。14か月熟成。◎ハモン セラーノ トレヴェレズ ¥1300 (ハーフサイズ)¥700 ~スペイン・グラナダ近郊のトレヴェレス地区産です。標高1500メートルで、 かなり乾燥している村のようです。そのため、ハムの名産地として有名で、 綺麗に筋が入った脂身は、まるで松坂牛のように滑らかで、上品・・・。 23ヵ月熟成。◎ハモン イベリコ レセボ ¥2500 (ハーフサイズ)¥1300 ~サラマンカ地方、ギフエロ地区のものです。ドングリを食べて、大きくなりきれ なかったものは、飼料を食べて体重が増えたものになり、「レセボ」と分類され ます。ベジョータのものとは異なり、ドングリのナッツ系のコクと、脂身のしっかり した豊かさが混じり合って、非常に食べ応えのある、完成度の高い味わいに 仕上がっています。24か月熟成。 ◎ハモン イベリコ ベジョータ ¥2800 (ハーフサイズ)¥1400~サラマンサ地方、ギフエロ地区のものです。ドングリだけを食べて、丸丸太った イベリコハムの最高峰です。38か月熟成という、極めて長い時間をかけて、 この上ない複雑さを身に着けます。上記の生ハムは、真空パックではなく、発注してから切り分けられるために、塩気がきつくなく、とても自然な肉の旨みが感じられます。マグロと一緒で、購入してから、少し時間が経った方が、どんどん複雑になってきて、味わいの立体感と奥行きが出るようです。★パテ・サラミなど・・・。◎パテ ド カンパーニュ(豚のパテ)パンがついています。 ¥1000 (ハーフサイズ・お一人様用) ¥500 ◎パテ ド フォア(レバー ペースト) ~これも、パンがついています。塩加減と、レバーの柔らかさが 絶妙に絡み合っています。 ¥1000 (ハーフサイズ・お一人様用) ¥500◎コッパ ディ パルマ ¥900~肩ロースの生ハム、大理石のような霜降り模様で、脂身が口の中でしっかり 溶けて、肉の旨みと融合します。◎生ハム・サラミ等盛り合わせ ¥2400 (お一人様用) ¥1200 ~その日の熟成状態のいいものを、優先的に揃えて、組み合わせています。 量が多く、いろいろ楽しめるので、かなりお得です。◎シャルキュトリ盛り合わせ ¥2200 パテ・レバーペースト、サラミ、生ハムにパンが付きます。以前よりもグレードが あがって、かなり食べごたえのある内容となっています。★チーズなど・・・。◎チーズ盛り合わせ ¥1600★くじら料理◎くじらのカルパッショ ¥1600 ~鹿肉と非常に良く似ています。脂身が少なく、しっとりと喉の奥まで滑り込んで いく質感はもう素晴らしいです。エレヴァージュでは、シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006年(アンドレ ブリュネルさん)をお勧めしています。◎クジラのベーコン ¥1400 ~ねっとりとした旨みがたまりません。★焼き鳥など肉料理◎焼き鶏の盛り合わせ ¥1600 ~いろんな部位が乗っていて、ちょこちょこつまめます。腿、砂肝、副腎、ハツ、 レバーに分かれています。特に肥内系の鶏は、身が非常に締まっていて、コリコリした感触が・・・。◎地鶏のつくね (塩のみ) ¥1200 (卵黄、タレ付き) ¥1300◎地鶏の唐揚げ ¥1200 ~鶏屋さんの唐揚げは、やはりモノが違います。 ★ご飯系の〆のお料理◎親子丼 ¥1100 ~人気のメニューです。リゾットのようなお皿で出しますので、取り分けられます。 黒七味をかけて、鶏の柔らかな甘さと、スパイスの辛さが相乗します。◎地鶏の雑炊 ¥900◎鶏のお茶漬け(梅茶漬け、海苔茶漬けもできます) ¥1100ワインバー エレヴァージュ 吉田 岳史 東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889 ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.15
では、水曜日のデザート的なもののメニューです。◎日本初出店の、ブルゴーニュの 「ファブリス・ジロット」さんのチョコレート、 「クルール ド ブルゴーニュ」が入荷しました!。 これは、新鮮なフランボワーズ、桃、カシスなどの ジュースを、チョコレートの間に挟んだもので、 これほど鮮やかで、強烈な香りを放つものは、 ほかに見当たらないような気がします。 このような劇的な香り、そして味わいは、 やはり彼ならではだと・・・。 これは、まさにチョコレートの傑作、 と言ってもいいのではないでしょうか。◎カプチーノの豆、新たなブレンドが届きました。それで、今度はもう少し柔らかいものを注文したのですが、豆が落ち着くまで、少し時間がかかります。今日、いろいろ試してみますので、どうか少しだけ待ってください~。◎ピエール マルコリーニの「CHUAO」が、 入荷しました!。 これは、私が知る中で、世界最高峰のクオリティの、 強烈な豆の良さが発揮されています。◎ダージリン ファーストフラッシュが、 いろいろ入荷しました!。 2011年の新茶?みたいなものです。 紹介すべきものはいろいろあるのですが、まず味見したのは、ジュンパナ・アッパー(農園)、 これは、まるでミュジニーのような輝くようなミネラルと酸味が、もう素晴らしい光沢を放っています。こういうものを飲むと、きっとダージリンの印象が、 変わるに違いありません。★デザート的なもの◎ガトー フォマージュ(木・金・土限定) ¥800◎アマレットとオレンジの焼き菓子 ¥400◎ガレット ブルトンヌ ¥400(上記の3つは、京都の「アトリエ ラ パージュ ブランシュ」さんから、 わざわざ送ってもらっています)◎ファブリス・ジロットのパート ド フリュイ ¥600 ~フルーツのエキスを凝縮したパテです。ドライフルーツを上品に強烈にした よう。そして、なんて瑞々しいのでしょう!。果汁がこぼれそうなほど、新鮮 さを感じます。はっきり言って、感動しました。◎ファブリス・ジロットのタブレット(チョコレート) ~PERU(ペルー産の、土の柔らかいニュアンスと、コクの効いた味わい) ¥500 ~コート ジヴォワール(ミルク入りで、滑らかな、トロけるような甘さ) ¥500◎ピエール エルメのチョコレート ~CHUAO(幻の谷、チュアオからのとても希少な逸品です)¥700 ~MADAGASCAR(乾いた柑橘系と、ナッツの皮のようなニュアンスがピ シっと鮮やか)¥600◎ピエール マルコリーニのチョコレート ~メキシコ、グランクリュ リミティッド エディション ¥800 (メキシコの偉大な畑からの限定版です。鮮やかで、輝くような酸味が、 この上なく上品で、本当に素晴らしいです) ★ALTA Piura, Perou;Plantacion Las Pampas, ¥900 (ペルーのピウラ高地から、パンパス農園のもの。ペルーらしい赤砂のような、 土の香りをふんだんに感じ、霧のようなきめ細かい余韻が。クリオロブランコ というとても貴重な品種より) ★Oriente Cuba,Grand Cru Propriete;Terruno de Baracoa, ¥900 (キューバ東部の偉大な畑より。バラコア地区。小気味良い軽さの中の、 上品なバランスが最高です。トリニタリオ種) ★Aragua, Venezuela;Grand Cru de Propriete;Hacienda Chuao, ¥900 (ヴェネズエラの「チュアオ谷」からの究極の逸品。おそらく最高峰の輝き を持つチョコレートではないでしょうか。「チョコレートのロマネコンティ」と 言われます。全ての要素が、さりげなく、自然なバランスで寄り添う。クリオロ プリミティヴという、原始クリオロ種を使っています。とてつもなく貴重) ◎プラリュのチョコレート~CHUAO谷のタブレット ¥500☆食後の飲み物★エスプレッソ ¥500★カプチーノ ¥800 ~コーヒー豆は、エレヴァージュのためだけに作られています。普通のコーヒー屋 さんの原価の4~5倍ものクオリティに高い豆、苦味の奥に、立体感のある構造と、 奥行きの深さが桁外れです。 砂糖を入れてみて下さい。 隠されていたその奥行きが、一気に広がります。 砂糖を控えめに入れられる方も多いのですが、「ガッツリ!」入れた方がいいです。 砂糖を足すことによって、甘さだけ出てくるわけではありません。 むしろ、隠されていたコーヒーの複雑さが、一気に顔を出し、立体感が出てくるのです。 味わいのヴォリュームが、何倍も膨らむのを、 きっと体感されると思います。 ★大紅袍(ダイコウホウ) ¥1600以上です。 ワインバー エレヴァージュ 吉田 岳史 東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889 ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.15
では、水曜日の白ワインのリストです。★シャンパン◎フランソワ スコンデ グランクリュ ア シルリーNV ¥2400(¥1200) 仏・シャンパーニュ地方の小規模生産者です(レコルタン・マニピュラン)。ピノノワ ールを67%使って、滑らかで、きめ細かいコクが感じられます。8年ほど前から、 こういう小規模生産者のシャンパンが入り始め、最初に思ったのは「葡萄の質が 違う」ということでした。通常売られている、大手のネゴシアンのものに比べて、 葡萄がしっかり凝縮して、口に含んだときに、葡萄の生命力が「ギュッ!」と弾ける ようなほど、強烈なのです。やはり、葡萄の存在感、まさにこの言葉に尽きます。★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ レ クロ 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。(さて、ヴォーデジール畑を開けた次には、最も偉大とされる"レ クロ"の畑です。やはり、すべての特級畑の中でも、最も立体的構造と、コクがあり、さすがと思わせる存在感を放っています)◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎ムルソー オスピス ド ボーヌ "キュベ ジャン アンブロ" 1988 (ポール ミセリ家) ¥5800(¥2900) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、典型的なムルソーです。樽の熟成期間が長く、しっかり酸素と接触したおかげで、まるでナッツを思わせるようなタンパク質系の旨みと、柔らかく、滑らかなコクを身に着けています。20年以上熟成しているおかげで、かなり複雑な旨みがあって、綺麗なアミノ酸が、熟成した生ハムにとても良く合うでしょう。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.15
では、 水曜日の日本酒のリストです。昇龍蓬莱(神奈川の酒蔵です)、 純米吟醸 漕場汲み「阿波山田錦が入りました!。 また、初亀 純米大吟醸、黒龍 大吟醸、などなど、新たに仕入れていまして、保管しています。美味しくなったら、メニューに載せますので、どうか少しだけ待ってください~。 120ミリ(70ミリ)◎緑川 "緑" 雪洞貯蔵 純米吟醸 ¥1200(¥600) 新潟県産です。新酒を絞った後、雪が解け終わる初夏まで半年間雪洞で寝かせた ものです。貯蔵前に[火入れ」をして、半年間寝かせるというのは「ひやおろし」に近い のではないか、と思います。緑川は、米の純粋な、キラキラしたパワーを感じながら、 とても繊細な部分もあるというお酒です。これを飲むたびに、「あー、質が高い、いいお 酒だ」と感じるのです。過ぎゆく夏を感じながら、ひんやりした触感のこのお酒を味わう ・・・まさにひやおろしの醍醐味です。 (11月1日の段階で、少し米の甘さが落ち着いて、辛くなってきました。このタンニンが 和らいでくれれば、次の段階で、甘さの広がりが出てきて、さらに美味しくなるような気が します。ひとまず、寝ている段階かもしれません)◎蓬莱 特別純米 槽場直詰め 無ろ過生原酒 美山錦 60 (2010 BY) ¥1200(¥600)神奈川県産です。岐阜に近い蔵の蓬莱泉とは違います。この蔵は、あまり知られてはいないのですが、「ここまで強烈なのか!」と思わせるほどの凝縮感があって、ギューン!というミネラル感が本当に素晴らしいのです。ブルゴーニュの白ワインの生産者でも、なかなかここまで凝縮感のあるものは、なかなかないような気がします(ドーヴネーや、ソゼ、ラモネに近い味わい)一度、この蔵のパワーに触れてしまうと、もう止められません。◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎亀齢 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ 線状心白米(強力) (2009 BY) ¥1200(¥600) 広島県産です。以前「凱陣」にいた杜氏の西垣さん親子が、この蔵に移籍して作っています。 開けてすぐの段階では、あまりにも堅かったので、3か月放置(プレイ)しました。そうすると、自然に、奥の方から旨みと、円やかな甘さが出てきてバランスが良くなってきました。この蔵のポテンシャルは、本当に凄いです。余韻の途方もない長さと、味わいの太さは、他に比類するものは少ないのではないでしょうか。今お燗を研究中で、もうすぐお燗で出せるようになると思います。「ぬる燗」にすると、この旨みが幾層も広がり、複雑さが何倍も拡大するでしょう。少しだけ待って下さい。(もちろん、11度で味わっても十分美味しいです)(11月1日の段階で。米の奥の方から、腰の入った旨みが、どんどん湧いてきています!。 やはり、開けたてよりも、今の方が格段に複雑さがあります) ◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎東一 純米大吟醸 生酒(2010BY) ¥1800(¥900) 佐賀県産です。南のお酒は、グイグイと、米の旨みのパワーが湧いてくるように力強いです。キューンという酸味と、尖った鮮やかさのある北のお酒とは対照的で、とてお面白いのでは ないでしょうか。この東一は、お米の活き活きした生命力を直に感じ、まるで華やかなシャサーニュモンラッシェのように、しっとりした触感と、鮮やかなフルーツのニュアンスが、綺麗に融合しています。こういうお酒を飲むと、日本酒を嫌いと決めつけている人も、好きになってしまうのではないでしょうか。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.15
では、水曜日の赤ワインのリストです。●ランシュ バージュ 1976 70ミリ・・・¥2600 仏・ボルドー地方、ポイヤック地区です。「ランシュ・バージュ」は、熟成の若い段階では、味わいが強烈過ぎて、「酸っぱくて」美味しくない場合が多いのです。しかし、1976年ものは、味わいのバランスが取れて、すべての面で、丸みを帯びて、美味しさを発揮しているのです。強烈過ぎる赤い果実の味わいが穏やかになって、この上ない、ベリー系の甘さが、口の中で弾け飛ぶように、満たされてくれるのです。(前回開けた時は、状態が悪く、熟成が進み過ぎていました・・・。これは、このワインが悪いのではなく、その一つの瓶だけが、ダメだったのです。さて、今回はそのリベ ンジです)(月曜日に味見しました!。素晴らしい状態で、ブドウの鮮やかな果実味が、とても自然に、口に含んだ瞬間に体内に入ってきます。それだけ、抵抗がない、本当の意味でバランスのとれた味わい。素晴らしい完成度です!)(水曜日の段階で、少しずつタンニンが強くなって、甘さを押し込み始めているので、今日はメニューから外しておきます。もしどうしても飲みたい方は、遠慮なくおっしゃって下さい。値引きして出します)★ジャンテ パンシオ家●ジュブレイ シャンベルタン ヴィーユ ヴィーユ 1972 70ミリ¥2900 仏・ブルゴーニュ地方です。1972年という年は、あんまり知られていないのですが、すごく良い年なのです。もちろん、1971年、1969年に及びませんが、それでも、柔らかいバランスがとても心地よいのです。少しタンニンが残っていてその奥にふんわりした柔らかい果実味が。そのタンニンの残り具合と、果実味の構成の仕方で、その味わいの良しあしが決まります。さて、この生産者のワインは本当に古典的な「堅い」作り手なので、熟成して、どのような良さが出ているか本当に楽しみです。 120ミリ(70ミリ)★レオン バラル家 ●フォージェール キュベ ジャディス 2008 ¥2000(¥1000) 仏・ラングドック・ルーション地方です。レオン・バラルと言えばこの地域の「鬼才」と いうべき存在で、これほどまで複雑で、葡萄の凝縮感のあるワインは、フランス全土 を探しても、なかなか見当たりません。強烈な「土っぽい香り」の中に、ガリッグの ようなハーブが混じったような個性的な要素、そして、花崗岩や、深い石灰質のキメ の細かい香りが、重層的に上がってきます。この迫力と、複雑な奥行きは、もうさすが としか言いようがありません。ラングドックではゴービー社の「ムンタダ」と双壁をなす のではないでしょうか。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎サヴィニー レ ボーヌ レ ラヴィエール 2004(シャンドン ド ブリアーユ家) ¥2400(¥1200) 仏・ブルゴーニュ地方です。シャンドン ド ブリアーユ家は、あんまり有名ではない生産者ですが、私はその自然さがとても気に入っています。特に2004年ものは、酸味がとても綺麗で、透明感あふれる上品さがもうたまりません。アメリカメディアは2004年ものをけなしていますが、これほどブルゴーニュの良さが出ていて、しかも、この美味しいままずっと熟成する、素晴らしいヴィンテージは、なかなかないと思います。このワインはまだ飲んでいませんが、どんな味わいになるか、本当に期待しています。◎パイン リッジ メルロー ナパヴァレー クリムゾンクリーク 2006年 ¥2600(¥1300) カリフォルニア・ナパ地区です。ナパのメルローは、やはり一言で言えば、滑らかで甘い、葡萄のジュースを感じるような触感ではないでしょうか。その中でも、いろんなメルローがあって、これは、どこかフランスのサンテミリオンのワインに、憧れているような雰囲気を感じます。豊かで、パワーがありながら、どこか上品さや、赤い果実のニュアンスや、しっかりした「クラシックな」タンニンがあるからです。その「フレンチ風」のメルローの意味合いをぜひ。◎ヴォーヌ ロマネ 2004(ミュニュレ ジブール家) ¥3800(¥1900) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年のブルゴーニュは、本当に素晴らしい出来です。ミネラルの粒子が、キラキラと本当に美しくて、酸味の綺麗さと相まって、ブルゴーニュ らしい、上品さにあふれているのです、すでに甘さと酸味のバランスと、奥行きが伴っ て、今飲んで十分美味しい状態になっています。ミュニュレ・ジブール家は、モザイクの ようなヴォーヌロマネ村の堅さと、艶やかさを、見事なバランスで表現しています。あまり にも素晴らしいので、今後エレヴァージュのハウスワインとして、しばらく置くことに決めま した。◎ボーヌ クロ ド ラ ファギーヌ 1988(ジャク プリュール家) ¥6400(¥3200) 仏・ブルゴーニュ地方です。このジャック・プリュール家は、複雑な土壌の味わいを、しっかりワインに反映させ、なんとも言えない奥行きがある生産者で、いつも信頼できる味わいです。さて、実際に味見してみると、1988年ものとは思えないほど若々しく、葡萄の強烈な存在感を発揮しています。ボーヌ村の個性は、底の方にじわじわ、後から感じられます。(火曜日に味見しました!。素晴らしく良い状態で、まだまだすごく若々しいです。以前この生産者に抱いていた印象は、腐葉土のような複雑なニュアンスだったのですが、このワインにはそんなことは微塵もありませんでした。その理由はおそらく、エレヴァージュが、立てて保存していることにあります。立てることによって、細かい澱や苦い成分がゆっくりと底に沈み、苦みや汚れのない新鮮なジュースの部分を感じやすいというところにあるのではないでしょうか。そういう意味では、やはり、自分で買って、きちんと保存しなければ正確な判断は下せないのかなと、微妙な気持ちになりました)ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.15
では、水曜日のデザートワインのリストです。ターニッシュのワインが加わりました!。★ほのかな甘口◎ベルンカステラー ドクトール シュペトレーゼ 2008 (ドクター ターニッシュ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) 独・モーゼル地方です。プリュムのような豊かなネクターの要素、エゴン・ミューラーのような研ぎ澄まされた酸、そこまでのレベルはないのですが、最も古典的で、安心感のある生産者です。穏やかな酸味、自然な甘さ、モーゼルワインに求めるものが、ここにあります。 ◎ヴーヴレー ドミ セック 1989(ドメーヌ ド ラ フォンテネリ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) 仏・ロワール地方です。このワインは、一年ほど前によくグラスワインで出していました。シュナン・ブラン種ならではの、清らかな甘さ。熟成することによって、尖ったこの品種の欠点がなくなり、トロっとした、自然な丸みを帯びています。そして、甘いとはいっても、余韻に豊かな酸味が残るので、葡萄をそのまま口に含んでいるような、心地よい甘さがいつまでも感じられるでしょう。◎シャルツホフベルガー カビネット 2007 (エゴン ミューラーさん) 120ミリ(70ミリ) ¥3400(¥1700) 独・ザール地方です。最も研ぎ澄まされて「カミソリのよう」と言われるだけ、酸度が強く、 そのブドウが甘みもたっぷりと蓄えるために、甘みと酸味の、もっとも振り幅の大きいワインが生まれます。ドイツワインは、甘いだけではありません。口に含んだときの自然な酸味のおかげで、甘いと同時に、さっぱりした、このうえない上品さを持ち合わせているのです。この生産者は、ドイツワインの最高峰と言われるだけあって、その振り幅の最も大きい、ワインとしてのポテンシャルの大きさがあります(熟成する能力があるという意味も含めて)。「ドイツワインなんて~」と偏見を持たれている方へ、無理矢理飲ませたい・・・。★貴腐ワイン◎シャトー クリマン 1973 60ミリ・・・¥3500(¥1800) 仏・ボルドー地方、バルザック地区です。クリマンは、ディケムの最大のライバルで、ズドーン!という立体感のある迫力のあるディケムのスタイルとは対照的です。つまり、純粋に酸味が綺麗で、キューンという鮮やかな上品さがあるのです。セミヨン100%だけを使ったその酸味の美しさは、他のどの蔵でも真似できないほど気高いものがあります。1973年という年は、正直言ってあんまり良くありません。しかし、この酸味の質の高さから判断して、失望することはないと思います。◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ヴィン サント(イタリアの陰干しぶどうからの甘口ワイン)◎ヴィン サント トスカーノ ヴィラ ディ ヴェトリス 1985 (G.グラーティ社) 60ミリ・・・¥2000(¥1000) 伊・トスカーナ地方です。これはまるでシェリーの甘口・オロロソのような豊かな甘さと、酸味が綺麗に溶け込んだふくよかさが同居した、とても魅力的なデザートワインです。1985年ものということもあって、とても自然で、甘さが突出せず、豊かな酸味が、複雑な奥行きを見せています。こういう世界も、一度好きになってしまうと、もう止められません・・・。(好評なので、2本目を開けました!)★熟成した日本酒の甘口◎達磨正宗 純米甘口芳香 昭和59年度醸造酒 蔵出しは2007年(1984年醸造) 60ミリ・・・¥2800(¥1400)岐阜県の蔵です。今まで、ずっとこの蔵の熟成したものを置きたいと思ってきました。「日本酒は、熟成しない」と言われますが、そんなことはありません。熟成した日本酒を作るために、この蔵はずっと研究してきて、ここまで素晴らしいものが出来ました。紹興酒が持つ溶けた奥行き、マディラワインの持つ強烈なパワー、ポートワインが持つ豊かな甘さ、その3つの全てを兼ね備えた、世界的に見ても、本当に偉大なお酒だと思います。やはり、ここまで複雑な甘さを作るのは、日本人ならではの繊細で、忍耐のいる仕事に他なりません。このお酒は、お店に来てくれた人に、何が何でも飲ませたいほど、素晴らしいのです。(4月20日に味見しました!。これを飲むのは4回目なのですが、やはり、素晴らしいです・・・。溶け込んだ、複雑な旨みは、もうたまりません・・・。どの温度で出そうか悩んだ挙句、16度で固定することにしました。(あえて常温という言葉を使わず)室温だと味わいが本当にぼやけてしまって、たしかに美味しいのですが、この日本酒のポテンシャルを表現できていないような気がします。それで、16度にしてみると、酸味と、甘苦みの輪郭が出て来て、スケールの大きい骨格に変わるのです。冷やし過ぎると逆にふくらみが出てこないので、この温度管理は本当に難しいです。ひとまず、16度でずっと固定したいと思います)★ポートワイン●テイラー トーニー 40年 60ミリ¥3500(¥1800) ポルトガル産です。数多くあるポートワインのシッパーの中でも、テイラー社は、非常に"第一級"に格付けされる存在だと言われます。奥深いコクと、気骨のあるがっしりした構造、そして、鮮やかな、かぐわしい芳香のどれもがスケールが大きいのです。特にこのトーニーポートは、大樽で熟成しているため、酸素と長い間接触し、なんともいえない複雑さを備えています。フレッシュさが特徴のヴィンテージポートに比べて、この「溶けた複雑さ」は、やはり多くの人が虜になる理由がわかります。●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンエルギン 1971(イタリアのサマローリ社により、1988年に瓶詰。 "FRAGMENTS OF SCOTLAND" 50%VOL) 30ミリ¥5500(18ミリ¥2800) スコットランドのモルトウイスキーです。このボトルは、イタリア人のサマローリさんによって選ばれ、瓶詰めされました。彼は、極上の樽だけをピンポイントで選び、彼の名前のラベルを貼って市場に出しています。ワインの業界で言えば「アンリ・ジャイエ」さんになるのではないでしょうか。グレンエルギンらしい「蜂蜜のような甘いニュアンス」を、最大限に生かした「太いコク」がこのウイスキーにはあって、他のグレンエルギンでは 到底発揮できないような、完成度の高い一品になっています。(2011年6月15日に再度試飲、抜栓後3年ほど経過。残りあとボトルの4分の1。グレンエルギンは、やはり蜂蜜のような甘さが特徴で、実は骨太の甘さが隠れてます。その個性が、この段階で最大限に出ています。豊かで、丸い甘さ。こういう麦芽の濃密な甘さを感じるモルトウイスキーは、なかなか最近は見つけることができません)★おすすめ食後酒◎フィーヌ ド ブルゴーニュ 1979(DRC・ロマネコンティ社) 30ミリ¥6600(18ミリ¥3300) 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。この「FINE」というブランデーは、「MARC]とは違って、とても上品です。「MARC]が、ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な個性の味わいなのに対し、「FINE」は、葡萄を新鮮な状態で絞るために、とてもピュアで、汁気のある上品な味わいに仕上がります。特に、この1979年ものは、現在ではほとんど手に入らないと言っても差し支えないほど、数が希小です。(4月12日に味見しました!。この1979年ものを飲むのは、4回目なのですが、やはり、とても上品で、葡萄の蜜のような甘さが、内面から湧き出てくるようです。えぐみの強いマールとは異なり、やはり葡萄の圧倒的な質の良さを感じます。) ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.15
では、火曜日の白ワインのリストです。★シャンパン◎フランソワ スコンデ グランクリュ ア シルリーNV ¥2400(¥1200) 仏・シャンパーニュ地方の小規模生産者です(レコルタン・マニピュラン)。ピノノワ ールを67%使って、滑らかで、きめ細かいコクが感じられます。8年ほど前から、 こういう小規模生産者のシャンパンが入り始め、最初に思ったのは「葡萄の質が 違う」ということでした。通常売られている、大手のネゴシアンのものに比べて、 葡萄がしっかり凝縮して、口に含んだときに、葡萄の生命力が「ギュッ!」と弾ける ようなほど、強烈なのです。やはり、葡萄の存在感、まさにこの言葉に尽きます。★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ レ クロ 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。(さて、ヴォーデジール畑を開けた次には、最も偉大とされる"レ クロ"の畑です。やはり、すべての特級畑の中でも、最も立体的構造と、コクがあり、さすがと思わせる存在感を放っています)◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎ムルソー オスピス ド ボーヌ "キュベ ジャン アンブロ" 1988 (ポール ミセリ家) ¥5800(¥2900) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、典型的なムルソーです。樽の熟成期間が長く、しっかり酸素と接触したおかげで、まるでナッツを思わせるようなタンパク質系の旨みと、柔らかく、滑らかなコクを身に着けています。20年以上熟成しているおかげで、かなり複雑な旨みがあって、綺麗なアミノ酸が、熟成した生ハムにとても良く合うでしょう。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.14
では、 火曜日の日本酒のリストです。昇龍蓬莱(神奈川の酒蔵です)、 純米吟醸 漕場汲み「阿波山田錦が入りました!。 120ミリ(70ミリ)◎緑川 "緑" 雪洞貯蔵 純米吟醸 ¥1200(¥600) 新潟県産です。新酒を絞った後、雪が解け終わる初夏まで半年間雪洞で寝かせた ものです。貯蔵前に[火入れ」をして、半年間寝かせるというのは「ひやおろし」に近い のではないか、と思います。緑川は、米の純粋な、キラキラしたパワーを感じながら、 とても繊細な部分もあるというお酒です。これを飲むたびに、「あー、質が高い、いいお 酒だ」と感じるのです。過ぎゆく夏を感じながら、ひんやりした触感のこのお酒を味わう ・・・まさにひやおろしの醍醐味です。 (11月1日の段階で、少し米の甘さが落ち着いて、辛くなってきました。このタンニンが 和らいでくれれば、次の段階で、甘さの広がりが出てきて、さらに美味しくなるような気が します。ひとまず、寝ている段階かもしれません)◎蓬莱 特別純米 槽場直詰め 無ろ過生原酒 美山錦 60 (2010 BY) ¥1200(¥600)神奈川県産です。岐阜に近い蔵の蓬莱泉とは違います。この蔵は、あまり知られてはいないのですが、「ここまで強烈なのか!」と思わせるほどの凝縮感があって、ギューン!というミネラル感が本当に素晴らしいのです。ブルゴーニュの白ワインの生産者でも、なかなかここまで凝縮感のあるものは、なかなかないような気がします(ドーヴネーや、ソゼ、ラモネに近い味わい)一度、この蔵のパワーに触れてしまうと、もう止められません。◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎亀齢 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ 線状心白米(強力) (2009 BY) ¥1200(¥600) 広島県産です。以前「凱陣」にいた杜氏の西垣さん親子が、この蔵に移籍して作っています。 開けてすぐの段階では、あまりにも堅かったので、3か月放置(プレイ)しました。そうすると、自然に、奥の方から旨みと、円やかな甘さが出てきてバランスが良くなってきました。この蔵のポテンシャルは、本当に凄いです。余韻の途方もない長さと、味わいの太さは、他に比類するものは少ないのではないでしょうか。今お燗を研究中で、もうすぐお燗で出せるようになると思います。「ぬる燗」にすると、この旨みが幾層も広がり、複雑さが何倍も拡大するでしょう。少しだけ待って下さい。(もちろん、11度で味わっても十分美味しいです)(11月1日の段階で。米の奥の方から、腰の入った旨みが、どんどん湧いてきています!。 やはり、開けたてよりも、今の方が格段に複雑さがあります) ◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎東一 純米大吟醸 生酒(2010BY) ¥1800(¥900) 佐賀県産です。南のお酒は、グイグイと、米の旨みのパワーが湧いてくるように力強いです。キューンという酸味と、尖った鮮やかさのある北のお酒とは対照的で、とてお面白いのでは ないでしょうか。この東一は、お米の活き活きした生命力を直に感じ、まるで華やかなシャサーニュモンラッシェのように、しっとりした触感と、鮮やかなフルーツのニュアンスが、綺麗に融合しています。こういうお酒を飲むと、日本酒を嫌いと決めつけている人も、好きになってしまうのではないでしょうか。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.14
では、火曜日の赤ワインのリストです。●ランシュ バージュ 1976 70ミリ・・・¥2600 仏・ボルドー地方、ポイヤック地区です。「ランシュ・バージュ」は、熟成の若い段階では、味わいが強烈過ぎて、「酸っぱくて」美味しくない場合が多いのです。しかし、1976年ものは、味わいのバランスが取れて、すべての面で、丸みを帯びて、美味しさを発揮しているのです。強烈過ぎる赤い果実の味わいが穏やかになって、この上ない、ベリー系の甘さが、口の中で弾け飛ぶように、満たされてくれるのです。(前回開けた時は、状態が悪く、熟成が進み過ぎていました・・・。これは、このワインが悪いのではなく、その一つの瓶だけが、ダメだったのです。さて、今回はそのリベ ンジです)(月曜日に味見しました!。素晴らしい状態で、ブドウの鮮やかな果実味が、とても自然に、口に含んだ瞬間に体内に入ってきます。それだけ、抵抗がない、本当の意味でバランスのとれた味わい。素晴らしい完成度です!) 120ミリ(70ミリ)★レオン バラル家 ●フォージェール キュベ ジャディス 2008 ¥2000(¥1000) 仏・ラングドック・ルーション地方です。レオン・バラルと言えばこの地域の「鬼才」と いうべき存在で、これほどまで複雑で、葡萄の凝縮感のあるワインは、フランス全土 を探しても、なかなか見当たりません。強烈な「土っぽい香り」の中に、ガリッグの ようなハーブが混じったような個性的な要素、そして、花崗岩や、深い石灰質のキメ の細かい香りが、重層的に上がってきます。この迫力と、複雑な奥行きは、もうさすが としか言いようがありません。ラングドックではゴービー社の「ムンタダ」と双壁をなす のではないでしょうか。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎パイン リッジ メルロー ナパヴァレー クリムゾンクリーク 2006年 ¥2600(¥1300) カリフォルニア・ナパ地区です。ナパのメルローは、やはり一言で言えば、滑らかで甘い、葡萄のジュースを感じるような触感ではないでしょうか。その中でも、いろんなメルローがあって、これは、どこかフランスのサンテミリオンのワインに、憧れているような雰囲気を感じます。豊かで、パワーがありながら、どこか上品さや、赤い果実のニュアンスや、しっかりした「クラシックな」タンニンがあるからです。その「フレンチ風」のメルローの意味合いをぜひ。◎ヴォーヌ ロマネ 2004(ミュニュレ ジブール家) ¥3800(¥1900) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年のブルゴーニュは、本当に素晴らしい出来です。ミネラルの粒子が、キラキラと本当に美しくて、酸味の綺麗さと相まって、ブルゴーニュ らしい、上品さにあふれているのです、すでに甘さと酸味のバランスと、奥行きが伴っ て、今飲んで十分美味しい状態になっています。ミュニュレ・ジブール家は、モザイクの ようなヴォーヌロマネ村の堅さと、艶やかさを、見事なバランスで表現しています。あまり にも素晴らしいので、今後エレヴァージュのハウスワインとして、しばらく置くことに決めま した。◎ボーヌ シュアシュー 1996 (ドメーヌ ルイ ジャド・・・ジャド社の自社畑) ¥4400(¥2200) 仏・ブルゴーニュ地方です。ジャド社というと、大きい会社(ネゴシアン)で、凡庸なワインをたくさん供給していると思われていますが、実は違います。特に、彼らの自社畑(ドメーヌもの)は、極めてレベルが高く、目の覚めるほどの凝縮度があります。この1996年ものは、あまりにも素晴らしいために、エレヴァージュではグラスワインとして、どんどん開けています。◎ボーヌ クロ ド ラ ファギーヌ 1988(ジャク プリュール家) ¥6400(¥3200) 仏・ブルゴーニュ地方です。このジャック・プリュール家は、複雑な土壌の味わいを、しっかりワインに反映させ、なんとも言えない奥行きがある生産者で、いつも信頼できる味わいです。実は、この畑のワイン、初めて飲みます。さて、どのような味わいになっているか、本当に楽しみです。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.14
では、火曜日のデザートワインのリストです。ターニッシュのワインが加わりました!。★ほのかな甘口◎ベルンカステラー ドクトール シュペトレーゼ 2008 (ドクター ターニッシュ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600) ◎ヴーヴレー ドミ セック 1989(ドメーヌ ド ラ フォンテネリ) 120ミリ(70ミリ)¥3200(¥1600)◎シャルツホフベルガー カビネット 2007 (エゴン ミューラーさん) 120ミリ(70ミリ) ¥3400(¥1700) 独・ザール地方です。最も研ぎ澄まされて「カミソリのよう」と言われるだけ、酸度が強く、 そのブドウが甘みもたっぷりと蓄えるために、甘みと酸味の、もっとも振り幅の大きいワインが生まれます。ドイツワインは、甘いだけではありません。口に含んだときの自然な酸味のおかげで、甘いと同時に、さっぱりした、このうえない上品さを持ち合わせているのです。この生産者は、ドイツワインの最高峰と言われるだけあって、その振り幅の最も大きい、ワインとしてのポテンシャルの大きさがあります(熟成する能力があるという意味も含めて)。「ドイツワインなんて~」と偏見を持たれている方へ、無理矢理飲ませたい・・・。★貴腐ワイン◎シャトー クリマン 1973 60ミリ・・・¥3500(¥1800) 仏・ボルドー地方、バルザック地区です。クリマンは、ディケムの最大のライバルで、ズドーン!という立体感のある迫力のあるディケムのスタイルとは対照的です。つまり、純粋に酸味が綺麗で、キューンという鮮やかな上品さがあるのです。セミヨン100%だけを使ったその酸味の美しさは、他のどの蔵でも真似できないほど気高いものがあります。1973年という年は、正直言ってあんまり良くありません。しかし、この酸味の質の高さから判断して、失望することはないと思います。◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ヴィン サント(イタリアの陰干しぶどうからの甘口ワイン)◎ヴィン サント トスカーノ ヴィラ ディ ヴェトリス 1985 (G.グラーティ社) 60ミリ・・・¥2000(¥1000) 伊・トスカーナ地方です。これはまるでシェリーの甘口・オロロソのような豊かな甘さと、酸味が綺麗に溶け込んだふくよかさが同居した、とても魅力的なデザートワインです。1985年ものということもあって、とても自然で、甘さが突出せず、豊かな酸味が、複雑な奥行きを見せています。こういう世界も、一度好きになってしまうと、もう止められません・・・。(好評なので、2本目を開けました!)★熟成した日本酒の甘口◎達磨正宗 純米甘口芳香 昭和59年度醸造酒 蔵出しは2007年(1984年醸造) 60ミリ・・・¥2800(¥1400)岐阜県の蔵です。今まで、ずっとこの蔵の熟成したものを置きたいと思ってきました。「日本酒は、熟成しない」と言われますが、そんなことはありません。熟成した日本酒を作るために、この蔵はずっと研究してきて、ここまで素晴らしいものが出来ました。紹興酒が持つ溶けた奥行き、マディラワインの持つ強烈なパワー、ポートワインが持つ豊かな甘さ、その3つの全てを兼ね備えた、世界的に見ても、本当に偉大なお酒だと思います。やはり、ここまで複雑な甘さを作るのは、日本人ならではの繊細で、忍耐のいる仕事に他なりません。このお酒は、お店に来てくれた人に、何が何でも飲ませたいほど、素晴らしいのです。(4月20日に味見しました!。これを飲むのは4回目なのですが、やはり、素晴らしいです・・・。溶け込んだ、複雑な旨みは、もうたまりません・・・。どの温度で出そうか悩んだ挙句、16度で固定することにしました。(あえて常温という言葉を使わず)室温だと味わいが本当にぼやけてしまって、たしかに美味しいのですが、この日本酒のポテンシャルを表現できていないような気がします。それで、16度にしてみると、酸味と、甘苦みの輪郭が出て来て、スケールの大きい骨格に変わるのです。冷やし過ぎると逆にふくらみが出てこないので、この温度管理は本当に難しいです。ひとまず、16度でずっと固定したいと思います)★ポートワイン●テイラー トーニー 40年 60ミリ¥3500(¥1800) ポルトガル産です。数多くあるポートワインのシッパーの中でも、テイラー社は、非常に"第一級"に格付けされる存在だと言われます。奥深いコクと、気骨のあるがっしりした構造、そして、鮮やかな、かぐわしい芳香のどれもがスケールが大きいのです。特にこのトーニーポートは、大樽で熟成しているため、酸素と長い間接触し、なんともいえない複雑さを備えています。フレッシュさが特徴のヴィンテージポートに比べて、この「溶けた複雑さ」は、やはり多くの人が虜になる理由がわかります。●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンドロナック 1968 蒸留所元詰め ¥3500(¥1800) (750ML 43%VOL 1993年に瓶詰めされた25年もの) スコットランド・ハイランド地区です(正確には東ハイランドに近い)。これは、 1993年に瓶詰めされた、本当に貴重なシェリーの空樽からの味わいで、 麦芽の素朴な甘さと、まるで、ベリー系のフルーツを煮詰めたような、深い 甘さがあります。こういう甘さは、現在のグレンドロナック蒸留所からは出て こない特別なもので、口に含んだ時の広がりが、桁外れです。20年前にこ の蒸留所が発売していた、12年もののシェリー カスクのものに非常に似て いて、単純にシェリー樽からの甘さだけではなく、麦芽の濃密な甘さが、見事 に融合しています。こういう味わいは、現在ではほとんど手に入らなくなって しまいました。 (2011年3月に開栓し、5月30日に味見しました!。改めて飲むと、やっぱり 素晴らしいです。1950~1960年代のマッカラン、特にイタリア向けのオールド ボトルに共通する、シェリー樽由来の甘さの重層感は、もう止められません。グラス に注いで、30分~1時間はゆっくり味わって欲しいです。香りの移り変わりが、 もうこれしかないというほど、完成度が高いのです) ★おすすめ食後酒◎フィーヌ ド ブルゴーニュ 1979(DRC・ロマネコンティ社) 30ミリ¥6600(18ミリ¥3300) 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。この「FINE」というブランデーは、「MARC]とは違って、とても上品です。「MARC]が、ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な個性の味わいなのに対し、「FINE」は、葡萄を新鮮な状態で絞るために、とてもピュアで、汁気のある上品な味わいに仕上がります。特に、この1979年ものは、現在ではほとんど手に入らないと言っても差し支えないほど、数が希小です。(4月12日に味見しました!。この1979年ものを飲むのは、4回目なのですが、やはり、とても上品で、葡萄の蜜のような甘さが、内面から湧き出てくるようです。えぐみの強いマールとは異なり、やはり葡萄の圧倒的な質の良さを感じます。) ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.14
では、月曜日の白ワインのリストです。★シャンパン◎フランソワ スコンデ グランクリュ ア シルリーNV ¥2400(¥1200) 仏・シャンパーニュ地方の小規模生産者です(レコルタン・マニピュラン)。ピノノワ ールを67%使って、滑らかで、きめ細かいコクが感じられます。8年ほど前から、 こういう小規模生産者のシャンパンが入り始め、最初に思ったのは「葡萄の質が 違う」ということでした。通常売られている、大手のネゴシアンのものに比べて、 葡萄がしっかり凝縮して、口に含んだときに、葡萄の生命力が「ギュッ!」と弾ける ようなほど、強烈なのです。やはり、葡萄の存在感、まさにこの言葉に尽きます。★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ レ クロ 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。(さて、ヴォーデジール畑を開けた次には、最も偉大とされる"レ クロ"の畑です。やはり、すべての特級畑の中でも、最も立体的構造と、コクがあり、さすがと思わせる存在感を放っています)◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎ムルソー オスピス ド ボーヌ "キュベ ジャン アンブロ" 1988 (ポール ミセリ家) ¥5800(¥2900) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、典型的なムルソーです。樽の熟成期間が長く、しっかり酸素と接触したおかげで、まるでナッツを思わせるようなタンパク質系の旨みと、柔らかく、滑らかなコクを身に着けています。20年以上熟成しているおかげで、かなり複雑な旨みがあって、綺麗なアミノ酸が、熟成した生ハムにとても良く合うでしょう。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.13
では、 月曜日の日本酒のリストです。昇龍蓬莱(神奈川の酒蔵です)、 純米吟醸 漕場汲み「阿波山田錦が入りました!。 120ミリ(70ミリ)◎緑川 "緑" 雪洞貯蔵 純米吟醸 ¥1200(¥600) 新潟県産です。新酒を絞った後、雪が解け終わる初夏まで半年間雪洞で寝かせた ものです。貯蔵前に[火入れ」をして、半年間寝かせるというのは「ひやおろし」に近い のではないか、と思います。緑川は、米の純粋な、キラキラしたパワーを感じながら、 とても繊細な部分もあるというお酒です。これを飲むたびに、「あー、質が高い、いいお 酒だ」と感じるのです。過ぎゆく夏を感じながら、ひんやりした触感のこのお酒を味わう ・・・まさにひやおろしの醍醐味です。 (11月1日の段階で、少し米の甘さが落ち着いて、辛くなってきました。このタンニンが 和らいでくれれば、次の段階で、甘さの広がりが出てきて、さらに美味しくなるような気が します。ひとまず、寝ている段階かもしれません)◎蓬莱 特別純米 槽場直詰め 無ろ過生原酒 美山錦 60 (2010 BY) ¥1200(¥600)神奈川県産です。岐阜に近い蔵の蓬莱泉とは違います。この蔵は、あまり知られてはいないのですが、「ここまで強烈なのか!」と思わせるほどの凝縮感があって、ギューン!というミネラル感が本当に素晴らしいのです。ブルゴーニュの白ワインの生産者でも、なかなかここまで凝縮感のあるものは、なかなかないような気がします(ドーヴネーや、ソゼ、ラモネに近い味わい)一度、この蔵のパワーに触れてしまうと、もう止められません。◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎亀齢 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ 線状心白米(強力) (2009 BY) ¥1200(¥600) 広島県産です。以前「凱陣」にいた杜氏の西垣さん親子が、この蔵に移籍して作っています。 開けてすぐの段階では、あまりにも堅かったので、3か月放置(プレイ)しました。そうすると、自然に、奥の方から旨みと、円やかな甘さが出てきてバランスが良くなってきました。この蔵のポテンシャルは、本当に凄いです。余韻の途方もない長さと、味わいの太さは、他に比類するものは少ないのではないでしょうか。今お燗を研究中で、もうすぐお燗で出せるようになると思います。「ぬる燗」にすると、この旨みが幾層も広がり、複雑さが何倍も拡大するでしょう。少しだけ待って下さい。(もちろん、11度で味わっても十分美味しいです)(11月1日の段階で。米の奥の方から、腰の入った旨みが、どんどん湧いてきています!。 やはり、開けたてよりも、今の方が格段に複雑さがあります) ◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎東一 純米大吟醸 生酒(2010BY) ¥1800(¥900) 佐賀県産です。南のお酒は、グイグイと、米の旨みのパワーが湧いてくるように力強いです。キューンという酸味と、尖った鮮やかさのある北のお酒とは対照的で、とてお面白いのでは ないでしょうか。この東一は、お米の活き活きした生命力を直に感じ、まるで華やかなシャサーニュモンラッシェのように、しっとりした触感と、鮮やかなフルーツのニュアンスが、綺麗に融合しています。こういうお酒を飲むと、日本酒を嫌いと決めつけている人も、好きになってしまうのではないでしょうか。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.13
では、月曜日の赤ワインのリストです。●ランシュ バージュ 1976 70ミリ・・・¥2600 仏・ボルドー地方、ポイヤック地区です。「ランシュ・バージュ」は、熟成の若い段階では、味わいが強烈過ぎて、「酸っぱくて」美味しくない場合が多いのです。しかし、1976年ものは、味わいのバランスが取れて、すべての面で、丸みを帯びて、美味しさを発揮しているのです。強烈過ぎる赤い果実の味わいが穏やかになって、この上ない、ベリー系の甘さが、口の中で弾け飛ぶように、満たされてくれるのです。(前回開けた時は、状態が悪く、熟成が進み過ぎていました・・・。これは、このワインが悪いのではなく、その一つの瓶だけが、ダメだったのです。さて、今回はそのリベ ンジです) 120ミリ(70ミリ)★レオン バラル家 ●フォージェール キュベ ジャディス 2008 ¥2000(¥1000) 仏・ラングドック・ルーション地方です。レオン・バラルと言えばこの地域の「鬼才」と いうべき存在で、これほどまで複雑で、葡萄の凝縮感のあるワインは、フランス全土 を探しても、なかなか見当たりません。強烈な「土っぽい香り」の中に、ガリッグの ようなハーブが混じったような個性的な要素、そして、花崗岩や、深い石灰質のキメ の細かい香りが、重層的に上がってきます。この迫力と、複雑な奥行きは、もうさすが としか言いようがありません。ラングドックではゴービー社の「ムンタダ」と双壁をなす のではないでしょうか。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎パイン リッジ メルロー ナパヴァレー クリムゾンクリーク 2006年 ¥2600(¥1300) カリフォルニア・ナパ地区です。ナパのメルローは、やはり一言で言えば、滑らかで甘い、葡萄のジュースを感じるような触感ではないでしょうか。その中でも、いろんなメルローがあって、これは、どこかフランスのサンテミリオンのワインに、憧れているような雰囲気を感じます。豊かで、パワーがありながら、どこか上品さや、赤い果実のニュアンスや、しっかりした「クラシックな」タンニンがあるからです。その「フレンチ風」のメルローの意味合いをぜひ。◎ヴォーヌ ロマネ 2004(ミュニュレ ジブール家) ¥3800(¥1900) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年のブルゴーニュは、本当に素晴らしい出来です。ミネラルの粒子が、キラキラと本当に美しくて、酸味の綺麗さと相まって、ブルゴーニュ らしい、上品さにあふれているのです、すでに甘さと酸味のバランスと、奥行きが伴っ て、今飲んで十分美味しい状態になっています。ミュニュレ・ジブール家は、モザイクの ようなヴォーヌロマネ村の堅さと、艶やかさを、見事なバランスで表現しています。あまり にも素晴らしいので、今後エレヴァージュのハウスワインとして、しばらく置くことに決めま した。◎ボーヌ シュアシュー 1996 (ドメーヌ ルイ ジャド・・・ジャド社の自社畑) ¥4400(¥2200) 仏・ブルゴーニュ地方です。ジャド社というと、大きい会社(ネゴシアン)で、凡庸なワインをたくさん供給していると思われていますが、実は違います。特に、彼らの自社畑(ドメーヌもの)は、極めてレベルが高く、目の覚めるほどの凝縮度があります。この1996年ものは、あまりにも素晴らしいために、エレヴァージュではグラスワインとして、どんどん開けています。◎ボーヌ クロ ド ラ ファギーヌ 1988(ジャク プリュール家) ¥6400(¥3200) 仏・ブルゴーニュ地方です。このジャック・プリュール家は、複雑な土壌の味わいを、しっかりワインに反映させ、なんとも言えない奥行きがある生産者で、いつも信頼できる味わいです。実は、この畑のワイン、初めて飲みます。さて、どのような味わいになっているか、本当に楽しみです。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.13
では、月曜日のデザートワインのリストです。★ほのかな甘口◎シャルツホフベルガー カビネット 2007 (エゴン ミューラーさん) 120ミリ(70ミリ) ¥3400(¥1700) 独・ザール地方です。最も研ぎ澄まされて「カミソリのよう」と言われるだけ、酸度が強く、 そのブドウが甘みもたっぷりと蓄えるために、甘みと酸味の、もっとも振り幅の大きいワインが生まれます。ドイツワインは、甘いだけではありません。口に含んだときの自然な酸味のおかげで、甘いと同時に、さっぱりした、このうえない上品さを持ち合わせているのです。この生産者は、ドイツワインの最高峰と言われるだけあって、その振り幅の最も大きい、ワインとしてのポテンシャルの大きさがあります(熟成する能力があるという意味も含めて)。「ドイツワインなんて~」と偏見を持たれている方へ、無理矢理飲ませたい・・・。★貴腐ワイン◎シャトー クリマン 1973 60ミリ・・・¥3500(¥1800) 仏・ボルドー地方、バルザック地区です。クリマンは、ディケムの最大のライバルで、ズドーン!という立体感のある迫力のあるディケムのスタイルとは対照的です。つまり、純粋に酸味が綺麗で、キューンという鮮やかな上品さがあるのです。セミヨン100%だけを使ったその酸味の美しさは、他のどの蔵でも真似できないほど気高いものがあります。1973年という年は、正直言ってあんまり良くありません。しかし、この酸味の質の高さから判断して、失望することはないと思います。◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ヴィン サント(イタリアの陰干しぶどうからの甘口ワイン)◎ヴィン サント トスカーノ ヴィラ ディ ヴェトリス 1985 (G.グラーティ社) 60ミリ・・・¥2000(¥1000) 伊・トスカーナ地方です。これはまるでシェリーの甘口・オロロソのような豊かな甘さと、酸味が綺麗に溶け込んだふくよかさが同居した、とても魅力的なデザートワインです。1985年ものということもあって、とても自然で、甘さが突出せず、豊かな酸味が、複雑な奥行きを見せています。こういう世界も、一度好きになってしまうと、もう止められません・・・。(好評なので、2本目を開けました!)★熟成した日本酒の甘口◎達磨正宗 純米甘口芳香 昭和59年度醸造酒 蔵出しは2007年(1984年醸造) 60ミリ・・・¥2800(¥1400)岐阜県の蔵です。今まで、ずっとこの蔵の熟成したものを置きたいと思ってきました。「日本酒は、熟成しない」と言われますが、そんなことはありません。熟成した日本酒を作るために、この蔵はずっと研究してきて、ここまで素晴らしいものが出来ました。紹興酒が持つ溶けた奥行き、マディラワインの持つ強烈なパワー、ポートワインが持つ豊かな甘さ、その3つの全てを兼ね備えた、世界的に見ても、本当に偉大なお酒だと思います。やはり、ここまで複雑な甘さを作るのは、日本人ならではの繊細で、忍耐のいる仕事に他なりません。このお酒は、お店に来てくれた人に、何が何でも飲ませたいほど、素晴らしいのです。(4月20日に味見しました!。これを飲むのは4回目なのですが、やはり、素晴らしいです・・・。溶け込んだ、複雑な旨みは、もうたまりません・・・。どの温度で出そうか悩んだ挙句、16度で固定することにしました。(あえて常温という言葉を使わず)室温だと味わいが本当にぼやけてしまって、たしかに美味しいのですが、この日本酒のポテンシャルを表現できていないような気がします。それで、16度にしてみると、酸味と、甘苦みの輪郭が出て来て、スケールの大きい骨格に変わるのです。冷やし過ぎると逆にふくらみが出てこないので、この温度管理は本当に難しいです。ひとまず、16度でずっと固定したいと思います)★ポートワイン●テイラー トーニー 40年 60ミリ¥3500(¥1800) ポルトガル産です。数多くあるポートワインのシッパーの中でも、テイラー社は、非常に"第一級"に格付けされる存在だと言われます。奥深いコクと、気骨のあるがっしりした構造、そして、鮮やかな、かぐわしい芳香のどれもがスケールが大きいのです。特にこのトーニーポートは、大樽で熟成しているため、酸素と長い間接触し、なんともいえない複雑さを備えています。フレッシュさが特徴のヴィンテージポートに比べて、この「溶けた複雑さ」は、やはり多くの人が虜になる理由がわかります。●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンドロナック 1968 蒸留所元詰め ¥3500(¥1800) (750ML 43%VOL 1993年に瓶詰めされた25年もの) スコットランド・ハイランド地区です(正確には東ハイランドに近い)。これは、 1993年に瓶詰めされた、本当に貴重なシェリーの空樽からの味わいで、 麦芽の素朴な甘さと、まるで、ベリー系のフルーツを煮詰めたような、深い 甘さがあります。こういう甘さは、現在のグレンドロナック蒸留所からは出て こない特別なもので、口に含んだ時の広がりが、桁外れです。20年前にこ の蒸留所が発売していた、12年もののシェリー カスクのものに非常に似て いて、単純にシェリー樽からの甘さだけではなく、麦芽の濃密な甘さが、見事 に融合しています。こういう味わいは、現在ではほとんど手に入らなくなって しまいました。 (2011年3月に開栓し、5月30日に味見しました!。改めて飲むと、やっぱり 素晴らしいです。1950~1960年代のマッカラン、特にイタリア向けのオールド ボトルに共通する、シェリー樽由来の甘さの重層感は、もう止められません。グラス に注いで、30分~1時間はゆっくり味わって欲しいです。香りの移り変わりが、 もうこれしかないというほど、完成度が高いのです) ★おすすめ食後酒◎フィーヌ ド ブルゴーニュ 1979(DRC・ロマネコンティ社) 30ミリ¥6600(18ミリ¥3300) 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。この「FINE」というブランデーは、「MARC]とは違って、とても上品です。「MARC]が、ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な個性の味わいなのに対し、「FINE」は、葡萄を新鮮な状態で絞るために、とてもピュアで、汁気のある上品な味わいに仕上がります。特に、この1979年ものは、現在ではほとんど手に入らないと言っても差し支えないほど、数が希小です。(4月12日に味見しました!。この1979年ものを飲むのは、4回目なのですが、やはり、とても上品で、葡萄の蜜のような甘さが、内面から湧き出てくるようです。えぐみの強いマールとは異なり、やはり葡萄の圧倒的な質の良さを感じます。) ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.13
今朝は叩きつけるような激しい雨が降って、雨が止んだ時には、青い紫陽花が、顔をのぞかせていました・・・。そんな6月の半ばに、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、今日も更新が遅くなって、すいません・・・。念のため、さらっと、今日のめぼしいアイテムを記しておきます。★ドメーヌ ルフレーヴ○バタール モンラッシェ 2004★ポール ミセリ○ムルソー キュベ ジュアン アンブロ オスピス ド ボーヌ 1988★ミュニュレ ジブール●ヴォーヌ ロマネ 2004年★ジャン ミッシェル ゴヌー●ヴォルネイ クロ デ シェンヌ 1990★レオン バラル●フォージェール キュベ ジャディス 2008、などなど・・・、開けています。更新を怠って、本当に申し訳ありません。来週から、またどんどん攻めたいと思いますので、ぜひ期待してください~。エレヴァージュ 吉田
2011.06.11
では、木曜日の白ワインのリストです。◎ムルソー クロ ド ラ バール 2004 (コント ラフォン家) 70ミリ¥3400仏・ブルゴーニュ地方の「大御所」です。このラフォンさんのワインは、ムルソーに求める全てが注ぎ込まれていると思います。ふっくらした滑らかな触感。有り余るほどのぼってりした豊かさ。そして、その丸みのある果実味の中に、様々な要素が、ミルフィーユのよう に綺麗に織り込まれているのです。このワインは、飲んでいて本当に楽しく、いろんな魅力が顔を出し、そして、折りたたまれるように余韻に消えていくのです。★シャンパン◎フランソワ スコンデ クラヴィエ NV ¥2400(¥1200)★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ ヴォーデジール 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3300(¥1700) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎ムルソー オスピス ド ボーヌ "キュベ ジャン アンブロ" 1988 (ポール ミセリ家) ¥5800(¥2900) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、典型的なムルソーです。樽の熟成期間が長く、しっかり酸素と接触したおかげで、まるでナッツを思わせるようなタンパク質系の旨みと、柔らかく、滑らかなコクを身に着けています。20年以上熟成しているおかげで、かなり複雑な旨みがあって、綺麗なアミノ酸が、熟成した生ハムにとても良く合うでしょう。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.09
では、 木曜日の日本酒のリストです。昇龍蓬莱(神奈川の酒蔵です)、 純米吟醸 漕場汲み「阿波山田錦が入りました!。 120ミリ(70ミリ)◎緑川 "緑" 雪洞貯蔵 純米吟醸 ¥1200(¥600) 新潟県産です。新酒を絞った後、雪が解け終わる初夏まで半年間雪洞で寝かせた ものです。貯蔵前に[火入れ」をして、半年間寝かせるというのは「ひやおろし」に近い のではないか、と思います。緑川は、米の純粋な、キラキラしたパワーを感じながら、 とても繊細な部分もあるというお酒です。これを飲むたびに、「あー、質が高い、いいお 酒だ」と感じるのです。過ぎゆく夏を感じながら、ひんやりした触感のこのお酒を味わう ・・・まさにひやおろしの醍醐味です。 (11月1日の段階で、少し米の甘さが落ち着いて、辛くなってきました。このタンニンが 和らいでくれれば、次の段階で、甘さの広がりが出てきて、さらに美味しくなるような気が します。ひとまず、寝ている段階かもしれません)◎蓬莱 特別純米 槽場直詰め 無ろ過生原酒 美山錦 60 (2010 BY) ¥1200(¥600)神奈川県産です。岐阜に近い蔵の蓬莱泉とは違います。この蔵は、あまり知られてはいないのですが、「ここまで強烈なのか!」と思わせるほどの凝縮感があって、ギューン!というミネラル感が本当に素晴らしいのです。ブルゴーニュの白ワインの生産者でも、なかなかここまで凝縮感のあるものは、なかなかないような気がします(ドーヴネーや、ソゼ、ラモネに近い味わい)一度、この蔵のパワーに触れてしまうと、もう止められません。◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎亀齢 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ 線状心白米(強力) (2009 BY) ¥1200(¥600) 広島県産です。以前「凱陣」にいた杜氏の西垣さん親子が、この蔵に移籍して作っています。 開けてすぐの段階では、あまりにも堅かったので、3か月放置(プレイ)しました。そうすると、自然に、奥の方から旨みと、円やかな甘さが出てきてバランスが良くなってきました。この蔵のポテンシャルは、本当に凄いです。余韻の途方もない長さと、味わいの太さは、他に比類するものは少ないのではないでしょうか。今お燗を研究中で、もうすぐお燗で出せるようになると思います。「ぬる燗」にすると、この旨みが幾層も広がり、複雑さが何倍も拡大するでしょう。少しだけ待って下さい。(もちろん、11度で味わっても十分美味しいです)(11月1日の段階で。米の奥の方から、腰の入った旨みが、どんどん湧いてきています!。 やはり、開けたてよりも、今の方が格段に複雑さがあります) ◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎東一 純米大吟醸 生酒(2010BY) ¥1800(¥900) 佐賀県産です。南のお酒は、グイグイと、米の旨みのパワーが湧いてくるように力強いです。キューンという酸味と、尖った鮮やかさのある北のお酒とは対照的で、とてお面白いのでは ないでしょうか。この東一は、お米の活き活きした生命力を直に感じ、まるで華やかなシャサーニュモンラッシェのように、しっとりした触感と、鮮やかなフルーツのニュアンスが、綺麗に融合しています。こういうお酒を飲むと、日本酒を嫌いと決めつけている人も、好きになってしまうのではないでしょうか。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.09
では、木曜日の赤ワインのリストです。 120ミリ(70ミリ)★レオン バラル家 ●フォージェール キュベ ジャディス 2008 ¥2000(¥1000) 仏・ラングドック・ルーション地方です。レオン・バラルと言えばこの地域の「鬼才」と いうべき存在で、これほどまで複雑で、葡萄の凝縮感のあるワインは、フランス全土 を探しても、なかなか見当たりません。強烈な「土っぽい香り」の中に、ガリッグの ようなハーブが混じったような個性的な要素、そして、花崗岩や、深い石灰質のキメ の細かい香りが、重層的に上がってきます。この迫力と、複雑な奥行きは、もうさすが としか言いようがありません。ラングドックではゴービー社の「ムンタダ」と双壁をなす のではないでしょうか。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎パイン リッジ メルロー ナパヴァレー クリムゾンクリーク 2006年 ¥2600(¥1300) カリフォルニア・ナパ地区です。ナパのメルローは、やはり一言で言えば、滑らかで甘い、葡萄のジュースを感じるような触感ではないでしょうか。その中でも、いろんなメルローがあって、これは、どこかフランスのサンテミリオンのワインに、憧れているような雰囲気を感じます。豊かで、パワーがありながら、どこか上品さや、赤い果実のニュアンスや、しっかりした「クラシックな」タンニンがあるからです。その「フレンチ風」のメルローの意味合いをぜひ。◎ヴォーヌ ロマネ 2004(ミュニュレ ジブール家) ¥3800(¥1900) 仏・ブルゴーニュ地方です。2004年のブルゴーニュは、本当に素晴らしい出来です。ミネラルの粒子が、キラキラと本当に美しくて、酸味の綺麗さと相まって、ブルゴーニュ らしい、上品さにあふれているのです、すでに甘さと酸味のバランスと、奥行きが伴っ て、今飲んで十分美味しい状態になっています。ミュニュレ・ジブール家は、モザイクの ようなヴォーヌロマネ村の堅さと、艶やかさを、見事なバランスで表現しています。あまり にも素晴らしいので、今後エレヴァージュのハウスワインとして、しばらく置くことに決めま した。◎パラダックス 2007(ダックホーン社) ¥3800(¥1900) カリフォルニア・ナパ地方です。最近のカリフォルニアワインは、一昔前の強引で、やたら抽出した、こってりした味わいのものとは、少し変わってきています。このパラダックスは、ジンファンデルを70%ほど使っていて、滑らかで、ふくよかな豊かさを備えています。酸味もとても綺麗で、強引ではなく、上品さを持っています。最近のナパワインの良さが、思う存分発揮されています。◎ヴォルネイ クロ デ シェンヌ 1990(ジャン ミッシェル ゴヌー家) ¥6200(¥3100)仏・ブルゴーニュ地方です。フランソワ・ゴヌーさんの息子さんだそうで、1990年に自らのドメーヌを始めました(畑を分割し、独立みたいです)。実は、彼のワインは、正直言って初めて飲みます。1990年という圧倒的な年、そして、ヴォルネイ村のクロ デ シェンヌというきめ細かい、赤い果実のかわいらしさと、土のニュアンス。それが、どのように表現されているか、本当に楽しみです。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.09
では、木曜日のデザートワインのリストです。★ほのかな甘口◎シャルツホフベルガー カビネット 2007 (エゴン ミューラーさん) 120ミリ(70ミリ) ¥3400(¥1700) 独・ザール地方です。最も研ぎ澄まされて「カミソリのよう」と言われるだけ、酸度が強く、 そのブドウが甘みもたっぷりと蓄えるために、甘みと酸味の、もっとも振り幅の大きいワインが生まれます。ドイツワインは、甘いだけではありません。口に含んだときの自然な酸味のおかげで、甘いと同時に、さっぱりした、このうえない上品さを持ち合わせているのです。この生産者は、ドイツワインの最高峰と言われるだけあって、その振り幅の最も大きい、ワインとしてのポテンシャルの大きさがあります(熟成する能力があるという意味も含めて)。「ドイツワインなんて~」と偏見を持たれている方へ、無理矢理飲ませたい・・・。★貴腐ワイン◎シャトー クリマン 1973 60ミリ・・・¥3500(¥1800) 仏・ボルドー地方、バルザック地区です。クリマンは、ディケムの最大のライバルで、ズドーン!という立体感のある迫力のあるディケムのスタイルとは対照的です。つまり、純粋に酸味が綺麗で、キューンという鮮やかな上品さがあるのです。セミヨン100%だけを使ったその酸味の美しさは、他のどの蔵でも真似できないほど気高いものがあります。1973年という年は、正直言ってあんまり良くありません。しかし、この酸味の質の高さから判断して、失望することはないと思います。◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ヴィン サント(イタリアの陰干しぶどうからの甘口ワイン)◎ヴィン サント トスカーノ ヴィラ ディ ヴェトリス 1985 (G.グラーティ社) 60ミリ・・・¥2000(¥1000) 伊・トスカーナ地方です。これはまるでシェリーの甘口・オロロソのような豊かな甘さと、酸味が綺麗に溶け込んだふくよかさが同居した、とても魅力的なデザートワインです。1985年ものということもあって、とても自然で、甘さが突出せず、豊かな酸味が、複雑な奥行きを見せています。こういう世界も、一度好きになってしまうと、もう止められません・・・。(好評なので、2本目を開けました!)★熟成した日本酒の甘口◎達磨正宗 純米甘口芳香 昭和59年度醸造酒 蔵出しは2007年(1984年醸造) 60ミリ・・・¥2800(¥1400)岐阜県の蔵です。今まで、ずっとこの蔵の熟成したものを置きたいと思ってきました。「日本酒は、熟成しない」と言われますが、そんなことはありません。熟成した日本酒を作るために、この蔵はずっと研究してきて、ここまで素晴らしいものが出来ました。紹興酒が持つ溶けた奥行き、マディラワインの持つ強烈なパワー、ポートワインが持つ豊かな甘さ、その3つの全てを兼ね備えた、世界的に見ても、本当に偉大なお酒だと思います。やはり、ここまで複雑な甘さを作るのは、日本人ならではの繊細で、忍耐のいる仕事に他なりません。このお酒は、お店に来てくれた人に、何が何でも飲ませたいほど、素晴らしいのです。(4月20日に味見しました!。これを飲むのは4回目なのですが、やはり、素晴らしいです・・・。溶け込んだ、複雑な旨みは、もうたまりません・・・。どの温度で出そうか悩んだ挙句、16度で固定することにしました。(あえて常温という言葉を使わず)室温だと味わいが本当にぼやけてしまって、たしかに美味しいのですが、この日本酒のポテンシャルを表現できていないような気がします。それで、16度にしてみると、酸味と、甘苦みの輪郭が出て来て、スケールの大きい骨格に変わるのです。冷やし過ぎると逆にふくらみが出てこないので、この温度管理は本当に難しいです。ひとまず、16度でずっと固定したいと思います)★ポートワイン●テイラー トーニー 40年 60ミリ¥3500(¥1800) ポルトガル産です。数多くあるポートワインのシッパーの中でも、テイラー社は、非常に"第一級"に格付けされる存在だと言われます。奥深いコクと、気骨のあるがっしりした構造、そして、鮮やかな、かぐわしい芳香のどれもがスケールが大きいのです。特にこのトーニーポートは、大樽で熟成しているため、酸素と長い間接触し、なんともいえない複雑さを備えています。フレッシュさが特徴のヴィンテージポートに比べて、この「溶けた複雑さ」は、やはり多くの人が虜になる理由がわかります。●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンドロナック 1968 蒸留所元詰め ¥3500(¥1800) (750ML 43%VOL 1993年に瓶詰めされた25年もの) スコットランド・ハイランド地区です(正確には東ハイランドに近い)。これは、 1993年に瓶詰めされた、本当に貴重なシェリーの空樽からの味わいで、 麦芽の素朴な甘さと、まるで、ベリー系のフルーツを煮詰めたような、深い 甘さがあります。こういう甘さは、現在のグレンドロナック蒸留所からは出て こない特別なもので、口に含んだ時の広がりが、桁外れです。20年前にこ の蒸留所が発売していた、12年もののシェリー カスクのものに非常に似て いて、単純にシェリー樽からの甘さだけではなく、麦芽の濃密な甘さが、見事 に融合しています。こういう味わいは、現在ではほとんど手に入らなくなって しまいました。 (2011年3月に開栓し、5月30日に味見しました!。改めて飲むと、やっぱり 素晴らしいです。1950~1960年代のマッカラン、特にイタリア向けのオールド ボトルに共通する、シェリー樽由来の甘さの重層感は、もう止められません。グラス に注いで、30分~1時間はゆっくり味わって欲しいです。香りの移り変わりが、 もうこれしかないというほど、完成度が高いのです) ★おすすめ食後酒◎フィーヌ ド ブルゴーニュ 1979(DRC・ロマネコンティ社) 30ミリ¥6600(18ミリ¥3300) 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。この「FINE」というブランデーは、「MARC]とは違って、とても上品です。「MARC]が、ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な個性の味わいなのに対し、「FINE」は、葡萄を新鮮な状態で絞るために、とてもピュアで、汁気のある上品な味わいに仕上がります。特に、この1979年ものは、現在ではほとんど手に入らないと言っても差し支えないほど、数が希小です。(4月12日に味見しました!。この1979年ものを飲むのは、4回目なのですが、やはり、とても上品で、葡萄の蜜のような甘さが、内面から湧き出てくるようです。えぐみの強いマールとは異なり、やはり葡萄の圧倒的な質の良さを感じます。) ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.09
激しく振っていた雨が止んで、穏やかな西麻布は、のどかな午前中を迎えています・・・。そんな梅雨の季節に、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、最近、ブログを更新していなくて、すいません・・・。別にお店が忙しいわけではないのですが、いろいろ読みたい本がありまして・・・。(堀北真希の写真集ではない・・・)ちなみに、今週は、★コント ラフォン○ムルソー クロ ド ラ バール 2004 70ミリ・・・¥3400金曜日に、★ドメーヌ ルフレーヴ○バタール モンラッシェ 2004 40ミリ・・・¥3800こんな感じで行きたいと思います・・・。ちなみに、今日のグラスワインでめぼしいものは、★ポール ミセリ○ムルソー ジュアン アンブロ オスピス ド ボーヌ 1988 70ミリ¥3200★レオン バラル●フォージェール キュベ ジャディス 2008 70ミリ ¥1000★ミュニュレ ジブール ●ヴォーヌ ロマネ 2004 70ミリ ¥1900★ジャン ピエール ミュニュレ●ニュイ サン ジョルジュ 1976 70ミ¥2800★エゴン ミューラー○シャルツホフベルガー カビネット 2007 70ミリ¥1700などなど・・・。すいません、最近更新を怠って・・・。(杏ちゃんの、ドラマを観すぎました)では、よい水曜日をお過ごしください。時間を作って、なんとか更新するようにします。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.08
乾いた涼しい風が、日の暮れかけた、西麻布のお店に、入り込んできています・・・。そんな初夏の夕暮れに、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、今日のブログの更新、遅くなってすいません・・・。後ほど、慌てて書きますので、どうか少しだけ、待ってください~。ちなみに、今週は、★キスラー シャルドネ ”キスラー”ヴィニャード 1997年、★コント ラフォン○ムルソー クロ ド ラ バール 2004年★ドメーヌ ルフレーヴ○バタール モンラッシェ 2004年 を、順次開けていきたいと思います~。ちなみに、今日は新たに、ファブリス・ジロットのクルール ド ブルゴーニュというチョコレートが、入荷しました!。これは、カシス、フランボワーズなどのジュレを、チョコレートの間に封じ込めた、最も鮮烈な作品で、おそらく、チョコレート史に残るほどの芸術的傑作だと思います。食べてみたい方は、ぜひ・・・。では、よい月曜日をお過ごしください。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.06
では、土曜日の白ワイン・シャンパンのリストです。 120ミリ(70ミリ)★シャンパン ◎ヴーヴ フォーニー グランレゼルヴ プルミエウリュ NV ¥2400(¥1200) さて、開店時間が迫ってきたので、説明は割愛します・・・すいません。★白ワイン◎サン ヴェラン テール ノワール 2008(ドメーヌ デュー ロッシュ) ¥1800(¥900)仏・ブルゴーニュ地方です。この「ドゥー ロッシュ家」のワインは、昔からずっと仕入れたかったワインでした。果実味の凝縮感が素晴らしく、そのポテンシャルを綺麗に発揮している、優れた生産者だからです。この2008年ものは、「テール ノワール」(黒い土壌)の名の如く、土の養分をしっかり感じ、厚みのあるコクがあって「黒い味わい」がするほど濃密なのです。サン・ヴェランという地域から、ここまでやるか!、とびっくるするほどの完成度の高さです。これは、エレヴァージュのハウスワインに決定!です。◎シャブリ グランクリュ ヴォーデジール 2009(ウィリアム フェーヴル社の自社畑・ドメーヌもの) ¥3300(¥1700) 仏・ブルゴーニュ地方、シャブリ地区です。2009年のブルゴーニュは本当に偉大な年で、さて、シャブリ地区はどうかなと、さっそく購入してみました。この生産者は、フランス人で最も影響力があるとされる評論家、ミッシェル・ベタンさんが、最高の3つ星をつけています。これには大いに理由があって、透明感と輝きが、このワインにあるからです。その色彩の鮮やかさは、カリフォルニアなどの新世界では決して真似できない、純粋さに満ち溢れているのです。その轟くような余韻を、ぜひ味わってみて下さい。◎ピュリニー モンラッシェ レ ペリエール 2009 (アンリ ボワイヨ社の自社畑) ¥4200(¥2100) 仏・ブルゴーニュ地方です。ずっとアンリ・ボワイヨ社のワインをハウスワインで扱っているのは理由があります。酸味が優しく、丸く、とても上品だからです。その透明感の中から、畑の個性がしっかり感じられ、とても好ましい味わいなのです。さて、今回の2009年もの、初めて仕入れて、味見してみました。それが、いいじゃないですか!。やっぱり偉大な年と言われるだけあって、葡萄の凝縮度が素晴らしく、正直言って、感動しました。なんだかんだ言っても、偉大な年は偉大な年なのです。そして、この2009年ものには、ワインのすべてが詰まっています。これだけ完成度の高い年は、近年あんまり経験していないような気がします。熟成初期のこの段階で、これだけ味わいがそろっているのは、奇跡的だと思います。◎ムルソー オスピス ド ボーヌ "キュベ ジャン アンブロ" 1988 (ポール ミセリ家) ¥5800(¥2900) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、典型的なムルソーです。樽の熟成期間が長く、しっかり酸素と接触したおかげで、まるでナッツを思わせるようなタンパク質系の旨みと、柔らかく、滑らかなコクを身に着けています。20年以上熟成しているおかげで、かなり複雑な旨みがあって、綺麗なアミノ酸が、熟成した生ハムにとても良く合うでしょう。ー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)日曜日と祝日は、休ませていただきます
2011.06.04
では、 土曜日の日本酒のリストです。昇龍蓬莱(神奈川の酒蔵です)、 純米吟醸 漕場汲み「阿波山田錦が入りました!。 120ミリ(70ミリ)◎緑川 "緑" 雪洞貯蔵 純米吟醸 ¥1200(¥600) 新潟県産です。新酒を絞った後、雪が解け終わる初夏まで半年間雪洞で寝かせた ものです。貯蔵前に[火入れ」をして、半年間寝かせるというのは「ひやおろし」に近い のではないか、と思います。緑川は、米の純粋な、キラキラしたパワーを感じながら、 とても繊細な部分もあるというお酒です。これを飲むたびに、「あー、質が高い、いいお 酒だ」と感じるのです。過ぎゆく夏を感じながら、ひんやりした触感のこのお酒を味わう ・・・まさにひやおろしの醍醐味です。 (11月1日の段階で、少し米の甘さが落ち着いて、辛くなってきました。このタンニンが 和らいでくれれば、次の段階で、甘さの広がりが出てきて、さらに美味しくなるような気が します。ひとまず、寝ている段階かもしれません)◎蓬莱 特別純米 槽場直詰め 無ろ過生原酒 美山錦 60 (2010 BY) ¥1200(¥600)神奈川県産です。岐阜に近い蔵の蓬莱泉とは違います。この蔵は、あまり知られてはいないのですが、「ここまで強烈なのか!」と思わせるほどの凝縮感があって、ギューン!というミネラル感が本当に素晴らしいのです。ブルゴーニュの白ワインの生産者でも、なかなかここまで凝縮感のあるものは、なかなかないような気がします(ドーヴネーや、ソゼ、ラモネに近い味わい)一度、この蔵のパワーに触れてしまうと、もう止められません。◎開運 純米吟醸 無濾過生酒 山田穂((2010 BY) ¥1200(¥600) 静岡県産です。この地域の日本酒は、本当に「水が清らかで、綺麗」なんだな~と常々思います。まるで、水のような透明感あって、自然に米のうまみが溶け込んでいるのです。この水の「柔らかさ」から来る清涼感は、他のどの地域にもなかなか真似できません。福井県の黒龍、梵、そして、磯自慢、初亀などを思い浮かべます。それらは皆、「水のように清らか」な、まさに日本人好みの味わいで、昔からの好まれてきた味わいなのではないでしょうか。◎亀齢 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ 線状心白米(強力) (2009 BY) ¥1200(¥600) 広島県産です。以前「凱陣」にいた杜氏の西垣さん親子が、この蔵に移籍して作っています。 開けてすぐの段階では、あまりにも堅かったので、3か月放置(プレイ)しました。そうすると、自然に、奥の方から旨みと、円やかな甘さが出てきてバランスが良くなってきました。この蔵のポテンシャルは、本当に凄いです。余韻の途方もない長さと、味わいの太さは、他に比類するものは少ないのではないでしょうか。今お燗を研究中で、もうすぐお燗で出せるようになると思います。「ぬる燗」にすると、この旨みが幾層も広がり、複雑さが何倍も拡大するでしょう。少しだけ待って下さい。(もちろん、11度で味わっても十分美味しいです)(11月1日の段階で。米の奥の方から、腰の入った旨みが、どんどん湧いてきています!。 やはり、開けたてよりも、今の方が格段に複雑さがあります) ◎昇龍蓬莱 純米吟醸 槽場直詰め 生原酒 "阿波山田錦"(2009 BY) ¥1300(¥700) 神奈川県産です。これも、岐阜に近い蓬莱泉とは違います。これは生原酒で、アルコール度数が19度近く!という、凄まじい強さです。開けて、1か月は売らないで、3度の冷蔵庫に入れて、ずっと保管しておきました。開けたては、もう強烈過ぎて、舌がしびれるほどでしたが、今は、少し円やかになって、かなり美味しくなっています。口に含んで、飲みこんだ後の余韻の広がり方が、尋常ではなく鮮やかで、ミネラルの色彩が、四方八方に広がります。もうこの余韻だけでも、出会う価値のある日本酒だと思います。◎悦 凱陣 純米吟醸 無ろ過生原酒 "興" 八反錦 うすにごり ¥1500(¥800) 香川県産です。やはり、この蔵は、日本酒の多くの蔵の中で、最も重厚で複雑な味わいを醸しだします。この八反錦という米は、グーン!と余韻の鮮やかさがあるので、とても個性が 強いのですが、上手く作れば、とてもスケールの大きいお酒になると思います。アルザスのリースリングに、少し似ている「辛口の余韻」があるような気がします。このお酒は、しぼり たてのうすにごりで、辛く、刺々しくなりがちなお酒に、豊かさとジューシーさがあるので、極 めて飲みやすく、余韻の爽快感が、もうたまりません。◎綿屋 純米吟醸 中取り "赤壁雄町" 生原酒 ¥1500(¥800) 精米50%(2008 BY) 宮城県産です。「綿のように、ふわふわしたお酒を作るのが目標です」と、作り手の方が いつもおっしゃっています。たしかに、口に含んだときに感じる、独特のフワフワ感と、しっとり した口当たりは、まさにこの蔵ならでは、と思います。キリッとした爽快感と、触感の柔らかさ は、この秋にふさわしい一品ではないでしょうか。 そして、このお酒のポテンシャルは凄まじい ものがあって、何カ月もかけて、グングン旨みを増していきます。そのプロセスも非常に楽しみ。◎東一 純米大吟醸 生酒(2010BY) ¥1800(¥900) 佐賀県産です。南のお酒は、グイグイと、米の旨みのパワーが湧いてくるように力強いです。キューンという酸味と、尖った鮮やかさのある北のお酒とは対照的で、とてお面白いのでは ないでしょうか。この東一は、お米の活き活きした生命力を直に感じ、まるで華やかなシャサーニュモンラッシェのように、しっとりした触感と、鮮やかなフルーツのニュアンスが、綺麗に融合しています。こういうお酒を飲むと、日本酒を嫌いと決めつけている人も、好きになってしまうのではないでしょうか。◎菊姫 大吟醸 生原酒"荒走り" (2010BY) ¥3200(¥1600)石川県産です。いつも加賀のお酒を飲んで思うのは、キラキラした多彩な色合いが、日本酒にも織り込まれているということです。それは、加賀友禅のように、きらびやかで、派手で、でもすごく上品な色彩なのです。これはおそらく、京都の影響を文化的に受けていることから、きているのでしょう。特にこの菊姫は、最も華やかで、私が最初に好きになった日本酒の一つです。やはり、この蔵は、特別な存在だと思います。飲んだ瞬間の、煌きが違います。◎田酒 純米大吟醸 "山廃"(2010 BY) ¥3200(¥1600)青森県産です。田酒は、非常に控えめで、滑らかな味わいなので、なかなか本来のポテンシャルを味わうことが難しいのです。抜栓して、最初の段階では、苦味が強くて、なかなか好ましい味わいではありませんでした。そして、5度の冷蔵庫に入れて、ずっと放置(プレイ!)しておきました。そうして4か月が経ち、昨日久しぶりに飲んだところ、美味しくなっているではありませんか。味わいが、とても重層的で、虹のように多彩な表情が織り込まれて、本当に素晴らしいのです。ぜひ、騙された と思って。山廃から想像する野暮ったさは、全然感じられません。◎天狗舞 純吟(純米大吟醸) 生酒(2009 BY) ¥4400(¥2200) 石川県産です。これは、どことなく秋を感じさせるような、栗の風味が漂う、しっかりしたコク があります。天狗舞は、石川県産らしく、トロっとした重さの中にも、京都をほうふつとさせる 優雅な輝きが、この日本酒の中にも息づいているように思います。これは、ワインでは成し 得ない日本酒ならではの世界ではないでしょうか。 (シイタケなどの料理と、香りが融合し、すばらしい厚みのある味わいをもたらします)ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です)
2011.06.04
では、土曜日の赤ワインのリストです。★エマニエル ルージェさん●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004 40ミリ・・・¥5800 仏・ブルゴーニュ地方です。もうこの「クロ パラントゥー」の畑に関しては、語りつくせないほど偉大な畑です。金曜日までにメルマガをもう一本書きますが、本音を一つ述べたいと思います。彼のこの「クロ パラントゥー」のワイン、今買うなら、1997年~2009年の間で、選べるとすれば、間違いなくこの2004年ものを選ぶでしょう。これほどクロ パラントゥーの真価を、隅々まで表現している年は、(現時点では)めったにありません。(金曜日の段階で、堅くて、そんなに本領を発揮していませんでした・・・。その理由は、私が臆病になって、早めに抜栓しなかったからです。実際に夜7時半に開けて、その日はやっぱり、味わいが「開き」ませんでした・・・。開店14時間前に開けていれば、もっと美味しくなったのに・・・。せっかく来て下さった方へ、本当に申し訳なく思います)(土曜日の段階で、味見しました!。格段に味わいの複雑さ、奥行きが開けてきて、途方もない味わい。一言でいえば、「ガッツリ開いて」います!。ここまで開くとは予想していましたが、あまりにも素晴らしいので、正直言って感動しています。涙が出そうなほど、素晴らしく、これは何が何でも、味わうべき、歴史的遺産だと思います) 120ミリ(70ミリ)◎コート デュ ルーション ヴィラージュ レ ミリエール 2008 (ドメーヌ ガルディエ) ¥1800(¥900) 仏・ラングドック・ルーション地方です。『南仏のモンスター』と言われるほど、パワフルで、果実味の豊かさに満ち溢れています。ただ濃いだけではなく、この地域特有の「ガリック」的な要素と、土のニュアンスがしっかりあって、かつ酸味も備えているので、ワインとしては、非常に完成度の高いものとなっています。こういうワインを生む南仏の土地のポテンシャルがあるので、新世界の安いワインは、霞んでしまいます。今回、久しぶりにこの生産者の2008年ものを仕入れましたが、やはり濃いだけではなく酸味も綺麗なので、どこか品の良さがあるのです。これは、新世界のワインには、代替できないフランスワインらしい個性だと思います。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎パイン リッジ メルロー ナパヴァレー クリムゾンクリーク 2006年 ¥2600(¥1300) カリフォルニア・ナパ地区です。ナパのメルローは、やはり一言で言えば、滑らかで甘い、葡萄のジュースを感じるような触感ではないでしょうか。その中でも、いろんなメルローがあって、これは、どこかフランスのサンテミリオンのワインに、憧れているような雰囲気を感じます。豊かで、パワーがありながら、どこか上品さや、赤い果実のニュアンスや、しっかりした「クラシックな」タンニンがあるからです。その「フレンチ風」のメルローの意味合いをぜひ。◎ニュイ サン ジョルジュ レ ペリエール 2007年 (ロベール シュヴィヨン) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方です。昨年末にワインの試飲会に行き、ものすごい数の中から、「これを仕入れよう」と思った、たった一本のワインです。2007年ものは、前評判とは裏腹に、意外にいいかもしれません。ミネラル感が綺麗で、2004年を彷彿とさせるものがあります。そして、ふんわりした優しい触感は、今飲んでも、十二分に美味しいのです。ブルゴーニュ好きだけではなく、果実味の素直な良さがはっきり出ているた め、ワインを苦手を考えている方へも、ぜひ飲んでほしい一品です。 (焼き鳥の盛り合わせと一緒に、ピシっ!とした綺麗な酸味が、鶏に振ってあるゲラン の塩と、柚子胡椒に良く合い、肥内鶏の身の締まった肉質の旨みに、ガッシリと合いま す)◎ヴォーヌ ロマネ レ スーショ 2008 (ジェラール ミュニュレ家) ¥3300(¥1700) 仏・ブルゴーニュ地方です。ジェラール・ミュニュレ家のワインは、ピシっとしたミネラルの鮮やかさと、豊かな葡萄の甘さの組み合わせが本当に見事なので、毎年ハウスワインとして買っています。さて、2008年ものは、ミネラルの凝縮した「塊」が、舌の中心 にクッ!と、押し込んできて、ワインとしてのポテンシャルは素晴らしいと思います。そして、最も大事なことは、「ふくよかなミネラル」なので、きつすぎなく、柔らかさがあるのです。ヴォーヌ ロマネの芳醇な豊かさと、この「ふくよかな」ミネラルのおかげで、とても完成度の高い味わいになっています。◎カベルネソーヴィニオン オークヴィル ナパヴァレー エステート ボトルド 2007(ゴーストブロック社) ¥5500(¥2800)カリフォルニア・ナパ地区です。とても数が少なく、貴重なので「カルトワイン」と評されています。これを最初に飲んだ時、「あー、ハーランに似ているな~」と思いました。肉づきのある豊かな葡萄のパワーを感じながら、酸味が綺麗で、トロっと丸みのある甘さがある・・・。そして、フレンチオークから来るであろう、奥行きから出てくる輝き。「現代的な」マルゴー村のワインに、非常に良く似ています。カリフォルニアでも、ここまで来たかという典型的なワインです。(さて、前回エレヴァージュで開けたものが2006年もの。今回は、偉大な年とされる2007年ものです。骨太のタンニンが、柔らかく、甘さを帯びているので、とても飲みやすく、さらに酸味の質がとても良くて、やはり、完成度の高いヴィンテージなんだな~と、感じます)●コルトン クロ デュ ロワ 1989(デュブルイユ フォンテーヌ家) ¥6800(¥3400) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、まさにブルゴーニュの美しい部分を、しっかり尊重した、古典的な味わいです。これこそ、ブルゴーニュの良さがここに詰まっているのではないでしょうか。色合いが薄いのに、味は豊かでいろんな色彩が、綺麗に織り込まれている・・。コルトンらしいふんわりした触感と、土のような柔らかいニュアンスが見事に融合しています。これこそ、本当に良いブルゴーニューだと思います。(このワイン、あと1杯で売り切れます。 売り切れたら、次にこれを開けます)●ニュイ サン ジョルジュ 1976(ジャン ピエール ミュニュレ家) ¥5500(¥2800) 仏・ブルゴーニュ地方です。この生産者のワイン、正直言って初めて飲みます。これが、ミュニュレ家のものかどうかは、今調べています・・・すいません。1976年という年は、あんまり知られていませんが、ブルゴーニュ地方にとって本当に素晴らしい出来で、葡萄の柔らかい丸さが、自然な熟成感を伴って見事なバランスを成しています。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.04
では、土曜日のデザートワインのリストです。★ほのかな甘口◎グラーヒャー ヒンメルライヒ シュペトレーゼ 2004(ヨハン ヨゼフ プリュムさん) ¥2200(¥1100)独・モーゼル地方です。「天上のネクター」と言われ、冷やした洋梨や、桃をツルリと飲み込んだかのような触感で、自然な酸味で、余韻がとても心地よい清涼感をもたらしてくれます。 ドイツワインは、ただ甘いだけではありません。この豊かな酸味こそ、素晴らしい上品さをワインに与えているのです。ドイツワインの生産者の中で、多くの人がこのプリュムさんに憧れて、このスタイルを目指すと言われる、理由がここにあります。「ドイツワインなんだただ甘いだけ」と、間違った認識を持たれている方へ、無理矢理飲ませたい・・・(卍固めをかけながら、元気ですか!)。★貴腐ワイン◎シャトー クリマン 1973 60ミリ・・・¥3500(¥1800) 仏・ボルドー地方、バルザック地区です。クリマンは、ディケムの最大のライバルで、ズドーン!という立体感のある迫力のあるディケムのスタイルとは対照的です。つまり、純粋に酸味が綺麗で、キューンという鮮やかな上品さがあるのです。セミヨン100%だけを使ったその酸味の美しさは、他のどの蔵でも真似できないほど気高いものがあります。1973年という年は、正直言ってあんまり良くありません。しかし、この酸味の質の高さから判断して、失望することはないと思います。◎キートリッヒャー グレーフェンベルグ ベーレンアウスレーゼ 1998 (ロバート ヴァイルさん) 50ミリ・・・¥6400(¥3200) 独・ラインガウ地方です。おそらく、世界の貴腐ワインの中で、最高峰の一つではないで しょうか。これほどまでに密度が濃くて、しかも、サラリと喉の中に滑り込んでいく・・・。 このさりげなさ。そして、口に含んだ時の、圧倒的な満足感。この世のものとは思えない ほど、位の高い味わいです。1998年ものは、雨と暑い気候が交互にやってきて、極めて ジューシーな、果汁を感じる年で、その品質の高さは、意外に知られていません(マイケル ブロードベントおじいちゃんは4つ★をつけています)★ヴィン サント(イタリアの陰干しぶどうからの甘口ワイン)◎ヴィン サント トスカーノ ヴィラ ディ ヴェトリス 1985 (G.グラーティ社) 60ミリ・・・¥2000(¥1000) 伊・トスカーナ地方です。これはまるでシェリーの甘口・オロロソのような豊かな甘さと、酸味が綺麗に溶け込んだふくよかさが同居した、とても魅力的なデザートワインです。1985年ものということもあって、とても自然で、甘さが突出せず、豊かな酸味が、複雑な奥行きを見せています。こういう世界も、一度好きになってしまうと、もう止められません・・・。(好評なので、2本目を開けました!)★熟成した日本酒の甘口◎達磨正宗 純米甘口芳香 昭和59年度醸造酒 蔵出しは2007年(1984年醸造) 60ミリ・・・¥2800(¥1400)岐阜県の蔵です。今まで、ずっとこの蔵の熟成したものを置きたいと思ってきました。「日本酒は、熟成しない」と言われますが、そんなことはありません。熟成した日本酒を作るために、この蔵はずっと研究してきて、ここまで素晴らしいものが出来ました。紹興酒が持つ溶けた奥行き、マディラワインの持つ強烈なパワー、ポートワインが持つ豊かな甘さ、その3つの全てを兼ね備えた、世界的に見ても、本当に偉大なお酒だと思います。やはり、ここまで複雑な甘さを作るのは、日本人ならではの繊細で、忍耐のいる仕事に他なりません。このお酒は、お店に来てくれた人に、何が何でも飲ませたいほど、素晴らしいのです。(4月20日に味見しました!。これを飲むのは4回目なのですが、やはり、素晴らしいです・・・。溶け込んだ、複雑な旨みは、もうたまりません・・・。どの温度で出そうか悩んだ挙句、16度で固定することにしました。(あえて常温という言葉を使わず)室温だと味わいが本当にぼやけてしまって、たしかに美味しいのですが、この日本酒のポテンシャルを表現できていないような気がします。それで、16度にしてみると、酸味と、甘苦みの輪郭が出て来て、スケールの大きい骨格に変わるのです。冷やし過ぎると逆にふくらみが出てこないので、この温度管理は本当に難しいです。ひとまず、16度でずっと固定したいと思います)★ポートワイン●キンタ ド ノヴァル 1997 ヴィンテージ 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。これは、アメリカ人の評論家・パーカーさん100点満点ワインです。いつも彼の満点ワインを飲んで思うのは、「濃縮ブドウジュース」の味がする、ということ。つまり、彼の価値基準はそこにしかないように思えます。しかし、これを飲んで、満足感を得られないことはないような気がします。究極のブドウの甘さ、そして、凝縮した酸味の鮮やかさ、それらが混ざり合って、球体のようなバランスの良さがあります。キンタ・ド・ノヴァルは、数多くあるポートワインの中でも、最も 酸味が強く、「上品」を言われます。その真髄をぜひ・・・。「濃縮ブドウジュース」のような味わいができるのは、自然条件を考えると奇跡に近い現象です。そういう奇跡を体感できるという意味では、価値が高いと思います。●フォンセカ ヴィンテージ ポート 1966 60ミリ・・・¥5500(¥2800) ポルトガル産です。フォンセカのポートは、表面的にはクラシックで、人を寄せ付けない雰囲気を持ちますが、実は、奥深い柔らかさを持った、とても好ましい味わいなのです。1966年というヴィンテージは、1963年と並び、本当に偉大な出来で、果汁溢れる葡萄らしさと、コクの厚みが桁外れです。その凄まじいポテンシャルを、しっかり感じることができるのではないでしょうか。★おすすめモルトウイスキー ~ABC順で、在庫にあるオススメのものを、載せていきます。 値段30ミリ(18ミリ)◎グレンドロナック 1968 蒸留所元詰め ¥3500(¥1800) (750ML 43%VOL 1993年に瓶詰めされた25年もの) スコットランド・ハイランド地区です(正確には東ハイランドに近い)。これは、 1993年に瓶詰めされた、本当に貴重なシェリーの空樽からの味わいで、 麦芽の素朴な甘さと、まるで、ベリー系のフルーツを煮詰めたような、深い 甘さがあります。こういう甘さは、現在のグレンドロナック蒸留所からは出て こない特別なもので、口に含んだ時の広がりが、桁外れです。20年前にこ の蒸留所が発売していた、12年もののシェリー カスクのものに非常に似ていて、単純にシェリー樽からの甘さだけではなく、麦芽の濃密な甘さが、見事 に融合しています。こういう味わいは、現在ではほとんど手に入らなくなってしまいました。 (2011年3月に開栓し、5月30日に味見しました!。改めて飲むと、やっぱり 素晴らしいです。1950~1960年代のマッカラン、特にイタリア向けのオールド ボトルに共通する、シェリー樽由来の甘さの重層感は、もう止められません。グラス に注いで、30分~1時間はゆっくり味わって欲しいです。香りの移り変わりが、 もうこれしかないというほど、完成度が高いのです) ★おすすめ食後酒◎フィーヌ ド ブルゴーニュ 1979(DRC・ロマネコンティ社) 30ミリ¥6600(18ミリ¥3300) 仏・ブルゴーニュ地方です。いわゆる「ロマネコンティ」などを作っている、この地域で、最も有名な生産者です。いつも彼らのブランデーを飲み度に、「いい葡萄を使っているな~」と感じます。つまり、「皮の隅々まで熟している」のが、伝わってきます。この「FINE」というブランデーは、「MARC]とは違って、とても上品です。「MARC]が、ワインを絞った後の、葡萄の搾りかすから作り、エグミがしっかりある強烈な個性の味わいなのに対し、「FINE」は、葡萄を新鮮な状態で絞るために、とてもピュアで、汁気のある上品な味わいに仕上がります。特に、この1979年ものは、現在ではほとんど手に入らないと言っても差し支えないほど、数が希小です。(4月12日に味見しました!。この1979年ものを飲むのは、4回目なのですが、やはり、とても上品で、葡萄の蜜のような甘さが、内面から湧き出てくるようです。えぐみの強いマールとは異なり、やはり葡萄の圧倒的な質の良さを感じます。) ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)日曜日と祝日は、休ませていただきます。
2011.06.04
明るい太陽の光が、この西麻布のお店に、入り込んできています・・・。そんな土曜日の朝に、皆様いかがお過ごしでしょうか。ところで、昨日開けたエマニエル・ルージェさんの、ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004年、私が開けるタイミングが遅すぎて、昨日の段階で、味わいが堅すぎて、「開き」ませんでした・・・。せっかく来て下さった方へ、本当に申し訳ありません。なぜ12時間以上前に開けなかったのか、心から後悔しています。ただし、あまりにも味わいが堅かったので、昨日はほとんど売っていません。 ですから、今日は、丸々1本残っていますので、飲みたい方は、ぜひ・・・。今までの経験から言えば、味わいの複雑さと広がりが一気に出てきて、とてつもない味わいになるでしょう。今日の味わい、ぜひ期待してください。では、よい土曜日をお過ごし下さい。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。エレヴァージュ 吉田 岳史
2011.06.04
では、金曜日の赤ワインのリストです。★エマニエル ルージェさん●ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2004 40ミリ・・・¥5800 仏・ブルゴーニュ地方です。もうこの「クロ パラントゥー」の畑に関しては、語りつくせないほど偉大な畑です。金曜日までにメルマガをもう一本書きますが、本音を一つ述べたいと思います。彼のこの「クロ パラントゥー」のワイン、今買うなら、1997年~2009年の間で、選べるとすれば、間違いなくこの2004年ものを選ぶでしょう。これほどクロ パラントゥーの真価を、隅々まで表現している年は、(現時点では)めったにありません。 120ミリ(70ミリ)◎コート デュ ルーション ヴィラージュ レ ミリエール 2008 (ドメーヌ ガルディエ) ¥1800(¥900) 仏・ラングドック・ルーション地方です。『南仏のモンスター』と言われるほど、パワフルで、果実味の豊かさに満ち溢れています。ただ濃いだけではなく、この地域特有の「ガリック」的な要素と、土のニュアンスがしっかりあって、かつ酸味も備えているので、ワインとしては、非常に完成度の高いものとなっています。こういうワインを生む南仏の土地のポテンシャルがあるので、新世界の安いワインは、霞んでしまいます。今回、久しぶりにこの生産者の2008年ものを仕入れましたが、やはり濃いだけではなく酸味も綺麗なので、どこか品の良さがあるのです。これは、新世界のワインには、代替できないフランスワインらしい個性だと思います。◎シャトーヌフ デュ パプ レ カイユ 2006(アンドレ ブリュネル家) ¥2000(¥1000) ~仏・ローヌ地方です。これほど美しくて、伸びやかな酸味をもったシャトーヌフ・デュ・パプ は、他にあるでしょうか。この地域のワインは、もともとは、荒々しくて、強引で、野生的す ぎる傾向がありました。しかし、最近の生産者は、ブルゴーニュの作り手が持つ美しい酸味 を自分のものに取り入れようとしています。その結果、熟成の初期でも比較的美味しく、 さらに、極めて長期間、「美味しいまま」熟成する能力を身に着けたのです。 (クジラのカルパッチョと、絶妙に合います。スパイシーな赤ワインと、生姜醤油の鮮やかな 辛さが相乗し、肉の旨みが柔らかく出てきて、最高の調和が生まれます)◎パイン リッジ メルロー ナパヴァレー クリムゾンクリーク 2006年 ¥2600(¥1300) カリフォルニア・ナパ地区です。ナパのメルローは、やはり一言で言えば、滑らかで甘い、葡萄のジュースを感じるような触感ではないでしょうか。その中でも、いろんなメルローがあって、これは、どこかフランスのサンテミリオンのワインに、憧れているような雰囲気を感じます。豊かで、パワーがありながら、どこか上品さや、赤い果実のニュアンスや、しっかりした「クラシックな」タンニンがあるからです。その「フレンチ風」のメルローの意味合いをぜひ。◎ニュイ サン ジョルジュ レ ペリエール 2007年 (ロベール シュヴィヨン) ¥3500(¥1800) 仏・ブルゴーニュ地方です。昨年末にワインの試飲会に行き、ものすごい数の中から、「これを仕入れよう」と思った、たった一本のワインです。2007年ものは、前評判とは裏腹に、意外にいいかもしれません。ミネラル感が綺麗で、2004年を彷彿とさせるものがあります。そして、ふんわりした優しい触感は、今飲んでも、十二分に美味しいのです。ブルゴーニュ好きだけではなく、果実味の素直な良さがはっきり出ているた め、ワインを苦手を考えている方へも、ぜひ飲んでほしい一品です。 (焼き鳥の盛り合わせと一緒に、ピシっ!とした綺麗な酸味が、鶏に振ってあるゲラン の塩と、柚子胡椒に良く合い、肥内鶏の身の締まった肉質の旨みに、ガッシリと合いま す)◎ヴォーヌ ロマネ レ スーショ 2008 (ジェラール ミュニュレ家) ¥3300(¥1700) 仏・ブルゴーニュ地方です。ジェラール・ミュニュレ家のワインは、ピシっとしたミネラルの鮮やかさと、豊かな葡萄の甘さの組み合わせが本当に見事なので、毎年ハウスワインとして買っています。さて、2008年ものは、ミネラルの凝縮した「塊」が、舌の中心 にクッ!と、押し込んできて、ワインとしてのポテンシャルは素晴らしいと思います。そして、最も大事なことは、「ふくよかなミネラル」なので、きつすぎなく、柔らかさがあるのです。ヴォーヌ ロマネの芳醇な豊かさと、この「ふくよかな」ミネラルのおかげで、とても完成度の高い味わいになっています。◎カベルネソーヴィニオン オークヴィル ナパヴァレー エステート ボトルド 2007(ゴーストブロック社) ¥5500(¥2800)カリフォルニア・ナパ地区です。とても数が少なく、貴重なので「カルトワイン」と評されています。これを最初に飲んだ時、「あー、ハーランに似ているな~」と思いました。肉づきのある豊かな葡萄のパワーを感じながら、酸味が綺麗で、トロっと丸みのある甘さがある・・・。そして、フレンチオークから来るであろう、奥行きから出てくる輝き。「現代的な」マルゴー村のワインに、非常に良く似ています。カリフォルニアでも、ここまで来たかという典型的なワインです。(さて、前回エレヴァージュで開けたものが2006年もの。今回は、偉大な年とされる2007年ものです。骨太のタンニンが、柔らかく、甘さを帯びているので、とても飲みやすく、さらに酸味の質がとても良くて、やはり、完成度の高いヴィンテージなんだな~と、感じます)●コルトン クロ デュ ロワ 1989(デュブルイユ フォンテーヌ家) ¥6800(¥3400) 仏・ブルゴーニュ地方です。これは、まさにブルゴーニュの美しい部分を、しっかり尊重した、古典的な味わいです。これこそ、ブルゴーニュの良さがここに詰まっているのではないでしょうか。色合いが薄いのに、味は豊かでいろんな色彩が、綺麗に織り込まれている・・。コルトンらしいふんわりした触感と、土のような柔らかいニュアンスが見事に融合しています。これこそ、本当に良いブルゴーニューだと思います。ワインバー エレヴァージュ東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル 2F TEL(FAX)03-6419-3889ノーチャージ 営業時間:19時~4時まで。(終日、禁煙です。21時までは予約を承ります)
2011.06.03
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